田植えの季節

汗ばむほどの陽気になりましたね。
町の農家さん方は4月末頃から田んぼ作業を始めており、
そこここで農機のエンジン音が響いています。


歌津地区の山側や入谷地区では階段状に拓かれた「棚田(たなだ)」がよく見られます。
今の時期、水が張られた田植え前の棚田は
大きな鏡を何枚も重ねたような不思議な眺めです。

起伏が多く、また一反ごとの形も様々な田んぼは
大きな機械での作業が難しいそうです。
コンバインで田植えしきれなかった部分を手植えで埋めていくなど、
どうしても手間がかかります。

それでもここでお米を作る理由は「おいしいから」。
田んぼには、山から流れてくる冷たい水が引かれています。

三陸の強い日差しと沢の水。
この温度差によってお米が引き締まり、
うまみと弾力に富んだ南三陸産米になるのだそうです。

「よその町の親戚も、ここの米が一番うまいっていうんだ。
 皆のために今年も多めに作んなきゃなあ。」

代掻き(しろかき)中のお父さんが自慢げに話してくれました。
今年のお米もよい実りとなりますように。

(日比谷)

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森林認証勉強会

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緑萌える季節ですね。
今日は5月某日に開かれた『森林認証勉強会』の模様をお伝えしたいと思います。

いま世界的に深刻な問題となっている、違法伐採。
森林面積の減少は生態系の破壊や水災害、温暖化等を引き起こします。
それをくい止めるための取り組みの一つが森林認証制度です。

森林認証とは、短く言えば
「森を正しく管理している組織ですよ。そこから切り出した木材ですよ。」
という証明書。
現在複数の国際認証機関が存在しています。

森林認証を取得し、その材から作った製品を販売することで
生産者・流通業者・消費者いずれもが森林保護に参加できるのです。

「この制度をおらほの山にも活かせんでないか?」
勉強会は町の林業家の声掛けで開催されました。
森林組合会議室に山主、製材業者、住宅メーカー等、
山に関わる20余名が顔を揃えます。


かつては伊達政宗公が求めたと伝えられるほど、
この地の山は古くから健康な木々を育んできました。
そこに国際的なお墨付きをつけてアピールしよう、というのです。

「建材や家具材に南三陸材を使うことがステイタスになり得る。」
「杉をはじめとした南三陸材の良さを広めることができる。」
「複数組織が合同で取得できるのであれば、
生産~販売まで町内で完結する南三陸循環の実現も可能。」
いずれも山を誇りとする人々。意欲的な意見が飛び出します。


適正に管理された山はその下に広がる海をも美しくします。

「水産業の養殖認証も取得できる可能性があります。
一つの町が森林認証と養殖認証を同時に取得している例は世界にもありません。」

世界初、の言葉に意見交換は一層熱を増すのでした。

人材不足や作業の重さ、収入確保の難しさなど
林業は多くの課題を抱えています。
森林認証はその解決の糸口となるのでしょうか?
町の未来がまた一つ明るく感じられてきました。

(日比谷)

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りんごの花

入谷をドライブ中、きれいな花が咲いているのを発見しました。
近づいてみると・・・そこは、りんご園。

 

りんごは食べる時のイメージしかありませんでしたが、
食べる旬の季節以外でも、きれいな花で人を嬉しい気持ちにさせてくれますね^^
と、そこになにやら木の箱を発見。

 

ハチの巣箱かな?
近くの花をのぞいてみると…

ハチがせっせと花の蜜を吸っていました。
自然はお互い様関係で双方が存在しているのですね。
そして私たちも、他の人や自然の関係性の中で、生かされているんですね。
(高橋) より多くの方に読んでいただけるよう
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さとうみファーム 子ども夢牧場

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南三陸町の予想最高気温は27度。
今日も暑くなるようです。

さて、ここは歌津地区寄木。

静かな港の近くで今、羊が育てられています。
一般社団法人さとうみファームの運営する『子ども夢牧場』です。


『子ども夢牧場』は農業のテーマパーク。
羊とのふれあい体験牧場として、また羊毛や肉などを活用していくための拠点として
2013年から試験的に始まったばかりです。

羊の餌には地元産わかめの芯を利用しています。
通常であれば捨ててしまう部分ですが、ミネラルが豊富に含まれています。

わかめの芯と牧草を混ぜて発酵させた飼料は、パイナップルのような甘酒のような匂い。
これを食べさせた羊は臭みのないお肉になるそうです。
『南三ラム』と名付けられ、既に石巻のレストラン等へ提供が始まっています。


代表理事の金藤克也さんにお話を伺いました。
(写真右。左はスタッフの高橋真策さん)

「今ではほとんど見られませんが、昔はこの地域にも羊を飼う習慣があり
 家の庭先で草を食む姿などが見られたそうです。
 養羊を水産業や観光業、教育と絡めることで
 南三陸ならではの産業にしていきたいと思っています。」

三陸の厳しい冬を平気な顔で乗り越えた羊たち。
春には2頭の子羊も生まれました。
目下の課題は羊肉の安定供給と価値化、そして夏の気候だと金藤さんは話します。

「実は羊は湿気が苦手なんですよ。
 彼らにとって南三陸に来て初めての夏、その上ここは海辺です。
 気を付けて見てあげないといけませんね。」

さて、こちらはゴールデンウイークに開催された羊の毛刈り体験会。



「むずかしい、ごめんね。でもフワフワ~。」
「一頭でセーター3枚分の毛を着てるんだって!」

『子ども夢牧場』は早くも町の名所になりつつあるようです^^。

一般社団法人さとうみファーム 子ども夢牧場 サイト
http://satoumifarm.org/index.html
(グランドオープンは7月20日。当日はバーベキューも予定されているそうですよ!)

(日比谷)

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波伝谷高屋敷ふるさと資料館

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戸倉波伝谷地区、「波伝谷仮設入口」の看板から沢沿いをさかのぼると
真新しい小屋が見えてきます。
『波伝谷高屋敷ふるさと資料館』です。

木造15坪の館内に波伝谷の自然についての資料や風景写真、
震災直後の町を時系列で追った写真などが展示されています。


館長を務めるのは町内出身の鈴木卓也さんです。

鈴木家ではかつてこの場所で『農漁家民宿 かくれ里』を営んでいました。
明治時代に建てられた養蚕農家の屋敷を改修し、宿泊設備と民俗資料館を備えた宿は
宿泊客に「かつての暮らしを肌で感じられる」と愛されていたそうです。


津波によって建物と収蔵品の多くが失われてしまったものの
ふるさとの良さを伝え続ける必然性を感じた卓也さん。
今年4月に『波伝谷高屋敷ふるさと資料館』を開館しました。
(「高屋敷」は以前の屋号だそうです)

「内容もレイアウトもまだまだ準備段階です。
 震災前の収蔵品のうち民具・漁具等いくつかは回収できており、
 東北歴史博物館の協力を受け修復中です。
 5月末には戻ってくる予定です。」

資料館はまだ大きな告知をしておらず、入館にも事前予約が必要ですが
今後どう利用してもらうかは観光協会や地域の他施設と連携しながら定めていきたい、と
卓也さんは言います。

卓也さんのお母様であり、波伝谷高屋敷で生まれ育った
あきよさん(下写真中央)にもお気持ちを伺うことができました。
現在は資料館の案内と語り部を担当されています。

「戸倉の景色やおいしいものを味わった後に立ち寄っていただきたいですね。
 かつての『民宿かくれ里』もそんな場所でした。
 波伝谷の自然の美しさは以前と変わっていません。
 実際に来ていただいて、その目でご覧いただきたいです。」(あきよさん)

波伝谷は去年よりもさらに濃い緑に覆われ、
卓也さん設計のビオトーブには
アメンボやオタマジャクシなどの生物が息づいていました。
この場所と資料館に何度も訪れたい、そんな気分になりました。

■波伝谷高屋敷ふるさと資料館
旧『農漁家民宿かくれ里』サイト
http://homepage3.nifty.com/kakurezato/index.html
ブログ『かくれ里でcaranke!!』
http://kakurezato.cocolog-nifty.com/blog/

(日比谷)

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心の音楽祭

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ゴールデンウイークを過ぎても町はイベント続き。
明日からの3日間も入谷地区 ひころの里にて
音楽ライブやワークショップ、数々のブースの集まる
『心の音楽祭』が開催されます。

ひころの里といえば民話や松笠屋敷など「和」のイメージ。
ですが、『心の音楽祭』出演者リストには
テクノやレゲエ音楽のアーティストの名前が並びます。
これはいったいどんな趣向なんでしょうか。

4月某日、お邪魔したのは石巻の一軒家。
茶の間にて『心の音楽祭』運営の皆さんがミーティング中でした。

お話を伺ったのは代表の打越文彦さん(下写真左)です。
(右は前代表の内海たえ子さん)

「『心の音楽祭』は今回で3回目です。
 過去2回は石巻市内で開催し、
 地域とアート、石巻に目を向ける人々とのつながりを深めてきました。
 ボランティアの輪から生まれた活動は徐々に地域を巻き込み、
 今では地元出身者・Uターン者・移住者、
 様々な人材が特技と意欲を持ち込んでいます。」

「アーティスト・出展者・運営など
 参加者全員が個人の意思で携わり、各々の良心で動いています。
 たとえば自分たちが根付き、未来の種を落とすことで
 そこを触れあいや会話の溢れる森にしたい。
 そして南三陸にも多くの人を迎えられる交流の場が増えてほしい、そう思っています。」

海外を放浪した経験を持つ打越さんは
日本の文化には世界を救う力がある、と力説します。
「震災直後の助け合いからも見られるように、
 日本には慈しみ・譲る意識の文化があります。
 ひころの里にはそんな文化がたくさん詰まっているんです。」


この日のミーティングでお会いしたのはいずれも若い方ばかり。
設営・物販・装飾など、
それぞれの得意分野に自負を持って参加されている姿が印象的でした。

『ひころの里』は『光の里』。
若い光が輝く『心の音楽祭』は明日から開催です。

■2014 心の音楽祭 ―集楽一揆―
日時:5月9日(金)~5月11日(日)
場所:南三陸町入谷 ひころの里
入場料:無料
公式サイト
http://kokoroongakusai.wix.com/syurakuikki
facebook
https://www.facebook.com/kokoro.ongakusai

(日比谷)

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行政区長・行政連絡員合同会議

4月某日、昼過ぎ。
雨にもかかわらず、町役場駐車場がにわかに賑やかになりました。

この日は行政区長・行政連絡員合同会議の開催日。
大会議室に町内行政区・仮設住宅の「区長さん」たちが揃っていました。
その数、およそ100。

行政区長・行政連絡員共同会議は
3ヶ月に1度、全員が町の情報を共有するための会議です。
この日は新年度1回目とあって
退任者への感謝状贈呈と新任の方の任命式から始まりました。

そののち行政からの連絡が続きます。
防災・減災への協力の呼びかけや今後設置予定の公共施設について等、
いずれも暮らしに関わる重要な情報です。
会議室内皆、資料を繰りつつ静かに聴き入ります。

行政区長や行政連絡員は
行政と住民との橋渡しを担う方々であり、地域住民代表でもあります。

質疑応答の際には
「納税時の口座振替に使える金融機関を増やしてほしい」
「歩行者の多い交差点へ横断歩道の設置を」
等、いくつもの住民を想う声が寄せられました。

行政区長・行政連絡員の任期は2年。
複数期務める方も多くおいでです。
その肩に数十世帯以上の暮らしと安全を背負い、
「区長さん」たちの新年度が始まりました。

(日比谷)

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戸倉地区 戸倉団地造成工事(着工から4か月)

町内28団地で進む防集団地整備。
今日は戸倉地区 戸倉団地の造成の模様をお伝えします。
(安全祈願祭ご紹介の際の記事はこちら)

旧戸倉中学校近くから山へ入った先が団地予定地です。
既に林が切り開かれており、広い土地を見渡すことができます。

総面積およそ14ヘクタール。
住宅95戸と災害公営住宅、小学校の建設が予定されています。

住宅予定エリアでは掘削作業中でした。

土や岩盤片を運び出すために現在20数台の運搬車両が出入りしているとのこと。
団地内の国道工事が始まれば、その数はさらに増えることになります。
現場内では事故防止のための教育を徹底中。
毎日2回、所長自ら巡回指導に当たっていらっしゃるそうです。

こちらは公営住宅予定地から望む海。

所長のお話によれば
造成完了後も、団地内からはポイントによって海が見えるだろうとのことでした。

まずは今年度末の戸倉小学校・公営住宅予定地引き渡しへ向け、工事は進みます。
工事に関わる皆様の安全を祈ります。

(日比谷)

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木造災害公営住宅 上棟式

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暖かいというより、暑いくらいのお天気が続いた先週の南三陸。

20日の日曜日には入谷桜沢地区で、26日の土曜日には歌津名足地区で、
木造災害公営住宅の上棟式が行われました。
今回は、入谷桜沢地区の様子をご紹介いたします。
災害公営住宅には、木造と鉄筋コンクリート造があります。
(災害公営住宅についての詳細はコチラ

木造災害公営住宅は、“南三陸町木造災害公営住宅建設推進協議会(以下、木造協)”
において工事が進められてきました。
木造協は、地元の資材と技術や技能を結集し、町の災害公営住宅整備計画に基づき
木造の災害公営住宅の建設にあたることを目的として、平成24年4月11日に設立されました。
平成26年夏の竣工を目指し、整備が進められている入谷地区と名足地区の災害公営住宅。
柱や梁、屋根等の軸組施工が完了した、木造災害公営住宅の一部が、
この度めでたく、上棟の運びとなったのです!
*上棟式=棟上げ(むねあげ)、建前(たてまえ)、建舞(たてまい)とも言うそうです。

建物内での式が終わり、外に出ると沢山の人が!
餅まきの知らせを受けたご近所のみなさんが集まっていました。
「あらぁ~なんだべ、準備いいごど!おらも、袋持ってくんだったなや~!」
「いいさ、いいさ!これ、こうして、こごさ餅入れっぺし!」
と、袋をお持ちでないお母さん方はエプロンや割烹着の裾をまくりあげます。
次々と降ってくる紅白のお餅。
地面に落ちたお餅を拾おうと、下を見てる方が多いですが…
「みんな、気つけろよー!餅拾うべって、下ばり見でっと、頭さ餅、当だるぞー!」
そうそう!みなさん上、上!気をつけて!!
用意された餅米4斗分のお餅はあっという間になくなり、餅まきは終了。
*ちなみに、1斗が10升、1升が10合なので、4斗=400合(お米の計量カップで400杯分!)
こうして、出来上がっていく建物を見ると「復興に向けて、前に進んでいる」と実感します。
そして、新しい住宅や団地、街並みがどんな風になるのか、楽しみでもあります。
今年の夏、完成の時が待ち遠しいですね。
(高橋)
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ホタテまつり福興市

春の陽気ですね。
町にはツーリングを楽しむ方の姿も見られます。
私も27日、ドライブがてら「ホタテまつり福興市」に行ってきました。





「オクトパス君新商品出たのよ。たこ焼きせんべい。」
試食していいんですか。ありがとうございます。
青のりが効いてておいしいです、はい。

「このふのり私たちで採ったのよー。食べで食べで!」
漁協女性部の皆さんは今日も明るく元気です。

ホタテを焼く香ばしい匂いにお客さんが集まっていました。


町の漁港ではいまホタテの他、銀ザケやホヤが揚がってきています。
ウニの開口もそろそろでしょう。
お出かけもおいしいものも楽しめる、いい季節になってきました。

(日比谷)

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