きりこ作りワークショップ

東北も梅雨が明け、夏本番となりました。
今日は涼を呼ぶきりこの話題です。

2010年、町を伝統で彩ろうと始まった『南三陸きりこプロジェクト』。
震災を経てその意義は更に大きくなり、
今や白いきりこパネルは町の景色に無くてはならないものとなりました。
(前回ご紹介した記事はこちら)

そしてこの夏。
8月開催予定の『福興きりこ祭』に向け
新たな紙のきりこを作るワークショップが開催されています。
7月18日、その第二回に参加させてもらいました。

机には懐かしくも新しいきりこの型紙たちが並びます。
アート団体ENVISI(えんびじ)が町の商店や民家にヒアリングし、
一軒一軒を想ってデザインしたものです。

各々カッターを手に白紙に向かいます。
「窯神様のお写真がなくて、たくさんお話を伺ったんですよ。」
「理容師さんが耳かきも手作りしていらして。」
「夏は八百屋の二階がフルーツパーラーになったのよね。」
型紙から思い出話が広がります。

こちらはきりこ作りベテランの女性たち。
複雑なパターンが次々に切り出されていきます。


私が切らせてもらったのは菓房 山清さんのきりこでした。
いかがでしょう専務!

町内出身のご姉妹。
妹さんは遠方からの帰省中に参加してくださったそうです。
「ロゴマークが入ってると難しいんだよね・・・。」

姉妹合作、見事完成しました(^^)

石巻からいらしたという男性も、この通り。

「津波の被害を負った南三陸町はこれからも姿を変えていきます。
 建物の素材まで以前と違う町になるでしょう。
 形あるものが失われても、失われていないものがあるはずです。
 それを可視化し、新しい町に吹き込む手段の一つがきりこなんです。」
(ENVISI代表 吉川由美さん)

ワークショップは8月19・20日にも開催されるそうです。
作成したきりこ(約300枚を予定!)は、8月23日から開催の『福幸きりこ祭』にて
さんさん商店街・伊里前福幸商店街に飾られるとのこと。
(その他思い出の場所を飾るきりこもあるとか・・・?)
紙のきりこがはためく涼やかな光景が、この夏も見られます。

■きりこ作りワークショップ ご案内ページ
http://www.m-kankou.jp/archives/12043/

(日比谷)

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南三陸道路 4号トンネル貫通式

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7月20日。
志津川地区阿曽の現場にて、南三陸道路4号トンネル貫通式が行われました。
(1号トンネル貫通の様子はこちら)




宮城~青森間359kmで整備の進む三陸沿岸道路。
そのうち志津川IC(志津川地区小森)から歌津IC(歌津地区白山)間、
約7.2kmが南三陸道路です。

平成27年度以降、区間南側から段階的に開通の予定。
町を縦断する『命の道路』として完成が心待ちにされています。

中でも今回開通した4号トンネルは
志津川と歌津を短時間で繋ぐための重要な区間です。
開通式には歌津地区より、韮の浜獅子舞(にらのはまししまい)が披露されました。


町指定の無形民俗文化財である韮の浜獅子舞ですが
この日は震災後初めての演舞。
流されてしまった衣装や道具を少しずつ揃え、
祝いの日を待ち望みながら練習を重ねてきたそうです。

開通したばかりのトンネルに復興の音が響き渡りました。
南三陸道路工事の安全と早期完成を切に願います。

(日比谷)

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完成!くつろぐはうす・マーガレット

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先日7月19日。
入谷地区鏡石に
おもちゃの図書館『くつろぐはうす・マーガレット』が竣工すると聞いて
早速お邪魔してきました。

ウッドデッキのついたログハウス。
絵本に出てくるような建物は、国道398号からも目立ちます。

中も一面木作りで、子どもが走り回れるほどの広さ。
ロフトも付いています。


施設は『南三陸おもちゃの図書館いそひよ』常設館としての機能の他、
地域の貸しスペースとしての利用も可能となるそうです。
ヨガ教室、映画鑑賞会、座談会議・・・
ここでどんなことが起こるのか、今から楽しみです。


『くつろぐはうす』という名前も、
 寛げる場所×ログハウス
日々踏ん張って生きる人々に気軽に集まってもらいたいとの気持ちを込めて
名付けられたのだそうです。

施設隣、研修施設いりやどにて開催されたお祝いの会には70名以上が列席。
『いそひよ』利用者さんやその父兄・ボランティアさん、地元協力者、
資金協力者である立教女学院の皆様など。
設立19年、『おもちゃの図書館いそひよ』が築きあげた繋がりです。

(南三陸おもちゃの図書館いそひよ 代表 鈴木清美さん)

震災から3年4か月。
町の礎がまた一つ花開きました。

(日比谷)

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町立病院・ケアセンター着工

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復興工事のスピードアップに伴い、公道の通行止めや交通規制が一層増えてきました。
移動時間は多めに見積もった方がよさそうです。

そんな復興工事の中でも特に注目されているのが医療・福祉施設です。
先日7月14日、志津川地区沼田にて
町立病院・総合ケアセンター建設工事の安全祈願祭が執り行なわれました。
大型町営施設としては震災後初の着工となります。


建設予定地は志津川地区東工区東地区。
南三陸診療所の道路向かいです。
(去年11月の造成工事の記事はこちら)

海側にベッド数90床の町立南三陸病院(仮称)、内陸側に総合ケアセンターが建ち、
2つの施設を吹き抜けの共有スペース『みなさん通り』が繋ぎます。

医療と福祉の機能を集約させることで
利用者へのサービスの充実を図るほか、
災害時には人々の命を支える緊急拠点としての役割も担うことができます。


竣工は平成27年10月。
南三陸病院(仮称)は同年11月上旬、体制が整った部門から診療開始となる予定だそうです。
救急患者の受け入れ、婦人科の受診も可能となるとあって
町の人々から大きな期待が寄せられています。

誰もが安心・安全を実感できる町。
その目標の一つが、実現に近づいてきました。

(日比谷)

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グラウンドゴルフ練習場 兼 健康広場

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7月半ば、晴天のある日。
志津川地区廻館の広場で十数人がグラウンドゴルフに興じていました。

「住民の健康つくりと集いの場」として
南三陸町震災復興計画推進会議へ提言されていた、グラウンドゴルフ場。

それを受け今年5月に設置されたのが
こちらの『グラウンドゴルフ練習場 兼 健康広場』です。
旧JR志津川駅近く、元は田んぼだった場所だそうです。
整備には近隣行政区や復興工事業者等の協力を得ることができました。
土地の一角、備品一つに至るまで思い入れが詰まっています。

現在は地域住民の遊び場・交流の場として活用中。
特にグラウンドゴルフの練習はほぼ毎日行われているとのこと。
造成現場を背景に、快音と歓声が響きます。

「撮影?却下!
参加していきなさい!」
なりゆきで1ラウンド参戦した結果・・・。



グループ内1位の男性 21打
グループ内平均     26~27打
筆者            30打
惨敗です(;Λ;)

「俺は大会にも出でっから。」
「私は今日初めてだよ。普段の運動?
志津川から入谷まで(3.5km+結構な起伏)歩くぐらいかなあ。」
基礎体力からして違うんですね・・・。
休憩しつつ、GG(グラウンドゴルフ)談議に花が咲きます。

町内では震災前から盛んだったというグラウンドゴルフ。
「平成の森、泊浜、ひころの里・・・今練習に使える場所は多くないねえ。」
「上の山公園も工事が始まったしねえ。」
長く、志津川地区の運動場整備が切望されていたのだそうです。

この場所にもいずれ造成工事が入りますが
「その日までは徹底活用!」と、皆さん声を揃えます。
秋にはグラウンドゴルフ町内大会を開催したいとのこと。
また撮影に伺います(戦力にはなれません)!

(日比谷)

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CAFE&STAY かなっぺ

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冷たいドリンクの恋しい季節ですね。
今回は歌津地区馬場中山にやって来ました。

漁港近くの高台にトレーラーハウスが見えます。
CAFE&STAY かなっぺです。

お店に入ると、料理担当の千葉嘉苗(かなえ)さんが
宅配便の包みを解いている最中でした。
中身はフルーツのようですね。

「長く応援してくださっている方から
 開店1周年のお祝いが送られてきたんです。
 お店のお客さんたちに召し上がってもらおうと思って。」

「食べに来てね!」の情報はfacebookページ等で即発信されます。
情報発信担当はご主人の馨(かおる)さんです。

お二人は震災後の避難所で出会い、2013年にご結婚されました。
夫婦で開いたカフェは、町内では珍しい洋食の食べられるお店として
開店後すぐに話題となりました。

この日注文したクロックムッシュには4種類のチーズが挟まれていました。
レストランシェフをなさっていた嘉苗さんこだわりの配合だそうです。
先程到着したフルーツも、早速ご相伴になってしまいました。

「ご近所方、遠方の方。
 このお店と地域を大勢の方が見守ってくださっています。
 メンテナンス面でも、庭の整備をしてくださる方や
 トレーラーハウスの基礎の手入れを申し出てくださる方など
 たくさんの方の支えをいただいて、いままで続けられています。」(嘉苗さん)

店内に並ぶ小物類も、多くがファンの方々の手作りです。

海辺に建つトレーラーハウス。
三方の広い窓から光が入ります。

「他の場所も検討したのですが
 ここのような水平線が丸く見えるほどのポイントは町内にいくつもありません。
 お客さん方と接していても、過去の話、未来の話など
 この景色の中でなければ話せないことがあると感じます。
 今はこの場所にお店があることに意味があると思っています。」(嘉苗さん)

「夏のお勧めですか?
 これから夏野菜がいっぱい入ってくると思います。
 また今年は水産加工場の再開も増えてきたので
 剥き身のカキやホタテが手に入りやすくなりそうです。
 メニューに取り入れていきたいですね。」(嘉苗さん)

■CAFE&STAY かなっぺ
 営業時間:午前8時~午後17時
 定休日:火曜日
 サイト http://www.chibakaoru.jp/canape/
 facebook https://www.facebook.com/canape.babanakayama

(日比谷)

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昇仙の杜 弥生公園

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この週末、台風直撃を免れた三陸沖。
週明けの今日は風もなく、雲間にうっすらと青空が見えています。

さて、ここは入谷地区桜沢。
国道398号傍に立つ、こんな看板を見かけたことはありますか。


昇仙の杜 弥生公園は
この地の絹の文化を知ることのできる史跡公園です。

江戸時代中期、伊達郡から入谷村へ
一人の若者によって養蚕の技術が伝えられました。
山里で生み出される良質の絹は仙台藩や京都西陣織で珍重され、
この地を栄えさせたと言われています。

弥生公園には、養蚕の伝道者 山内甚之丞と
その息子で同じく養蚕の普及に尽力した山内甚兵衛が眠っています。


その功績を謳う碑を守るように、モミジが枝を伸ばしています。

モミジの但し書きには「入谷小学校児童会 記念植樹」とありました。

町の子どもたちは今も授業の中で絹の歴史を学んでいます。
また震災後、繭細工を基に起ちあがった工房もいくつもあると聞きます。
山内甚之丞が広めた絹の文化は
形を変えながら現在まで続いているのです。

国道からここまでの距離は200メートルほど。
花々に囲まれた公園に沢と鳥の声が聴こえてきます。
「隠れたピクニックスポットって呼ばれてんのよ。」と
地元の女性が教えてくれました。
お弁当持ってくれば良かった。。。

(日比谷)

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バイオマス産業都市構想

まちづくりの指針である『南三陸町震災復興計画』。
その一つ『エコタウンへの挑戦』実現のため、
町が提示したのが『南三陸町バイオマス産業都市構想』です。

これは例えば生ごみやし尿、林地残材等
今まで捨てられていたものを町ぐるみで活用する、というシステムです。
『廃棄物』を『資源』として見直すことで
資源だけではなく、エネルギー、人、そして経済もが循環する町を目指しています。

「森・里・海・街がコンパクトにまとまっている南三陸町ならではのプラン。」
「自給率の高い生活が人々の誇りを生めば、自立したまちづくりに繋がる。」

構想はこの春、農林水産省など7つの府省の審査をうけ
『バイオマス産業都市関係府省連絡会議』二次選定地域
8つ中の1つに選定されました。




2014年4月9日 農林水産省HPより

今年度、町はまず『バイオガス事業』に着手し
生ごみやし尿汚泥等をメタン発酵させるバイオガス施設の工事に取り掛かります。
着工は今年末頃、本格稼働は平成27年末頃の予定だそうです。

事業実施の協定を結んだのはアミタ(株)。
2012年に町内に系列の研究所を設け、
以来バイオマス実証実験を続けてきた民間企業です。

バイオガス施設で生成される液体肥料を使えば
年間70ヘクタールの田んぼを肥やすことができるそうです。
同時に生まれるメタンガスは電力を生み出し、一部は電力会社に売電されます。
更に発電の余熱をメタン菌の発酵に利用するなど
資源を漏らさず活かすことができるよう、現在設計が進められています。

自然を敬い、自然と共生するまちづくり。
『エコタウンへの挑戦』がいよいよ始動しました。

(日比谷)

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災害公営住宅~歌津名足地区~

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昨日に引き続き、災害公営住宅についてご紹介いたします。

今日は、歌津名足地区のご紹介です。
(配置計画図)

団地内の道路を境に、右手側には木造戸建住宅と集会所が、左手側には集合住宅が並びます。

こちらの木造戸建住宅は、2階建て4DKが2棟、2階建て3DKが3棟の、計5棟です。

木造戸建住宅の手前側にある集会所。

この日、ちょうど足場や囲いが取れたばかりとのことで、外観を撮影することができました!

集会所前には、軽トラ市などのイベントが可能な小広場が設けられるそうですよ^^

道路を挟んだ向かい側には、集合住宅が2棟。

1号棟、2号棟共に14棟ずつの、計28棟。
どちらも地上3階建てですが、手前側の2号棟には、
地下1階に自転車・バイク置き場、物置があるんだそうです。

建物は全て海側を向いていて、漁港を見渡せる、名足らしい団地になっています。

新しいまちが、少しずつ出来てきました^^

*歌津名足地区の災害公営住宅の詳細はコチラ

(高橋)

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災害公営住宅~入谷桜沢地区~

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今日は、災害公営住宅についてご紹介いたします。

町内8か所で予定されている災害公営住宅の建設。
中でも、完成が最も早い入谷桜沢(いりやさくらざわ)地区と歌津名足(うたつなたり)地区では、
以前このブログでもご紹介したように、この夏の竣工を目指し、工事・建設が行われてきました。

*災害公営住宅整備工事の着工式の様子はコチラ、木造災害公営住宅上棟式の様子はコチラ

7月中には災害公営住宅を町へと引き渡し、8月からはいよいよ入居開始となるそうで、
まさに今、急ピッチで作業が進められています。

今回は、入谷桜沢地区をご紹介します。
(配置計画図)

国道398号線から団地への坂を上がっていくと、右手側に木造戸建住宅が9棟並びます。

2階建て4DKが2棟、2階建て3DKが5棟、平屋建て3DKが2棟。
平屋建ては、スロープもあり車椅子にも対応しています。

木造戸建住宅から、さらに坂を上がって行くと、木造の集会所があります。

住民のみなさんの希望や意見を反映するため、くらしの懇談会で話し合いがされてきた集会所。
どんな作りになっているのか、楽しみです^^
(↑2014/11/28のブログへリンク)

集会所の後ろ側には、鉄筋コンクリート造の集合住宅が2棟。

3階建てで、エレベーターもついています。(真ん中の細長い部分がエレベーターです。)
2Kタイプが9戸、2DKタイプが18戸、3DKタイプが15戸の、計42戸。
北棟、南棟共に21戸ずつです。

建設中の北棟前の駐輪場、駐車場の後ろには杉林があり、この杉林は伐採せずに残すとのこと。

木々に囲まれた入谷らしい団地という印象です。

明日は、歌津名足地区の災害公営住宅をご紹介しますね^^

*入谷桜沢地区の災害公営住宅の詳細はコチラ

(高橋)

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