そば処 すがわら

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今日は、入谷にある“そば処 すがわら”さんをご紹介。店主である菅原良成さんにお話を伺ってきました。

入谷の大明神橋(=写真上:右側の橋)近くにあるこちらのお店。見た目は、お店というよりは“普通の(というか立派な)お宅”といった感じ。実はこちら、良成さんのご自宅をそのまま店舗として使っているのだそうです!

改装などはしておらず、元々の住まいを活かしているというだけあって、中もお宅そのもの。入って右手のお部屋は、まさに“茶の間”。

テレビやこたつ、ソファもあり、ゆったりくつろげるアットホームな雰囲気です。

左手には、この辺で言うところの“おがみ”と“でい”の二部屋。

(↑ “おがみ”と呼ばれる仏壇や神棚のある部屋)

(↑ “でい”と呼ばれる床の間のある部屋)

お仏壇や神棚、床の間もあって、「ただいまー」と言いたくなってしまうような、実家に帰ってきたような懐かしさもあります。それが「できるだけ敷居を低く」という良成さんの想いとも合っているのかなぁと感じました。

物心ついた時から「料理人になるんだ」と思っていたという良成さん。高校は地元の進学校に通ったものの、大学へは進学せず、高校卒業後に一流割烹に弟子入り。大阪で10年、東京で5年、料理人としての腕を磨いてきました。

地元で自分の店を開きたいと思い、帰って来たのが2010年11月。開店場所を探していた時期に震災が起こり、他の場所を探すのが難しい状況になってしまい、被災しなかったご自宅での開店を決めたそうです。

すがわらさんのお客様は、ご近所の方がほとんどで8割~9割の方がリピーターとのこと。いわゆる“外からのお客様”だけではなく、地元の方々に支えられ、愛されているお店なんだということがわかります。

良成さんがこちらのお店を始めたのは2011年7月。

「震災後、町内でこういうお店(食事処)としては、うちが一番最初に始めたんですよ。インスタント食や非常食がばかりで、そろそろみんな限界っていう時期でもあったと思うんです。だから、開店を喜んでくれる方も多くいましたね。」

震災後の、手作りのあたたかい料理が恋しくなっていた頃に開店したすがわらさん。きっと、そうした方々の胃も心も満たしてくれる貴重な場所となっていたのではないでしょうか。

この日のオススメは牡蠣そば。旬の牡蠣や新物のワカメがたっぷり入った、あつあつのおそばです。

旬なおいしい海のものが手に入る、南三陸町。仕入れは地元の魚屋さんや知人の方からだそうで、もちろんこの牡蠣もワカメも町内産!

おそばの他にも、丼物や松花堂弁当、一品料理やお酒もあります^^大人気の玉子焼きは、テイクアウトも可能とのこと!

ぺろりと食べられる程良い甘みで、もっともっと食べたくなります。

一流割烹のプロの味を入谷で。ぜひ一度、味わってみてください^^

■そば処 すがわら
住   所:入谷字林際21-3
電   話:0226-46-6729
定 休 日:水曜日
営業時間:昼の部 11時~14時
夜の部 17時~20時 (※夜の部は要連絡)

積雪の町

町にも寒波が到来しました。2月5日の積雪は約17センチ。夜の気温はマイナス12度まで下がりました。

今朝は水道が凍結したお宅も多いようです。

他県の方は意外に思われるかもしれませんが南三陸町では普段さほどの大雪は降りません。ただ、一度降ると長期間融けないため道路はつるつるに凍結。「たっぺ(凍った道のこと)の時は外に出ねんだ」という方もよくおいでです。

伊里前三嶋神社にお参りすると、足跡ひとつありませんでした。

こちらは三陸自動車道建設の進む志津川地区小森。

町内には現在たくさんの大型車両が出入りしています。お越しの方は渋滞や接触、泥はね等にくれぐれもご注意を。

スノータイヤは履きましたか?ウォッシャー液は非凍結タイプに入れ替えてください。雪落とし用のブラシは必須、解氷スプレーもあれば便利です。

あとは何卒お時間に余裕をもってお越しくださいね。ご安全に。

 

思い出写真館

昨晩から雪が降り続けています。除雪が追い付いておらず、出勤時はまだ三陸道も真っ白でした。

さて、ここは町役場や診療所の並ぶ志津川地区沼田。ベイサイドアリーナ駐車場内では災害ボランティアセンターの白いテントが目を惹きます。

そのすぐ近くのコンテナが、本日ご紹介する「思い出写真館」です。

過去の津波災害の経験から、南三陸の人々はアルバム等の思い出の品を失う辛さを痛感していました。

3.11後、佐藤町長の発案により有志チーム「思い出探し隊」が結成されたのは同月28日のこと。泥に埋もれた町から写真、トロフィー、賞状などを拾い上げ、手作業で洗浄を行いました。連日、自衛隊や他ボランティアの方々とともに過酷な捜索が続けられたそうです。

この「思い出写真館」に収められているのはそんな写真たちです。保管写真15万枚が全てデータ化されており、館内のパソコンで閲覧することができます。(※被災した方とご家族の方のみ入館できます)

思い出を探す人々を迎え入れてきた写真館。管理を行う南三陸町災害ボランティアセンターによるとこれまで約3000人のご利用があり、1万2000枚の写真が持ち主の元に戻っていったそうです。これは保管数全体の1割弱にあたります。

猪又隆弘センター長にお話を伺いました。「開設当初は1日20~30人の利用がありました。約2年半が経ち、最近は1日数名です。が、今のところ写真類の破棄は考えていません。もうしばらく保管を続け、できる限り持ち主を待つつもりです。」

常駐スタッフの小山さんは「来館の方は写真を2~3時間閲覧されていく場合が多いです。1日では全部に目を通せず、何度もお越しになる方もおいでです。子どもの頃の写真やご故人の写真を見つけて喜んでもらえると、やはり嬉しいですね。」と微笑みます。

「1人でも多くの人に見に来てもらい、1枚でも多くの写真が必要な人の元に戻るよう願っています。」(猪又センター長)

■思い出写真館
場所:ベイサイドアリーナ駐車場特設コンテナ
受付時間: 9:30~15:30
受付日: 年末年始を除く毎日
問い合わせ:南三陸町災害ボランティアセンター
電話番号: 0226-46-4088(9:00~15:00)

 

さんさカフェ 閉店

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先日、志津川地区廻館の名物店「さんさカフェ」が閉店を迎えました。

震災直後の「助け合わなければ生きていけない状況」はいくつもの強いコミュニティを生み出しました。
その中から「住まいが離れてからも集まれる場所を」と旧志津川高校避難所のスタッフにより起ち上げられたのが「さんさカフェ」。2012年1月のことでした。

まだガレキも残る中にポツンと現れた店舗。ボリュームたっぷりのランチやデザートが話題を呼び、ご近所の方・ボランティアさんたちが足しげく通うお店となりました。

以来人々に愛されたさんさカフェでしたが、店舗周辺は都市計画の対象地域。その工事の進捗に伴いお店を閉じることとなったそうです。

閉店日でもあり、開店2周年記念日でもある1月29日。お店では音楽ユニット「桃梨」のライブが開催されました。

全国から駆け付けた桃梨ファン・さんさカフェファン約80名。店から溢れるほどです。気温0度の寒さの中、最後の夜を楽しみました。

「もうちょっと続けてもよかったんじゃないの?」、「この辛いカレーもう食べられないのかあ。」常連の皆さんが名残を惜しみます。

最後のコーヒーは熱く、飲み終わるまで熱を保っていました。

『見えないけれど繋がっている 離れていても繋がっている心を込めてあなたに贈り物を心温まる時間を奏でたいの』(桃梨「両手に願いを」より)

この場所で人々を励まし続けた「さんさカフェ」。2年、いや2年と11か月間。。。お疲れ様でした。

 

おもちゃの図書館いそひよ

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冬のとある土曜日。
入谷公民館にて「おもちゃの図書館いそひよ」が開館しました。

「いそひよ」は障がいを持つお子さんを対象とした交流の場。
この日は約1か月ぶりの開催のうえ、外は雨。
和室には子ども・大人、そしておもちゃがひしめき合っています。

代表の鈴木清美さん(写真左)にお話を伺いました。

「いそひよは今年で開設19年です。
 志津川地区の拠点を津波で失ってからは
 入谷地区に場所を借り、活動を続けています。」


「おもちゃも流されてしまいましたが
 外部支援でいただいたり、手作りしてもらったりなどで揃ってきました。
 また去年は町を離れ、ご家族を巻き込んで横浜まで合宿に行くなど
 活動内容も充実してきているんですよ。」

「障がいを持つ子も人と接することで社会性を伸ばすことができます。
 活動当初からの利用者は現在20代半ば、
 いわゆる「卒業」のないいそひよでは
 歳の離れた利用者さんの交流も生まれています。」

見ると、部屋の一角ではお母さんたちが情報交換(おしゃべり)中。
いそひよは保護者の皆さんにとっても貴重な場のようです。

「障がいを持つ人やそのご家族にとって、こういった場所は必要です。
 利用者さんはこれからも増えるでしょう。
 もっと広々遊べたら、と思いますね。」(鈴木さん)

その念願の新拠点、現在入谷地区内に建設中とのこと。
「のんびり進行で完成時期もはっきりしないけど(笑)」
新しい施設で遊ぶ皆さんの様子、早く見てみたいです。

(日比谷)

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町民公開講座

冬本番。
道路が凍結しています。

1月24日。
志津川保健センターに集まった人、人、人。

健康維持をテーマに開催された「町民公開講座」。
この日のために福岡から3名のお医者様がお越しになりました。

狭心症予防についてお話しくださった福山尚哉先生は
2012年の半年間、南三陸診療所に勤務されていた方です。

生活習慣の大切さを説く福本義弘先生。
以前は東北大学医学部に勤務されており、
2006年から7年間、週1度志津川病院にて診察をなさっていました。

聴講者の中にはかつての担当患者さんもおいでのようです。

それにしても仮設建築の建物に約150名。
施設の方も「こんなに人が入るのは初めて」と言いますから
先生方の人望が伺えます。

また福山先生・福本先生のお声掛けでいらした安藤真一先生は
睡眠時無呼吸症研究の権威。

「うるさいイビキが急に止まることあるでしょう。
それはそれで気になって眠れなくなりますよねえ。」
難しいテーマを、ユーモアを交え分かりやすく説明してくださいました。

講演ののちも、先生方は女性ファンに囲まれていました。
久しぶりの再会にお話は尽きないようです。

この日の講演、聴講の皆さんからは
「町をずっと気にかけてくださってありがたいです。」
「今日は心臓病の恐さが分かりました。」と大好評。
中には
「早速禁煙します!」という方も。

「今は登米市の病院で運用中の志津川病院も
来年には新病棟ができるでしょう。
また来ますよ。」(福山先生)

町の健康のためにも、ぜひ(^^)。

(日比谷)

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町内フットサル大会

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1月19日の日曜日。
歌津中学校体育館からシューズの音が聴こえます。
町内フットサル大会が開催中でした。


下は中学生から上は65歳がフィールドを走るなか、
中心となるのは20~30代の男性たちです。
かつてのサッカー少年も今や漁師や農家。
がっちり育った身体で遠慮のないプレーを繰り広げます。


もともと町では歌津地区を中心にサッカー人気が高く、
複数のキッズチームが存在したそうです。
その第一世代も成長し、スポーツに打ち込むことも少なくなった頃。
「大人が運動するきっかけを作ろう」
2006年、南三陸町サッカー協会により初のフットサル大会が開催されました。

以来9年。
震災の年を挟み、大会は今年で第8回を迎えています。

今年の出場は9チーム。
大会事務局の小山さんは
「震災前はもっと多くて、抽選で10チームに絞っていたんだよ」
と寂しがりますが、
町の働き盛りがこんなに集まるだけでも滅多にないこと。
大会の人気の高さがうかがえます。

「練習期間1週間しか取れなかったよ」
「うちなんかチーム結成1週間だよ」
運動不足解消・・・できているんでしょうか(^^;;)
ゆるくも手加減なし、対戦の結果は?

優勝はチーム JOJO FC(ジェイオージェイオーエフシー)。

20代中心のチーム、記念撮影の笑顔が爽やかです。
強さの秘訣は女子の声援と見ました。

大会副実行委員長 橋本さんによれば
プレーは年々レベルアップしているそうです。
「と言ってもメインは楽しむこと。」

全力を出し切った出場者たちの満足げな様子。
お疲れ様でした!

(日比谷)

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農漁家レストラン 松野や

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先日1月20日。入谷地区鏡石、国道398号沿いに「農漁家レストラン 松野や」がオープンしました。

実はこちら、以前ご紹介した「南三陸木の家づくり互助会」モデル事業第1号。壁には徳島産の、柱には町内産の木材が使用されています。

もみ殻の断熱材や蜜ろうワックスなど、とことん自然素材にこだわった建物。建築士、建設会社、材木店、個人ボランティアさん他たくさんの協力を得て完成しました。

「40年越しの夢が叶ったのよー!」と笑顔を見せるのは、店主の松野三枝子さんです。

「19で農家にお嫁に来てからずっと地元食材のレストランを開くのが夢だったの。こんな形で実現するなんてねえ。薪ボイラーでいつでもお湯が使えるんだよ。」

レストランはランチ営業がメイン。アサリめしやホタテめしなど、日替わりのご飯が味わえるそうです。

この日は戸倉の漁師さんから差し入れがあったとのことで茹でたてホカホカのガヌ(蟹)が振る舞われました。

「大勢の手助けをいただいてできたお店ですから、来てくれた人にゆっくりくつろいでもらえる場所にしたいです。」(三枝子さん)

店内は木の香りでいっぱい。通い詰めてしまいそうです。

■農漁家レストラン 松野や
住所:南三陸町入谷字鏡石 本吉街道(国道398号)沿い
営業時間:午前10時~午後3時
定休日:未定

 

音楽交流会

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先週1月11日。
歌津地区平成の森で開催のコンサートへお邪魔してきました。

これは「Music exchange project!!~音楽交流会~」。
演奏家の競演により絆を深めようと、
南三陸町復興応援大使 妃乃あんじさんの主催で開かれました。
(あんじさんをご紹介した記事はこちら)

出演は東北出身のプロ奏者で結成された「みちのくブラスアンサンブル」や
あんじさん他タカラジェンヌの皆さんなど、とんでもなく贅沢な方々。

そんな中、「南三陸町サンシンズジュニア」も
日頃の練習の成果を発揮していました!


歌詞カードが配られると
東京・千葉など遠方からお越しのボランティアさんや
観客席の人々も一体となり、「涙そうそう」を歌いあげました。

「今だからこそ『東北の方々と一緒に何ができるか』を考えていきたい。」
(みちのくブラスアンサンブル)

多くを失った町から、また新たな動きが生まれています。

(日比谷)

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志津川市街地復興まちづくり模型製作プロジェクト

本日は「志津川市街地復興まちづくり模型製作プロジェクト(略して、もけプロ)」

についてご紹介します。
「もけプロ」とは、未来を担う地元の高校生、志津川高校の美術部が中心となって行った
プロジェクトです。
高台移転のための造成工事が進むベイサイドアリーナ周辺(志津川東地区)にできるまちを、
実際の計画を基に想像しながら模型を製作し、地元の方々へPRすることによって、
地元の方々が復興への期待を持てるようにと想いを込めています。
製作期間は、昨年9月から12月までの3か月間。
11名の高校生が役割分担しながら進めていきました。
模型製作にあたっては、南三陸町復興市街地整備課と
UR南三陸復興支援事務所の職員さんがバックアップする形で作業を進めました。
こちらが、プロジェクト開始時。
この真っ白な地形模型(URさん提供)に、色を付けたり、道路模型などを貼りつけていきます。
より立体感が出てきました。
森林部分には、緑色の砂やスポンジをつけます。
「ちょっと盛り過ぎじゃない?」
「この辺足りなくない?ハゲ山になっちゃう!」
スポンジがうまく貼りつかないようでちょっと大変そうでしたが、出来上がっていく模型を前に
みんなのやる気もさらに増し、笑顔で楽しそうに作業していました(^^)
災害公営住宅や戸建ての建物、公園スペースも、もちろん生徒さん達の手作り。
切ったり、貼ったり、塗ったり、書いたり…とにかく、とーっても細かい作業なんです!
生徒さんたちが一生懸命作った建物などを貼りつけて、模型は完成。

完成した模型を見ると「こんな風になっていくのかぁ~」と、
これからのまちづくりのイメージがしやすくなり、新たなまちへの夢や希望がふくらみます。

自分たちで作り上げた模型を前に嬉しそうな生徒さん達。
 

最後に、模型と一緒にみんなで記念撮影。お疲れ様でした!
今後、この模型は町民の方々へのまちづくりの説明や、
建設予定の復興まちづくりPR施設(仮称)での展示などで活用予定とのこと。
模型だけでなく、未来を担う若い人達の知恵や力も、
これからの南三陸のまちづくりに活かされることでしょう。


(高橋)
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