南三陸町戸倉地区の若手漁師が結成したグループ「戸倉Sea Boys」が、旬の海産物を味わいながら交流しようと、2021年6月26日にオンラインイベント「戸倉っこ漁師と飲もう!」を実施しました。その様子をレポートします!
新鮮な海産物が自宅に! カキやウニの殻むきにも挑戦。
南三陸町の南部に位置する戸倉地区。「責任ある養殖により生産された水産物」として2016年にASC認証を取得した「南三陸戸倉っこかき」で知られる、漁業が盛んなエリアです。その戸倉地区の若手漁師たちが、食べ物付きの情報誌『東北食べる通信』の2018年2月号で特集されたのをきっかけに、「食べる人とつながる」ことを目的に、「戸倉Sea Boys」というグループを立ち上げました。
漁師のリアルを知ってもらい、戸倉のおいしい海産物を味わってもらいながら交流したい!と、「戸倉っこ漁師と飲もう!」と題したオンラインイベントを企画しました。
イベント前日の2021年6月25日、参加申込者の自宅に食材が到着。箱を開けると、殻付きウニ、殻付きカキ、銀鮭、ホヤという、Sea Boys厳選の海の幸がギッシリ! 調理方法やレシピも同封されており、いただくのが待ちきれません…!
そしてイベント当日。開始前に食材の準備をします。銀鮭とホヤは何とかなりそうですが、殻付きのウニやカキを調理するのは初めてなので、ちょっと緊張。Sea BoysのFacebookグループにアップされている動画を参考に、まずはカキの殻むきにトライ。ケガをしないよう軍手を着用します。
四苦八苦しながらカキの殻をむき、あらためて漁師さんってすごい!と思いました。続いてウニ。カキよりさらに手ごわそうです…。こちらもSea Boys作成の動画を見ながら、殻むきに挑戦します。トゲに気を付けながら…。
さらに、銀鮭をスライスし、ホヤをさっとゆで、カキを蒸して、ようやく準備完了! 思いのほか時間がかかり、イベント開始ギリギリになってしまいました。さあ、いよいよスタート…!
海産物を味わいながら、双方向の交流を楽しむ。
オンラインビデオチャットツール「zoom」を利用して、イベント参加。「こんばんは~!」とSea Boysのみなさんの元気な挨拶で始まりました。まずはSea Boysメンバーと日本各地から集まった20人の参加者で乾杯! その後、「南三陸戸倉っこかき」の紹介ビデオを見ながら、がんばって調理したカキ、ウニ、ホヤ、銀鮭に舌鼓を打ちました。
外での中継を終えて会場に戻ってきたSea Boysメンバーは、バーベキューの準備をスタート。カキ担当の後藤新太郎さんが、カメラの前でカキの殻むきを実演します。
続いて、Sea Boysの後藤伸弥さんが作業場を案内してくれました。漁師さんの作業現場を目にする機会はなかなかないので、興味津々です。私たちの手元に届いたカキやホヤがどのように生産されるのか、垣間見ることができました。
参加者はチャットで質問OKなので、「種ガキはどこのものですか?」「養殖場の海水温度は一定ですか?」といった突っ込んだ質問も出ました。タイムリーな双方向のやり取りは、オンラインイベントならでは。(ちなみに、海水温度は年々上昇傾向だそうです…)
そうこうしているうちに、Sea Boysたちの会場ではバーベキューが良い具合に焼けてきたようです。「みなさんはどんなふうに食べてますかー?」という参加者への問いかけに、「いまカキを蒸しているところです~」といった答えが。みなさんそれぞれのペースで楽しんでいます。
その後も、参加者からの質問に答えたり、おしゃべりを楽しんだりするSea Boysメンバーたち。特にホヤのおいしい食べ方については、参加者も交えて、「さっと焼くとおいしい」「蒸しホヤもいい」「やっぱり生で食べたい」「女川には、ホヤをゆでたまごで包んだ『ホヤたまご』という郷土料理がある」…などと、大いに盛り上がりました。
イベントも後半に入り、会場には銀鮭が登場! 生産者兼シェフの佐藤将人さんなどが手掛ける「みやぎサーモン」というブランドの銀鮭です。参加者のところには骨が抜かれた状態で届いたので、ストレスなく調理できました。その心遣いがうれしいかぎりです。生で食べるのはもちろんのことですが、佐藤さんのおすすめレシピとして「銀鮭のごま茶漬け」が挙げられており、実際にごま茶漬けで食べた参加者からは「絶品でした!」との声が寄せられました。
「漁師をやっていてよかったことは?」という参加者からの事前質問に対して、「ただ生産しているだけじゃなく、自分の海産物をみなさんにおいしく食べてもらって、こんなふうに楽しく交流できていることですね」と、Sea Boysの後藤新太郎さん。ほかのメンバーも、海への思いや家族への思いなどを口々に語りました。
いよいよイベントも終わりの時間。「オンラインなら、遠くのみなさんとも簡単につながれるので、今回やってみてよかったです。でも本当は南三陸町に来ていただきたい。そうしたらもっともっと町の良さをわかってもらえるので…!」と三浦さん。参加者たちも、早く南三陸町を訪れたい、リアルで会いたいという思いを強くしました。記念に集合写真を撮って、イベントは中締め。引き続き任意で交流が行われ、最後まで和気あいあいと盛り上がりました。「戸倉Sea Boys」の今後の活躍や、次のイベントなどが楽しみです!