南三陸町地域おこし協力隊員に2021年4月より着任した福島県出身の佐藤豪(たけし)さん。一般社団法人南三陸YES工房に所属し、南三陸杉を中心とした木製品の広報・販売促進を行います。そんな佐藤さんに移住のきっかけや理想の南三陸生活について伺いました。
南三陸町の地域おこし協力隊の概要
地域おこし協力隊とは、地方自治体からの委嘱を受け、 地域の魅力発信や特産品の開発、住民の生活支援など、さまざまな方向から地域を活性化させる活動に取り組む都市部からの移住者です。現在、多くの地方自治体が協力隊の受け入れを行っており、その運用方法は自治体によって異なります。
南三陸町では、2020年度から運用制度を改正。新しい視点で地域の活性化に取り組んでいただく人材が必要と考え、協力隊を受け入れています。また、移住者である隊員が地域の生活になじむことができるよう、そして、起業・事業承継に向けたノウハウを学びながら地域活性化活動に取り組めるよう、 町内で活動している事業者・団体が隊員の方を雇用する形をとっています。
佐藤豪さんが南三陸町地域おこし協力隊としては1年10ヶ月ぶりの新規協力隊員となり、現隊員が4名となりました。
1年10ヶ月ぶりに新規隊員着任
佐藤さんは「空間リノベーションで南三陸木材の振興と交流を図るプロジェクト」で一般社団法人南三陸YES工房が受入事業者となって活動を行います。
「FSC認証材等を使用したデジタルファブリケーションの開発製作」
「木製品の情報発信や販売促進」
「モノづくりを通じたコミュニケーションの場となる市民工房の推進」
「南三陸町森林管理協議会と連携を図りながら空間リノベーション事業を推進し、木材産業の活性化」
などが主な活動内容として想定されています。
南三陸町がFSC国際認証を取得したのは2015年。震災以来、さまざまなモノづくりを手掛けてきたYES工房も2020年に「FSC CoC認証」を取得しました。加工分野においても認証を取得したことによって、南三陸杉材の製品化・ブランド化を推進していくタイミングでの協力隊着任となり、佐藤さんの今後の活動に期待がかかります。
新規着任した佐藤豪さんにお話しを聞いてみました!
―これまではどのような経験をしてきたのでしょうか?
東北工業大学を卒業し、3年間は福島県で林業の現場仕事を行っていました。木を切ったり、植えたり、下刈りしたりと現場班として活動しました。
最終的には地域デザインをやりたいと思っていたのですが、社会勉強の一環として一次産業の分野に身を置いて体感してみました。
―南三陸町に移住のきっかけとなった出来事はなんですか?
東北工業大学に在籍していたときからお世話になっていた南三陸町出身で仙台で建築家として活躍する阿部正さんがきっかけです。南三陸町には、大学時代からスレート屋根の保全活動の研究で、阿部さんと共に何度か訪れていた土地でした。
そのときから、山と海が非常に近い町だなという印象をもっていました。林業を経験して、これから木材を生かした地域デザインなどを手掛けたいと思っていたところで、この活動を阿部正さんから教えていただき、魅力的に感じたので決断しました。
―協力隊員としての意気込みを教えてください
林業従事者の力になりたいですね。林業の分野が盛り上がっていくように少しでも力になれるように頑張りたいです。すてきな木工作品を作っている作家さんもいるので、まずは発信部門を強化していきたい。
南三陸の林業自体は伸びしろしか感じないですね。木材の需要をしっかりと高めて、出口がしっかりとあれば、木材生産においてもどんどん効率化できる部分も多いと感じるので、まずはその需要を高めることを意識していきたいですね。
―趣味は何ですか?どんな暮らしを南三陸で送りたいですか?
趣味は釣りとバイクですね。
釣り場を開拓したいですね。ツーリングも気持ちよさそうな道が多いなって思っているので楽しみです。釣りもバイクも、アウトドアな趣味が多いのでこの町のみなさんと楽しんでいけたらいいですね。
これからもよろしくお願いします!