復興を伝える「まるふくマーク」

このところ日差しが暖かくなってきました。
ようやく訪れた春の気配に、ほっと一息ついています。

さて先日、ブログヘッダー部分の「まちづくり」ボタンに
こちらのマークを追加しました。

志津川のいま(2014年2月)

本日は、志津川の様子をご紹介いたします。先週の金曜日の午前中。きれいな青空が広がり、良いお天気の南三陸町^^

旧JR志津川駅のホームから、志津川高校を背に旧市街地方向を撮影。道路の雪は解けていますが、日陰や除雪作業をしていない所では、まだ雪は残っています。

こちらは八幡川。日の光が反射して、きらきら。きれいです。旧志津川市街地はかさ上げがされるため、現在盛土工事中。この写真の八幡川の向こう側(五日町)も盛土がされていますね。

国道45号線沿いの緑のフェンスの向こう側(十日町)でも盛土工事が行われているようです。

上の山緑地公園からの眺め。志津川湾の向こう側は戸倉地区です。何度見ても、やっぱりきれいな志津川湾。数年後のここからの眺めは、どのようになっているのでしょうか。

サンオーレそではまに来てみました。(下の写真に写っているのは荒島。)震災前は公園や東屋などがあり、友人と何度も遊びに来ていた懐かしい海。震災後は初めて来ましたが、何事もなかったかのように穏やかで静かです。

急に空模様があやしくなってきました。それから10分程経つと…

雪が降ってきました!朝はあんなに良いお天気だったのに…たった1~2時間程でこの変化。
ちなみにこちらはお昼時のコンビニ。最近では、工事関連のトラックや大きな車両が一層多く見られるようになりました。少しずつ、確実に、復興に向けて変化していく南三陸町。これからも、そんな町の様子をお届けしていきたいと思います。

 

牡蠣まつり福興市!

先週日曜、2月23日。
福興市は今回も晴天。


この日は題して「志津川湾春つげ牡蠣まつり福興市」。
養殖ガキの収穫回復傾向を祝し、満を持しての開催です。

「売るものが何もなかった状態から
 数年ぶりの牡蠣まつり開催に漕ぎつけました。
 今日は腹いっぱい食べていってください!」(佐藤町長)

シュプレヒコールの背後に揚がるのは、のろし?
いや、蒸し器からの湯気。

会場横付けのトラックから大量の牡蠣が運び出されます。
戦の始まりです。

場内で殻つき牡蠣の販売が始まりました。
手のひらを超える大きさで、なんと2個100円。
蒸すなり焼くなりご自由に!


会場いっぱいに漂う磯の香り。

一般の出店ブースにも牡蠣、カキ、かき。



志津川漁協がこの日用意した殻つき牡蠣は3000個。
売れ足の速さに途中から購入数制限がかかったものの、
午前中で完売してしまいました。

「私の調べによると、今日の来場者数は1万5,000人を超えているね。」
                  (福興市実行委員会 及川善祐会長)
ええと、牡蠣の数量と計算が合わない気が・・・
とにかく町中の牡蠣が食べ尽くされたのは間違いないようです。

まだ雪の残る中、
足元ぬかるむ会場に多くのお客様・ボランティアさんがお越しくださいました。
ありがとうございます。




次回福興市は3月末開催予定とのこと。
春の南三陸、新鮮わかめが盛りだくさんです。

あ、もちろん牡蠣もまだまだ食べられますよ!

(日比谷)

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南三陸化石の学校 後編

化石の産地として知られる南三陸町。1881年、ドイツの地質学者ハインリッヒ・エドムント・ナウマン博士によって三畳紀の二枚貝「モノティス」化石が発見されたのを皮切りに近年まで発見報告が相次いでいます。

化石が多数発掘される理由は、その地質。

『むかし、地球には「超大陸パンゲア」と呼ばれる大きな一つの大陸がありました。(中略)日本列島のほとんどは、深い海だった場所がもりあがって作られていますが、南三陸のあたり(南部北上帯)はちぎれた超大陸の切れはしがそのまま残ってできた土地です。』(南三陸化石ものしりブック②魚竜編より)

かつて生き物で栄えた土地が、長い大陸移動の末宮城県から岩手県の一部になりました。南三陸町近辺では下の方の層が海岸に露出するなどの条件が備わっているため、2億6000万年前から1億5000万年前の地層を観察することができるのだそうです。

特に、魚竜化石の豊富さは世界でも類を見ないほど。1952年発見のホソウラギョリュウ、1970年発見のウタツサウルスをはじめいまだ名前の付けられていないものもあるのだとか。。。

その謎に魅せられるのは、化石好きのちびっ子だけではないようです。

こちらは2月16日『南三陸化石の学校』内の講演会『南三陸の化石研究最前線!』の様子。

「魚竜より古い層からは陸生の両生類の化石が発見されています。私が唐島で発見したマストドンサウルス類は、ヨーロッパでよく見つかる種に近く、パンゲア大陸と大昔の日本列島の間を動物が行き来していた証拠と考えられます。」

ドイツのボン大学 中島保寿博士の解説に、大きいお友達が聴き入ります。皆真剣です。

南三陸での発掘は生物史の空白部分を明かす重要な鍵と言われているそうです。その解明はいまだ途上。将来、この町から研究者が生まれるかも・・・ですね。

 

南三陸化石の学校 前編

魚竜をはじめ古代の化石が多数発見されている南三陸町。
(以前ご紹介した記事はこちら)
古生物や地質について勉強しよう、という動きも盛んです。

2月16日。
ポータルセンターにて開かれた「南三陸化石の学校」にお邪魔してきました。
雪にもかかわらず、開場前からご覧の行列。

主催のNPO法人大阪自然史センターのほか
岩手大学や、この地で研究を続ける東北大学の学生たちが参加。
盛り沢山のプログラムに、場内身動きも取れぬ盛況ぶりです。

子どもたち皆、工作やお絵かきを通じて南三陸の化石を学びます。



こちらは古生物復元画家 小田隆先生による「恐竜の描き方教室」。

「みんな『復元』って分かるかな?
 現代の地球の生きものを参考に、

 化石のホネから昔の姿をよみがえらせる作業だよ。」

小田先生の描いた頭骨の絵に、それぞれ筋肉や皮を描き足していきます。

「ティラノの子どもって毛があったらしいよ。」
「マジでー!?」
色鉛筆を走らせると現れるリアルなティラノサウルスの姿。
時間を忘れて没頭してしまう子も。

「学びの機会を増やし、最新の情報に触れることで、
 南三陸が化石の町である、ということを
 『広く浅く、でも正しく』知ってもらいたいんです。
 町のみなさんが胸を張って自分の町を自慢できれば、
 その魅力をもっと外へ発信することができます。」
       (大阪自然史センター普及教育事業担当 西澤 真樹子さん)

ところで、なぜこの地域で何度も化石が見つかるんでしょうか?
その点については、また次回。

(日比谷)

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南三陸ミシン工房 続報

町の女性約20名が所属する「南三陸ミシン工房」。
(以前ご紹介した記事はこちら)
半年ぶりにお会いすることができました。

お邪魔したのは歌津地区田表。
雪景色の中、一際目立つツートンカラーの壁。
こちらはできたばかりの新工房。
開所1か月足らずです。

女性スタッフの皆さんが検品・仕分け作業の真っ最中でした。

以前は歌津地区の貸会議室で作業されていましたね。
自分たちの工房を持ったお気持ちはいかがですか?
「明るくて暖かくていいねえ。」「春には庭で畑ができそうだよ。」
笑顔で返事が返ってきました。

真新しい木の匂いに混じって花のような甘い香りがします。
「海外製の布地も扱ってるから、その香料かな。」
たしかに北欧風というか、ハイカラなデザインの製品が増えているようです。


企業ノベルティ、キャラクターグッズ、オリジナル商品。
彼女たちを縫製職人として認めたうえで依頼される仕事の数々。
いま「被災地支援」の意味合いは薄れつつあります。

「一時しのぎではなく、
 今後工房として自立していくための活動を展開しています。」(代表 熊谷さん)

製品は現在複数のネットショップをはじめ、東京・大阪・静岡などへ販売範囲拡大中。

3月8日から11日にかけては銀座にて展示会を開催予定。
南三陸から女性スタッフ数名が参加されるそうです。
「お客様へ製品の説明、ワークショップ開催、
 その会話の中で町の様子もお伝えしたいと思っています。」(熊谷さん)


 ←ワークショップではティッシュケース作りを
 教えてもらえます^^

そしてなんと工房のテーマソングまでできてしまったと言います。
視聴させていただいたところ、
ミシンの音や話し声の折り込まれた可愛らしい曲でした。

「作詞・作曲はHARCOさんというミュージシャンの方です。
 2011年の暮れからずっと工房を応援してくださっています。
 来月22日も町にコンサートに来てくださる予定なんですよ。」

そんな目まぐるしい日々の中、
女性たちは相変わらず楽しげに、睦まじげにお仕事をされていました。

南三陸ミシン工房の活躍ぶりを、今後も追いかけたいと思います。

■特定非営利活動法人 南三陸ミシン工房
ホームページ : http://www.mishinkoubou.org/
お問い合わせ : mail@mishinkoubou.org

(日比谷)

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天使のハーブ トウキリーフ

「他にはない特産品を育てたい!」町の畑作に今、新しい流れが現れています。

古くからその根が生薬として知られる植物「トウキ」。婦人病や冷え性への薬効があり、漢方薬に用いられています。類縁種(西洋トウキ)はヨーロッパでは悪魔を退けるとされ、「アンジェリカ(天使のハーブ)」とも呼ばれます。

現在流通しているトウキの多くが海外産や北海道産ですが江戸時代には宮城でも「仙台トウキ」と呼ばれる種が栽培されていました。「トウキを現代に復活させ、地域の農業を活性化しよう!」南三陸町入谷地区でトウキの畑作が始まったのは2012年の春でした。

初年度から無農薬栽培にこだわり、生長に向いた場所への苗の定植、手作業での害虫取り。当初は小指の先ほどだった苗に惜しまぬ手間が掛けられました。その甲斐あって、初夏には青い香りの漂うトウキ畑が完成したのです。

薬用として用いられるのは根っこの部分ですがこのプロジェクトでは葉の部分を食用ハーブとして広めようとしています。名付けて「トウキリーフ」。

「トウキリーフはセロリにも似た強い香りを持ちます。油、特にオリーブ油との相性がとても良くて、試作したタコのカルパッチョ、たらとキノコのホイル焼き、パスタなどいずれも好評でした。」(グリーンウエーブ入谷構想促進委員会 農園チーム)

2年目の2013年、栽培箇所は更に増えました。現在トウキリーフは銀座のベーカリーや薬膳カレー店などで使用されています。他にも食品会社等、興味を持ってくださる方が増えているそうです。

「畑から産業を生み出すためにどのように形にするかが大事だと思います。できるだけ早く、町の新しい農産物として広めていきたいですね。」(グリーンウエーブ 農園チーム)

根や種の利用方法も模索中とのこと。南三陸からブームが生まれるかもしれません。

(トウキの花)
※南三陸町で生産している品種はオオブカトウキです。

トウキ栽培の今を見られる「未来の種プロジェクト」Photoライブ
http://mirainotane.jp/live/

 

戸倉のいま(2014年2月)

本日の戸倉地区神割崎。

この時期、岩の間から昇る朝日を拝むことができます。
今朝は絶好の日和でした。


気温マイナス9度。
川から湯気が上がり、池は凍りついています。

水戸辺の災害廃棄物処理場は既に解体され、復旧作業が進んでいます。
3月末には平地に戻り、農地等に利用されるそうです。


ここ数日続いた穏やかな天気もおそらく今日まで。
明日からは再び雪の降る予報です。

先週の大雪の際は交通が非常に困難となりました。

今週末は外出を控えようと考える方が多いのか
店頭の生鮮食品が売り切れていた、という話も耳にします。
春を思いながら静かな週末を過ごすのも良いかもしれませんね。

(日比谷)

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合同企業説明会

先週末に暴風雪・大雪警報が発令された南三陸町。
警報は翌日に解かれたものの、週明けの積雪35~50センチ。
店頭の雪かきスコップが売り切れていました。

そんな日曜日、2月9日。
登米市の中田環境改善センターにて「南三陸合同企業説明会」が開かれました。

南三陸商工会主幹 佐々木正司さんによると、この日の参加は10数社。
水産・建設・商工業等、いずれも町の復興を担う企業ばかりです。

「このような合同説明会の開催は1年ぶりです。
 あいにくの大雪となってしまいましたが、
 だからこそお越しくださるのは真剣にお仕事を求めている方ばかりです。」(佐々木さん)

ホールに並んだブースにて、各担当者が来場の方々の質問に応じています。
「求職の方は希望業種がはっきりしている場合が多いですね。
 関連する企業数社とお話されていくようです。」

企業が求めるのは復興と、その先の町を支える人材。

「住宅の建設等、今忙しいのはもちろんですが
 何年か経てばそれらのメンテナンスも必要になってきます。
 地域に根差した会社でなければできない仕事です。」
(志津川建設(株)専務取締役 小野寺真さん)

「正規雇用で迎えたい」「未経験者へは資格取得等への援助をする」等
各社とも熱意ある求職者を可能な限りの体制で受け入れる構え。
住まいの問題も解消してはいませんが
寮やシェアハウスの用意のできた企業も増えつつあり、
町内就業への壁は下がってきているようです。

「商業の力で町を良い方向に導きたい。
 故郷へ戻ってきた方、新しく訪れた方の再出発の場にしたいですね。」(佐々木さん)

次回は今週末16日、南三陸プラザにて開催されます。
町の名だたる企業20社が集うという滅多にない機会。
ぜひお越しください。



■合同企業説明会 南三陸会場■

日程:平成26年2月16日(日)
時間:13:00~16:00
会場:南三陸プラザ
お問い合わせ:南三陸商工会
TEL:0226-46-3366

(日比谷)

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春告げやさいの収穫

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「南三陸春告げやさい」をご存知でしょうか。
年明けからわずかの間、菜花やアスパラ菜など
7種の葉物野菜だけに付けられる特別なブランド名です。

1月末、歌津地区港。
山間の地図にない道を抜け、清々しい畑に辿り着きました。

「1人か?よくここが分がったなあ。」
迎えてくださったのは畑の主、小野寺功さんです。

ここは春告げやさいの1つ「ちぢみゆきな」の畑。
「つってもなあ、もう今日明日採ったら今年の分は終わりだ。」
ご親族とともに最後の収穫作業中でした。

ちぢみゆきなは去年9月に種を蒔き、12月から収穫が始まりました。
ですが「春告げやさい」と銘打たれるのは
1月以降に収穫されるものだけなのだとか。
「寒さが厳しくなると葉が縮れてきて、ぐっと甘みが増すんだよ。」
まさに春を告げる味です。

「炒め物とか味噌味とか、ちょっと濃いめの味にするのが旨いねえ。
 (他の春告げやさいの)ちぢみほうれんそうなら、さっぱりとおひたしかな。」
聞いているだけでお腹が空きます。

功さんの畑では今年約120ケース分のちぢみゆきなを収穫。
このあと土を掃い袋詰めして農協へ出荷、
2日後には仙台等のお店に並ぶそうです。

日差しが暖かかったこの日、功さんは
「今日ははかいった(はかどった)なあ。」と満足げな様子でした。
ちぢみゆきなが終われば、畑の主役は
枝豆やばっけ(蕗)に代わっていきます。

「他に果樹や山の管理もあるし、数年前までは牛も育ててた。
 俺ももう84だ。いつまでできるかわかんねえけど
 身体が利く間は続けたいと思ってるよ。」

手入れの行き届いた畑は、功さんのまっすぐな背中にも似ていました。

(日比谷)

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