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    子ども達の無病息災を祈って練り歩く、上山八幡宮の神輿渡御と稚児行列

    子ども達が煌びやかなお飾りと着物を纏い、神様やお神輿と一緒に町内を練り歩く「稚児行列」近年は新型コロナウイルスの影響により境内でのご祈祷のみとなっていましたが、今年は4年ぶりに以前の形に戻りました。お神輿を担ぎながら子ども達の様子を取材しました。

    南三陸の稚児行列とは

    ”稚児行列”とは日本各地で行われている伝統行事の1種で、稚児(乳児・幼児の意味)が綺麗なお化粧や着物を身に纏って町内を歩き、無病息災をお祈りするものとされています。

    着替えの後は子ども達も神事に参加

    南三陸町の稚児行列では来年度から小学生になる子ども達を対象にしており、今年は9月17日(日)に5〜6歳の子ども達25名が参加しました。

    お神輿と稚児たちの準備

    会場である上山八幡宮に集まった子ども達は着物に着替え、飾りを付け、お化粧をしてもらいます。着付けには南三陸五社之氏子青年会メンバーの他に、震災当時からボランティア活動で来町しているフェローズ・ウィルのメンバーの方々にもお手伝いいただきました。

    お化粧をしてもらって準備ばっちり!

    それと同時並行で、男手でお神輿を倉庫から出し、台車と合わせます。

    持ち上げるのも一苦労なお神輿を慎重に運びます

    その後、お神輿に神様を祀る神事を行い、こちらも準備万端となりました。

    神様をお神輿にお呼びします

    天狗の鼻はなぜ長い?

    南三陸町の稚児行列には”天狗様”がいらっしゃいます。列の前方を歩き、その赤い顔はまだ幼い子ども達から泣き喚かれることもしばしば。

    暑さ対策も万全になった天狗様。立っているだけで威圧感があります。

    そんな天狗様の鼻はなぜ長いのか、そもそもなぜ稚児行列に参加しているのか、疑問に思った私は禰宜の工藤真弓さんにその意味についてお聞きしました。

    上山八幡宮の禰宜である工藤真弓さん(右)と、南三陸五社之氏子青年会の後藤黎亜さん(左)

    「天狗様は最初に地上に降り立ったまだ幼い神様を導いたとされる神様です。その長い鼻で行き先を示し、導き、赤い顔は危険を知らせるための色とされています。稚児は神様のお遣いと言われているので、天狗様が前を歩き道を示し、危険な場所を知らせる大事な役目を持っています」

    この長い鼻にも天狗様がいることにもちゃんとした意味がありました。畏怖の意味ではなく、子ども達を守る神様として参加されていたのですね。天照大神の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が地上に降り立った時の神話(天孫降臨)があり、その中に出てくる瓊瓊杵尊を導いた神様(猿田彦神)が天狗というわけです。

    境内〜震災復興祈念公園へ

    神事が終わり、いよいよ稚児行列が始まりました。今回は上山八幡宮からさんさん商店街を通り、南三陸町震災復興祈念公園までのコースとなります。横断歩道が目の前に出来たので、以前よりも遥かにスムーズに渡れるようになりました。

    お旗持ちや塩を撒く役が先頭を務めます。
    お神輿の後ろに稚児が続きます。
    保護者と手を繋ぎながら歩きます。

    稚児達が南三陸311メモリアル前を通る際、保護者の皆様以外にも観光で訪れていた方々から拍手や「かわいいね〜」など、たくさん声を掛けられていました。なかなか見ることのない行事に「これはなんのお祭りかしら?」と行列に付き添うスタッフに質問をする方も。年に一度の行事を偶然見れたこと、子ども達のお祭りだということを伝えると、一緒に安全祈願をしていただきました。

    たくさんの人に見られると少し照れてしまいますね
    中橋を渡る際は、お神輿は橋の入り口でお留守番となりました

    さんさん商店街〜境内へ

    復路ではさんさん商店街の中に入り、少しだけ水分補給をしてから境内へ戻りました。

    観光客の皆さんもお神輿の掛け声に合わせてくれました
    休憩中の天狗様とじゃんけんをして遊ぶ女の子たち

    お神輿の掛け声に合わせて、フードコートで料理を待つ観光客の方々も「わっしょい!わっしょい!」と一緒にこの稚児行列を盛り上げてくださいました。神社や地元の方だけでなく、この町に訪れる方々の温かさにも触れられたお祭りとなりました。

    来年からこの子ども達は小学1年生。安心安全に楽しい学校生活を送れますようにと祈りを込めて。

    子ども達に優しい町でありますように

    大人も夢中!南三陸の生き物を知る自然史ワークショップ!

    南三陸の自然や生き物について遊びながら深く学べる「南三陸子ども自然史ワークショップ2023」今回も多種多様なワークショップを通じて、自然の豊かさや生き物の生態について「そうなんだ!」と子どもも大人も目をキラキラさせながら夢中になっていました。

    盛りだくさんなワークショップ

    7月17日(月)の海の日に戸倉公民館2階を会場に14回目となる「南三陸子ども自然史ワークショップ」が開かれました。今年は、プログラムとおたのしみコーナー合わせて計8種類が全て現地で開催され、新型コロナウイルスの影響も少ない状態での開催となりました。

    開場してすぐに駆けつけると、すでにたくさんの参加者でいっぱいに。

    受付に並ぶ列は常に人がいる状態に

    受付のすぐ隣にある「ぺたぺたバッグ」では、消しゴムハンコに精巧に掘られた南三陸の生き物や植物から好きなものを選び、オリジナルのリュックを作ることができます。

    どのハンコにするか考え中・・・

    岩手大学の自然史探偵団の皆さんは南三陸に住む生き物たちに関するカードを使った神経衰弱のゲーム「これで君も生きもの博士!」を使い、子どもたちと一緒に遊びながら大学で勉強している生き物についての知識を伝えていました。

    神経衰弱なのでカードに書かれた言葉もいつの間にか覚えられる
    なかなか作り込まれたカードたち

    また、キッズコーナーには小さい子も遊べるブースを用意し、塗り絵や釣りゲームを南三陸高校の自然科学部の生徒さんたちが盛り上げていました。

    小さい子たちは図鑑で見ていた生き物の剥製にびっくり

    私たちは南三陸の「ハカセ」です!

    この会場には「ハカセ」がいるらしく、そのハカセを探してお話をする「ハカセに突撃インタビュー!」もおたのしみコーナーの1つです。

    ハカセたちはわかりやすいように名札を下げたり、ハカセのような格好をしているということですが・・・

    みんな話しかけて!と意気込んでいた林業博士

    いました。林業博士の佐藤太一さん。白衣ではなく森林作業の服を着て子どもたちにアピールしていました。南三陸の林業や南三陸杉について教えてくれます。

    たくさん質問が来て嬉しい博士たち

    また、こちらは化石と鳥の博士たち。「こういう役は柄じゃないけど楽しいね」と少し照れながらも、キッズコーナーで子どもたちから質問攻めにあっていました。見て感じて浮かんできた「なんで?」を直接聞けるのも貴重な機会。子どもたちにとって本当の「博士」とのお話は刺激になったことでしょう。

    くじらの不思議

    今回が初参加の「おしかホエールランド」の皆さんはプラ板で作る「クジラストラップ」と、鯨の骨を3Dプリンターでスキャンして出力した模型などを展示するブースを出展。

    クジラも実は種類がたくさん!

    クジラは知っていてもその生態や骨の大きさ、形までは知らないもの。水族館でも見れない生き物の不思議を職員さんから模型を使ってじっくり聞けるまたとない機会に子どものみならず大人もついつい夢中に。

    3Dプリンターで作った模型と実際の骨

    クジラストラップでは好きな色でクジラをデザインし、クジラの外見と骨格の2種類のストラップが作れました。

    オリジナルだからどんなデザインにしても問題なし
    イルカの骨も展示されていました

    知っていても実は知らない「ヒトデ」

    よく海で見かける「ヒトデ」は馴染みある海の生き物の一種ですが、よくよく考えると知らないことばかり。今回は「5角形の動物のふしぎ」と題して、折り紙でヒトデを作りながらその秘密を探るワークショップを~travelling museum~博物倶楽部さんが開催。

    大人もつい「んん?」となってしまうクイズ

    「この中でヒトデが食べるものはどれでしょう?」「え?ヒトデって貝も食べれるのかな?どれだろう」とクイズ形式でヒトデの生態について学習していました。

    好きなことを好きなだけ語れる場所として

    会場内はスタッフや参加者含め「生き物大好き!」「自然大好き!」なことが肌で感じられるような雰囲気に包まれていました。この南三陸自然史ワークショップの初開催から関わっている西澤真希子さんにお話を伺いました。

    「初回の2012年は南三陸町のネイチャーセンターが復活することを町内の人に周知したい、ということで相談を受けて開催しました。その後はテーマを絞った回でウタツサウルスの研究の現状や町の化石について取り扱ったりしつつ継続して開催できるよう通い続けました。そしてイベントを続けていく中で関わってくれる人がそれぞれの得意なことを持ち寄って賑やかになっていく。その流れがおもしろかったのを覚えています」

    オレンジ色の服を着ているのがハイジさん

    また、今回の会場責任者である南三陸ネイチャーセンター友の会のハイジさんは、学生にとっても大事な場になっていると話をしてくれました。「今回手伝ってくれている大学生も元々繋がりがあった子もあればなかった子もいる。興味があったら手伝ってと声をかけて、また次の時も声をかけるようにしている。そうして手伝いにきた大学生と地元の高校生が関わることで”大学生”を知る機会になったり、大学生が研究者の大人と交流する場所にもなっている」

    最後にこの会場の雰囲気がとっても心地良いと話したところ「ここに来れば自然の話をしていい、という安心安全が保たれている。どんな話でもわかってくれる人がいるっていうのは楽しいよね」と未来の研究者の卵たちを見つめながら微笑んでいました。

     

    三陸沿岸を駆け抜け、食を満喫する!「ツール・ド・東北」4年ぶりに本格開催!

    東日本大震災で被災した県沿岸部を自転車で巡る「ツール・ド・東北2023」が9月16日(土)、17日(日)に開催されました。コロナ禍以来4年ぶりとなる本格開催で南三陸町を縦断するコースも復活。町内3ヵ所に設置されたエイドステーションでは、南三陸町ならではの食でライダーをもてなしていました。

    4年ぶりに南三陸縦断コースが復活した「ツール・ド・東北」

    「ツール・ド・東北」とは全国的にサイクルツーリズムが広がりを見せている中で、東日本大震災後の2013年から宮城県石巻市をメイン会場に開催されているサイクリングイベントです。主催はYahoo!株式会社と河北新報社。「東日本大震災からの復興支援と、震災の記憶を未来に残していくこと。」を目的に開催しています。

    例年2日間にわたり、最大9コースでの大会を開催していましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年、2021年はリアルの大会を中止。「バーチャルライド」としてオンライン大会の開催となりました。昨年2022年は3年ぶりに小規模ながらリアルでの開催となりましたが、コースは2つのみ。石巻スタートで神割崎までのコースとなり、残念ながら南三陸町内を駆け抜けるライダーに出会うことはありませんでした。しかし2023年は2022年の2コースから5コースに増え、気仙沼往復のコースも復活。南三陸町内を縦断するライダーの姿も4年ぶりに復活し、参加者も2日間合計で2000名以上が参加するなど従来の盛り上がりを取り戻していることを感じられました。

    ボランティアスタッフも全国から集まり、多くの人の支えによりイベントが運営されていました

    「ツール・ド・東北」の魅力はやっぱり「食」

    「ツール・ド・東北」の最大の魅力は、コース沿いに設定されているエイドステーション(休憩所)で提供される三陸沿岸の恵みを生かした食事の数々です。南三陸町内には「神割崎」「ホテル観洋」「歌津」の3ヵ所に設置。神割崎以外のエイドステーションは4年ぶりということもあり、多くのライダーがこの日を待ち望んでいたことでしょう。

    多くのライダーが立ち寄る神割崎エイドステーションでは、三陸産わかめご飯の上に南三陸の海が育んだ名産の銀鮭フレークをトッピングした「鮭わかめごはん」が提供されました。優しい味わいのごはんで疲れた身体も思わずホッとするようなごはんに舌鼓をうっていました。

    お昼ごろに到着するコースのライダーには、同じく南三陸産の銀鮭をサクッと揚げて特性のカツにした「サーモンカツカレー」を提供。

    神割崎のエイドで休憩をしていた東京から来て仲間で参加しているという皆さんに話を伺いました。全国の自転車イベントに参加していますが「ツール・ド・東北の魅力はなんといってもエイドのごはんのおいしさです!これが楽しみでやめられません。」と話してくれました。また、何度もツール・ド・東北に参加していただきながらその道中で復興への想いにも気持ちを馳せているそう。

    「今回初めて参加した仲間もいるので、ここに来るまでの間で石巻市の大川小学校にも少し立ち寄らせていただきました。それぞれ考えることが多くあったようです。」と話します。

    また、神奈川県から久しぶりに参加したという参加者は「記憶にある道から大きく変化していたり、復興の流れを感じられます。これから走る南三陸の道中もどんな変化があったのか楽しみながら走っていきたいです。」と話していました。

    コース沿いのスポットにも立ち寄りながら自分のペースで走ることができるのも魅力のひとつ

    ライダーにとっても楽しいと好評の山あり海ありの南三陸のコース

    「お疲れ様ですー!」

    「カレー食べてゆっくり休んでいってね」

    とお母さんたちのひときわ元気な声が響き渡るのが、ハマーレ歌津商店街の横にある宮城県漁協歌津支所に設置された歌津エイドステーション。

    「応縁飯」としても非常に人気の高い「ホタテカレー」が4年ぶりに復活とあって、この味わいを楽しみにしてきたライダーも多いそう。ボイルしたホタテが豪快にカレーに乗っていて思わず手にした皆さんも写真に収めるほど豪快な一品です。

    「神割崎から歌津までのコースは山あり、海ありで走っていてツール・ド・東北のなかでも特に楽しいコースです。アップダウンも多いので身体にはこたえますけど・・・(笑)。このへん(歌津)もだいぶ町並みが変わりましたね」とお話してくれたのは4回目の参加となるライダーさん。「おいしいカレー食べて、もうひとっ走り楽しんできたいと思います!」とエイドステーションで英気を養って、再びペダルを漕ぎ始めます。

    注目を集めるサイクルツーリズムをどのように地域で展開するか

    イベント収益の一部は「ツール・ド・東北基金」として積み立てられています。積み立てられた基金は、自転車を活用した東北地方の観光振興やサイクリングロードの整備など復興活動の助成金として活用されています。

    健康で、エコな「マイクロツーリズム」が注目される今、「サイクルツーリズム」は地域戦略としても非常に重要な位置づけとして語られることが多くなっています。南三陸町においても志津川地区のグランドデザインが完成し、さんさん商店街、復興祈念公園、うみべの広場、サンオーレそではまと周遊性のある町が完成。

    「ツール・ド・東北」が10年間継続して自転車イベントを開催してきたことで、町民にも徐々に自転車文化が浸透。この経験を経て、今後の南三陸町での展開や活用に期待します。

    県内有数の綺麗な海!サンオーレそではま海水浴場の海開き&海の家特集

    今年もサンオーレそではま海水浴場がオープン!新たな国際認証「ブルーフラッグ」を取得したサンオーレには初日から町内外からたくさんの方が遊びに来ました。安全祈願祭の様子と海の家のおすすめメニューを取材しました。

    海の安全祈願祭

    天気の影響で予定より1日遅れの7月16日(日)に安全祈願祭がサンオーレそではま海水浴場にて執り行われ、町長や観光協会ら関係者が出席し遊泳期間の無病息災をお祈りしました。

    関係者らが出席した安全祈願祭

    また、7月に取得した「ブルーフラッグ」について町役場商工観光課から新しく導入されるバリアフリー設備や備品、取得の証であるブルーフラッグが紹介され、サンオーレそではまが開場となりました。

    新たに導入されたバリアフリー設備について紹介
    健常者も使えるバリアフリーボート

    来場者の声

    この日、仙台から毎年遊びに来ているというご家族にお話しを伺いました。

    夏の思い出をしっかりカメラに残すお母さん

    「とっても安全で環境も綺麗で自然もたくさんあるので、子どもたちがとにかく大好きです」
    近場に他の海水浴場もある中、サンオーレが一番安心して遊べるという理由で来場。
    波も穏やかな海で、子どもたちがボートや浮き輪を使って楽しむ姿をカメラに収めながらお話ししてくださいました。

    夏休みを満喫するご家族

    海の監視やイベントなどの運営を担当する南三陸町観光協会の佐藤快成さんは、今年のサンオーレについて「今年はコロナ禍が収まってきた中でたくさんの方に来場してもらうために、様々なイベントも準備しています。南三陸で夏の思い出を作ってほしいです」と意気込みを語ってくれました。

    今年はライフセーバーさんも監視員に加わり、海の安全を守ります

    海の家特集〜aimaki〜

    海といえば外せないのが「海の家」。今年出店している3店舗にそれぞれ自慢の品をお聞きしました。

    まず1店舗目は「aimaki」さん。歌津に本店があり、その本格的なタイ料理は町内外で大人気です。

    海で食べるガパオライスとチャイラテもおしゃれでいいですね

    そんなaimakiさんのおすすめメニューは「ガパオライス」と「チャイラテ」!
    本店でも人気の高い両メニュー。ガパオライスは「ガパオ」という葉を入れて作る本格派、チャイラテは出来合いの物ではなく素材から作り、茶葉とスパイスを煮出して作っています。
    実店舗でもおすすめのメニューを海の家でも味わえるのがいいですね。

    海の家特集〜髙橋栄策商店〜

    2店舗目はイベントには欠かせないお店の一つ「髙橋栄策商店」さん。
    店主の栄策さんおすすめのメニューは故郷神戸の「そばめし」!

    気さくで明るい店主の栄策さん

    地元のソウルフードでもあるそばめしは子どもの頃から大好きな童心に帰れる味で、ぜひ南三陸でも作ってみたかったとのことで今回の出店で初めてお出しするそうです。

    そばめし以外にもお腹が空いてしまうメニューがたくさんあります

    お蕎麦とご飯、両方の美味しさを楽しめるそばめしをぜひご賞味ください!

    海の家特集〜浜の屋〜

    最後の3店舗目は海の家といえば「浜の屋」さん!
    香ばしい浜焼きのにおいに誘われて取材中も行列が絶えませんでした。

    取材中もひっきりなしにお客さんが訪れる

    今年のおすすめメニューをお聞きしたところ、う〜んと少し考えた後に「みんなに喜んでもらえるような商品を提供しているので、おすすめは全部です!」と全メニューをご紹介いただきました。

    海水浴場を毎年盛り上げてくれる浜の屋のお父さん

    海の家定番メニューから、イートイン可能なテーブルやテントもあるのでお昼休憩にどうぞ!

    イカ焼きに牡蠣とホヤ、帆立が並ぶ

    今年の海水浴場開設期間は8月20日(日)までとなっております。
    詳しい情報や開設情報については、南三陸観光ポータルサイトをご参照ください。

    ▽南三陸観光ポータルサイト
    https://www.m-kankou.jp/sun-ole/

    2体のモアイ像が町を見守る新名所誕生。志津川湾を望む「うみべの広場」オープン

    7月29日(土)に新しくオープンした「うみべの広場」には、南三陸町の復興のシンボルでもあるモアイ像が移設されています。1960年(昭和35年)のチリ地震から30年後に寄贈されたモアイ像と東日本大震災後に門外不出だったイースター島の石を使って作られたモアイ像。新旧2体のモアイ像が永住の地で並び立ち町の発展を見守る新名所が誕生しました。

    津波とモアイによって結ばれた60年以上に渡るチリと南三陸の絆

    南三陸町から太平洋を挟んで地球の反対側にある南米のチリとは「地震」「津波」によって結ばれた縁があります。1960年(昭和35年)に発生したチリ地震で日本列島太平洋沿岸に津波が襲来し、町民41名が犠牲となる大きな被害となりました。当時の壊滅的な被害から共に復興を目指した友好の証を後世に伝えるため、1990 年(平成2年)には国鳥コンドルの碑がチリ共和国から贈られ、また、1991 年(平成3年)にはチリ人の彫刻家によりモアイ像が制作され松原公園に設置されていました。

    しかし、2011年(平成23年)に発生した東日本大震災の津波によりモアイは流出。瓦礫の中から発見されたモアイ像は、モアイを活用した取り組みを行ってきた南三陸高校(旧志津川高校)の敷地内に一時移設されました。

    東日本大震災の津波で流出し、志津川高校の敷地内に移設されたモアイ像の頭部

    この取り組みを知ったチリ政府関係者とイースター島の長老が門外不出のイースター島の石を使ったモアイ像を制作することを決意。そして2013年(平成25年)5月イースター島の石を使った本物のモアイ像が約17,000㎞の距離を旅して、南三陸の地に降り立ちました。

    これまでイースター島の石を使い彫られたモアイ像が島外に出たことはなく、また眼が入ったモアイは世界に2体しかないため、非常に貴重なものとなっています。

    未曾有の震災からいち早く立ち直った象徴でもあり、全国からのボランティアが集う場所でもあった、仮設のさんさん商店街。そして2018年(平成30年)からは復興そして賑わいの象徴でもある本設の南三陸さんさん商店街にて南三陸の復興を見届けてきました。

    さんさん商店街から歩いてすぐ!志津川湾を望む「うみべの広場」

    今回、南三陸高校にあったモアイ像と南三陸さんさん商店街にあったモアイ像の2体が移設されたのは、さんさん商店街から海側へ300メートルほどの距離に整備された「うみべの広場」です。

    しおさい通りの一角にある広場は芝生エリアを囲むように舗装され、キッチンカーやテントを設置したイベント利用も想定されています。約5100平方メートルで、周辺には新たに駐車場も複数設置。トイレ、休憩スペースの東屋が設置されています。

    東日本大震災で壊滅した志津川地区の復興計画における、隈研吾さんがデザインした志津川地区グランドデザインで重要なキーワードとなっているのは「回遊性」。コンパクトでウォーカブル、そしてサステナブルなエリアを意識した観光交流エリアの最後の仕上げがこの「うみべの広場」となりました。

    さんさん商店街を抜けるとしおさい通りがあって、その先にモアイ像2体があるうみべの広場。さらに、八幡川を挟んだ東西が中橋によってつながることで復興祈念公園との回遊性が生まれることが期待されます。

    隈研吾氏のグランドデザインで描かれる新しい町のイメージとは?

    復興事業における最後のテープカット

    7月29日に「うみべの広場」オープニングセレモニーと移設されたモアイ像2体のお披露目の除幕式が執り行われました。

    この公園のオープンをもって志津川地区のグランドデザインも完遂。

    「震災以降、何度も何度もテープカットを行ってきたが、今回のオープニングセレモニーで復興事業の最後のテープカットになった。12年半かかったが南三陸町の復興事業がすべて終了したことになるので感慨ひとしお」と佐藤仁町長は語りました。

    「モアイ像は、逆境に直面した両国民の立ち上がる力、復興力、回復力と意欲をたたえ、深い友情と連帯の絆の証」と話すのは駐日チリ大使館のルイス・パルマ臨時代理大使。2022年(令和4年)末に発生したイースター島の火災によって被害を受けたモアイの復旧作業に、旧志津川高校の生徒が集めた募金が使われたことなどに感謝を伝えたうえで「これまで60年以上の歴史がある南三陸町とチリの歴史にとって新たな一歩となる一日」と述べました。

    モアイサークルやイースター島火災の際に募金活動を展開するなどモアイと関わりの深かった南三陸高校の佐藤華那さんは「モアイ像はこの町になくてはならない、かけがえのない存在。これからはうみべの広場から町の成長を願うとともに、チリとの友好の架け橋としていつまでも見守っていてほしい」と願いを話しました。

    志津川高生の力で町民バスが復活!南三陸モアイバス贈呈式レポート

    震災前に旧志津川町そして南三陸町の繁栄を見守ってきた初代モアイ像。そして未曾有の大震災から立ち上がり奮闘する町の人々を見守り勇気づけてきた2代目のモアイ像。今、新旧のモアイ像が並び立ち、志津川湾・太平洋を背に町の発展繁栄を見守り続けます。

     

    町民バスデマンド運行開始!町民の新たな足への挑戦

    バスの本数不足や運行ルートなど各諸問題に対応するため、町民バスに代わる新しい交通手段として町民バスデマンド運行の実証実験が入谷地区で始まりました。完全予約制、アプリ、タブレット、ICカードなど新しい取り組みがどのように広まっていくのか注目の事業です。

    バスデマンド運行出発!

    町民バスデマンド運行出発式が7月3日(月)に入谷公民館の駐車場にて行われ、式には佐藤町長をはじめ、実証実験に参加したトヨタ自動車様や林際カーシェア会、行政区長さんや社会福祉協議会の方々が参加しました。

    町長をはじめ行政区長さんやトヨタからの出席者の皆様

    入谷ひがし幼稚園の園児によるお祝いの歌と、テープカットの後に佐藤町長が試乗。

    元気に大きな声で歌を歌ってくれた園児たち
    代表者らによるテープカット

    まずは佐藤町長とトヨタ自動車の林田様が乗車し、ICカードも披露され乗車時の実演も行いました。

    乗車の際にICカードを機械にタッチするだけでOK

    町内の交通問題

    今回この町民バスデマンド運行の取り組みがスタートした背景には、町内の交通機関の諸問題が挙げられます。現在、南三陸町内ではBRTと町民バスを中心とした公共交通機関が整備されていますが、町内全てを網羅しているわけではありません。町民バスは時刻表に伴った運行を続けていましたが、利用者や町民の方から様々な意見が出ていたと佐藤町長は話します。

    かねてからの課題だったと話す佐藤町長

    「各地域からこっちの時間を早めてほしい、バス停はこっちにしてほしいなど様々なご意見があるのですが、路線という形で運行している関係上、どうしても皆様のご要望全てにお応えするのは非常に難しい問題でありました」

    こうした諸問題に対して林際カーシェア会の皆様が自分たちで実証をしようと動き、それが今回の町民バスデマンド運行に繋がったとのこと。利便性が以前よりも上がると言われる「バスデマンド」とは一体どういうシステムなのでしょうか。

    そもそも“バスデマンド”とは?

    「バスデマンド」はデマンドバスやオンデマンドバスとも呼ばれているサービスになります。

    これらを総称し「デマンド型交通」といい、一般的なバスのような決まった路線と運行スケジュールではなく、利用者に合わせた路線とスケジュール(要求=demand)で動く地域公共交通のことを指します。

    予約時に使用するタブレットとICカード

    南三陸町では「フルデマンド方式」を採用し、利用者の呼び出した場所から目的地まで運行する形式になっており、あらかじめ設定されたバス停から好きな目的地に好きな時間(運行時間内)に移動できることが可能になります。利用するには利用登録者証が必要で、スマートフォンまたは書面にて個人情報や引き落とし口座を登録。公共施設などに設置されたタブレット端末や自身のスマートフォンでウェブアプリを開き「乗る場所」「降りる場所」「日時」を予約すると、指定した時間・場所にバスが迎えに来ます。料金はキャッシュレス対応となっており、スムーズな利用が可能。今後、クレジットカード決済の導入も検討しているそうです。

    今回の実証実験では町内各地と一部個人宅に40台のタブレットを設置、ICカードを入谷地区の方々に事前にお配りしているとのことでした。

    利用方法の実演

    式終了後、入谷公民館内で佐藤町長と町役場企画課の職員による予約方法についてのレクチャーが開かれました。

    端末のカメラで読み取るところにICカードを置くところが付いている

    実際に見てみると煩わしい操作もなく、画面に出てくる指示に従えば簡単に配車が予約出来るようになっています。
    ①「おでかけ」ボタンをタップ
    ②ICカードを端末のカメラで読み込む
    ③目的地を選ぶ
    ④目的地への行き方を選ぶ(できるだけ早く・出発時刻を指定・到着時刻を指定の中から選択)
    ⑤希望する乗車時刻を設定(本日・明日以降6日後まで)
    ⑥配車プランが表示され、タップすると予約が確定

    行き先を選ぶ画面
    予約の確認画面。料金も表示される

    また、運行中に新規で追加された予約については、搭載されたAIが行き先までの最適なルートをセッティングしドライバーが確認出来るようになっているとのことで、人的ミスや利用者が予定通りに乗れないなどのトラブルを回避するために機能することが期待されています。

    アプリについて説明するトヨタ自動車東日本株式会社の鈴木様

    実証実験の先の展望

    今回の実証実験は入谷地区を皮切りに、年度内に歌津地区での運行が予定されています。期間は一年半でその後の展望について佐藤町長は「一番大事なのはこのデマンド交通を“絶対にやらなければならない”ということではなく、町としてこの方向性で進めていくこと。実証実験をした上で「やらない」ということにはならないと思います」と説明。取り組む姿勢として「南三陸町全体の公共交通機関の足をしっかりと確保することが目的ですので、我々も前向きに腹を括って挑戦していきたいと思います」と、今後の町にとって欠かせない交通機関の充実に向けた熱い想いが走り出しました。

    展望を語る佐藤町長

    ▽参照:町民バスのデマンド運行について|南三陸町
    https://www.town.minamisanriku.miyagi.jp/index.cfm/7,43723,38,html

    みなゼミ開講!ひとづくりとひとつなぎの場

    次世代リーダーの人材育成を目的とした「南三陸みらい創生塾」が5月に開講しました。
    南三陸さんさん夢大使の方々が講師となり、リーダーとして必要な知識やノウハウを学んでいきます。
    今回は初回となる入塾式を取材しました。

    南三陸みらい創生塾「みなゼミ」

    5月17日(水)に町役場会議室にて南三陸みらい創生塾「みなゼミ」の入塾式が開かれました。
    町を担うリーダー育成として、実際に町内で活動を展開していく「リーダー」にスポットをあて、
    まちづくりとひとづくりに必要な学びの他に、お互いのネットワーク構築が主な目的となります。

    ひとづくりのフェーズに入ったことを話す佐藤仁塾長

    塾長による初回講義

    みなゼミには町内から塾生として24名が参加しました。
    それぞれ会社の取締役やUターン、Iターンなど20代から40代前後の方々。
    すでに事業を展開している方がほとんどで、入塾の動機も様々です。

    それぞれやりたいことを実践している塾生の皆さん

    初回となる今回は佐藤仁町長、もとい佐藤仁塾長による講義です。
    題目は「みなゼミ創設への想い」震災復興の事業が落ち着き、まちづくりの次は
    ひとづくりだと話し、これから町を牽引する若手の育成に力を入れていき、
    そのためにリーダーとしての心構えやノウハウを学び合い、新たなまちづくりに
    関わってきてほしいと話しました。

    震災前から今までの経験を包み隠さず話す塾長
    大事なこととして「人は人を浴びて人に為る」という言葉を書いた

    町長との対話

    講義の後はグループワークが始まり、町長に聞いてみたいことを各々書き出しました。

    震災当時からこれまでの復興事業の中での町長としてのリーダーシップやモチベーション、
    町長にはどんな素質が必要か、町長になるにはなど、この場でしか聞けないような
    ざっくばらんな質問が並びます。

    テーブルごとにまとめた質問に丁寧に答えていく

    佐藤町長はそれぞれの質問に対して、激動の12年間の中で蓄積されたノウハウを惜しみなく共有し、
    「できない言い訳ではなく、やれる理由を探すこと。時にはみんながやれない場合は無理に頑張らないという決断も大事になってくる」など、リーダーだからこそ抱える悩みや、課題を乗り越える術を
    塾生たちに教示しました。

    塾長/佐藤仁町長の想い

    初回の講義を終え、佐藤仁塾長に本日の感想をお聞きしました。

    「入塾の動機は様々でしたが、始まってみると皆さん熱心に真面目に聞いてましたね。
    これから1年ありますので、みんなで頑張っていきましょう!」

    塾生ひとりひとりの個性までしっかり把握していた塾長

    卒塾式は来年3月

    みなゼミは全11回開かれ、南三陸さんさん夢大使の方々から9名が講師として参加します。

    東北楽天ゴールデンイーグルスやトヨタ自動車など復興事業に関わりがあった企業のほか、
    町内出身の歌手やアスリート、町と縁があるオリンピアンなど豪華な顔ぶれとなっています。

    これを機に塾生と講師とで新たな人脈ネットワークを構築することもみなゼミの目的で、
    新たなつながりがこれからのまちづくりに繋がっていくことも考えられているとのこと。

    各回座学や研修などカテゴリーも様々とのこと
    普段交わらない人とも繋がりを持てるのもみなゼミの強み

    2024年3月の最終講義では「私のココロ意気宣言」をそれぞれ発表し、卒塾となります。こちらが成果発表となり卒塾のための要件です。
    塾生たちがどのような学びを得てリーダーとして成長するのか。卒塾式での発表が今から楽しみです。

    子ども達に受け継ぐ入谷打囃子、未来の担い手が育つ場所

    入谷地区で脈々と受け継がれてきた「入谷打囃子」今年も秋のお祭りに向けて入谷小学校で4年生から6年生を対象にした練習会が始まりました。地域の達人たちが講師で参加し、児童たちに伝統を受け継いでいきます。

    伝統ある文化財

    入谷打囃子は1764年(明和元年)から奉納が始まり250年以上の歴史があります。
    宮城県指定無形民俗文化財にも指定されている伝承のひとつです。

    250年の伝統とプライドが、黄金色の里に舞う入谷打囃子

    度重なる震災やコロナ禍も乗り越え、途切れることなく入谷地区の伝統ある風景として愛されてきました。

    伝統を担うひとりとしての心構え

    6月8日(木)入谷小学校の体育館にて「打囃子学習会開講式」が行われました。この学習会は今年で46年目を迎えます。これから4年生〜6年生までの30人が計9回の練習と4回の発表の機会に挑みます。

    体育館にて行われた開講式

    開講式のなかで石田校長は
    「発表会を通して入谷地区のこの素晴らしい伝統をしっかり引き継いでほしいと思います。それぞれに任された役についてはどれもが大切です。どれか一つでも欠けてしまったら、入谷打囃子ではありません。地域の方にも一生懸命やっている皆さんの姿を見せてほしいと思います」
    と話し、児童ひとりひとりが学びと伝承を担う地域の一員であることを伝えていました。

    4年生から6年生みんなで団結するよう呼びかける石田校長

    若き担い手を支えるベテラン講師

    開講式には児童の他に、講師となる地域の方も7名参列しました。それぞれ獅子・獅子あやし・大太鼓・小太鼓・笛を受け持ち、担当の児童たちを指導します。

    大太鼓担当の菅原文雄さんはこの学習会のベテラン講師

    大太鼓担当の菅原文雄さんは児童への挨拶の中で「6年生、5年生。4年生とこれまで練習してきた年数の違いはありますけども、最後にはみんな一緒に仕上がるようにそれぞれが教え合って前に進んでいきたいと思います。30名みんなでひとつのものを作り上げていきましょう」と児童たちにエールを送りました。

    また、児童代表からは各パートリーダーの6年生がそれぞれ抱負を述べ、「4年生が初めてなので、リーダーを中心に今年一年頑張っていきたいと思います」「笛の音を聞いて大太鼓を叩きつつ、4年生に教えられるように頑張りたいです」など、今年が初回になる4年生をサポートする姿勢が見えました。

    熱のこもった指導

    開講式の後には講師による各パートの担当児童との練習が早速始まりました。

    昨年経験した5年生と6年生も講師に混じり、初参加で少し戸惑いのある4年生に“先輩”としてコツなどを教えていました。

    それぞれのパートにどんな意味があるのかをまずは教える

    お披露目の日をお楽しみに

    これから学習会で練習し、最初の発表は10月のひころの里秋まつり。閉講式は11月30日の予定となっています。入谷小の子どもたちの晴れ姿、ぜひともお楽しみに!

    小太鼓のコツを子どもたちに伝授する

    地域で子育ての支えあい「あずかりあいっこ」トライアル運用スタート!

    ママ・パパや地域のサポーターさんで小さい子どもを互いに預かり合う「あずかりあいっこ」がNPO法人ウィメンズアイにより、6月からトライアル運用が開始しました。南三陸町の子育て環境の改善に向けまずは第一歩を踏み出しました。

    「あずかりあいっこ」とは

    0~1歳くらいの子どもを互いに預かり合う一時預かりのサポートで、預ける理由は問いません。メンバーにあずけたい日時を相談し、あずかってくれる人が見つかればあずけられます。まずはお試しとして、6月~8月の3カ月間、1回3時間、無料で実施。対象は町内に住むママ・パパで、預かり場所は主に「結の里」で行われています。

    メンバーは、子どもを預けたい「ママ・パパ」と、「サポーター」がいて、必ず大人2人以上であずかります。「サポーター」は、保育に関する講習と救命救急を受講した保育士経験者や子育て経験者などで、ママ・パパでは大人が足りないときに、一緒にお手伝いしてくれます。

    「あずかりあいっこ」を利用するには事前にサービスへの登録が必須。現在、親子6組、サポーター16人が登録しています。子どもを預ける際は事前に利用日時の希望を相談するほか、預ける前に顔合わせや、子どもについて情報共有をします。

    あずかりあいっこの様子

    6月22日(木)、1組の親子が実際に「あずかりあいっこ」を利用していました。預かる子は7ヵ月の男の子。預ける前にサポーターさんに今日の子どもの様子を伝え、おむつや飲み物を渡してママは用事へ出発。

    この日、預かるメンバーはサポーター3人とメンバー親子2組。男の子は終始ニコニコで、メンバーのお子さんに一緒に遊んでもらっていました。

    2時間後、ママがお迎えへ。預かっていた間の様子は、ノートに書いてママへ伝えます。

    「ずっとニコニコで楽しく遊んでました」と預けていた間の様子を聞いて、ママは安心した表情を見せていました。

    実際に預けてみたママは「気軽に預けられる場所ができて嬉しい、上の子の用事やリフレッシュしたいときにぜひ使いたいです」「事前に顔合わせがあったので安心して預けられた」と感想を話してくれました。

    預かる側で参加したママは「気持ちに余裕をもってみんなでお話ししながら見れて楽しかった」「大きい子が赤ちゃんをヨシヨシしたり、みんなで楽しく遊べた」と預かる側の子どもと共に楽しく過ごしていました。

    サポーターさんは「子どもが好きなので、こういう機会に巡り合えてよかった。楽しかった」と、嬉しそうに子どもを抱っこしながら話しました。

    預け合うだけでなく、一緒に遊んだり話をするなかで、地域の人とのつながり、ママ同士のつながりが生まれるのも、この「あずかりあいっこ」の魅力です。

    南三陸の子育ての現状

    南三陸町では、令和4年6月から子育て支援センターで一時預かりの事業が始まりましたが、対象年齢は1歳半以上、平日の限られた時間のみ。預ける理由も保護者が病気やケガなど保育が困難になったときに限られています。

    ファミリー・サポート・センター事業や病児保育、産後ケア事業、民間のベビーシッターや子育て支援団体などはなく、子育てに関するサービスが少ないため、気軽に子どもを預けられる場所がないのが現状です。

    令和3年秋に町内ママが有志で行った「南三陸町の子育てについて」のアンケートでは、52通の回答、300を超える意見が集まり、88%の方が「預け先がなくて困ったことがある」、50%の方が「一時預かりがあったら利用したい」と回答しました。また預ける理由としては、上の子の用事や、冠婚葬祭、自分のリフレッシュや美容院など、様々なものがあげられており、理由を問わず預けられることが望まれていました。

    令和4年2月にNPO法人ウィメンズアイと南三陸町が共催で行った「子育て環境に関わるニーズ調査」では、町内の就学前児童と小学生の保護者を対象に行い、126人から回答がありました。結果では、「祖父母」と同居している家族は50%以上を占めましたが、一方で町の一時預かり事業を「私用でも利用できるようにしてほしい」との回答が約8割となり、家族の形を問わず一時預かりの利用を希望している保護者が多くいることが分かりました。

    子育て改革のキックオフ!ニーズ調査結果共有会

    なぜ「あずかりあいっこ」?

    ウィメンズアイでは、子育て中の女性たちの声を聞いたり、町の保健福祉課にも現状を聞き、町の子育て状況をよりよくするために何かできないか、と取り組んでいました。

    その中で、5年前に、ママと子ども3組がお互いに用事があるときに子どもを預かりあって見ていたという話を聞き、そこからヒントを得て今回の「あずかりあいっこ」の事業につながりました。

    これからの動き

    現在はお試し期間の3ヵ月で、まずは実際にやってみます。その後、実際に利用したママ・パパやサポーターさんから感想などを聞き、本格的に始動できるよう改善していきます。南三陸町の子育て環境が少しでも良くなるように、まだまだ始まったばかりです。

    預けたいママ・パパ、サポーターさんを募集中ですので、ご興味ある方はウィメンズアイさんまでぜひご連絡ください!

    ▼NPO法人ウィメンズアイ

    電話番号 0226-25-9517
    メールアドレス info@womenseye.net
    あずかりあいっこ登録フォーム https://forms.gle/2kqvcJpA6SBv7iwy8

    地域奉仕活動で繋がる&広がるコミュニティの輪

    南三陸町復興祈念公園とその周囲で活動を行なっている「さんサンポートプロジェクト」。6月の同じ週に“草刈り”と“椿の植樹”が南三陸町震災復興祈念公園で行われました。町内外の人にとって様々な想いが集まるこの場所を地域の手で育んでいく、一緒に考える機会となった様子を取材しました。

    活動①復興祈念公園除草活動〜南三陸町社会福祉協議会〜

    震災復興祈念公園やその周辺の回遊性のある使い方、活かし方を出し合っていくさんサンポートプロジェクトの活動の一環で、昨年から園内の草刈りが始まりました。

    元気なお姉様方がエネルギッシュに地域を牽引する南三陸町社会福祉協議会が開催に協力。

    「結の里」を中心に地域の高齢者支援や、コロナ禍には町を離れて暮らす学生に食糧支援などを行ってきました。南三陸なうでは毎年「走らない大運動会」などを取材しています。

    第6回走らない大運動会!走らないけど“スポーツの秋”

    そんなパワフルな社協のみなさんが率先して地域の方を巻き込み、この草刈りがある種の「集いの場」になっていると聞いたので、私、なうライター佐藤も草刈り道具を手に参加してきました。

    「繋」を背負った社会福祉協議会の方々

    黙々作業よりもお喋りを

    6月5日(月)の朝9時。復興祈念公園の駐車場にはすでに大勢の方々が集まっていました。天候不良により本来予定されていた2日(金)から延期となったものの、45名の方が参加。

    今回は草刈機では刈りにくい箇所をピックアップして3班に分かれての作業となります。

    挨拶には佐藤仁町長も足を運び、地域の方への感謝を述べました

    植えられた椿を覆い隠すかのように生えてきた雑草たちを、皆さん“口を動かしながら”丁寧に取り除いていきます。

    雑草が鬱蒼と生い茂り、椿の姿が見えなかった花壇
    あっという間にこの通り!テキパキと刈進めていきます

    「黙々やっても楽しくないからね。集まって喋る時間になってて楽しいよ」

    日中の日照りで疲れが出始めたときについ無口になっていたのか、隣にいたお母さんからそう声をかけられ顔を上げると、周りの方々は作業しつつも世間話に花を咲かせ、笑いながら作業を進めていました。

    女性陣の活躍を見て「うちらも頑張るぞ!」と意気込むチーム
    途中、大きなカブのように数人がかりで抜く雑草もありつつ、何とか整備

    和気藹々とお喋りしながら公園を綺麗にしていくなかで、普段顔を合わせない人ともお話語りをする。こうした交流が住民をつなぎ、こうした機会に顔を合わせることでコミュニケーションからコミュニティが生まれていくのでしょう。

    休憩時間は作業時間以上にお喋りが弾みます

    南三陸町社会福祉協議会の佐藤德憲会長も「草刈りも楽しんでもらいひとつのコミュニケーションとすることで、気持ちにゆとりを持ちながら楽しみながら、地域に貢献することに繋がっていると私は思います」と話し、この場が地域づくり、コミュニティの場であり、地域の方が町に関わる機会にもなっていると話します。

    これだけ集まればどんな作業もへっちゃらです

    活動②椿の植樹〜南三陸椿くらぶ〜

    草刈りの際にさんサンポートプロジェクトの工藤真弓さんから「今度、椿の植樹をするよ」と情報をいただいたので6月8日(木)に取材に訪れました。植樹する場所は復興祈念公園内の「みらいの森」。

    画像の奥手側、道路の下にあるのが「みらいの森」

    元々こちらに植えていた椿43本の内、9本が除草剤などの影響で枯れてしまったので、上山八幡宮で育てていた実生の苗木を植樹することになったそうです。

    約7年育ててきた苗木たち

    南三陸椿くらぶの皆さん

    椿のお世話や植樹を担当しているのは「南三陸椿くらぶ」の皆さん。園内で合流し話を聞いていると「久しぶりだね〜」「元気してた?」という会話が。気になったので話を聞いてみると今日が数ヶ月ぶりの再会とのこと!

    スコップ片手に井戸端会議が始まる

    「私たちは震災後の仮設住宅が一緒で、その頃からこうして活動しているんです」
    真弓さん曰く、震災後に避難された先が隣町で、そこの仮設住宅で一緒になり活動を始め、仮設生活が終わりそれぞれ別々の場所で暮らし始めても定期的に集まっているのだそう。

    想像以上に地面が固く、あの手この手で穴を掘ってみる

    とあるお母さんは震災前に志津川地区で活動していた「切子くらぶ」の頃からの付き合いだそうで、「今は旦那さんの仕事も隣町だからそっちに住んでてでなかなか頻繁には帰って来れないけど、こうしてくらぶの集まりの時に帰って来て、みんなの顔見ると懐かしくなるね」と語ってくれました。

    「大きくなるんだよ〜」と声をかけながら植えていく

    約12年間。仮設住宅のころから続くコミュニティが大好きだと皆さん口を揃えており、小さくても自分達にできることをこつこつ積み重ね、人の輪を大事にしてきた結果なのではと、一生懸命椿を愛でるお母さんたちの姿を見て思いました。

    アミタさんの液肥をかけて栄養もバッチリ

    ひととひとを繋ぐ場所

    草刈りと椿の植樹、偶然にも同じ週に同じ場所で行われた活動に参加し、コミュニティが持つ人を繋げる力、関係性を育む力、生きる活力を養う力をたくさんの人と共有することが出来ました。
    なによりも、こうした活動を継続してきた社会福祉協議会と椿くらぶの皆さん、それらを繋ぎより地域に寄り添える形を作り始めたさんサンポートプロジェクトの皆さんの弛まぬ努力にただただ敬服するのみです。

    集まるたびに思い出話と自分にできる小さなアクションを大事にしていく

    こうした活動が地域を綺麗にそして豊かにしていることを、町を訪れる多くの方々にぜひ知っていただき、想いを寄せてもらえればと思います。