南三陸に励まされた過去と共に、目指すは魅力的な教育環境/高校魅力化PJ佐藤陽さん

人口減少が進む南三陸町。町内唯一の志津川高等学校も定員割れが続いています。そのような状況を受け始まったのが志津川高校魅力化プロジェクト。教育魅力化専門官として、取りまとめをしている佐藤陽さんに話を伺いました。

危機的な状況を受けて生まれた教育魅力化構想

人口減少や少子高齢化と地域課題が進む南三陸町。子どもの数も減少傾向にあり、小中学校も震災前から統廃合をしています。また町内唯一の志津川高校も定員割れが続き、町内からの進学率も5割を切っているのが現状です。

このような危機的状況を受け2016年に生まれた取り組みが、「志津川高校魅力化プロジェクト」。

プロジェクトの取りまとめしているのが南三陸町教育魅力化専門官 佐藤陽さんです。南三陸町の特色を活かした教育環境を整備することを目指しプロジェクトの構想策定や、小中高の連携・調整を担っています。

2017年6月に志津川高校に開設した公営塾「志翔学舎」

中学時代の体験が教育・人づくりへの関心を

兵庫県出身の佐藤陽さん。幼少期に阪神淡路大震災を経験し、震災で弟を亡くす壮絶な体験をしています。教育や人づくりに興味を持ったのは、中学2年生の時。「周りの大人が、子どもの可能性に蓋をするような言葉が嫌いだった」と佐藤さん。自分は子ども達の可能性を広げてあげる事ができる大人になりたいと思ったのが、教育や人づくりに興味を持ったきっかけでした。

研修で訪れた高校生に、町の紹介をする佐藤陽さん。

社会人生活で挫折。南三陸の元気な姿に励まされ再起

その後、教育や人づくりに関心を持ちつつ高校、大学と進学。卒業後は自身でキャリア教育専門の学習塾を立ち上げました。始めは経営に苦しみつつも、徐々に生徒数も増えていったと言います。

その後、たまたま出会った大手企業の教育サービス部門へ知見を得ようと入社。しかし、仕事にも慣れ始めた頃、仕事で失敗し挫折。夜中、東京の自宅から誰もいない所を目指し、車で北上。翌朝たどり着いた先が、南三陸町の「さんさん商店街」でした。

「商店街は賑わっていた。震災がありながらも前向きに生きる姿に救われた」と当時を振り返ります。

「南三陸さんさん商店街」今までとこれから。移転先でもおもてなしを!
2012年2月25日に仮設店舗でオープンした「南三陸さんさん商店街」

目指すは志津川高校に入りたいと選んでもらえる学び場

昨年度、町内教育関係者らでつくる南三陸町高校魅力化協議会で話し合いを重ね、「第1期志津川高校魅力化構想」をまとめました。今年度からは、具体的な政策を3つの専門部会に分かれ検討していきます。また地域の方を対象とした地域説明会も実施予定。

佐藤さんは、「約5年間南三陸町の子どもたちと関わる中で、夢や将来の可能性に蓋をしている子が多いように感じている」と話します。「一人ひとりがなりたい将来に近づける学び場つくり、そして志津川高校に入学したいと思ってもらえる環境を目指す」と意気込みます。

昨年度行われていた南三陸町高校魅力化協議会の様子

復興した姿、元気な南三陸を発信し続けるためにも

全国募集を視野に入れ、進められているこのプロジェクト。一度しかない高校3年間を南三陸で過ごすことで、第二の故郷として新たな関係人口の創出に繋がることも期待されています。全国からの支援に対して、復興に向けた前向きで元気な姿を発信してきた南三陸町。この先も元気な姿を全国に発信し続けるためにも、プロジェクトへの期待が高まります。

【志津川高校魅力化プロジェクト】

特設サイト:https://minamisanriku-miryokuka.net/

2020年6月30日/定点観測

南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。

写真をクリックまたはタップすると大きくなります

戸倉地区

撮影場所 [38.642969, 141.442686

志津川地区

撮影場所 [38.675820, 141.448933

歌津地区

撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E

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静岡、そして韓国と南三陸。コロナ禍でも途切れない「心のつながり」

新型コロナウイルスによりいつになくひっそりとした日々が続いた南三陸町の5月。そんななかにあって、静岡県富士宮市を拠点に活動するNPO法人ヴィレッジネーションが企画した「静岡と南三陸」そして「韓国と南三陸」のコロナ禍でも途切れなかった温かい交流の様子をお伝えします。

あさひ幼稚園で掲揚された「友情こいのぼり」

緊急事態宣言最中の5月。あさひ幼稚園に3匹のこいのぼりが掲揚されました。

2011年東日本大震災の津波で園舎が流失した宮城県南三陸町のあさひ幼稚園を応援しようと、静岡県富士宮市のふじキンダー学園との交流を提案し、2013年から交流を開始した、鯉のぼりプロジェクト。

今年で8回目となる2020年も、4月にこいのぼりの「ウロコ」になる部分に自分の名前や似顔絵をあさひ幼稚園の園児が描き、キンダー学園に送付。キンダー学園の園児の「ウロコ」も加え、交流の証となる「友情こいのぼり」が両園にて掲揚されました。

両園は「こいのぼり」をはじめとして、夏祭りでの短冊交流、運動会での応援横断幕交流、卒園式での卒園メッセージ交換などを継続。今年度もコロナウイルスの影響を考慮しながら、両園で継続的な交流を重ねていく予定です。

南三陸病院へ韓国から復興応援横断幕が贈呈

防災教育で南三陸町の震災経験を学んだ韓国の子どもたちから、南三陸病院へ「復興応援横断幕」が届けられました。横断幕を作ったのはプチョン市の子どもたちが通う総合塾(그림나라=グリムナラ)の美術教室に通う幼稚園児から中学1年生までの計49人。

南三陸病院やサンオーレそではま海水浴場、さんさん商店街などの南三陸のスポットのほか、オクトパス君やモアイ像など南三陸の人気キャラクターなどが描かれているほか、スマートフォンの翻訳機を使って「キラキラ丼たべたい」「がんばって」「オクトパス君にあいたいよ」といった日本語でのメッセージも描かれています。

横断幕を送った子どもたちは、防災教育の一環として震災当時の南三陸町の様子や復興に向かう町のようすを映像や写真を使って学んできました。子どもたちから「この町の人たちは今は元気ですか?」との声を受け、2018年より「復興応援横断幕」の贈呈が始まりました。第3回目となる本年も、2020年3月3日に韓国で復興応援横断幕が完成しましたが、コロナウイルスの感染拡大の影響により直接手渡しすることができず、5月末に郵送にて南三陸病院へと贈呈されました。

距離を超える人を想う気持ち

二つの交流の橋渡し役を担っているのがNPO法人ヴィレッジネーション代表理事の村松広貴さん。

「新型コロナウイルスの影響によって、移動が制限される事態に陥ってしまいました。大人でさえ自由に移動ができないなかで、韓国の子どもたちも、静岡の子どもたちも、遠く南三陸にいる“お友達”を想う気持ちはいつも以上に大きくなっていったように感じます。これまで築き上げてきたつながりなので、今後困難な状況になっても、諦めて中止にするのではなく、できる方法を探っていきたい」と今後の活動についても意気込みを語ってくれました。

新型コロナウイルスによってこれまで続いてきた「交流」も思うようにいかない日々が続きますが、「人を想う気持ち」は地域、国を超えて遠く離れた南三陸まで届けられています。

移住から定住までをサポート!南三陸町移住・定住支援センター

2016年9月に開設した南三陸町移住支援センター。今年度になり「南三陸町移住・定住支援センター」と名称が変わり、新たなスタートを切りました。センター長である上野英律さんに、これまでの歩みと今後の想いについて伺いました。

センター開設からこれまで40組を受け入れ

東日本大震災を受け、甚大な被害を受けた南三陸町。人口減少や高齢化など様々な課題への対応と持続可能な地域を目指し策定されたのが南三陸町総合戦略です。その南三陸町総合戦略の基本目標に掲げられている移住・定住促進への取り組み。その取り組みの一つとして2016年9月に南三陸町移住支援センターがオープンしました。

センター開設から約3年半。これまでセンターでは40組67名の移住者の受け入れをしてきました。最近は、ご年輩の方々が第二の人生として、移住や相談するケースが多くなってきています。センター長である上野英律さんは「これまでの傾向としてボランティアなど、元々地域と繋がりがある人の相談が多かった。今後はその傾向も変化してくるだろう。若い世代や子育て世代の方々にもきてもらえるよう、やり方を変えていかなくてはならない」と話していました。

センターでは移住を考えている人に向けたツアーも実施(提供:南三陸町移住・定住支援センター)

幸せを実現させる一つの手段として“移住”

移住について上野さんは「個人の幸せを叶える、実現をするための選択肢」と話します。移住には多少なりとも不安を持ちつつ、地域での暮らしに期待を抱いています。そのため想いや期待をくみ取った上で、南三陸の暮らしをしっかり提示することを心がけていると言います。それでも中には、移住したものの理想と違い町を離れるケースも。それに対し、上野さんは「移住してきた方、地域にとっても幸せではない。双方がより豊かに、幸せになるように丁寧に対応していきたい」と話します。

昨年1月に東京であった移住イベントの様子(提供:南三陸町移住・定住センター)

心機一転!新たなスタート

今年度、名称が「南三陸町移住・定住支援センター」となり5月7日から業務がスタートしました。窓口も役場第2庁舎から本庁舎1階へと移設。移設したことで役場との連携強化や移住者向けコンシェルジュ的な役割にもつなげていきたいと上野さんは話します。持続可能なまちづくりを目指し、進めている移住・定住促進事業。今年度から名称に「定住」を追加したことで、これまで以上に定住へつなげるための支援の強化が狙いです。「移住と仕事はセット。暮らしも仕事も移住して良かったと思える環境作りをしていきたい」と上野さん。移住までのサポートだけでなく町での暮らしや仕事探しなど、幅広く支援していくことを目指しています。

センターに設置された、移住者の声を集めたボード。

地域と協力して盛り上げていきたい

この町の魅力は“町のビジョンと人”だと話す上野さん。「それぞれのフィールドにリーダーがいて、同じビジョンを共有してみんなで町をつくっている。移住した方も、一緒に町をつくっていくという想いで入ってきてくれたら嬉しい」と話していました。何より移住者の受け入れをするにも、地域の協力が不可欠です。上野さんは「地域の人にも協力をもらいつつ、まずは地域の人達がワクワクし、魅力的な町になるよう盛り上げていきたい。」と意気込みます。「そのためにはもっと私たちも地域のことを知っていかないといけないですね」と最後に笑顔で話してくれました。

名称の変更、窓口の移設と新たなスタートをした「南三陸町移住・定住支援センター」。移住者にとっても地域にとっても、より豊かに魅力的になっていくことを願います。南三陸町移住・定住支援センターの今後に期待です。

インフォメーション

<南三陸町移住・定住支援センター>

時間:9:00~17:00

定休日:火・日・祝日・年末年始

場所:南三陸町役場 本庁舎1F セミナー室

電話番号:0226-25-9552

HP:https://www.minamisanriku-iju.jp/

2020年5月31日/定点観測

南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。

写真をクリックまたはタップすると大きくなります

戸倉地区

撮影場所 [38.642969, 141.442686

パノラマ

志津川地区

撮影場所 [38.675820, 141.448933

パノラマ

パノラマ

パノラマ

パノラマ

歌津地区

撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E

パノラマ

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未来を見据えて交流を先行予約~未来の交流券~

5月20日(水)から、南三陸町観光協会で「未来の交流券」の販売が始まりました。豊かな自然と人を引き付ける魅力的な人々がいる南三陸町。再び多くの人が町に訪れ、地域の人との交流を楽しみ笑顔になってもらいたいという想いが込められています。

豊かな自然と“人”が魅力の南三陸

四方が海と山に囲まれた南三陸町。これまで自然や文化を活かした観光プログラムを始め、地域の人との交流を中心にした観光交流を目指してきました。

南三陸町観光協会 事務局長の及川和人さんは

「これまで南三陸に来た人が町の人と出会い、交流を通してファンになっていった。南三陸の人は“人を引き付ける力”がある」と話します。

例年、3月から夏にかけて個人や団体旅行で町を訪れる人が多くなる南三陸町ですが、閑散とした日が続いています。緊急事態宣言が緩和されつつあるものの、もちろん観光交流はすぐに元通りというわけにはいきません。町内宿泊施設や飲食店などもまだ厳しい状況が続いています。

GWを前に閑散とした、さんさん商店街(撮影日:2020年4月25日)

南三陸でしかできない交流を楽しんでもらいたい

コロナウイルス収束後、観光交流が再開されることを目指し南三陸町観光協会では「未来の交流券」の販売を始めました。

震災後、多くの人が訪れ、出会う中で生まれてきた町の人々の笑顔。
収束後、観光交流を目指してきた南三陸町で、また交流を楽しんでほしい。
訪れた人も地域の人も笑顔になって欲しい。

「未来の交流券」にはそんな想いが込められています。

「時代の変化に伴い今後の観光の在り方も考えていかないといけない。それでも現地でしかできない体験や交流を楽しんでもらいたい」と及川和人さん。「未来の交流券」限定の交流イベントもあり、たくさんの町の人との交流を楽しんでほしいという想いが伝わってきます。

「未来の交流券」限定交流イベントの一覧

今は未来を見据えた準備をしていく

9年前この町を襲った大津波。ガレキだらけの町に、当時は先が見えない状況でした。

「今回のコロナウイルスでは全世界で被害が出ているものの、いつかは収束すると言う先が見えている」と話す及川和人さん。「収束後、再開できる下地はあるから、今は再開に向けた準備や仕掛け作りをしていく」と今後に向けて意気込みます。

町内宿泊施設や交流イベント、観光プログラムの先行予約券を通常よりも安く購入することができる「未来の交流券」。

販売期間は5月20日(水)から6月30日(火)まで。

購入は観光協会運営サイト「みなみな屋eマルシェ」と、観光協会の電話・メールでも受け付けています。年代問わず幅広く、人を引きつけてしまう魅力的な人がいる南三陸町。ぜひ「未来の交流券」をきっかけに、南三陸の人と交流をしてみてはいかがでしょうか?みなさんと南三陸でお会いできることを楽しみにしています。

インフォメーション

<未来の交流券>

販売期間:5月20日(水)~6月30日(火)

①WEBからの購入

▼みなみな屋eマルシェ

https://ec-minatabi.good-travel.info/

②電話・メールでの購入

▼南三陸町観光協会

時 間 :9:00~18:00

電話番号:0226-47-2550

メール :post@m-kankou.jp

※交流券に関するお問い合わせは、南三陸町観光協会まで。

豆腐を咥えて獅子が舞い厄払い~波伝谷春祈祷~

南三陸町の無形文化財に登録されている「波伝谷春祈祷」。戸倉地区波伝谷集落で約300年以上も続く、風習行事の1つです。毎年3月に行われ、地域住民にとって欠かせない行事です。

300年以上も続く風習行事

戸倉地区のちょうど中間付近にある、波伝谷集落。今回はそこで300年以上も続けられている「波伝谷春祈祷」についてご紹介します。今回、取材に伺ったのは今期から契約講講長になった星和明さん。契約講とは、集落行事の取りまとめや共有財産の管理をしている集落組織です。波伝谷契約講では役員任期が2年とされており、この春の総会で新たに星和明さんが講長に就任しました。星さんは波伝谷春祈祷について「おすっさま(獅子舞)は、子どもの頃から慣れ親しんだ行事だった」と振り返ります。

波伝谷契約講 新講長の星和明さん。普段は海の仕事をしている。

朝晩は冷え込むものの、日中は暖かく、春の植物も芽吹き始める3月下旬に行われている「波伝谷春祈祷」。かつては旧暦の2月15日に合わせて、契約講に所属している人のみで行われていました。しかし、社会の変化と共に契約講としての機能が衰退し講員も減少。平日休日構わず行われていた春祈祷も日曜日に行われるようになり、講員の減少から契約講以外の人も参加できるようにと変化していきました。震災後は、波伝谷春祈祷保存会を立ち上げたこともあり、集落行事の一つとして続けられています。

震災前、春祈祷前日の練習の様子(提供:映画「願いと揺らぎ」監督 我妻和樹さん)

家々の邪気を豆腐に封じ込める

普段、戸倉神社に納められている獅子頭。年に1度、春祈祷が行われる日に神社から降ろされ、家々を周り1年の厄払いをしていきます。震災前は、約80戸あった波伝谷集落。神職や契約講役員、踊り手、お囃子と列をなして集落東境から、徒歩で家々を周っていました。家に着くと神職と役員は座敷へ上がり、神棚を前に悪魔退散と厄払いのお札を供え、祝詞があげられる。獅子は庭先で舞を一つ披露し、大きく口を開けて縁側から家に入り玄関へと抜けていきます。玄関から出る際には、その家で用意した豆腐を獅子が咥え外へと出て、舞を披露します。獅子が大きく口を開けるのは家の中にある邪気を取り込むためと言われており、豆腐を咥えるのは取り込んだ邪気を豆腐へ閉じ込めるためと言われています。

玄関先で豆腐を咥える獅子(提供:映画「願いと揺らぎ」監督 我妻和樹さん)

東から西へ徒歩で移動し、一軒一軒周っていくため西の境に着く頃には夕暮れ時。一行は海へ行き、ご祈祷とその年最後の獅子舞が行われます。この時、獅子は口を大きく開けて舞い1日で取り込んだ邪気を海に向かって吐き出していきます。ご祈祷を終えると獅子は舞をやめ口を閉じ、翌年まで決して口を開くことはありません。

震災前、西境での舞の様子(提供:映画「願いと揺らぎ」監督 我妻和樹さん)

「波伝谷の人にとって欠かせない行事」

星和明さんは、小さいころから装束に身を包んだ大人達の姿を見てきたことで「自分もやらなきゃ」と思ったと若き頃を振り返ります。「祭りではないけども、お酒を飲んで部落の人達と楽しむ、波伝谷の人にとって欠かせない行事」だと言う星さん。中には集落は離れたけど、わざわざ都合つけて行事に参加してくれる人もいると話していました。

そのため、子どもや講員の減少など課題はあるものの「この先10年はまず大丈夫だろう」と話す星さん。なぜなら波伝谷で生まれ育った子ども達が大人になり、行事に参加してくれているからだと誇らしげに話してくれました。

震災後、復活を遂げた春祈祷の様子(提供:映画「願いと揺らぎ」監督 我妻和樹さん)

地域の大人を見て育ち、郷土愛が育まれる

波伝谷集落は、東日本大震災により壊滅。約80戸あった家々も、震災後はおよそ半数の43戸になってしまいました。しかし、人々の想いが形となり震災から僅か1年後には復活を遂げた波伝谷春祈祷。集落に残る人に限らず、離れていても想いをもった人達がいたから復活を遂げることができたのかもしれません。それも小さいときから、行事や地域の大人達を見て成長する中で、自然と育まれてきた「郷土愛」なのかもしれません。そして震災時、子どもだった世代が成長し、次の担い手として行事に参加しているのも事実です。今の子ども達がこの姿を見てどう想い、成長していくのか。この先も何世代にも繋がれていくことを願います。

#おうちでさんりく③「ネットで注文!南三陸グッズ」

これまで2回に渡って、お家にいながらも南三陸を楽しめる情報を紹介してきました。前回はお取り寄せグルメをご紹介しましたが、今回はネット注文ができる南三陸グッズのご紹介です。

名産品のタコをモチーフにした「オクトパス君」

南三陸町の名産であるタコをモチーフにしたマスコット「オクトパス君」。「置くとパスする」という合格祈願グッズとしても人気です。オクトパス君の関連グッズはもちろんのこと、合格祈願にちなんだ商品も多数。オクトパス君が、頑張っている人の傍でそっと応援してくれます。

▼オクトパス君ショップ
http://ms-octopus.xb.shopserve.jp/

明るい未来に導いてくれる「モアイグッズ」

さんさん商店街のシンボルでもあるモアイ。昭和35年に三陸沿岸を襲ったチリ地震津波がきっかけとなり、チリとの交流が始まりました。それから東日本大震災を受け、2013年にイースター島から贈呈されたのがさんさん商店街にあるモアイ像です。贈呈されたモアイ像はイースター島の石で作られた上、眼が入っているモアイは世界に数体しかない大変貴重なモアイ像になっています。「モアイ」はイースター島の言語で「未来に生きる」という意味を指します。先が暗い状況が続きますが、モアイが明るい未来に導いてくれるかもしれません。

オンラインショップではモアイをモチーフにしたかわいい商品がたくさん取り揃えられています。

▼モアイストア
https://store.moaifamily.com/

 

地域のハンドメイドグッズならおまかせ

多くのハンドメイド商品を取り扱っているのが、さんさん商店街に移転した「みなみな屋」。南三陸町観光協会公式のアンテナショップとして営業。地域住民の手作り商品を中心に、みなみな屋でしか取り扱っていない商品も多数取り揃えています。そのオンラインショップとして運営されているのが「みなみな屋eマルシェ」。店舗に行けないと買えなかった商品を期間限定で取り扱っています。

▼みなみな屋eマルシェ
https://ec-minatabi.good-travel.info/

こだわりのハンドメイド雑貨のセレクトショップ

2017年3月に南三陸さんさん商店街にオープンした「NEWS STAND SATAKE」。自家焙煎コーヒーと町内近隣のハンドメイド雑貨を扱うおしゃれなお店は町内外問わず人気のショップとなっています。2020年4月にはECサイトもオープン。人気のハンドメイド雑貨を通信販売でも手にいれることができるようになりました。

▼NEWS STAND SATAKE
https://satake.theshop.jp/

かわいい羊にまつわる商品

歌津町寄木地区、海の見える丘にある羊牧場「さとうみファーム」。羊肉を使ったバーベキューはもちろん、羊毛を使ったワークショップなども人気コンテンツとなっている体験型の牧場です。オンラインショップでは羊毛を使った雑貨や、羊にまつわる商品などかわいい小物がアップされています。

▼さとうみファームオンラインショップ
http://shop.satoumifarm.org/

ゆっくり商品を眺めるのも楽しみ方のひとつ

旅行だと「お土産を見る時間が思ったより少なかった」という体験は皆さんあるはず。時間を気にせず商品をゆっくり見ることが出来るのも、ネット通販の楽しみ方の一つです。欲しかった商品、購入を考えていた商品以外にも、掘り出し物が見つかるかもしれません。南三陸の旅行を考えていた方は、ぜひこの機会に各サイトを覗いてみてください。

 

#おうちで三陸 ②「お取り寄せグルメで南三陸時間」

世界的流行を見せる新型コロナウイルス。観光シーズンを迎える南三陸町も大きな打撃を受けています。こんなときだからこそ「おうちで楽しむ南三陸時間」を紹介します。第2弾は「お取り寄せグルメ」。海の幸からスイーツ、お酒まで。ぜひおうちで南三陸の味を楽しんでください。

新鮮な海の幸をお届け

連休を含め、この春南三陸の海の幸を楽しみにしていた方も多いと思います。外出自粛が続く今、家にいながら、各社が取り組む通信販売を利用して、南三陸時間を楽しんでみてはいかがでしょうか?普段なかなか訪れることのできない店舗の商品をこの機会に試してみるのもおすすめですね。

この章では海産物を扱うショップを紹介します。
(情報に過不足ある場合はお手数おかけしますがお問合せよりご連絡くださいますようよろしくお願いいたします)

南三陸自慢の海産物が豊富!「山内鮮魚店」

▼▼https://www.yamauchi-f.com/

 

漁師の嫁が選ぶ厳選海の幸パック「たみこの海パック」

▼▼https://www.tamipack.jp/

 

町民御用達の町の魚屋「さかなのみうら」

▼▼http://www.sakananomiura.com/

さまざまな生産者の商品を扱うセレクトショップ「南三陸deお買い物」

▼▼http://www.odette-shop.com/

 

町民だけでなく南三陸土産でも大人気の「千葉のり店」

▼▼http://chibanori.net/

創業150年の老舗蒲鉾屋「及善蒲鉾店」

▼▼https://store.shopping.yahoo.co.jp/oizen/

料理と共に楽しみたいのが地域のお酒

美味しい食材と一緒に楽しみたいのが「地域のお酒」。そこで注目なのは、南三陸ワイン。

ぶどう畑でワイン会開催。新作ワインもお披露目!

日本ワインコンクールで奨励賞を受賞した南三陸ワイン。白ワインとスパークリングに加え、今年から赤ワイン、ロゼが追加されました。また南三陸産りんごを100%使用したシードルも発売。南三陸の食材と共に、南三陸のお酒もお楽しみください。

南三陸食材とワインのマリアージュを目指す「南三陸ワイナリー」

▼▼https://www.msr-wine.com/

南三陸ワイン(写真:南三陸ワイナリーより)

上記で紹介した「山内鮮魚店」では、さんさん商店街の店舗でも大人気のお酒が通信販売で手に入れることができます。地ビールや日本酒など各種揃えていますのでお気に入りの一本を見つけてみてください。

「山内鮮魚店」
▼▼https://www.yamauchi-f.com/

食後も楽しむ人気スイーツとコーヒー

続いて紹介するのは、南三陸のスイーツです。「お山のマドレーヌ」を始め、タコプリンやわかめロールケーキ(絆ロール)等、スイーツも豊富な南三陸町。通販を利用することで、南三陸のスイーツを手軽に楽しむことが出来ます。

また人気のコーヒー豆もお取り寄せすることで本格的なコーヒータイムを実現。在宅ワークなど家で過ごすことが多い今、気分転換にもおすすめですね。

お山のマドレーヌ(写真:南三陸deお買い物より)

「南三陸deお買い物」
▼▼http://www.odette-shop.com/

さんさん商店街の人気コーヒーを自宅で「NEWS STAND SATAKE」

▼▼https://satake.theshop.jp/

取り寄せグルメで旅行気分

海産物からスイーツまで、各サイト多数の商品を取り扱っています。思うように旅行に行けない日々が続いています。ぜひ通販サイトを活用して、“グルメ”で旅行気分を味わってみてはいかがでしょうか?次回はお取り寄せできる南三陸グッズをご紹介します。

 

#おうちで三陸 ①「テイクアウトで南三陸の味を楽しむ」

世界的流行を見せる新型コロナウイルス。観光シーズンを迎える南三陸町も大きな打撃を受けています。こんなときだからこそ「おうちで楽しむ南三陸時間」を紹介します。第1弾は飲食店の「テイクアウト」。ぜひおうちで南三陸の味を楽しんでください。

例年にないほどの大打撃。

新型コロナウイルスの世界的大流行により、南三陸町も大きく影響を受けています。中でも3月から夏にかけて「キラキラウニ丼」などで、盛り上がりを見せる町内飲食店は危機的状況を迎えています。

「例年にないくらいの売上の落ち込みになっている」

さんさん商店街で海鮮をメインに提供している店主はそう答えます。さんさん商店街の多くの飲食店では店内での営業を取りやめ、テイクアウトでの提供に切り替えています。また町内にある他の飲食店も、短縮営業や弁当の提供などに切り替え営業しているところがほとんどです。

「どこまで縮小していいものか、悩ましい」という声も。東日本大震災とはまた違った状況に店主らも頭を抱えています。それでも「今できること」、「提供できること」を試行錯誤しながら、なんとかこの状況を乗り越えようとしています。

閑散としているさんさん商店街。普段だと多くの観光客が訪れている。(撮影日:2020年4月25日)

町内飲食店テイクアウト情報!プレゼント企画も実施

町内多くの飲食店がテイクアウトや弁当の取り扱いに切り替えているのを受け。南三陸町観光協会と南三陸商工会では応援するべく「町内期間限定テイクアウト特集おうちごはん」を発行。また掲載されている飲食店を利用した方の中から、抽選で5名の方に商品券のプレゼント企画を実施します。詳しくは南三陸町観光協会のHPをご覧ください。

南三陸町観光協会HP 特集企画詳細:https://www.m-kankou.jp/archives/235116/

 #おうちで三陸 をつけて感謝の想いを表そう!

また、南三陸町に事業所を構える株式会社はなぶさ及び有志が運営をする情報サイト「#おうちで三陸」が立ち上がっています。

この情報サイトでは南三陸のみならず三陸・東北エリアのテイクアウトやネット通販、クラウドファンディングなどの情報をTwitter、Facebook、Instagramなどの各種SNSとも連携しながらまとめていくサイトです。

それぞれの、おうちでの三陸時間は「 #おうちで三陸 」のハッシュタグをつけて投稿することでウェブページにも反映。こんなときだからこそ、それぞれの楽しいひと時を共有してみましょう。それが今苦境にたたされながらも奮闘する事業者の力となるはずです。

「#おうちで三陸」をつけてSNSで三陸のテイクアウト品や通販で買った商品を投稿しよう!みんなで情報を共有して、明日のおうちでの生活を楽しもうね!あと、食べ物だけじゃなく飲み物やグッズもお家で楽しんだら同じハッシュタグで投稿しよう!
( #おうちで三陸 ウェブサイトより引用)

次回は遠方の方でも気軽に南三陸の味を楽しめる、お取り寄せグルメをご紹介します。