南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。
戸倉地区
撮影場所 [38.642969, 141.442686]
志津川地区
撮影場所 [38.675820, 141.448933]
歌津地区
撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E]
他の定点観測を見る南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。
撮影場所 [38.642969, 141.442686]
撮影場所 [38.675820, 141.448933]
撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E]
他の定点観測を見る町の自然環境や文化を体験しながら魅力を発信するために、町内の小中学生が参加する「南三陸少年少女自然調査隊」。5月1日(土)に折立海岸で生きもの調査を実施し、44種類の生きものが確認されました。中には宮城県のレッドデータブックに掲載されている希少種も発見されました。
町内の小中学生が、年間を通じて、町の自然や歴史について学ぶ「南三陸少年少女自然調査隊」が2021年度の活動を本格的に開始しました。
2018年10月に志津川湾がラムサール条約湿地に登録されたことを記念して、2019年2月に全国のラムサール条約湿地で活動する子どもたちが湿地の魅力を学ぶイベント「KODOMOラムサールin南三陸町」が開催されました。町内から9名の小学生が参加し、日本全国のラムサール条約湿地で活動する子どもたちとさまざまな体験活動を通して交流しました。
KODOMOラムサールに参加した町内の子どもたちから「もっと南三陸町の自然や文化を学びたい!」という声が上がり、2019年5月に南三陸町の自然や文化を体験しながら学ぶ「南三陸少年少女自然調査隊」が発足。3年目の活動となる今年度は、小学生から中学生までの13名が参加しています。
心地よい春の陽気となった5月1日。2021年度の最初の活動が行われました。
この日は、戸倉にある自然環境活用センターで、調査隊メンバーの初顔合わせ。昨年度から引き続き隊員となっているのは半分ほど。新しいメンバーも入り、自己紹介やゲームなどを通じて、隊員の交流が図られました。さらに、南三陸町の特徴や干潟に関するレクチャー、調査方法の共有を行った後、戸倉地区の折立海岸干潟で生きもの調査を行いました。
隊員は干潟に降りると、地表面を観察して生きものを採集したり、土や泥を掘り起こしたり、石を持ち上げたりしながら生きものを探しました。約30分間ほどの採集時間で、隊員は海岸にいる生きものを捕まえて自然環境活用センターに持ち帰り、研究員やネイチャーセンター友の会のメンバーなどの指導を受けながら確認を行っていきました。
これが初めての調査活動となる子も多くいるなか、子どもたちからは「面白かった!」「たくさん捕まえられてうれしい」などの声が。二枚貝や巻貝、カイメンや、ゴカイ、ヤドカリやカニなど44種類もの生きものが確認されました。
この中でイシダタミ、アサリ、ケフサイソガニは、発見率70%を超えて発見されており、折立海岸の『優占種(その場所に多く住んでいる主要な種)』であると分かりました。
「ニオガイ(二枚貝)、ヒメシラトリ(二枚貝)、チビイトマキヒトデ、ツブカワザンショウ(巻貝)など、宮城県のレッドデータブックに掲載されている希少種も複数みつかり、子どもたちは立派な調査員として活躍してくれました」と阿部さんは振り返ります。
昨年度は新型コロナウイルスの感染拡大の影響もありながら、「干潟調査」「八幡川の生きもの調査」「海の魚釣り体験」「大崎市蕪栗沼マガン観察会」「環境DNA調査」「プランクトン・ホタテ観察」といった活動を行った調査隊。
今年度も月に一度のペースで活動し、町の森里海、さらには歴史文化などを体験しながら魅力を探し伝えていきます。
子どもたちからは「顕微鏡でプランクトンの観察をしたい」「魚の解剖をしたい」「釣りをしたい」「スノーケリングしたい」「海や川の魚を観察したい」など積極的な声があがっていました。また新型コロナウイルス感染拡大の状況次第にはなりますが、他市町村で活動を行う子どもたちとの交流活動も予定されています。ほかの地域と触れ合うことで、南三陸にないよさを発見したり、南三陸の魅力にさらに気づかされる機会にもなると期待されます。
どんな新たな発見があるのか?今後の活動にも注目です!
南三陸町地域おこし協力隊員に2021年4月より着任した福島県出身の佐藤豪(たけし)さん。一般社団法人南三陸YES工房に所属し、南三陸杉を中心とした木製品の広報・販売促進を行います。そんな佐藤さんに移住のきっかけや理想の南三陸生活について伺いました。
地域おこし協力隊とは、地方自治体からの委嘱を受け、 地域の魅力発信や特産品の開発、住民の生活支援など、さまざまな方向から地域を活性化させる活動に取り組む都市部からの移住者です。現在、多くの地方自治体が協力隊の受け入れを行っており、その運用方法は自治体によって異なります。
南三陸町では、2020年度から運用制度を改正。新しい視点で地域の活性化に取り組んでいただく人材が必要と考え、協力隊を受け入れています。また、移住者である隊員が地域の生活になじむことができるよう、そして、起業・事業承継に向けたノウハウを学びながら地域活性化活動に取り組めるよう、 町内で活動している事業者・団体が隊員の方を雇用する形をとっています。
佐藤豪さんが南三陸町地域おこし協力隊としては1年10ヶ月ぶりの新規協力隊員となり、現隊員が4名となりました。
佐藤さんは「空間リノベーションで南三陸木材の振興と交流を図るプロジェクト」で一般社団法人南三陸YES工房が受入事業者となって活動を行います。
「FSC認証材等を使用したデジタルファブリケーションの開発製作」
「木製品の情報発信や販売促進」
「モノづくりを通じたコミュニケーションの場となる市民工房の推進」
「南三陸町森林管理協議会と連携を図りながら空間リノベーション事業を推進し、木材産業の活性化」
などが主な活動内容として想定されています。
南三陸町がFSC国際認証を取得したのは2015年。震災以来、さまざまなモノづくりを手掛けてきたYES工房も2020年に「FSC CoC認証」を取得しました。加工分野においても認証を取得したことによって、南三陸杉材の製品化・ブランド化を推進していくタイミングでの協力隊着任となり、佐藤さんの今後の活動に期待がかかります。
東北工業大学を卒業し、3年間は福島県で林業の現場仕事を行っていました。木を切ったり、植えたり、下刈りしたりと現場班として活動しました。
最終的には地域デザインをやりたいと思っていたのですが、社会勉強の一環として一次産業の分野に身を置いて体感してみました。
東北工業大学に在籍していたときからお世話になっていた南三陸町出身で仙台で建築家として活躍する阿部正さんがきっかけです。南三陸町には、大学時代からスレート屋根の保全活動の研究で、阿部さんと共に何度か訪れていた土地でした。
そのときから、山と海が非常に近い町だなという印象をもっていました。林業を経験して、これから木材を生かした地域デザインなどを手掛けたいと思っていたところで、この活動を阿部正さんから教えていただき、魅力的に感じたので決断しました。
林業従事者の力になりたいですね。林業の分野が盛り上がっていくように少しでも力になれるように頑張りたいです。すてきな木工作品を作っている作家さんもいるので、まずは発信部門を強化していきたい。
南三陸の林業自体は伸びしろしか感じないですね。木材の需要をしっかりと高めて、出口がしっかりとあれば、木材生産においてもどんどん効率化できる部分も多いと感じるので、まずはその需要を高めることを意識していきたいですね。
趣味は釣りとバイクですね。
釣り場を開拓したいですね。ツーリングも気持ちよさそうな道が多いなって思っているので楽しみです。釣りもバイクも、アウトドアな趣味が多いのでこの町のみなさんと楽しんでいけたらいいですね。
これからもよろしくお願いします!
被災した志津川地区中心部に整備する道の駅「さんさん南三陸」の登録証伝達式が4月19日に行われました。国の登録は21年3月30日付。宮城県内で18番目の道の駅として登録。「さんさん南三陸」とは何か?気になる概要をまとめました。
町の中心市街地だった志津川地区は東日本大震災によって大きな被害を受けました。八幡川下流域の志津川地区は約10メートルの嵩上げ工事が行われ、新たな賑わいの中心として位置づけられてきました。世界的な建築家である隈研吾さんが手掛けている「志津川地区グランドデザイン」は、今回の道の駅登録によりいよいよその完成形が目前に迫ってきました。
4月19日に行われた道の駅「さんさん南三陸」の登録証伝達式で佐藤仁町長はこのように振り返りました。
「被災した市街地の賑わいをどのようにするのか?というのが町の大きな課題でした。そんななか、震災から2年後に隈研吾さんとご縁があって、町のグランドデザインを依頼することになりました。隈研吾さんが町の賑わいの中心部をどう作っていくのか?というのが将来にわたって南三陸が多くの方においでいただくために、大変肝になる事業だと話していました」
2017年3月3日に「南三陸さんさん商店街」が先行オープン。大変多くのお客様にご利用いただき、2020年夏には累計来場者数が200万人を突破するなど南三陸の復興の象徴として注目を集めています。さらに2020年には八幡川を挟んだ対岸に震災復興祈念公園が全面開園し、さんさん商店街と公園をつなぐ中橋も開通。商店街から公園へと回遊性を意識したグランドデザイン通り、お客様が歩いている姿を多く見るようになりました。
そんななか登録された道の駅「さんさん南三陸」とはどんな施設なのか?現在ある「さんさん商店街」とのすみ分け、関係性は?現在建設中の建物には何ができる?など気になることを改めて伺いました。
Q.道の駅「さんさん南三陸」とは?
2017年3月3日にオープンした「南三陸さんさん商店街」と、現在整備中の新設エリアを合わせた一体が道の駅として登録されました。さんさん商店街と新設エリアあわせて、敷地面積は23,963㎡となり、県内でも大規模な道の駅となります。トイレは36器を備え、うち35器が24時間利用可能。その他にもEV充電施設や公衆無線LANなどが整備されます。
Q.現在新設されている建物は何ができるの?
南三陸町の山と海、過去と未来を繋ぐ船をイメージした駅舎が整備されています。さんさん商店街、中橋同様、建築家の隈研吾さんにより設計された駅舎は鉄骨造一部2階建て、延べ床面積1,417㎡であり、大きく3つの機能を備えています。
1.震災伝承施設「南三陸311メモリアル」
東日本大震災の大津波による町民の被災体験や、全国・世界からの支援への感謝を伝えるための震災伝承施設
2.地域間連携機能
地域全体の活性化につながる情報や観光情報の発信、地域交流の場として活用
3.公共交通ターミナル
地域公共交通拠点としてBRT、高速バス、町内乗合バスのターミナルとなり、公共交通利用者の利便性が向上
現在建設中の新駅舎は2022年2月完成、来春の開業を目指しています。
Q.新設エリアには産直などのショップができるのですか?
現在整備中の駅舎に産直などが入る予定はありません。食堂や直売所は、現在ある「南三陸さんさん商店街」の店舗を利用していただきます。
Q.現在でも休日は駐車場が満車になることもあるが、道の駅登録によっていっそう混雑するのではないか?
現在整備中の新設エリアと現在のさんさん商店街の駐車場あわせて、249台の駐車場を整備しています。さらに、道の駅を含む志津川市街地に車で来られた方の無料駐車場として、志津川保育所跡地を駐車場として整備しました。路面は砂利舗装仕様で、区画はロープで仕切り、駐車台数73台となります。
また公共交通を利用される方も駐車場は利用可能となっています。
Q.伝承施設「南三陸311メモリアル」はどんな施設ですか?
東日本大震災に関わる南三陸町民の記憶と体験の伝承を通して「自然とは、人間とは、生きるとは」を五感で感じ、学びあい、思考する「みんなの広場」を創造する。
を基本理念とした施設で、大きく二つの特徴があります。
一つ目は「ラーニング機能」。語り部や現地視察を組み入れた「震災学習プログラム」を被災地ツーリズムとしていち早く全国展開したノウハウを最大限活用し、防災について主体的に学べる施設。二つ目は「アート」。世界的巨匠のアート作品により、訪れた方が自分自身と向き合い、人間の命、その重さと、はかなさに思いを馳せ、言語を超えた感動に出会う空間。この二つを核として、東日本大震災の教訓を後世に語り継ぐ場として整備していきます。
東日本大震災から10年が経ち、中心市街地の復興事業も最終局面を迎えています。南三陸の復興の象徴である「南三陸さんさん商店街」。キラキラ丼をはじめとした豊かな海産物が目玉となって多くの町外のお客様にお越しいただいています。今回の道の駅登録で、公共交通機関のターミナルや利便性の向上によって、町外のお客様はもちろん、町民の皆さんも利用する機会が増えることが期待されます。
2020年3月から続く新型コロナウイルスの感染拡大によって飲食・観光業は大きなダメージを負っています。まだまだ収束の目途はたちませんが、道の駅駅舎が利用開始となる2022年春には、不安なく志津川地区に人が集い、観光交流の拠点として賑わいを見せることを祈っています。
南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。
撮影場所 [38.642969, 141.442686]
撮影場所 [38.675820, 141.448933]
撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E]
他の定点観測を見る南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。
撮影場所 [38.642969, 141.442686]
撮影場所 [38.675820, 141.448933]
撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E]
他の定点観測を見る3月18日に、地域連携協定を締結している共立女子大学・短期大学の「地域連携プロジェクト」報告会が、オンラインにて開催されました。今年度、南三陸町で実施した2つの活動報告の他、協定を結ぶ自治体での活動報告が行われ約100人が参加しました。
共立女子大学・短期大学では、2019年度よりSDGsのいずれかの目標と合致する課題解決学習として地域と連携した「地域連携プロジェクト」を開始しました。全国いくつかの自治体と連携し、ゼミナールや授業の一環として地域と連携した活動を行っています。南三陸町では、2019年9月26日に連携協定を締結。協定締結後は、町内産の食材を活かした学食メニューの提供や水産資源の課題に着目し消費拡大を目指したプロジェクトに取り組んできました。
3月18日、オンラインでの開催となった「地域連携プロジェクト」報告会。オンラインでの開催ということもあり、連携先関係者など含め約100名が参加しました。今年度、南三陸で行った2つのプロジェクトについて担当教授から報告されたほか、連携協定を結ぶ福井市や千代田区とのプロジェクトなど全部で6つのプロジェクトについてそれぞれ報告がありました。
家政学部食物栄養学科 木下伊規子教授からは、南三陸町と福井市で行った地元食材を使った学校給食の考案について報告がありました。先生と今回プロジェクトに参加した学生は、新型コロナウイルスの感染拡大前の昨年2月に南三陸町を訪問。町の担当者や給食センターと打ち合わせを行い、過去の献立調査や地域の生産者へヒアリングを重ね、献立を考えていきました。
11月の給食提供が決まっていたため、栄養価も考え旬を迎える町内産の小松菜や名産のタコを使った給食を考案しました。また、ただ給食を食べるだけでなく子ども達に三陸で取れる食材について学んで貰おうと「食育動画」を作成。給食の提供に合わせて、町内の子ども達に届けられました。南三陸から食材を取り寄せ行った最終試作では、「食材そのものの味がスーパー等で手に入る食材とは違かった」と木下先生も振り返っていました。
「南三陸町 × 共立女子大学 食育動画」(下記リンクよりご覧になれます。)
▷2020年11月27日 南三陸町学校給食献立(たこのミネストローネなど) – YouTube
近堂知子教授からは、歌津中学校と連携して取り組んできた「ホヤを活用したメニュー開発」について報告がありました。ホヤの生産量、日本一位を誇る宮城県。生産されたホヤの多くは海外へ輸出されていましたが震災後、輸出制限により生産されたホヤの多くが廃棄処分になっていました。その課題に着眼し、ホヤの国内消費を増やそうとレシピ開発に中学生と連携して取り組んできました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、オンラインを中心にプロジェクトを進行。ホヤの生産を行っている漁師から直接話を聞き、ホヤの生態や養殖方法、生産の現状について学び、メニュー開発に取り組みました。中学生が想いを込めて考案したレシピを、栄養学的な視点や料理の組み合わせ等の観点からアドバイスし開発。11月に南三陸町で行われた「1日レストラン」では、開発した和食と洋食の20食が参加者に提供されました。報告の最後に近堂先生からは、「中学生との交流を深めつつ、課題解決学習を行うことで実践的な学びをすることができた」と話しました。
報告会では、南三陸町以外の自治体と連携して取り組んだ報告もあり、地域の特産品を活用した薬膳カレー提案や建築デザインによる連携プロジェクトなど、それぞれ学生や担当教員から報告されました。各自治体、連携して実施してきた様々な地域連携プロジェクト。南三陸町に限らず新型コロナウイルスの影響により、思うような活動が出来なかったことでしょう。2021年度、新型コロナウイルスが終息し、南三陸町や連携地域でどのようなプロジェクトが実施されていくのか注目です。
南三陸には、海だけでなく自然豊かな里山もあります。町の三方を山に囲まれ、一方は海に面しているため、町に降った雨はすべて町内の山や大地を通り、志津川湾へと流れていきます。豊かな海をつくる源となっている南三陸の里山。そんな里山の魅力を、シーズンごとにお伝えしていきます!第四弾は冬です。
お正月といえば「おもち」。秋にとれたもち米を精米し、餅つきをします。
我が家でよく食べるのは、「お雑煮」「あんこもち」「くるみもち」。すべて自家製・町内産です!!
関東育ちの私は、初めてこっちのお雑煮を見たとき驚きました。やっぱりその土地によってお雑煮は全然違うんだなと感じました。
南三陸のお雑煮は、だいこんやにんじんを千切りにした「ひきな」と、お豆腐や糸こんにゃく、セリなどが入っています。
「ひきな」は千切りにしたあと一晩外に置き凍らせます。寒さに一晩あたることにより、味がよくしみるようになります。
野菜がたっぷりしょうゆベースのお雑煮は、食べ応えもばっちりです!
あんこもちは、近所のばーちゃんから小豆をもらってきて作ります。
小豆をストーブでコトコト炊いて、丁寧にこしてつくります。
買った小豆ではないため、虫食いの小豆があったり、大小さまざまだったりと、選別するところから始まります。大変な分、手間暇かかっている分、とっても美味しいあんこができます。
そして、南三陸に来て初めて出会った「くるみもち」
見たことも食べたこともありませんでした。
拾ってきたクルミを、殻から外し、すり鉢ですり潰します。
そして、そのクルミにお茶を入れてのばし、砂糖やしょうゆを入れて味を調えます。
クルミの香ばしさとコク、そしてまろやかな味ともちが絡み合って、美味しく味わえます。見た目からは想像がつかない味です。ぜひ南三陸のおうちを訪れたら味わってみてほしいものの一つです。
お正月にもよく食べられるもちですが、南三陸では祝い事のときに「もちまき」をしたり、結婚式のときに近所におもちをふるまったり、祝い事や人が集まるときにはおもちが食べられています。南三陸の人々の暮らしの中には、もちがあります。
冬の宮城県の名産といえば「セリ」
最近ではセリ鍋もブームとなり、宮城県の郷土料理として有名になりました。
田んぼで育てられるセリは、腰まで水につかりながら収穫されます。寒いなか凍えながらの収穫です。
根っこまで丁寧に収穫し、洗っているため、葉から根まですべて味わうことができます。冬の寒い時期は栽培されたセリ、少し暖かくなってきたころには野ゼリを食べます。野ゼリは栽培されたセリよりも香りがとっても強く、しゃきしゃきとした食感を味わえます。
春の七草も、そのほとんどを南三陸の野山や畑で集めることができます!
寒い冬を乗り切るために、冬に向けて様々な加工品が作られます。
家の庭先に柿の木がある家も多く、秋に柿を収穫し、みんなで集まってせっせと皮をむきます。
この時期はあちこちの家の軒先にオレンジの柿がたくさんぶら下がっていて、ほのぼのとかわいい雰囲気です。できた!と思った頃に鳥に狙われてしまうので、要注意です。
秋に収穫した大豆を加工して、みそや豆腐が作られます。
町内には味噌や豆腐を作って販売しているお店やお母さんたちもいらっしゃいますが、各家庭で味噌を仕込んでいるおうちも多くあり、各家庭の味の味噌が作られています。
我が家で作っているのは「たくあん」。干し柿を入れることで、たくあんの甘みと黄色さをだすのが、代々受け継がれている作り方です。
冬前に収穫した大根を干し、各家庭それぞれの味で漬けます。
南三陸の冬は寒さが厳しいからこそ、秋までに収穫したものを加工して味わって食べます。寒い時期だからこその食べかた・楽しみ方です。
1年通して様々な自然の恵みをいただける南三陸。
それぞれの季節にそれぞれの魅力があります。
ぜひ、見て・食べて、南三陸の四季の里山の自然を味わってみてください。
震災10年を迎えた令和3年3月11日。晴天に恵まれた南三陸町で新たな追悼の場において、町長らが献花を行いました。追悼モニュメントが設置されたほか、「宇宙桜」と呼ばれる宇宙を旅したサクラが植樹されています。
震災からちょうど10年を迎えた3月。南三陸町戸倉地区にある戸倉公民館(旧戸倉中学校)敷地内海側に面した一角に、「戸倉地区追悼の場」の完成を迎えました。追悼の場には、「3.11未来へつなぐ命のバトン」と刻まれた追悼モニュメントを設置。また「宇宙桜」と呼ばれるサクラが、2月22日に植樹されました。
現戸倉公民館は、東日本大震災までは戸倉中学校として使われており、町指定の避難場所にもなっていました。そのため震災当日も中学校関係者をはじめ、多くの地域住民が避難していました。しかし大津波はその高台まで押し寄せ、校舎一階部分まで浸水しました。今回完成した追悼の場と植樹されたサクラには、高台にまで津波が押し寄せたということを震災の教訓として未来へとつなぐ想いも込められています。
戸倉地区追悼の場の完成に先立ち、2月22日に行われた「きぼうの桜植樹式」。東北被災3県を中心に行われているプロジェクトの一環として、津波到達地点に未来への希望のシンボルとなるサクラの苗木を植樹しているもので、今回戸倉地区にも「宇宙桜」が植樹されました。
宇宙桜は、2008年に日本各地の千年級の桜の種が集められ、国際宇宙ステーション実験棟「きぼう」に運び込まれた種から育ったサクラです。宇宙で約8カ月半滞在したのち、2009年に若田光一宇宙飛行士と共に地上へ帰還。発芽したのはごく僅かで、大切に育てられてきた貴重な桜が「宇宙桜」もしくは「きぼうの桜」と呼ばれています。今回、戸倉地区追悼の場に植樹された「宇宙桜」は、高知県仁淀川町にある「ひょうたん桜」の種から育てられた宇宙桜で、接ぎ木により増殖した苗木になります。
3月11日、献花のため、佐藤仁町長を始め、町会議員や戸倉コミュニティ推進協議会らが参列しました。献花後、町長挨拶では「高台にあった戸倉中学校は、津波の被害はないだろうと思っていた。発災から数日後、足を運んでみると津波によって破壊された体育館通路に車が刺さっているのを見た時は衝撃だった。」と途中言葉を詰まらせながら当時の状況を振り返りました。「この場所で犠牲になられた方々へ想いを馳せながら、明日に向かって歩んでいければと思います。」と挨拶しました。
戸倉コミュニティ推進協議会会長の佐藤泰一さんは「10年長いようで早かった。当時、この場に居合わせた子ども達は本当に辛かったと思う。震災を経験した私たちにとっては、震災を忘れることはありません。この場所が地域の憩いの場となり、犠牲になられた方々と繋がれるような場所になって欲しい。」と話しました。今年植樹された宇宙桜は、来年には花を咲かすとのこと。宇宙桜が戸倉地区の希望となり、シンボルとして震災の教訓を未来へ繋いでいくことを願っています。
南三陸には、海だけでなく自然豊かな里山もあります。町の三方を山に囲まれ、一方は海に面しているため、町に降った雨はすべて町内の山や大地を通り、志津川湾へと流れていきます。豊かな海をつくる源となっている南三陸の里山。そんな里山の魅力を、シーズンごとにお伝えしていきます!第三弾は秋です!
秋といえば新米!南三陸ではおいしいお米が作られています。
主に栽培されている品種は「ひとめぼれ」。
甘みも粘り気もほどよく、ご飯だけで食べても、おかずと食べても美味しいお米です。
特に、この地域は朝晩の寒暖差が大きく、夏も海風が入るためそこまで高温にならず、山々からはきれいで豊かな水が流れています。そのおかげで、宮城県のなかでも特に高品質なお米が収穫できます。
そのなかでも、1等米と格付けされ、適切に管理されて育てられたひとめぼれは「南三陸米」というブランドで販売されています。
このお米を一度食べたら、ほかのものには変えられません。
お米の魅力は味だけではなく、この時期の里山・田んぼの景色も最高です。
黄金色に輝いている田んぼ、夏の緑のあとに一気に黄金色になる田んぼはキラキラしています。
そしてお米を作るだけではなく、水を保持したり、たくさんの生き物の住みかとなったり、この豊かな南三陸の景色や自然を守っていくうえでなくてはならない存在です。
山奥の車が入りにくいようなところや、山の斜面の棚田など、古くからいまだに守られ続けている田んぼも数多くあります。
多くの家庭では、いまでもお米を自分の家や親戚が栽培しており、もらえることが多いです!
生産者さんの顔が見えるお米。汗水たらしながら一生懸命育てられたお米。買うよりも何万倍も美味しく感じます。
秋といえば「食欲の秋」!そしてフルーツ!!!入谷地区は特に、フルーツの栽培が盛んです。
夏のモモが終わったあと、ブドウ・なし・リンゴと続きます。
様々な品種が作られていて、ブドウは皮ごと食べられる緑色のシャインマスカットや、果汁たっぷりでジューシーな藤稔、そして紫ブドウ定番の巨峰など。
リンゴは、黄色のシナノゴールドや、赤色といえばのフジ、宮城県オリジナル品種のサワールージュなど。様々な品種がつくられていることで、旬が順番に来るので、長い間たのしむことができます。また食べ比べすることで、品種ごとの味の違いを知ることができます♪
様々な作物が作られているので、一年を通してその時期その時季の旬を味わうことができます。山あいの斜面でたくさん太陽の光を浴びて育ったフルーツはおいしさがギュッとつまっています!
家の庭先に栗の木があるおうちも多く、毎年栗拾いをさせてもらっています!
栗の鬼皮だけをむき、「渋皮煮」をつくったり、栗ご飯にしたり。
ほくほくでおいしい栗を楽しめます。
拾うところから始まるので、楽しさも美味しさも倍増ですね!
南三陸ではあの高級キノコの「マツタケ」をとることができます。
でもとれる場所は内緒。知る人ぞ知る秘密のスポットになっています。
また、マツタケよりも香りが強く、高級ともいわれる「コウタケ」。
これも採ることができます!
見た目も強烈ですが、香りもとっても強く、置いておくと部屋中コウタケのにおいになります。
それくらい香り豊かなので、炊き込みご飯にして風味を楽しみながら味わいました!
秋といえば食欲の秋。里の恵みもたっぷりある南三陸だからこそ、様々な美味しいものを味わえる最高の季節です。
紅葉を楽しみながら、美味しいものも味わえる。自然の豊かさを全身で感じることができます!