町の子どものワークショップ「南三陸わらすこ探検隊」。魚市場の次に見学にお邪魔したのは八幡川、サケのやな場でした。
「やな」と呼ばれる仕掛けの中には・・・
大きなサケがバシャバシャと跳ねています!「10月半ばから12月下旬まで、一日50匹くらいあがんだよ。」ちょっと恐いかも・・・。
「市場のサケと色が違うだろう。卵を産む準備ができると、身体に赤や黒のまだら模様ができるんだ。」
ここで獲っているサケは採卵用。取り出した卵(つまりイクラ)から稚魚を育て、翌年春に川へ放流するのです。
捕らえたサケの頭を、漁師さんが一匹ずつ叩きます。
「サケをおとなしくさせてから卵を採んだ。かわいそうだども、みんなこうして命をいただいてんだよ。」
その後、やな場横のテントの中で採卵・受精までが行なわれます。手先の感覚が重要な作業。どんなに寒い日でも素手で大切に扱うのだそうです。
「おめだづ(おまえたち)も触ってみろ。」漁師さんに教えてもらいながら、子どもたちが次々にサケに手を伸ばします。
「おなか押したらイクラが出てきた!」「重いー、一匹持つのがやっとだよ」地元っ子とはいえ丸ごとのサケを触る機会はなかなかないもの。内臓や血液に触れながら、どの子も生命の力を学んでいるようでした。
私が同行できたのは残念ながらここまで。子どもたちはこの後、サケのふ化場へ見学に向かいました。サケの赤ちゃんには会えたのかな?
翌年春、川へ放流された稚魚たちはロシアやアラスカの海へ旅に出ます。大人になったサケが町の川へ戻ってくるのは4年後のこと。子どもたちも負けずに大きくなっているはずです。