南三陸のパティシエとボランティアの葛藤の物語。 『千古里の空とマドレーヌ』公開。

【配信は中断となりました(10/23追記)】震災前から南三陸に足を運びドキュメンタリー映画の撮影を行っていた我妻和樹監督の最新作『千古里(ちこり)の空とマドレーヌ』が10月13日(水)19:00よりオンラインで公開されます。南三陸町を舞台に描かれる、夢を追うパティシエとボランティアたちの想いが交錯する至高のドキュメンタリー。この作品について、我妻監督にお話を伺いました。

南三陸を描くドキュメンタリー映画三作目

【配信は中断となりました(10/23追記)】

2005年3月、東北学院大学の1年生だった我妻和樹監督は、民俗学ゼミの調査で南三陸町戸倉地区にある漁村「波伝谷(はでんや)」を訪れました。それ以来、大学3年間で波伝谷の暮らしを丹念に調査し、卒業後の2008年3月以降は個人で、波伝谷を舞台にしたドキュメンタリー映画の撮影を開始。自分が感じた地域の魅力、人々の生き方を伝える映画を作りたいという想いで波伝谷に足を運び続けました。

震災前の地域の営みを丹念に描いた作品で、第一作目となる『波伝谷に生きる人びと』は2015年に劇場公開。その続編にあたり、復興期における郷土芸能の復活までの苦難の道のりを描いた作品『願いと揺らぎ』は2018年に劇場公開。「山形国際ドキュメンタリー映画祭」のインターナショナル・コンペティションに入選するなど国内外から高い評価を得る作品となりました。

我妻監督最新作『願いと揺らぎ』仙台公開! 〜12年間の地域記録 記録者から伝える人間に〜(前編)

我妻監督最新作『願いと揺らぎ』仙台公開! 〜12年間の地域記録 記録者から伝える人間に〜(後編)

そして我妻監督の第三作目となる作品『千古里の空とマドレーヌ』が2021年10月公開となります。今や南三陸町の定番スイーツとして押しも押されもせぬ存在となった「お山のマドレーヌ」を手がける「オーイング菓子工房Ryo」のパティシエ・長嶋涼太さん一家と、全国から集ったボランティアたちの物語です。

未曾有の災害のなかで前に進む姿を記録

前二作から変わらないのは我妻監督と撮影対象の人物の距離感。監督自身が長期滞在し撮影しているからこそ同じ目線で会話に加わっているような感覚に襲われます。

「震災前から涼太さんとは親しくさせてもらっていて。波伝谷での撮影が思うようにいかないときも涼太さんのご家族が営むペンションOh!ingに泊まって、夜中まで話し込んだりしました。僕にとっては心の支えのような存在だったんです」と我妻監督が長嶋さんとの関係を話します。

震災後、生業としていたお菓子作りができなくなってしまった涼太さん。建設会社の瓦礫の釘抜き仕事などの復興事業に携わっていました。

「そんななか涼太さん自身もさまざまな葛藤や思いがありながら、ボランティアさんとの関わりのなかで、お菓子作りを再開して前に進んでいく姿は、今しか記録できないものだと思ってカメラを向け始めました」

被災地で浮かび上がる「葛藤」がテーマ

この映画で描かれているのは、「葛藤」。

東日本大震災という1000年に1度と言われる未曾有の大災害を経て、そこから立ち上がる地元住民となんとか力になりたいという想いで駆けつける全国のボランティア。

撮影されたのは2011年12月から2012年4月の期間。

「被災者とボランティアという関係で出会った人たち。時間が経過するなかで、人と人としてどのように関わっていくか。多くの人が悩んでいた時期だと思う」

ボランティアの「本当にその人にとって役に立つことができているのだろうか。邪魔になっていないだろうか」という葛藤。一方、被災者の側にも「自分たちで立って歩けるのに。そこまで弱い存在じゃない」という葛藤がありました。

支援を受ける側の葛藤と、支援する側の葛藤。両者のさまざまな想いが交錯しているのが、一つひとつの言葉、一瞬一瞬の表情の変化から伺えます。そして、映画を観ている私たち自身も、描かれている人物に共感して、心のなかでモヤモヤを抱えたり、頑張れと念じたり、その後を案じて不安になったり、喜んだり。登場人物と同じように心が揺さぶられて、自分ごとのような感覚になりながら物語は進んでいきます。

震災から 1 年後の被災地に生きる人びとの姿は、時代を超えた普遍性に満ちており、本作を通して私たちは、「人を支える」とは、「人のために悩む」とはどういうことなのか、自然と考えさせられていることに気付きます。まさに人と人が「ともに生きる」ためのヒントがこの物語のなかにはたくさん散りばめられていると言えるでしょう。

この映画が被災地の特別な日常を映し出して終わりのものではないと話す我妻監督。ここで映し出されているものはどこにでも起こりうる普遍的なもの。「自分の生活に照らし合わせて考えることができるのではないか」と我妻監督も話します。

あのとき被災地に想いを寄せていたすべての人に

映画の終盤では、さまざまな葛藤を経てお店をオープンし、復興する町を見つめる涼太さん一家の姿が映し出されます。宮城県内でも最多となる15万人以上がボランティアに駆けつけた南三陸町。多くの人の想いが交錯し続けた10年間でもありました。

「うまくいったことだけではなく、失敗したことや、後悔したこと、それらも含めて、たくさんのボランティアさんの経験や時間があったからこそ、この町の今につながっているはず。あのとき悩みながらもともに前に進もうとしたボランティアさんと地元住民が撒いた種が、今、花を咲かせているのではないか」と我妻監督は話します。

「あのとき被災地にボランティアに入ったすべての人。実際に現地に行っていなくても、遠くから思いを寄せていたすべての人に観てほしい」と我妻監督。

『千古里の空とマドレーヌ』は、10月13日(水)から12月30日(木)にかけて、期間限定で有料配信されます。

「このような状況下もあって、劇場公開ではなくオンライン配信をすることによって、全国どこでも好きなタイミングで視聴できるというよさがある。コロナ前から身体的事情などで映画を観に行くことができない人もいたので、オンラインで多くの人に見てもらいたいですね」

■『千古里の空とマドレーヌ』公式サイト
https://chikorinosora.wixsite.com/peacetree

ひころの里 新体制でスタート

令和3年度から指定管理者が替わり、新体制でスタートした「ひころの里」。入谷地区の地域活性化を目指す有志の集まり「ひころの里コンソーシアム」が、この4月から維持管理にあたっています。ひころの里を中心に、入谷地域全体を盛り上げたいと活動する同団体。中心メンバーの一人で、施設所長の鈴木清美さんにお話を伺いました。

入谷地区の歴史文化を体験できる「ひころの里」

ひころの里がある南三陸町の入谷地区は、かつて仙台藩養蚕発祥の地として養蚕業が盛んに行われていました。シルクで栄え、その品質はパリ万博でグランプリを受賞するなど高く評価されました。そんな郷土の歴史を気軽に体験できるのが「ひころの里」です。山あいにある施設内には養蚕の歴史を紹介するシルク館や、町の指定文化財でもある江戸時代の地方郷士の居宅「松笠屋敷」などがあり、施設見学のほか、民話の語り部やまゆ細工などの体験も行っています。また、芝生が広がるふれあい広場では、祭りやイベントが開催され、地域の人たちの憩いの場としても親しまれています。

緑に囲まれたひころの里 中央に見えるのが町の指定文化財「松笠屋敷」
民話の語り部が体験できる松笠屋敷の囲炉裏を囲んでお話を伺いました。

コロナ禍での新たな取り組み

-新体制をスタートさせた「ひころの里」、今どんな取り組みをされているんでしょうか。

まず私個人としては、これまで地元の方たちがこの場所を守るんだという強い思いで管理して来られたその思いを引き継ぐのが第一と考え、地域の歴史や文化を一生懸命勉強中です。同じ町内でも地域ごとにこんなに生活文化が違うのかと毎日が驚きの連続。また、これまでの維持管理のルールを見直し、いいところは踏襲し、直すべきところは改善していく取り組みをしています。

-コロナ禍でなかなか思うように進まないことも多いのでは?

私たちの大きな目的のひとつに、ひころの里をたくさんの人に知ってもらい、足を運んでもらう、そして町民のみなさんに有効活用していただくというのがありますが、コロナ禍において人を呼び込むイベントや広報活動がすべて足踏み状態。もどかしい思いの中で、私たちが始めたのが文化財の整理です。町指定文化財でもある松笠屋敷には貴重な資料や調度品がたくさん残されています。これまでその一部を展示して一般公開してきました。しかし、保管されている場所がバラバラで、貴重な資料がみなさんの目に触れることないまま埋もれていたり、扱い方がわからずに埃をかぶったまま放置されているようなことが結構あったんです。そこで町の教育委員会に協力してもらい、文化財の扱い方や保管の仕方、展示方法などを教わることにしました。スタッフみんなが文化財への知識を深めることで、訪れるお客さんへの新しい発見や学びにつながるようなガイドを、堂々とできるようしたいと考えています。今はそのための準備期間ですね。

屋敷に保管されている貴重な調度品 ひとつひとつにナンバリングがされている。

-アフターコロナで新たに挑戦したいことは?

集客につながる仕掛けを作っていきたいです。私は震災語り部を長年やって来ましたが、震災から10年が経ち、震災の経験だけではなく、町の魅力も一緒に伝えたいと強く思うようになりました。例えば震災復興祈念公園を案内した後に、ひころの里でまゆ細工の体験をしていただく、というように復興した町の様子と、古くから伝わる地域の文化を同時に体験できるツアーなど、アフターコロナに向けていろんなアイデアを考え中です。

また、ひころの里コンソーシアムのメンバーはそれぞれが自分の得意分野を持っています。メンバーのアイデアを形にする場所として、ひころの里を活用したいと考えています。例えばノルディックウォーキングが得意なメンバーによる入谷ノルディックウォーキングツアー。ツアー後にはひころの里の「ばっかり茶家」で地元のお母さんたちが作るおいしい料理を食べてもらうのもいいですよね。もちろん、メンバー以外でも地域を盛り上げるアイデアを持ってきてくれる人には場所の提供をはじめ、積極的に協力したいと考えています。

地域住民が気軽に利用できる場所に

ー「ひころの里」、これから地域の人たちにとってどんな場所にしていきたいですか?

入谷の暮らしや文化を伝えたり、イベントを行う場所としてはもちろんですが、もっと身近に感じてもらえる場所にしていきたいです。実は、名前は聞いたことはあるけど、どんな施設かわからないと言われることが多いんです。今、週に1度ほど地域のお年寄りが来て広場でグラウンドゴルフを楽しんでいるんですが、その方たちがボランティアで定期的に草刈りをしてくれるんです。「いつも自分たちが使っている場所だから」と言って。そういった地域の方とのつながりをもっと増やしていきたいと思っています。

ここは緑に囲まれているので季節によって風景が変わります。花の季節、新緑の季節、紅葉の季節、散歩するだけでもゆっくりとした時間が流れ、とても癒される空間です。地域のみなさんの散歩コースとしてふらっと寄っていただけるような、そんな場所にしたいです。

これからの季節は紅葉がとてもきれいです。みなさんもぜひ一度、足を運んでみてください。スタッフ一同、お待ちしています。

2019年11月の様子 もみじの紅葉が見事!(写真提供:ひころの里)

2021年9月30日/定点観測

南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。

戸倉地区

撮影場所 [38.642969, 141.442686

パノラマ

志津川地区

撮影場所 [38.675820, 141.448933

パノラマ

パノラマ

パノラマ

パノラマ

歌津地区

撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E

パノラマ

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「バーチャルまちあるき語り部×オンラインショッピング」南三陸の新しい観光のかたち

8月22日、「南三陸町の”今と食“を体感して欲しい!」という熱い想いのもと、南三陸町観光協会主催のオンライン特別企画「バーチャルまちあるき語り部×オンラインショッピング」が実施されました。コロナ禍で、遠方から南三陸町に足を運ぶことが難しい現在。遠くにいても南三陸町を体感できるオンラインイベントをレポートします。

変わりゆく南三陸町の”今”をお届け バーチャルまちあるき語り部

コロナ禍でなかなか遠方から南三陸町に足を運ぶことは難しい。けれども、せっかくの夏の休日だから、旅行気分を味わえるようなイベントにオンラインで参加してみたい――。まさに、今回の特別企画「バーチャルまちあるき語り部×オンラインショッピング」は、そんな思いに応えるかのように開催されました。イベントは二部構成。第一部では震災語り部ガイドをお招きしたバーチャルツアー、第二部では南三陸さんさん商店街の人気商品が勢揃いしたオンラインショッピングが行われました。

南三陸町観光協会では、東日本大震災から復興事業が進み、日々変わり続けるまちの風景をガイドが案内するプログラム「まちあるき語り部」を実施しています。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、現在は一時休止中。代わりにオンラインツールを用いた震災学習プログラム「震災語り部講話・オンライン」「バーチャルまちあるき語り部」を実施しています。

今回の「バーチャルまちあるき語り部」では、南三陸町の後藤伸太郎さんガイドのもと、南三陸さんさん商店街と南三陸町震災復興祈念公園を巡りました。

まず最初に訪れたのは南三陸さんさん商店街。海のまち・南三陸ということで、旬の海の幸をふんだんに使った「キラキラ丼」をはじめとする、南三陸町の名物をたくさん味わうことのできる観光スポットとして欠かすことはできません。

また、南三陸さんさん商店街のすぐ近くには、東日本大震災伝承館「南三陸311メモリアル」を含む道の駅「さんさん南三陸」が来年の春にオープン予定です。これからの観光と交流の拠点として期待されています。

こちらは、最近「世界ふしぎ発見!」でも特集された、南三陸さんさん商店街のモアイ像。海を越えて、遥か遠くのイースター島と南三陸町の間に結ばれる友好の歴史についても、後藤さんに紹介していただきました。世界にたった二体しかない眼の入ったモアイ像の一つが、実はこの南三陸さんさん商店街にあるんです!「モアイ」とは、現地の言葉で「未来に生きる」という意味。パソコンの画面越しにも伝わる、眼光鋭いこのモアイ像を、ぜひ現地でお目にかかりたいところです。

続いて、南三陸さんさん商店街から八幡川に架かる「中橋」を渡った先にある震災復興祈念公園を案内していただきました。この公園は、2020年10月12日にオープンしたばかり。「追悼・継承・感謝 未来を創造する協働の場」をテーマとしており、このテーマを表現するさまざまな工夫が公園内に施されています。

中橋を越え、公園内へと歩みを進めながら、後藤さんご自身の震災体験談をうかがいます。

「この地で、何を語り継いでいくのか――。」

自分ごととして防災・減災を考えるために、この公園がどのような役割を果たすのか。後藤さんはご自身の考えを強く、強く語りかけてくださいました。

「記憶のみち」の先には「高さのみち」があり、震災当日に南三陸町を襲った津波の平均浸水高・海抜16.5メートルを身をもって体感することができます。そして、この先には「祈りの丘」が広がります。頂上にはモニュメントが真っ直ぐ海の方向を向いて設置されており、東日本大震災だけに限らず、さまざまな自然災害で亡くなられた方々に祈りをささげることのできる場所として設計されました。モニュメントには、亡くなられた方々に宛てたメッセージが刻まれています。

「いま、碧き海に祈る 愛するあなた 安らかなれと」

「実際にここに来ていただいて、見ていただいて、聞いていただいて、かいでいただいて、そして、味わっていただいて、さまざまなものに、触れていただきたいなという風に思います。私たち、このまちで、皆さんをお待ちしております」と、後藤さんはまちあるき語り部を締めくくりました。

南三陸さんさん商店街の名物品が勢揃い! オンラインショッピング

続いて行われたオンラインショッピングでは、南三陸さんさん商店街に中継をつなぎ、名物店の人気商品を一挙にご紹介いただきました。今回ご紹介いただいたのは、全部で15種類の商品!南三陸町ならではの商品ばかりです。

中には店舗の方に中継に登場していただき、直々にご紹介いただいた商品もあり、どの商品を買おうか迷ってしまいます。

また、地元の人々でにぎわう商店街の様子も、リアルタイムでリポートしていただきました。中継の背後に映り込んでいたモアイ像やオクトパス君もマスクをつけており、新型コロナウイルスの感染対策もばっちりです。ちなみに、このマスクは商店街のスタッフの方がタオルで手作りされたそうで、ユーモア溢れる啓発活動が行われています。最後には、今回商品を宣伝してくださった商店街の店舗の方々も集まって、南三陸町観光協会の方々と一緒に手を振ってお別れをしました。

イベント購入品が到着! リモートで楽しむ南三陸の”食”

イベント終了後には、事前に送っていただいた注文フォームをもとに、購入品を決めます。魅力的な商品ばかりで、注文期限ギリギリまで悩みながら購入したのがこちらの商品!

同居している家族全員で食べることができる商品をチョイス。お山のマドレーヌは以前南三陸町を訪れた際にも食べたことがあり、リピート購入しちゃいました。ひとくち食べて、当時の楽しかった南三陸町での思い出がよみがえり、早く現地にうかがいたいという思いが強くなりました。また、魚介のスモークと複数購入しているたつのこのり太郎は、お世話になっている大学の教授に「オンラインツアーのお土産」としてプレゼントしたいと思います。これも、新しい観光スタイルの一つなのかもしれません。

1時間半のオンライン企画でしたが、南三陸町の”今”と”食”を遠隔で楽しむことのできる、充実のイベントでした。新型コロナウイルスの影響もあり、なかなか遠方から南三陸町に足を運ぶことが難しい現在。このようなオンライン企画によって、遠くにいても南三陸町を体感できることはとても素敵なことだと改めて実感できました。今後も、南三陸町観光協会では自宅で南三陸町を味わうことのできるオンラインイベントやプログラムを実施する予定だということです。「本当は南三陸町の”今”と”食”を現地で楽しみたい!」という気持ちを少し我慢しながら、その日が来るのを心待ちに、今後も開催される予定のオンライン企画に参加したいと思います!

地域住民の交流のきっかけに~出前モノづくりカフェ開店!

モノづくりを通して地域住民の交流の場を提供する「出前モノづくりカフェ」が7月29日に歌津復興交流センターで行われ、地元の人たちなど11名が参加しました。参加者たちはちぎり絵によるうちわ作りに挑戦、途中お茶っこもしながら楽しい時間を過ごしました。

出前モノづくりカフェとは

「出前モノづくりカフェ」とは、南三陸杉間伐材など地域資源を活用した製品を手掛ける一般社団法人南三陸YES工房が開催しているワークショップ。移動が困難な方でも参加できるようにと町内の集会所や福祉作業所などに場所を提供してもらい、講師が赴く出前スタイルで行われています。

「地域住民の交流の場になれば」との思いで昨年から始まったこの取り組み、これまでまゆ細工で作るひな人形作りや、クリスマスリース作り、手ぬぐいを使ったマスク作りなどが行われました。参加費は材料とお茶、お菓子がついて500円!ワンコインで参加できる気軽さがうけて人気を集めています。

2月に行われたワークショップで作ったまゆ細工のひな人形(写真提供:YES工房)
昨年12月のワークショップではまゆ細工のサンタとトナカイがかわいらしいクリスマスリース作りが行われました。(写真提供:YES工房)

ちぎり絵でうちわ作りに挑戦!

今回、参加したみなさんが挑戦したのはうちわ作り。無地のうちわに和紙を手でちぎって思い思いに貼り付け、模様を描きます。

のりを塗ったうちわにちぎった和紙を重ねながら貼っていきます。色を混ぜることで立体感が出ます。
「自宅の庭の風景をちぎり絵で再現したい」と話す女性。真剣そのもの。

最初は、ちぎり絵に没頭していたみなさんも、作業に慣れたころにはお互いの進み具合を見に行ったり、時には手を止めて世間話に花を咲かせたりしていました。

1時間半ほどでアジサイやアサガオ、かき氷など見ているだけで涼しくなるような夏らしいうちわが完成!

一番盛り上がったのは、出来上がったうちわの発表会。作品へのこだわりや、やってみての感想など一人ひとりが発表し、お互いの力作に拍手を送りました。

参加者からは「家にいることが多くなって誰にも会わない日もある。こういう機会があって楽しみが増えた。」という声や「昔はご近所みんなで集まって、古布を使ったモノづくりをしていたけど今はその機会もなくなってしまった。久しぶりに楽しい時間だった。」という声が上がりました。

講師も参加者も“気軽にゆるく”が合言葉

主催するYES工房代表理事の大森丈広さんは「震災から10年が経ち、ハード面の復興は進んだが、ソフト面ではまだまだ。震災前と比べて住民同士の交流の機会が減ったと感じることも多くあり、震災後、地域住民の雇用と交流の場を作る活動をしてきた私たちができることってなんだろうと考えた。“出前モノづくりカフェ”を通じて、家にこもりがちなお年寄りや障がいを持った人にもモノづくりの楽しさを感じてもらい、生きがいや交流のきっかけになれば。」と話します。また、こういった取り組みは一過性のものではなく長く続けることに意味があるとして、「我々も参加者もいい意味で“気軽にゆるく”を合言葉にしている。作品はだれにでも作れるものを提供し、ハードルは高くしない。講師やスタッフも肩の力を抜いて参加者とおしゃべりしながら一緒に楽しむことを心掛けている。地域の人とお話しすることで新たな発見があったり、感謝されたりすることで、お金では買えない価値観を感じることができる。」と、自らも参加者との交流を楽しみながら行っていると話してくださいました。

参加者と世間話で盛り上がる大森さん(左)

今後はまゆ細工でハロウィン飾りなども作る予定。年齢問わずどなたでも参加できるので、興味のある人はぜひモノづくりの楽しさを体験してみてはいかがでしょうか。

 

「出前モノづくりカフェ」に関するお問い合わせ                          一般社団法人YES工房 電話:0226-46-5153

 

2021年8月31日/定点観測

南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。

戸倉地区

撮影場所 [38.642969, 141.442686

パノラマ

志津川地区

撮影場所 [38.675820, 141.448933

パノラマ

パノラマ

パノラマ

パノラマ

歌津地区

撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E

パノラマ

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ミナミサンリク移住カフェせきららVol.3「おうちにいながら南三陸を満喫!?インドア派移住者」

南三陸町に移住した人たちがざっくばらんに本音トークを繰り広げるライブ配信コンテンツ「ミナミサンリク移住カフェせきらら」の配信がYouTubeLIVEで8月11日(水)に行われました。3回目となる今回は、大自然に囲まれた南三陸で“インドア”にこだわって生活する移住者のみなさんが登場。室内にいながら南三陸の魅力を満喫する方法とは?コロナ禍でステイホームが叫ばれる中、充実したおうち時間を過ごすためのヒントがちりばめられていました。

インドアにとことんこだわった移住者が集合!

前回の配信では南三陸で海も山も遊び尽くすアウトドア派移住者をお招きし、南三陸の自然の魅力についてたっぷりと語っていただきましたが、今回はうってかわっておうち大好きというインドア派のみなさんが集合。

今回はおうちをイメージしたセット。みなさんリラックスした様子で参加されていました。

まずは今回お越しいただいた3名のゲストに移住のきっかけ、そして南三陸でどんなインドアライフを満喫しているのか伺いました。

岩手県一関市出身の佐藤孝範さんは震災後、支援活動で南三陸町に通ううちに町の魅力に惹かれ(特においしい海産物!)移住を決めたそうです。2015年に移住、映像やデザインの制作会社を立ち上げ、今年4月には町の中心部に自宅兼事務所を構えました。自慢は事務所にある7.1chスピーカー装備のシアタールーム。加入している9つのサブスクリプションをフルに活用し、おうち時間を充実させているそうです。

佐藤さん自慢のシアタールーム

また、さすが映像制作会社とあって、南三陸の美しい風景の楽しみ方も独特。ドローンを飛ばし、ほぼ屋内にいながら絶景をめでるという離れ業も披露してくださいました。

6~8月に吹く偏西風「やませ」によってできた低層雲をとらえた1枚。ドローンで撮影。

東京都出身の星野奈々さんは学生時代に震災ボランティアで4年間南三陸町に通い、2016年大学の卒業と同時に移住。ボランティアで子どもたちに勉強を教えていた経験などを活かし、現在は南三陸町でダンススクールを運営、子どもたちにダンスの楽しさを伝えています。もともとカフェ巡りが趣味という星野さん。コロナ禍でおうち時間が長くなる中、自宅をよりおしゃれで居心地のいい空間に作り上げることにハマっているそうです。

まるでカフェのような星野さんの自宅は公営住宅とは思えないおしゃれ感。都会に比べて安く広い家が借りられるので、部屋作りにこだわるという新たな趣味ができたと話します。

佐藤加奈子さんはUターン移住者。もともとこの町が大好きだという佐藤さんは高校卒業後、お隣の登米市に就職しましたが、南三陸の景色や人が恋しくなって1年で退職、南三陸のためになにかしたいと現在は南三陸町観光協会に勤めています。おうちではゲームをしたり、居心地のいい部屋にするためDIYも手掛けるんだとか。

自分で作ったという棚。寝ながらなんでもできるよう、特にベッド周りを充実させたそうです。

室内にいても南三陸の魅力は堪能できる!

普段の過ごし方などを一通り聞いたところでカフェ店長の藤田さんから一言。

「家で動画を見たり、ゲームをしたり、カフェ巡りをするのって都会も田舎も変わらなくない?」

この質問に3人からはインドア派なりの楽しみ方があるんだと意見が飛び交いました。まず、カフェ巡りが好きだという星野さん。「東京のカフェはどこも混んでいて、待ち合わせの場所や時間をつぶす場所でしかなかった。でもこっちではゆっくり本を読んだり、考え事をしたり、自分だけの時間が過ごせる。これは都会ではできないことだ。」と熱弁をふるい、佐藤可奈子さんは、「ゲームで疲れたときにふと窓の外に見える南三陸の景色に毎回感動!大好き!」と南三陸愛を語りました。佐藤孝範さんも「都会で季節を感じるものと言えば、ショーウィンドウや街で流れるBGMだが、南三陸は生活圏と自然が近いので、インドアでも窓の外や車で移動中の外の景色に癒されたり季節のうつろいを感じることができる。」とインドア視点からの南三陸の魅力が次々と語られました。

ご近所からいただく新鮮な野菜や海産物でも季節を感じるそう。ウニをいただき、家にいながら南三陸の夏を満喫したと話す星野さん。

南三陸は何気ない日常に自然が溶け込んでいるため、いつでも美しい風景や自然の豊かさを感じられる、それを部屋や車の中から楽しむか、外に出かけてアクティブに楽しむかの違いだけで、南三陸を満喫していることには違いはありません。インドア派でも大自然や旬のおいしいものを十分に満喫できる南三陸町の魅力を改めて感じた1時間でした。

移住者の本音を聞き出す「ミナミサンリク移住カフェせきらら」、次回は9月11日(土)20時からYouTube「南三陸なうチャンネル」でライブ配信の予定です。ゲストは南三陸町で活躍する地域おこし協力隊のみなさん。町の魅力を発信したり新たな特産物の開発などに奮闘するみなさんの取り組みをご紹介します。次回の配信もお楽しみに!

 

※「ミナミサンリク移住カフェせきらら」とは?

南三陸町移住・定住支援センターと町公式メディア「南三陸なう」が共同企画し、毎月11日にYouTubeLIVEにて座談会を実施、南三陸町に集うさまざまな移住者の姿をお伝えするライブ配信コンテンツ。自らも移住者でこのカフェの店長を務める藤田岳さんが毎回テーマに合った3人の移住者をゲストに迎え、移住のきっかけや暮らしながら見えてきた町の魅力、時には不便さなど、率直なせきららトークを聞き出します。

「ミナミサンリク移住カフェせきらら」アーカイブ映像

vol.0「南三陸移住の今を知る」

vol.1「なぜ埼玉県民が南三陸に惹かれるのか?」

vol.2「山も海も遊び尽くす!アウトドア移住者大集合」

vol.3「おうち時間が好きインドア派移住者」

「戸倉っこ漁師と飲もう!」 海の幸を堪能しオンラインで交流。

南三陸町戸倉地区の若手漁師が結成したグループ「戸倉Sea Boys」が、旬の海産物を味わいながら交流しようと、2021年6月26日にオンラインイベント「戸倉っこ漁師と飲もう!」を実施しました。その様子をレポートします!

新鮮な海産物が自宅に! カキやウニの殻むきにも挑戦。

南三陸町の南部に位置する戸倉地区。「責任ある養殖により生産された水産物」として2016年にASC認証を取得した「南三陸戸倉っこかき」で知られる、漁業が盛んなエリアです。その戸倉地区の若手漁師たちが、食べ物付きの情報誌『東北食べる通信』の20182月号で特集されたのをきっかけに、「食べる人とつながる」ことを目的に、「戸倉Sea Boys」というグループを立ち上げました。

漁師のリアルを知ってもらい、戸倉のおいしい海産物を味わってもらいながら交流したい!と、「戸倉っこ漁師と飲もう!」と題したオンラインイベントを企画しました。

イベント前日の2021625日、参加申込者の自宅に食材が到着。箱を開けると、殻付きウニ、殻付きカキ、銀鮭、ホヤという、Sea Boys厳選の海の幸がギッシリ! 調理方法やレシピも同封されており、いただくのが待ちきれません…!

オンラインイベント参加者には、戸倉の新鮮な海産物が事前に届く。殻付きのウニやカキを自宅で目にするのは貴重な機会だ

そしてイベント当日。開始前に食材の準備をします。銀鮭とホヤは何とかなりそうですが、殻付きのウニやカキを調理するのは初めてなので、ちょっと緊張。Sea BoysFacebookグループにアップされている動画を参考に、まずはカキの殻むきにトライ。ケガをしないよう軍手を着用します。

思ったよりもかたく、最初はなかなかナイフが奥まで入れられなかったが…
次第にコツをつかみ、殻むき成功! おいしそうなプリプリの身が現れた

四苦八苦しながらカキの殻をむき、あらためて漁師さんってすごい!と思いました。続いてウニ。カキよりさらに手ごわそうです…。こちらもSea Boys作成の動画を見ながら、殻むきに挑戦します。トゲに気を付けながら…。

立派なウニが殻付きで届くとは、なんとも贅沢だ
殻を切って現れたウニの身に思わず歓声! このままスプーンですくって食べたくなる

さらに、銀鮭をスライスし、ホヤをさっとゆで、カキを蒸して、ようやく準備完了! 思いのほか時間がかかり、イベント開始ギリギリになってしまいました。さあ、いよいよスタート…!

蒸すか焼くか迷ったが、蒸すことに。蒸気ですらおいしそうだ
料理と日本酒を並べ、スタンバイ

海産物を味わいながら、双方向の交流を楽しむ。

オンラインビデオチャットツール「zoom」を利用して、イベント参加。「こんばんは~!」とSea Boysのみなさんの元気な挨拶で始まりました。まずはSea Boysメンバーと日本各地から集まった20人の参加者で乾杯! その後、「南三陸戸倉っこかき」の紹介ビデオを見ながら、がんばって調理したカキ、ウニ、ホヤ、銀鮭に舌鼓を打ちました。

「戸倉Sea Boys」のみなさんは海をバックにビールで乾杯! ©戸倉SeaBoys、西田早織

外での中継を終えて会場に戻ってきたSea Boysメンバーは、バーベキューの準備をスタート。カキ担当の後藤新太郎さんが、カメラの前でカキの殻むきを実演します。

カキの殻むきをレクチャーする「戸倉Sea Boys」の後藤新太郎さん(右)

続いて、Sea Boysの後藤伸弥さんが作業場を案内してくれました。漁師さんの作業現場を目にする機会はなかなかないので、興味津々です。私たちの手元に届いたカキやホヤがどのように生産されるのか、垣間見ることができました。

参加者はチャットで質問OKなので、「種ガキはどこのものですか?」「養殖場の海水温度は一定ですか?」といった突っ込んだ質問も出ました。タイムリーな双方向のやり取りは、オンラインイベントならでは。(ちなみに、海水温度は年々上昇傾向だそうです…)

家でくつろぎながら参加できるのがオンラインイベントのメリット

そうこうしているうちに、Sea Boysたちの会場ではバーベキューが良い具合に焼けてきたようです。「みなさんはどんなふうに食べてますかー?」という参加者への問いかけに、「いまカキを蒸しているところです~」といった答えが。みなさんそれぞれのペースで楽しんでいます。

おいしそうに焼けているカキとホヤ

その後も、参加者からの質問に答えたり、おしゃべりを楽しんだりするSea Boysメンバーたち。特にホヤのおいしい食べ方については、参加者も交えて、「さっと焼くとおいしい」「蒸しホヤもいい」「やっぱり生で食べたい」「女川には、ホヤをゆでたまごで包んだ『ホヤたまご』という郷土料理がある」…などと、大いに盛り上がりました。

イベントも後半に入り、会場には銀鮭が登場! 生産者兼シェフの佐藤将人さんなどが手掛ける「みやぎサーモン」というブランドの銀鮭です。参加者のところには骨が抜かれた状態で届いたので、ストレスなく調理できました。その心遣いがうれしいかぎりです。生で食べるのはもちろんのことですが、佐藤さんのおすすめレシピとして「銀鮭のごま茶漬け」が挙げられており、実際にごま茶漬けで食べた参加者からは「絶品でした!」との声が寄せられました。

美しく盛り付けられた銀鮭。画面越しに見ていてもよだれが出そうだ

「漁師をやっていてよかったことは?」という参加者からの事前質問に対して、「ただ生産しているだけじゃなく、自分の海産物をみなさんにおいしく食べてもらって、こんなふうに楽しく交流できていることですね」と、Sea Boysの後藤新太郎さん。ほかのメンバーも、海への思いや家族への思いなどを口々に語りました。

銀鮭を食べながら談笑するSea Boysの3人。左から三浦将平さん、後藤伸弥さん、後藤新太郎さん

いよいよイベントも終わりの時間。「オンラインなら、遠くのみなさんとも簡単につながれるので、今回やってみてよかったです。でも本当は南三陸町に来ていただきたい。そうしたらもっともっと町の良さをわかってもらえるので…!」と三浦さん。参加者たちも、早く南三陸町を訪れたい、リアルで会いたいという思いを強くしました。記念に集合写真を撮って、イベントは中締め。引き続き任意で交流が行われ、最後まで和気あいあいと盛り上がりました。「戸倉Sea Boys」の今後の活躍や、次のイベントなどが楽しみです!

参加者に手を振るSea Boysの3人。楽しい夕べとなった

感染対策万全に!サンオーレそではま海水浴場2年ぶりの海開き

昨年、新型コロナウイルスの感染拡大により開設が見送られたサンオーレそではま海水浴場。今年は感染対策に万全を期して、7月17日(土)にオープンしました。晴天の中、安全祈願祭が執り行われ、海開き宣言がされた後、たくさんの家族連れが海水浴を楽しみました。

コロナ禍で迎える2度目の夏 感染対策を徹底して開設

サンオーレそではま海水浴場は1999年に人工海水浴場としてオープン。東日本大震災の津波で砂浜が流されるなど壊滅的な被害を受けましたが、さまざまな人の尽力によって2017年に復活を遂げ、2018年には利用者数が過去最多の6万6千人を記録しました。しかし、昨年は開設直前に県内でクラスターが発生、感染対策のガイドラインを設けて万全に準備をすすめたものの、断念せざるを得ませんでした。

晴天に恵まれた安全祈願祭の様子

今年は2年ぶりの海開き。午前9時から行われた安全祈願祭には町の関係者らが参列し、晴天の中、神事が行われました。

佐藤仁町長は「コロナ禍で厳しい状況は続いているが、感染防止を徹底しながら運営してもらいたい。子どもたちにとってサンオーレそではまは思い出深い場所。今年もたくさんの子どもたちに来てほしい。」と話しました。

午前中から親子連れで賑わうビーチ

会場に海開き宣言がされると、この日を心待ちにしていたお客さんたちから拍手がおこる場面も。

子どもたちを初めて海水浴に連れてきたという石巻の男性は「去年はコロナで子どもたちを海に連れて来られなかった。ここは程よい広さで波もないので安心して遊ばせられる。海水浴を通して海の怖さも楽しさも両方知ってもらいたい。」と話していました。

また、孫と一緒に来たという登米の女性は「孫がこの日を楽しみに待っていた。子どもたちの声が響く浜辺はやっぱりいいね。」と海で楽しむお孫さんを見守りながら笑顔で話してくれました。

海水浴場の管理運営にあたる南三陸町観光協会会長の及川吉則さんは「コロナによって楽しいはずの学校行事などが中止され、子どもたちは不自由な思いをしている。夏の思い出が耐え忍ぶことだけではあまりにもさみしい。子どもたちの夏の思い出作りと、海の町南三陸の象徴として安全に海と触れ合える場所を提供できるよう感染対策や水難事故防止に努めたい。」と利用者にも感染対策への理解と協力を呼びかけました。

安心して楽しむために

「コロナ対策をしっかりしつつも楽しんでもらえるような場作りを心がけた。」と話すのは同協会の阿部悠斗さん。利用者に安心して楽しんでもらうためにサンオーレそではま海水浴場では現在、次のような感染対策がとられています。

〇滞留人数を1500人以内に限定し、超えた場合は入場制限を行う

〇ソーシャルディスタンスの確保やトイレの換気、手指の消毒など場内アナウンスで繰り返し呼びかけ

〇常設のシャワー室に加え、簡易シャワー室の増設と1人当たりの利用時間の短縮による混雑の緩和

新型コロナウイルスの終息が見通せない中でのオープン、安心安全に楽しむためにはひとりひとりがルールを守って利用することが求められます。

阿部さんは「観光協会のホームページでは1日に2回、海水浴場の混雑状況を更新しているので、お出かけ前にチェックして密を避けるなど参考にしてほしい。」と話します。

海の家は常設せずテント販売で

また、今年は感染対策の一環で飲食などを扱う海の家は常設せず、土日祝日のみテント販売に。地元の事業所3~4店舗が並びます。今年、初めて出店するというハワイアンカフェダイニングのキッチンカー「ハリーキッチン」では自慢のハンバーガーやホットドック、かき氷などが食べられます。店主は「今はコロナで海外旅行はできないけど、ここで海を見ながらおいしいハンバーガーを食べて、ハワイに行ったような気分になってほしい。」と話していました。

テント販売は土日祝日のみ 3~4店舗が出店予定

さまざまな制限があるなかでの開設に同協会の阿部さんは「2年振りの海開きなので、まずは子どもたちが安心して思いっきり海を楽しめる海水浴場になればいいなと思っています。そのためにもみなさんの感染対策徹底へのご協力をお願いします。」と再度、利用者への協力を呼びかけました。

インフォメーション

<サンオーレそではま海水浴場>

開設期間:7月17日(土)~8月22日(日) ※ただし、7月の平日は開設せず

開設時間:午前9時30分~午後4時

アクセス:〒988-0717 宮城県本吉郡南三陸町志津川字袖浜地内

仙台から90分 三陸自動車道「南三陸海岸IC」から6分/3km

問い合わせ:南三陸町観光協会 電話 0226-47-2550(営業時間 9:00~18:00)

サンオーレそではま海水浴場 管理棟 電話080-2566-2185(営業時間 9:00~17:00)

※詳細は南三陸町観光協会ホームページでもご確認いただけます。

2021年7月31日/定点観測

南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。

戸倉地区

撮影場所 [38.642969, 141.442686

パノラマ

志津川地区

撮影場所 [38.675820, 141.448933

パノラマ

パノラマ

パノラマ

パノラマ

歌津地区

撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E

パノラマ

 

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