道の駅「さんさん南三陸」登録!どんな施設?何が入るの?気になる情報をまとめました

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被災した志津川地区中心部に整備する道の駅「さんさん南三陸」の登録証伝達式が4月19日に行われました。国の登録は21年3月30日付。宮城県内で18番目の道の駅として登録。「さんさん南三陸」とは何か?気になる概要をまとめました。

志津川地区グランドデザインの完成形が目前に

町の中心市街地だった志津川地区は東日本大震災によって大きな被害を受けました。八幡川下流域の志津川地区は約10メートルの嵩上げ工事が行われ、新たな賑わいの中心として位置づけられてきました。世界的な建築家である隈研吾さんが手掛けている「志津川地区グランドデザイン」は、今回の道の駅登録によりいよいよその完成形が目前に迫ってきました。

隈研吾氏のグランドデザインで描かれる新しい町のイメージとは?

4月19日に行われた道の駅「さんさん南三陸」の登録証伝達式で佐藤仁町長はこのように振り返りました。

「被災した市街地の賑わいをどのようにするのか?というのが町の大きな課題でした。そんななか、震災から2年後に隈研吾さんとご縁があって、町のグランドデザインを依頼することになりました。隈研吾さんが町の賑わいの中心部をどう作っていくのか?というのが将来にわたって南三陸が多くの方においでいただくために、大変肝になる事業だと話していました」

2017年3月3日に「南三陸さんさん商店街」が先行オープン。大変多くのお客様にご利用いただき、2020年夏には累計来場者数が200万人を突破するなど南三陸の復興の象徴として注目を集めています。さらに2020年には八幡川を挟んだ対岸に震災復興祈念公園が全面開園し、さんさん商店街と公園をつなぐ中橋も開通。商店街から公園へと回遊性を意識したグランドデザイン通り、お客様が歩いている姿を多く見るようになりました。

そんななか登録された道の駅「さんさん南三陸」とはどんな施設なのか?現在ある「さんさん商店街」とのすみ分け、関係性は?現在建設中の建物には何ができる?など気になることを改めて伺いました。

道の駅「さんさん南三陸」について聞いてみました

Q.道の駅「さんさん南三陸」とは?

2017年3月3日にオープンした「南三陸さんさん商店街」と、現在整備中の新設エリアを合わせた一体が道の駅として登録されました。さんさん商店街と新設エリアあわせて、敷地面積は23,963㎡となり、県内でも大規模な道の駅となります。トイレは36器を備え、うち35器が24時間利用可能。その他にもEV充電施設や公衆無線LANなどが整備されます。

Q.現在新設されている建物は何ができるの?

南三陸町の山と海、過去と未来を繋ぐ船をイメージした駅舎が整備されています。さんさん商店街、中橋同様、建築家の隈研吾さんにより設計された駅舎は鉄骨造一部2階建て、延べ床面積1,417㎡であり、大きく3つの機能を備えています。

1.震災伝承施設「南三陸311メモリアル」

東日本大震災の大津波による町民の被災体験や、全国・世界からの支援への感謝を伝えるための震災伝承施設

2.地域間連携機能

地域全体の活性化につながる情報や観光情報の発信、地域交流の場として活用

3.公共交通ターミナル

地域公共交通拠点としてBRT、高速バス、町内乗合バスのターミナルとなり、公共交通利用者の利便性が向上

現在建設中の新駅舎は2022年2月完成、来春の開業を目指しています。

Q.新設エリアには産直などのショップができるのですか?

現在整備中の駅舎に産直などが入る予定はありません。食堂や直売所は、現在ある「南三陸さんさん商店街」の店舗を利用していただきます。

Q.現在でも休日は駐車場が満車になることもあるが、道の駅登録によっていっそう混雑するのではないか?

現在整備中の新設エリアと現在のさんさん商店街の駐車場あわせて、249台の駐車場を整備しています。さらに、道の駅を含む志津川市街地に車で来られた方の無料駐車場として、志津川保育所跡地を駐車場として整備しました。路面は砂利舗装仕様で、区画はロープで仕切り、駐車台数73台となります。

また公共交通を利用される方も駐車場は利用可能となっています。

志津川保育所跡地に整備された駐車場

Q.伝承施設「南三陸311メモリアル」はどんな施設ですか?

東日本大震災に関わる南三陸町民の記憶と体験の伝承を通して「自然とは、人間とは、生きるとは」を五感で感じ、学びあい、思考する「みんなの広場」を創造する。

を基本理念とした施設で、大きく二つの特徴があります。

一つ目は「ラーニング機能」。語り部や現地視察を組み入れた「震災学習プログラム」を被災地ツーリズムとしていち早く全国展開したノウハウを最大限活用し、防災について主体的に学べる施設。二つ目は「アート」。世界的巨匠のアート作品により、訪れた方が自分自身と向き合い、人間の命、その重さと、はかなさに思いを馳せ、言語を超えた感動に出会う空間。この二つを核として、東日本大震災の教訓を後世に語り継ぐ場として整備していきます。

来春の全面開業時には多くのお客様が集う場となることを祈って

東日本大震災から10年が経ち、中心市街地の復興事業も最終局面を迎えています。南三陸の復興の象徴である「南三陸さんさん商店街」。キラキラ丼をはじめとした豊かな海産物が目玉となって多くの町外のお客様にお越しいただいています。今回の道の駅登録で、公共交通機関のターミナルや利便性の向上によって、町外のお客様はもちろん、町民の皆さんも利用する機会が増えることが期待されます。

2020年3月から続く新型コロナウイルスの感染拡大によって飲食・観光業は大きなダメージを負っています。まだまだ収束の目途はたちませんが、道の駅駅舎が利用開始となる2022年春には、不安なく志津川地区に人が集い、観光交流の拠点として賑わいを見せることを祈っています。

道の駅安全祈願祭の様子

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