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    オンラインでも届けたい「ごきげん!」ごきげん一家オンライン公演開催!

    毎年、夏に南三陸町で演劇の公演をしていた「ごきげん一家」がオンライン公演を開催しました。また同時期に地域で楽しめることはないかと始まった、歌動画を作る企画「『えんとつ町のプペル』ごきげんに歌おうプロジェクト(以下、ごきげんプペル)」。そのプロジェクトを立ち上げた東京にある全學寺副住職である大島さんとごきげん一家の目谷さんと浅川さんに話を伺いました。

    南三陸が繋いだ縁。全學寺×ごきげん一家

    今回、地域で歌動画を作る企画「ごきげんプぺル」を立ち上げたのは、東京都足立区にある全學寺副住職である大島俊映さんとごきげん一家の浅川芳恵さんです。2人の出会いは2019年から毎年2月に全學寺で開催している「すきだっちゃ南三陸」。2019年に開催した第1回目の時に、縁あってイベント内で演劇を披露したことが大島さんとごきげん一家の出会いでした。今年は新型コロナウイルスの感染が拡大する前の2月上旬に開催され、ごきげん一家も2年連続で出演し演劇を披露しました。

    第2回目となった今年のイベント終了後、インベントに関わった人を中心に新たなコミュニティが出来上がっていったと話す大島さん。その新たなコミュニティがさらに地域で面白いことができないかと思っていた矢先、新型コロナウイルスの感染が拡大しました。それでも「自粛生活の中でも地域で何かできないか」と大島さんから、ごきげん一家 浅川さんに相談を持ち掛けたのが今回のプロジェクトの始まりでした。

    2019年に初めて全學寺で行った「すきだっちゃ南三陸」。 前列左から2番目(灰色のパーカー)が全學寺 副住職の大島俊映さん

    歌動画いいよね!から形になって行ったプロジェクト

    企画のコンテンツも大島さんから「動画で歌を歌ったらいいよね」と提案したことで、ごきげんプぺルが動き始めました。

    プロジェクトの話が進む中でせっかくやるなら「すきだっちゃ南三陸」やごきげん一家が繋がりのある、南三陸と絡めた企画にしたいという想いと共に進んでいきました。また題材は以前話題にもなった「えんとつ町のプぺル」を採用。作者である西野亮廣さんのファンである大島さんと浅川さんが、西野亮廣さんのオンラインサロンに参加していたこともあり「えんとつ町のプぺル」に決まったと話します。プロジェクトが形になっていく過程で、自然とごきげん一家が企画やコンテンツを作る役割、大島さんがコミュニティ全体のまとめる役割になっていったと振り返ります。

    再生回数×20円を南三陸での活動資金に

    ごきげんプぺルに合わせて「えんとつ町のプぺル」をオンライン朗読劇として5月と7月の2回開催した、ごきげん一家。「ごきげんプぺル」で完成した歌動画は、7月19日に行ったオンライン公演のエンディングで初のお披露目となりました。また公演終了後、オンライン公演の様子をYouTubeで配信。期間内に1再生される度、ごきげん一家に南三陸での活動資金として20円が寄付されるチャリティ企画も合わせて実施されました。

    7月19日に行われたオンライン公演の広報チラシの一部

    プロジェクトを通して、いつか南三陸を訪れるきっかけに

    今回、ごきげんプぺルに協力してもらった人には南三陸産の乾物をプレゼント。大島さんは「これまでも南三陸と地域(東京都足立区)を繋ぐ想いで活動をしてきた。このプロジェクトやプレゼントが縁となり、南三陸を訪れるきっかけになったら嬉しい」と話していました。ごきげん一家代表である目谷哲朗さんは「何もしないより、現状でできることは何だろうと考えた。オンラインならたくさんの人に届けられるとポジティブに考えるようになり、オンラインでの企画を考えた」と一連のオンライン企画を振り返ります。

    歌おうプロジェクトの収録の様子(写真提供:ごきげん一家)

    収束後の南三陸での活動に期待が膨らむ

    新型コロナウイルスの影響により、今年の夏に予定していた南三陸公演は中止にしたごきげん一家。目谷さん、浅川さんは今回オンラインで披露した「えんとつ町のプぺル」を南三陸で実演してみたいと話します。「絵本の主人公の町も漁師町で似ている部分もあるため、南三陸でやったらどんな反応になるのか楽しみ」と浅川さんは話していました。自身でメディアサイトの運営もしている大島さんは「今後も継続して南三陸の発信をしていきたい。自分が南三陸を楽しみつつ、いろんな人繋がる入口を作っていきたい」と意気込みます。また以前訪れた際、仲間たちと南三陸で釣りをしようと話しており、次回の楽しみにしていると話していました。

    新型コロナウイルスの感染拡大により、変化しつつある社会。南三陸と東京で距離は離れていますが、南三陸への想いは距離など関係ないと取材を通して感じました。南三陸がきっかけとなり、広がった応援の輪。今回のプロジェクトで、さらにその輪も広がったことでしょう。今後もそれぞれの活動に注目です。

    写真:大島俊映さんが運営するメディアサイト「トネリライナーノーツ」より

     

    ▶【映画】『えんとつ町のプペル』主題歌 ごきげんに歌おうプロジェクト ~届けよう、南三陸へ~

    ▶「西尾久の夏休み」えんとつ町のプペル絵本朗読劇 ごきげん一家

    2020年8月31日/定点観測

    南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。

    写真をクリックまたはタップすると大きくなります

    戸倉地区

    撮影場所 [38.642969, 141.442686

    パノラマ

    志津川地区

    撮影場所 [38.675820, 141.448933

    パノラマ

    パノラマ

    パノラマ

    パノラマ

    歌津地区

    撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E

    パノラマ

    他の定点観測を見る

    若き防災指導員が誕生!県内で初めて高校生が認定

    今年3月、県内で初めて高校生の防災指導員が2人誕生しました。志津川高校に通う、及川拓海さんと木下巧大さんです。志津川高校防災クラブに所属し、日頃から防災に関する活動をしている2人。防災指導員になった2人の防災への想いに迫りました。

    日頃から防災活動に積極的な2人。高校生で初めての指導員認定

    今年3月、県内では初めて2人の高校生が宮城県防災指導員の認定を受けました。志津川高校に通う3年の及川拓海さんと2年の木下巧大さんです。今回2人が認定を受けた宮城県防災指導員は、震災対策に関する活動の中心的な役割を担っています。2009年に県が制定した「震災対策推進条例」に基づいて指導員の養成や認定が行われており、昨年度までに県内7451人が認定されています。高校生が指導員の認定を受けたのは今回の2人が初めてでした。

    2人は高校入学してすぐに、2017年に発足したばかりの志津川高校防災クラブに所属。防災クラブの活動では、南三陸消防署協力のもと訓練の実施や町総合防災訓練への参加など様々な活動を実施。今年度からは年3回行われる学校防災訓練でアンケートをとり充実した訓練の実施を目指すなど、日頃から防災活動に積極的に取り組んでいます。

    防災プログラムへの参加。防災指導員の認定へ

    2人は今年1月に行われた「みやぎ防災ジュニアリーダー養成研修会」に参加。プログラムでは、全国から集まった同世代と共に災害や防災に関することを学び、ポスターセッションにて学んだことや取り組んでいる活動について発表し合いました。及川さんは「日本各地の防災や災害に関する話を聞け、地域の特色が出ていたことに驚いた」と話します。

    通常、防災指導員になるには指定の養成講習を受講することが条件になっています。しかし2人は1泊2日にわたる防災プログラムを受けたことで、養成講習は免除され認定を受けることが出来ました。「認定された実感はないが、責任感は感じている」と話す及川さんと木下さん。続けて「高校生だから思うように指導員として活動できないところもあると思う。まずは学校防災を中心に、防災の大切さを伝えていきたい」と話します。

    3.11の時は小学生だった2人

    東日本大震災の時は、小学生だった2人。小学1年生だった木下さんが一番衝撃を受けたのは、震災翌日に母親から「お家ない」と言われたことでした。当時、海の傍に住んでいた木下さん。夜が明けて見た風景には家の外観が残っており、家は大丈夫だと思っていたと当時を振り返ります。小学2年生だった及川さんは、津波によって燃えた家屋や漏れ出した石油の臭いが印象的だったと話します。また夜になり水が使えず、トイレもまともに流せない状況に困ったと震災を振り返ります。

    (提供:一般社団法人南三陸研修センター)

    将来目指すは“消防士”

    小学生で被災し、学年が上がるにつれ防災への関心も高まっていった2人。そんな2人が将来目指しているのは、消防士です。

    地震や津波だけでなく、他の災害にも対応できるよう最低限の食料備蓄が大切だと話していた木下さん。震災報道で消防士の活躍を知り、自分も人の命を守る仕事に就きたいと消防士を目指すようになっていきました。ゆくゆくは消防士として培った経験や知識を、地域に伝え更なる防災力の底上げをしていきたいと意気込みます。

    「“他人事を自分事に“他の災害も自分事として捉えて備えていくことが大切」と話していた木下巧大さん。

    同じく消防士を目指している及川さんは、まずは大学の進学を考えています。防災を進める上で、地域の支え合いなど日頃からのコミュニケーションが大切だと話していた及川さん。目指す消防士像も、地域とのコミュニケーションを大切にした、住民から頼りにされるような消防士になりたいと意気込みます。

    「地域と生徒、中高連携して防災力を向上していきたい」と話していた及川拓海さん。

    後世へ伝える震災の教訓

    高い志を持って将来消防士を目指し、防災活動をしている2人。毎年、各地で災害が増えてきているのを受け今後の防災には「有事の際にすぐ行動出来るよう意識付けしていくこと」だと話します。そのためにも、後輩や町の子ども達に防災の大切さを伝えて行きたいと意気込んでいました。また今年で卒業になる及川君は「コロナで思うように活動できないが出来る事から取組み、自分が学んできた知識、アイディアをしっかり後輩たちに伝えていきたい」と話していました。

    来年3月で震災から10年をむかえる南三陸町。町の復興が進むとともに、世代は変わり震災風化も進んでいます。しかし、2人のような防災への高い志をもった次の世代が、震災から学んだ教訓を後世へ繋ぎ、より災害に強い町にしていくことでしょう。2人のこれからの活躍に期待です。

    【海で!山で!地域資源を活かす】地域おこし協力隊 新規隊員募集中!

    地域おこし協力隊の受け入れも震災後から開始し、現在7名の隊員が町で活躍しています。令和2年度は現時点で新たに3名の隊員を募集。森と海。南三陸が誇る資源を最大限に活用できる魅力的なプロジェクトです。今年度から大きく体制も変わり、これまで以上に地域と近い関係で活動を行い、成果を出していくことを目指しています。

    7名の隊員が町で活躍中!

    これまでも何度か南三陸なうでも紹介してきた、南三陸町地域おこし協力隊。都市部から人材を受け入れ、地域おこしの支援の住民の生活支援等の活動を行いながら、地域への定住・定着を図る取り組みとして全国1071の自治体で受け入れており、5000人以上の隊員達が様々なの地域で活躍しています。南三陸町では震災後の2016年から受け入れがスタート。これまで13名の隊員を受け入れ、現在7名の隊員が様々な分野で活動しています。

    南三陸町役場 マチドマに設置されてる「南三陸町地域おこし協力隊紹介コーナー」

    現在、新たに3名の隊員募集中

    町総合戦略の基本目標3「私たちはともに未来を拓く人々が集う家(まち)をつくります」の一つの施策としても地域おこし協力隊の受け入れを掲げている南三陸町。今年度、新たに3名の地域おこし協力隊を募集しています。

    ①特定非営利活動法人 海の自然史研究所

    ▶南三陸森里海の自然体験活動事業推進員 1名

    【目標】
    【「あそびをまなびに変える」自然体験活動を本格的に事業化する】
    「自然体験を通し学びに繋げる」「豊かな自然を地域の魅力として発信し、新たな価値を創出する」ことを目的としています。将来的には法人化した EELs(自然体験活動を行う任意団体)で、経営者として活躍頂きたいと考えております。

    写真提供:特定非営利活動法人 海の自然史研究所
    写真提供:特定非営利活動法人 海の自然史研究所

     

    ②一般社団法人南三陸YES工房

    ▶デジタルファブリケーションで南三陸杉の振興と交流を図るプロジェクト 1名

    【目標】
    新製品の開発/体験プログラムの開発
    南三陸杉を使った新製品や体験プログラムの開発を通じて、木材の新たな価値を創造する。

    写真提供:一般社団法人南三陸YES工房

    ▶空間リノベーションで南三陸杉の振興と交流を図るプロジェクト 1名

    【目標】
    木材のサプライチェーンを確立し、国内外にPR
    「木材の新たな価値を創造する町」としてのブランドを広く世に伝える。

    写真提供:一般社団法人南三陸YES工房

    地域に馴染みやすいよう体制を見直し

    実は令和2年度から新体制で再スタートした南三陸町地域おこし協力隊。

    これまでは町が委嘱、直接雇用する形で、町が目指す持続可能なまちの実現に向けた起業を目標に隊員の受け入れをしていました。しかし、今年度から町が委嘱するものの、地域おこし協力隊員の受け入れ事業所が雇用する形に変更。

    町内事業所が隊員の雇用をすることで地域生活にも馴染みやすく、事業ノウハウを学び活動がしやすいよう受入体制の見直しがされました。企画課の担当者は「3年と限られた中で成果を出すには限界がある。今回の体制見直しで事業所が受け皿となることで、活動や成果にもつなげやすい」と期待を込めます。現在はまだ2つの事業所での募集ですが、受入事業所の募集も随時行っています。

    「地域おこし協力隊紹介コーナー」に置かれている隊員応援ノート

    住民への周知も課題

    今年度で受け入れを始めて、4年目となる地域おこし協力隊事業。これまで13名の隊員を受け入れているにも関わらず、まだまだ住民たちの認知度が低いと担当者は話します。

    「移住者である地域おこし協力隊員が町をより良くするための起爆剤となって欲しい。その地域の受け皿として機能するためにも、まずは多くの住民に認知してもらえるよう取り組んでいきたい」と意気込みます。

    令和2年度から新たな体制で挑む南三陸町地域おこし協力隊事業。隊員が地域に入ることで生き生きと活力ある街、良い循環を作っていくことを目指しています。新体制での隊員達の活躍、今後どんな町になっていくのか注目です。

     

    【南三陸町地域おこし協力隊に関するお問い合わせ】

    南三陸町HP「令和2年度南三陸町地域おこし協力隊員募集」

    https://www.town.minamisanriku.miyagi.jp/index.cfm/8,27206,110,427,html

    電話番号:0226-46-1371 南三陸町企画課 地方創生・官民連携推進室

    日常の「しあわせ」を描く移住動画。コンテストで優秀賞受賞▶制作者インタビュー

    南三陸町の移住促進動画(南三陸町移住・定住支援センター制作)が映像コンテストで、見事優秀賞を受賞。南三陸での「くらし」を通して、南三陸で「幸せ」を見つけた移住者をまとめたものです。企画・制作者にインタビューして、この映像に込めた想いを伺いました。

    移住に欠かせない「くらし」がコンセプト


    「自然・夫婦の豊かな時間・人との繋がり・仲間・応援・・・」
    南三陸に移住してきた4名が、日常の暮らしのなかから感じるさまざまな「幸せ」とは?

    個人の幸せを通して、南三陸のよさを伝える

    南三陸町移住・定住支援センターが制作した動画「Feel happiness in 南三陸」。一般社団法人東北映像制作者協会が実施する「東北映像フェスティバル2020映像コンテスト地域振興コンテンツ部門」で見事優秀賞を受賞しました。

    「南三陸に移住して個人の幸せを見つけられた人、幸せを感じられている人を動画で表現したかった」と話すのは、南三陸町移住・定住支援センターの上野英律さん。

    いわゆる町のPR映像のように、いいところだからどんどん来て!という内容ではありません。動画に出てくる個人の感じる幸せを通して、南三陸のよさが伝わるような仕上がりになっています。

    「この動画を見て、『いろんな生き方があるんだな』と感じるきっかけとなってほしい。移住は幸せな人生を送るための手段のひとつなんだ、ということを南三陸に移住してきた人たちのストーリーから感じていただければ」と上野さんは話します。

    南三陸町移住・定住支援センターの上野英律さん

    自然体の姿や言葉が印象的

    動画を見ると印象的なのが、登場する人物たちの自然体の姿や言葉たち。

    撮影・編集を担った株式会社はなぶさ(南三陸町志津川)の佐藤孝範さんは「登場する人々の自然に出てくる言葉に力を感じた。演出も誇張もせずに、ありのままを伝えられる動画に仕上げました」と話します。

    「作りこまれすぎた映像ではない分、初見の人も自分自身を重ねやすいのではないか」と両者口をそろえます。

    「南三陸の“くらし”や“はたらき”で、自分自身の未来を重ねて想像する。新型コロナウイルスの影響もあり、『幸せとはなにか?』と改めて考えることもあるこんな時だからこそ、この動画を見て考えるきっかけになってくれたらいいですね」

    さらに上野さんは、「移住動画ではあるのですが、ぜひ町民の方にも見ていただきたい」と話します。

    「自分たちが生まれ育った町に、移り住んできて過ごすことが、幸せにつながっているということを知っていただきたいですね。なんでもない当たり前の日常のなかに幸せが隠れているということを感じられる動画になっていると思います」

    南三陸杉枝フォーク作りをオンラインで! 新たな形の体験プログラム

    南三陸町・入谷地区の「YES工房」では、南三陸杉の枝を用いたフォーク作り体験を行っています。コロナ禍で対面での実施が難しいなか、新たな形の体験プログラムとして、オンラインワークショップを企画・実施しました。

    杉枝を利活用するフォーク作りに、自宅で挑戦!

    「こんにちは~!」「お久しぶりです」。

    ワークショップ開始前、参加者が次々と画面上に現れ、あいさつを交わします。ウェブミーティング・ツール「zoom」を使って、YES工房初めてのオンラインワークショップがスタート。まずはYES工房の大森丈広さんが動画やパワーポイントで全体の流れを説明します。

    杉枝フォーク・スプーン作りワークショップは、南三陸町の杉枝を資源として利活用するために考案された
    カメラに向かって参加者に話しかけるYES工房の大森さん

    ワークショップに先立ち、参加者の手元にはフォーク作りキット一式が届きます。杉枝、小刀、木工ボンド、サンドペーパーなど、必要なものはすべてそろっており、家で用意するのは下に敷く紙(新聞紙など)とティッシュペーパーのみ。準備物が少ないので気軽に参加できます。

    材料がそろっているのを確認したら、小刀の扱い方や枝の削り方をレクチャーしてもらいます。「くれぐれもケガだけはしないように注意してくださいね」と大森さん。小刀を使うのはいつ以来だろう?と考えながら、慎重にカバーを外します。さぁ準備OK

    杉枝の削り方を動画で確認。うまく削れるかドキドキ…

    おしゃべりを楽しみながら、もの作りを堪能。

    鉛筆で縁取りをしたら、削り始めます。できるだけ杉枝と平行になるように小刀を動かし、なるべく薄めに削り取るのがコツ。節の部分は堅いので、無理せずゆっくりと。好みの太さ・形を目指して削っていきます。YES工房の大森さんがうまく話を振ってくれて、みんなでおしゃべりを楽しみながら作業をしていると、まるでそこに一緒にいるような気に…。オンラインだということを忘れそうでした。

    最初は怖々だったが、慣れてくるとうまく削れるように
    YES工房の大森さんが画面越しにアドバイスしてくれるので心強い

    途中からは集中タイム。みんな無心になって削ります。トータル40分ほどで削り作業はいったん終了。うまく削れたか、自分の杉枝をカメラに近づけて状態を確認してもらいます。

    削り終えた杉枝と削りかす。こんなにもたくさん削ったのかと自分でもビックリ

    次は、サンドペーパーで杉枝を磨きます。形が整い、表面がすべすべになっていくのはうれしいもの。この作業もなかなか無心になっちゃいます。

    磨くほどに手触りがよくなっていく変化を実感できるのが楽しい

    磨き終えたら、枝の穴の中に木工用ボンドを流し込んで、フォークの先の部分を差し込みます。そして亜麻仁油を染み込ませたティッシュで枝の部分を拭き、さらに乾拭きをしてフィニッシュ。1日よく乾燥させてからぬるま湯で洗ったら完成です。

    木のぬくもりが感じられるマイフォークができ上がり、大満足!

    オンラインの体験・交流で南三陸とつながる。

    フォーク作りが一段落し、最後にバーチャル工房ツアーがありました。大森さんがYES工房内を案内してくれ、実際に訪れているような気分になります。

    疫病を払うと言われている妖怪「アマビエ」バージョンのオクトパス君を製作中

    バーチャル工房ツアーもあり、盛りだくさんだった2時間ほどのワークショップ。

    参加者からは「以前YES工房でのワークショップにも参加したことがありますが、オンラインでも違和感なく楽しめました」「フォーク作りはもちろんですが、ほかの参加者やYES工房のみなさんとの交流も魅力です」「南三陸の今の様子がわかってよかった」といった声が聞かれました。

    なかなか現地に足を運ぶのが難しい昨今ですが、フォーク作りを通して南三陸を味わい交流も楽しむことができるオンラインワークショップには、大きな可能性を感じました。

    「実際にオンラインワークショップをやってみて課題も見えてきたので、さらに工夫・ブラッシュアップしていきます。厳しい状況ですが、受け身ではなく積極的に新しいことをやっていきたい」とYES工房の大森さん。南三陸とつながる新たな形の体験プログラム、今後の展開が楽しみです!

    2020年7月31日/定点観測

    南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。

    写真をクリックまたはタップすると大きくなります

    戸倉地区

    撮影場所 [38.642969, 141.442686

    パノラマ

    志津川地区

    撮影場所 [38.675820, 141.448933

    歌津地区

    撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E

    パノラマ

    他の定点観測を見る

    地元の声援届くか、志高野球部「平成の森」で初戦挑む!

    夏の全国高等学校野球選手権宮城大会が新型コロナウイルスの影響により中止となり、その代替試合として7月11日から行われた「東北地区高等学校野球選手権大会」。志津川高校野球部は石巻北高校との連合チームで「平成の森しおかぜ球場」を会場に初戦に挑みました。会場への入場も制限され、原則無観客試合で開催された試合の模様をお届けします。

    「平成の森 しおかぜ球場」を会場に8試合実施!

    新型コロナウイルスの影響により、「第102回全国高等学校野球選手権宮城大会」が中止。その代替試合として「令和2年東北地区高等学校野球選手権宮城大会」が7月11日(土)から県内6カ所の会場で開催されています。今年は新型コロナウイルス感染防止のため各校、試合会場までの移動距離を短くし、宿泊せずとも対戦できるように配慮。会場への入場も制限され、原則無観客試合で開催されています。

    南三陸町にある「平成の森 しおかぜ球場」も会場となり、4日間に渡り合計8試合が行われました。感染予防の配慮により、志津川高校は昨年に引き続き3年連続となる地元平成の森会場で初戦を迎えました。今年は部員不足により単独チームでの出場は叶いませんでしたが、石巻北高校との連合チームで、初戦登米総合産業高校に挑みました。

    初回1点先制するも、相手打線止めれず

    7月18日(土)小雨が降る中、志津川・石巻北連合 対 登米総合産業高校の試合が10時から行われました。

    先攻は志津川・石巻北連合。

    1番がセンター前ヒットで出塁すると、続く2番3番も四球とヒットで出塁。ノーアウト満塁のチャンスで、4番 主将の中野君。ピッチャー強襲の当たりの間に三塁ランナーが生還し1点を先制します。

    1回裏、登米総合産業高校の攻撃。

    志津川・石巻北連合の先発が制球に苦しみ、四球で1番を出してしまいます。続く2番が送りバントをしっかり決め、3番がライトへの二塁打で1点を返されてしまいます。その後も四球やエラーが続き、この回だけで5点を失います。

    反撃したい志津川・石巻北連合ですが、2回は三者凡退。

    その後も登米総合産業高校の猛攻は続き、2回に3点、3回には6点の追加点を挙げていきます。志津川・石巻北連合は3回以降、相手の四球でランナーを出すもチャンスを活かせず点が取れません。

    2回以降は1安打と相手ピッチャーに抑えられた志津川・石巻北連合。

    試合は、登米総合産業高校に1 対 16の5回コールドで敗れました。

    唯一の3年生 中野君「楽しくプレイすることを目標に」

    試合後、志津川・石巻北連合チーム主将の中野君(志津川高校)は「楽しくプレイすることを目標にこれまでやってきた。試合に負けて悔しいが、楽しくプレイできた」と話しました。

    連合チームで唯一の3年生だった中野君。試合中、3打席とも得点圏にランナーを置きながらの打席でした。「プレッシャーはなかったが、4番の仕事を果たせなかったのは悔しい」と試合を振り返ります。

    また試合中エラーをしてもお互いに声を掛け合い、前向きにプレイしている姿が印象的だった志津川・石巻北連合チーム。「ポジティブで楽しいチームだった」と中野君はチームの雰囲気を話していました。

    昨年の夏の大会は、自チームで出場していた志津川高校野球部。しかし部員数が足りず3年生が抜けてからは、合同チームでの大会出場でした。中野君は「最後、自チームで出場したかったが叶わなかったのも運命だと思う。3年間振り返って、辛いこともあったが先生や親の後押しがあってやって来られた。感謝しかない」と話しました。

    志津川・石巻北連合チーム 主将 中野信君

    海水浴場は開設から一転”中止”へ。2020年 夏の南三陸の楽しみ方

    いまだ感染が確認されている新型コロナウイルスにより、全国各地夏のイベント、観光業にも影響が出ています。南三陸町でも海水浴場の開設が予定されていましたが、感染防止対策ガイドラインに基づき中止が決まりました。

    毎年多くの賑わいを見せていたサンオーレそではま海水浴場

    1999年に人工海水浴場としてオープンした「サンオーレそではま」。東日本大震災により休止をしていましたが、2017年に再開。砂浜の全長が300mから「サンオーレ」と名付けられ、毎年多くの海水浴客で賑わいを見せていました。

    一昨年2018年には利用者数が過去最多を記録。昨年は天候に恵まれなかったこともあり、利用者数は伸び悩みました。そして震災後の再開から迎えた4年目。新型コロナウイルスの影響により県内多くの海水浴場で中止が決まる中、南三陸町でも開設するか協議が重ねられていました。

    2017年に震災から再開を遂げたサンオーレそではま。再開時に行われた安全祈願祭の様子。

    今年の海水浴場は中止に。

    7月に入り開設することを発表。県内の海水浴場では東松島市と南三陸町の2カ所が開設を予定していましたが、東松島市の海水浴場は近隣市町村で感染が確認されたこともあり中止を決定。南三陸町だけが海水浴場の開設を予定していました。

    開設にあたり「サンオーレそではま海水浴場開設運営及び新型コロナウイルス感染症の感染防止対策ガイドライン」を作成。開設・中止に関する要件や入場ゲートの設置、利用者数の上限など具体的な感染対策が明記され、徹底した感染対策のもと運営が予定されていました。

    しかし、7月16日に県内でクラスター発生を確認。「サンオーレそではま海水浴場開設運営及び新型コロナウイルス感染症の感染防止対策ガイドライン」に基づき7月17日に開設の中止が決定しました。なお海水浴場は開設しませんが7月下旬から8月中旬の土日、お盆期間中には事故防止のため警備員の配置を行います。

    2017年、7年ぶりに再会された時の様子。

    海水浴場だけでない夏の南三陸!

    海水浴場が中止になったものの、南三陸町の夏は海水浴場だけではありません。「南三陸・海のビジターセンター」では、SUPやシーカヤックなど海の体験プログラムを提供しています。6月からは、主催イベントも徐々に再開。利用に一部制限もありますので、利用される際にはHPをチェックしてみてください。また南三陸町と石巻市の町境にある「神割崎キャンプ場」も、6月から徐々に営業を再開。利用予約は月毎の受付となっており、一部制限のあるサービスもあります。詳しくはHPをご覧ください。

    ▶南三陸・海のビジターセンター

    http://www.kawatouminovisitorcenter.jp/umi/

    志津川湾って、すごい!シリーズvol.3 「マリンアクティビティたのしいぜ」

    ▶神割崎キャンプ場

    https://www.m-kankou.jp/kamiwari-camp/

    夏~秋は、さらにパワーアップした神割崎キャンプ場へ!

    海辺の自然を大満喫!神割崎キャンプ場まるわかりインタビュー

    今年も大人気!キラキラうに丼

    自然を満喫した後は南三陸名物丼で腹ごしらえしてみてはいかがでしょうか。四季折々、旬の食材をふんだんに使ったキラキラ丼。キラキラ丼シリーズの中でもひときわ人気を集めるのが夏期限定「キラキラうに丼」です。例年5月からの提供でしたが、こちらも新型コロナウイルスの影響により今年は提供開始を延期。自粛要請の解除に伴い約1カ月遅れて、5月29日からの提供開始となりました。提供期間は8月31日までとなっております。

    また今年度から、南三陸なうYouTubeチャンネルで地域の魅力を発信しています。普段は見ることができない南三陸町のウニ漁の様子も公開していますので、ぜひそちらもご覧ください。

    ▶ウニ漁(開口)を船上から撮影 | VLOG #4

     

    お越しの際は、感染予防の徹底にご協力ください

    いまだ感染拡大を見せている新型コロナウイルス。毎年、志津川地区と歌津地区で開催されていた夏祭りも既に中止が決まっています。サンオーレそではま海水浴場を楽しみにしていた方も多いかと思います。来年には新型コロナウイルスも終息し、安心してお越し頂ける状況になっていることを願うばかりです。暑い夏が始まりますが、マスクや消毒など感染予防に留意してお過ごしください。

    ※7月現在の情報となります。新型コロナウイルス感染状況や天候状況によっては、利用制限や時間が変更になっている場合もございます。各サイトご確認の上、感染対策に留意してご利用ください。

    南三陸の「夏」をまとめた4K高画質の動画です。今年は体感することはできませんが、ぜひ動画で南三陸の「夏」を感じてみてください。

    自然環境や文化を体感し伝える!「南三陸少年少女自然調査隊」本年度の活動スタート!

    町の自然環境や文化を体験しながら魅力を発信するために、町内の小中学生が参加する「南三陸少年少女自然調査隊」。7月4日(土)に折立海岸で生きもの調査を実施し、27種類の生きものが確認されました。今後も月1回のペースで活動を続けていく予定です。

    2年目の活動には小中学生12名が参加

    南三陸町内の小中学生が、年間を通じて、町の自然や歴史について学ぶ「南三陸少年少女自然調査隊」が今年度の活動を本格的に開始しました。

    南三陸少年少女自然調査隊は、志津川湾がラムサール条約に登録されたことをきっかけに、町の環境を学び、発信するために2019年度から発足。2年目の活動となる本年度は、小学4年生から中学2年生までの12名が参加しています。

    ▼▼▼2018年度の活動についての記事はこちら

    子どもたちと八幡川の生物調査!身近な自然に絶滅危惧種も発見!

    自然環境活用センター 研究員・阿部拓三さん
    昨年度の活動のまとめとして作られた壁新聞。「2019年度全国エコ活コンクール」(こどもエコクラブ主催)で環境大臣賞を受賞

    雨が降りしきるなか折立海岸で生きもの調査。27種類を確認

    新型コロナウイルスの感染拡大などの影響もあり、活動に支障が出ていましたが、7月4日(土)に本年度最初の活動を行いました。

    この日は、戸倉にある自然環境活用センターで、調査隊メンバーの初顔合わせ。オリエンテーションや干潟に関するレクチャー、調査方法の共有を行った後、小雨が降りしきる中、戸倉地区の折立海岸で生きもの調査を行いました。

    雨の影響もあり、調査時間は15分ほどと短時間になってしまいましたが、子どもたちは海岸にいる生きものを捕まえて持ち帰り、研究員やネイチャーセンター友の会のメンバーなどの指導を受けながら確認を行っていきました。

    これが初めての調査活動となる子も多くいるなか、子どもたちからは「面白かった!」「たくさん捕まえられてうれしい」などの声が。ケフサイソガニやタカノケフサイソガニ、アサリ、イシダタミ、ホトトギスガイなど27種類が確認されました。

    海だけではなく、森や里、文化も体験して伝えたい!

    「今後月に一度のペースで活動し、町の海や山や里、歴史文化に触れながら、町の魅力を探して伝えていく活動をしていきたいと思います」と自然環境活用センターの研究員・阿部拓三さんは話します。

    子どもたちからは「鳥について調べたい」「釣りをしたい」「干潟の調査をもっとやりたい」「スノーケリングしたい」「山の植物を調べたい」「プランクトンを観察してみたい」「森で虫を捕まえたい」など積極的な声があがっていました。

    「南三陸少年少女自然調査隊」の文字が入ったオリジナルの野帳
    一年間の活動でこの町の魅力がびっちりと詰まったノートとなることだろう

    次回は8月に志津川高校の自然科学部と一緒に、八幡川の生きもの調査を実施予定。また宮城県大崎市や滋賀県の子どもたちとの交流も検討されています。
    本年度も活動を壁新聞にまとめて、発表していく予定です。「南三陸なう」でも本年度の活動を継続してお届けしていきます。