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    ホタテの養殖 後編

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    前回に続き、ホタテ養殖の現場の模様をお伝えします。午前11時、泊浜漁港から高橋家の持つ漁船、金比羅丸(こんぴらまる)が出発しました。

    ロープに繋げた子どものホタテを海中に吊るしに行くのです。

    震災後、町内で海の仕事を再開できているお宅は多くありません。被災を免れた漁船・作業場を共同利用している浜もありますが、こちらの泊浜・田の頭地区では高橋さん他数軒の漁師さんが中心となって漁業を行い、その作業を地元の方たちがお手伝いするという形を取っているそうです。

    金比羅丸は歌津崎と神割崎の間に近いポイントに到着しました。ホタテのロープを1本ずつ海へ吊るします。

    これは「垂下式」と呼ばれる養殖方法。近隣ではホタテに限らずカキやワカメでも多く用いられる手法です。特に秋から春先にかけ、南三陸の海一面に養殖用の浮球が並ぶ様子が見られます。

    2時間ほどかけて約2万3千枚のホタテが海中に吊るされました。高橋家の持つ養殖場では、今年9万~10万のホタテを吊るす予定だそうです。「大サイズ」と呼ばれる11センチ強まで育て、出荷できるようになるのは約2年後です。

    この日は風が強く、作業後半にはアラレが降ってきました。

    頭上を走る暗雲に「こんな経験なかなかできないよ!」と笑う漁師さんたち。

    三陸の海はこれからいよいよ極寒の季節です。

     

    ホタテの養殖 前編

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    昨夜久しぶりに震度4の地震があったため、防災用品のチェックを行いました。皆さんも備えは万全に。

    三陸水産業の柱の一つ、ホタテ養殖。震災前は町内で種から育てていたそうですが、現在は設備の不足により
    小さいホタテを北海道から取り寄せ、町の海で成長させる場合が多いそうです。

    11月某日。「ホタテが今日届くことになりました。明日みんなで作業をします!」歌津の漁師さんから連絡をいただき、お手伝いに伺いました。

    翌朝6時、歌津地区泊浜(とまりはま)漁港、高橋さん宅の作業場。すでに作業は始まっていました。

    北海道からホタテ2万3千枚が届いたのは前日の夜遅い時間。全てロープで繋いで元気なうちに海へ戻してあげなければいけないそうで、ご近所から何人もの応援が駆けつけていました。

    こちらが子どものホタテ。

    生まれて1年前後、半生貝(はんせいがい)と呼ばれる状態です。このままでも美味しそうです。

    タン!タン!と音を立てながら殻のふちに小さな穴が開けられます。

    これを一枚ずつ手作業でカギに刺し、ロープに繋ぐのです。「耳吊り」と呼ばれる作業です。

    「ホタテの向きを揃えて、カギの返しの部分までぐっと刺して」親切に教えてくださるお母さん方。口を動かしながら、手も速い!

    この日作業にあたっていた方の多くがご近所の女性でした。姉妹で呼びかけあって来た、と仰る方もいます。「ホタテがいつ届くか前日にならないとわからないのっさ。急にお願いすることになっがら、来てくれんのは身内ばっかり。」

    大変なんだよ、と言いつつ作業中のおしゃべりが楽しそうです。盛り上がるにつれ地元ことばが強くなり、もう私には聞き取れません。

    耳吊り作業の済んだホタテたちは船に積み込まれ、海に出ます。次回はその様子をお伝えします。

     

    歌津のいま(11月) 後編

    前回に続き歌津の風景を。

    長須賀海岸を訪れるとウミネコに餌をやる親子にお会いしました。「パンの耳を投げればいつもはたくさん飛んでくんだげっとも、ここ何日か来ねんだ。」

    ご近所の漁師さんのお話によると湾内ではこの秋、イワシなど小魚の姿が増えているのだそうです。ウミネコもお腹いっぱいなのかもしれません。

    海沿いを北に向かって走ろうと思ったのですが冠水していました。

    町の沿岸地域は震災の影響により約70cm地盤沈下しています。この日は大潮のうえ、ちょうど満潮の時間でした。引き返したほうがよさそうです。

    泊浜の坂を上り歌津崎、尾崎神社へ。地元では夕陽の名所として知られている場所ですが少し早かったようです。

    それでも傾きかけた陽と対岸の山々を望むことができました。明日も良い天気となりそうです。

     

    歌津のいま(11月) 前編

    ここ数日暖かさが続いています。11月中旬、秋晴れの日に歌津を訪れました。

    吉野沢から気仙沼方面へ抜ける山間の道路。震災直後、国道45号線が通行不能となった際に地域の生命線となった道です。

    人や物資の搬送車両が行き交ったこの道も現在は元の静かさを取り戻しています。収穫を終えた田んぼに紅葉が色を添えていました。

    続いて伊里前の三嶋神社にお参り。すると・・・

    そこここに凛々しい子犬の像が待っていました。見つけただけでも4頭。

    誰が置いていったのでしょうか、どの子犬も津波の来た方角を向いています。優しい人に貰われると良いね。

    次回も引き続き歌津の景色をご紹介します。

     

    わらすこ探検隊 後編 サケのやな場見学!

    町の子どものワークショップ「南三陸わらすこ探検隊」。魚市場の次に見学にお邪魔したのは八幡川、サケのやな場でした。

    「やな」と呼ばれる仕掛けの中には・・・

    大きなサケがバシャバシャと跳ねています!「10月半ばから12月下旬まで、一日50匹くらいあがんだよ。」ちょっと恐いかも・・・。

    「市場のサケと色が違うだろう。卵を産む準備ができると、身体に赤や黒のまだら模様ができるんだ。」
    ここで獲っているサケは採卵用。取り出した卵(つまりイクラ)から稚魚を育て、翌年春に川へ放流するのです。

    捕らえたサケの頭を、漁師さんが一匹ずつ叩きます。

    「サケをおとなしくさせてから卵を採んだ。かわいそうだども、みんなこうして命をいただいてんだよ。」

    その後、やな場横のテントの中で採卵・受精までが行なわれます。手先の感覚が重要な作業。どんなに寒い日でも素手で大切に扱うのだそうです。

    「おめだづ(おまえたち)も触ってみろ。」漁師さんに教えてもらいながら、子どもたちが次々にサケに手を伸ばします。

    「おなか押したらイクラが出てきた!」「重いー、一匹持つのがやっとだよ」地元っ子とはいえ丸ごとのサケを触る機会はなかなかないもの。内臓や血液に触れながら、どの子も生命の力を学んでいるようでした。

    私が同行できたのは残念ながらここまで。子どもたちはこの後、サケのふ化場へ見学に向かいました。サケの赤ちゃんには会えたのかな?

    翌年春、川へ放流された稚魚たちはロシアやアラスカの海へ旅に出ます。大人になったサケが町の川へ戻ってくるのは4年後のこと。子どもたちも負けずに大きくなっているはずです。

     

    わらすこ探検隊 前編 朝セリ見学!

    子どもたちにふるさとをより深く知ってもらうためのワークショップ「南三陸町ふるさと学習会」。
    今年9月に「南三陸わらすこ探検隊」と名称変更されたのちも変わらず毎回盛況のようです。

    ということで先日、童子(わらすこ)に混ざって社会科見学してきました。

    11月16日、午前7時半。志津川魚市場に集まったのは保育園~小学生の子どもたち十数名です。市場の方の案内で朝の魚市場を見せてもらいます。

    志津川湾産の活魚が並ぶ中、特にこの時期はサケが旬!

    市場のみなさんがたくさんのサケをオスメス・大きさ別に選別しています。志津川湾からは多い日で1日4万匹ものサケがあがるとのこと。「でっかい!」「顔こわーい!」「水がはねた!」その迫力に子どもたち大興奮。

    「オスは鼻の曲がった恐い顔してんだ。それに比べてメスを見てごらん、かわいい顔してるっちゃ。」幼少時からサケ英才教育・・・南三陸ならではです。

    こちらは貝類養殖講座。「北海道からきた子どもの貝をロープで結び付け、海中に吊るします。出荷できる大きさに育つまで2年かかんだよ。」

    ちょうどこの時期はホタテの種付けの真っ最中。作業は連日、夜を徹して進められているそうです。お疲れ様です!

    魚に触り、カメラを構え、魚市場の様子に興味津々の子どもたち。レポートは後編に続きます。

     

    法テラス南三陸

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    3日ほど暖かい日が続きました。こんなときは霧が濃くなりやすいのでお気をつけて。

    「♪南三陸広報です。法テラス南三陸から・・・」いまや町内放送でもおなじみとなった「法テラス南三陸」。「知ってるけど利用したことはないなー」という方、多いと思います(私もその一人)。

    その法テラス南三陸が先日開所2周年を迎えたと聞きこれを機会とばかりに乗り込んでみました。
    ベイサイドアリーナ隣に建つ事務所。

    「よく来なすったねえ!」スタッフの皆さんの明るさと団結力に圧倒されます。「法テラスの被災地出張所は宮城・福島・岩手に7箇所あんだ。南三陸の持ち味は職員が底抜けに明るいこと。」そう言って笑うのは主幹の菊田清一さんです。

    2011年10月、被災地への法的支援を行う拠点として開所した法テラス南三陸。南三陸町のほか周辺自治体(気仙沼市、登米市、栗原市など)の住民が対象です。弁護士(平日毎日)と司法書士・税理士などの専門家(曜日替わり)が待機し悩める人々を受け入れてきました。

    しかし震災前から弁護士不在の町だった南三陸。スタッフの方々が腐心したのは住民の方の持つ“法律専門家(弁護士など)”や“法律相談”への敷居を取り払うことでした。住宅一軒一軒への家庭訪問、手作りチラシ「ほうっと」の配布、各自治体と連携したPR活動などで「誰でも気軽に来ていいんだよ」と伝え続けたのです。

    菊田さんは「おれは難しい話なんかしねんだ」と言います。「おれの顔覚えてけろ、困ったら思い出して連絡しろよって言うんだ。」

    人々の懐に飛び込み、地域に溶け込みながら法律相談への敷居を下げていった法テラス南三陸。「自分の力では事務所まで行けない」というSOSに専用車両で駆けつけるなど弱者に寄り添うその姿勢は徹底されています。

    開所2年。受けた相談件数は2,000件を超えました。

    当初多かった生活のための相談に代わりこのところは再建のための相談が増えているといいます。「貸し借りの問題、相続問題、家庭の問題も根深いねえ。」菊田さんは我が事のように辛い顔をします。

    法テラスでは同一の案件につき3回まで無料で相談ができるのですが初めての相談で気持ちが安らぎ、その後2度3度と利用される方も多いそうです。

    「ここ(胸)さ留めておかないで、相談さ来てけらい。」この柔和な笑顔に癒されたい方はぜひ。

    ■日本司法支援センター 法テラス南三陸
    開所時間: 9:00~17:00
    休所日 : 土日祝
    電話番号: 050-3383-0210

     

    志津川地区 東地区東工区造成工事(着工から3ヶ月)

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    町の震災復興事業の要である志津川地区。設計と施工をUR都市機構へ委託、この夏から工事が開始されました。
    (着工式の様子はこちら)

    中でも公共施設や医療施設の集中する東地区東工区は町の防災拠点として早期整備が進められています。南三陸町CMJV事務所 ご担当者立会いのもと造成現場を撮影させてもらいました。

    東地区東工区は町役場仮庁舎や南三陸診療所の道路向かいに位置しています。こちらはベイサイドアリーナから。

    沼田の住宅街からはこんな風に見えます。

    白いフェンスの向こうに見える部分はおおよそ道路と同じ高さとなるそうです。住居の他、役場庁舎、志津川病院など町の主要施設が建設されます。

    現場内側から町役場仮庁舎方面。

    45号線方面を望む眺め。もともとは杉が密生していた場所ですが既に伐採は完了していました。

    南東は志津川湾に面しています。

    東地区東工区の工事は平成27年内中の完了が予定されています。まずは来年夏の病院用地造成終了に向け、作業は進みます。

     

    彬子さまご訪町

    11月中旬。当町へ三笠宮家彬子女王殿下がお成りになられました。

    今年9月、復興支援への感謝をお伝えになるためご公務でチリ共和国イースター島をご訪問された彬子さま。同島の長老会ほか、南三陸へのモアイ像寄贈にご尽力くださった方々にお会いになり日本とモアイを想うお気持ちをお聴きされたことが南三陸町ご訪問のきっかけとなられたとのことです。

    今回初めて当町にお成りになられた彬子さまは志津川中学校や志津川高校、昨年再建された南三陸診療所などをご視察されました。沼田地区仮設住宅では住人の皆様にお声を掛けられました。

    折りしもこの日、初雪がちらついておりました。
    彬子さまは「私のお印が雪でして。連れてきてしまったようですね。」と、ユーモアを交えお話しになられました。

    お成り2日目、目的のおひとつであられたモアイ像とご対面された彬子さま。冷たい強風の中、ご質問を交えつつモアイについての説明を熱心にお聴きになっておいででした。

    この後、さんさん商店街をご視察になった彬子さまはモアイをモチーフにした商品の豊富さに驚かれたとのことです。「戻ったら南三陸町のPRをいっぱいしますね。」お帰りの際にはそうお話しくださったそうです。

    日本とチリの絆から生まれた新たなご縁。モアイにはやはり不思議な力があるようです。

     

    登米と南三陸の交流の場を。居場所 心家(ココロカ)

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    実りの秋。鮑の開口も始まりました。東北はこれからいよいよ美味しい季節です。

    南方の仮設住宅から車で1分。登米市佐沼の大網地区にある飲食・居酒屋「居場所 心家(ココロカ)」さんを訪れました。

    心家は、南方仮設にお住まいの南三陸町民と、登米市の地元の方々が一緒になり、ボランティアとして古民家をリフォームし、作り上げたコミュニティスペース。

    (改装前の古民家。コンテナおおあみさん撮影)

    起業家の支援を行う「コンテナおおあみ」さんが主体となってプロジェクトを立ち上げ、2012年11月末に完成しました。(プロジェクトの様子はコチラ)

    木を中心とした家具と、やさしい照明が落ち着いた空間を作りだしています。玄関や壁に描かれているのは、南方仮設の子ども達の手形や落書き。これも暖かい空気を作っていて、とても居心地が良いです。

    (壁に書いてあるのは、大網と志津川の相合傘です)

    居酒屋として夜6時から11時まで営業をしており、現在は店長の千葉さんと、南方仮設にお住まいの女性1名が働いています。(日曜定休)

    メニューは、登米の野菜と南三陸の海の幸を使った料理が並びます。その時々で仕入れた食材を使うので、同じメニューを出すことは少ないそうです。

    「お店に来ていただいた方には、「三陸のものが食べられるのが嬉しい」とか「居心地がよいので落ち着いて過ごせる」といった言葉をいただいています。ほとんどのお客様が店を閉めるまで残っていらっしゃいますね。」そう語るのは店長の千葉さん。

    開始から1年が経った今、これからの意気込みとして、「長いスパンでいろいろ交流を作れるといいと思う」とも話されました。

    予約があれば、イベントスペースとしての提供も行う心家は、日替わり弁当の宅配サービスも始めたそうです。

    心家は登米と南三陸をつなぐ場所。おしゃれで居心地の良いお店なので、是非訪れてみてください^^

    ■居場所 心家(ココロカ)
    営業時間: 18:00~23:00
    定休日 : 日曜日
    電話番号: 0220-44-4210 (「コンテナおおあみ」まで)