JR仙台駅で南三陸町の魅力を発信! 3日間大盛況『福興市2018 in仙台』

2月2日~4日の3日間「南三陸町福興市2018 in仙台」が開催されました。JR仙台駅での物産展は今年で6回目。セレモニーでは、佐藤町長から「ぜひ南三陸町にも足を運んでほしい」と開会の挨拶がありました。

大盛り上がり!よさこい演舞と行山流水戸辺鹿子躍

2月3日(土)10時から行われた「南三陸町福興市2018 in仙台」オープニングセレモニーでは、仙台駅東西自由通路「杜の陽だまりガレリア」に特設会場が設けられ、オクトパス君とむすび丸による観光PR、そしてセレモニーの目玉となる「南三陸今村組陸仙海」の「よさこい演舞」と、郷土芸能「行山流水戸辺鹿子躍」が披露されました。自由通路内に「よさこい演舞」の踊り子たちの元気で威勢のいい声が響きわたると、多くの通行人が足を止め、特設会場周辺に人だかりができていました。演舞終了の拍手・喝采の中、舞台裏でみせた踊り子たちのほっとした笑顔が印象的でした。

地元・南三陸今村組陸仙海による「よさこい演舞」

南三陸町の笑顔を伝える。写真家・浅田政志氏の「みんなで南三陸」写真展

「南三陸町福興市2018 in仙台」の催しは、南三陸町を訪れるきっかけにしてもらおうと、震災の翌年から6回目、JR仙台駅で毎年開催されています。観光 PR ブースでは、観光パンフレットやノベルティを配布するほか、南三陸町内で使用できる宿泊券や商品券が当たる抽選会を行っていました。
物販ブースでは、南三陸町から9店舗が出展し、仙台駅構内のステンドグラス前にて、南三陸町の特産品である水産加工品や雑貨など約 200 品目を販売。震災からの復興を支えてくれた方々へ感謝の気持ちを届けていました。

東西連絡通路「杜の陽だまりガレリア」では、『みんなで南三陸』と題して写真家・浅田政志氏の写真展が開かれました。南三陸町に住む人たちの笑顔満載でユニークな写真パネルがずらりと並び、訪れた人たちは一枚一枚じっくりと写真に魅入っていました。

南三陸に住む人たちの元気溢れる笑顔の写真パネル前でくぎ付けになる通行人

売り切れ御免!オクトパス君合格祈願グッズ

「置くと」(試験に)「パス」で合格祈願!受験生シーズン真っただ中、このイベントに合わせて構内にオクトパス君神社やオリジナル木札の絵馬を奉納できる受験生応援ブースが登場。受験生が志望校合格などの願いを書いた絵馬は、イベント終了後、南三陸町の入谷八幡神社で祈祷してくれるそうです。

さらに初お目見えしたのが『オクトパス君 写真撮影パネル』。ご利益を願う人たちが列をつくり、可愛らしいオクトパス君のイラストと合格祈願の文字が書かれたパネルで写真撮影をおこなっていました。

ブース内でオクトパス君の合格祈願グッズを販売していた南三陸町観光協会の阿部悠斗さん。
「今回の売れ筋商品は〝TACORON(たころん)“。人気のカラーが赤と水色。赤は売り切れになってしまいました」お菓子のマカロンをイメージした可愛らしいパステルカラーのオクトパス君の置き物。全8色は、頑張りたい場面に合わせて選べるそう。ちなみに売れ筋の赤は「勝運力アップ」、水色は「集中力アップ」でした。やはり受験シーズンの影響が大きかったのでしょうか。
そして驚くことに、「以前さんさん商店街でオクトパス君の文鎮を買って合格したので、また買いに来ました!というお客様がいらっしゃいました。リピートしてくださってすごく嬉しかったです」

仙台駅内で出店している情報を知って立ち寄ってくれたそうです。

かわいいと大好評!老舗・かまぼこ店の新商品「パンダ笹」

南三陸町にて明治13年創業、六代続く及善蒲鉾店さん。南三陸志津川の地で、地域に根ざした原料と食材にこだわり、昔ながらの伝統技法でかまぼこ作りをしています。
そんな及善蒲鉾店さんが新商品を企画、販売スタートしました。その名も『パンダ笹』!
パンダのイラストやデザインが、かまぼこのパッケージとは思えないほど、可愛らしいですね。

「宮城の名産の「笹かまぼこ」と、上野動物園で生まれた赤ちゃんパンダの好物〝笹“にちなんで、作りました」と話してくれたのは、及善蒲鉾店の沼倉忠彦さん。先月開催された東京・JR上野駅での催事向けに企画されたそうです。

私もお土産に買って帰り、さっそく開けてみました。小さくて食べやすいひと口サイズで、子どもたちのおやつにもぴったり。現在、志津川のさんさん商店街でも発売中です。

多くの人で賑わっていた「南三陸町福興市2018 in仙台」。何度も南三陸町を訪れているリピーターのみなさんも、初めて南三陸のことを知る方も、多くの人が南三陸の魅力に触れる機会となっているようでした。仙台や東京をはじめとした全国各地、こうした福興市などのイベント・催事を通じて、これからも南三陸町の魅力をもっと多くの人に知ってもらえることを期待しています。

 

ハマーレ交流施設館「かもめ館」オープン&カキたら福まつり

1月28日10時から、南三陸町歌津伊里前の南三陸ハマーレ歌津にて、新たな地域交流施設『かもめ館』のグランドオープンセレモニーが行われました。同時開催で『カキたら福まつり』も行われ、町内外から集まった沢山のお客様で賑わいをみせていました。

海が一望できる かもめの波止場のような休み処になってほしい

歌津の復興商店街「南三陸ハマーレ歌津」に隣接する交流施設「かもめ館」がついにグランドオープン!昨年決まった正式名称が建物に刻印されていました。この施設は、南三陸町歌津の活性化の為に、町内外の方が集い、交流する施設が必要だという想いでつくられました。訪れる方が地域資源を活かした海の体験イベントや休憩場として活用されることで、町の交流人口を増やし、にぎわいを取り戻そうという意気込みを感じました。

かもめ館は木造2階建ての施設で、1階はキッチン付きの土間になっており、ウニの殻むき体験や料理教室に利用できる。また2階のテラスは、海を見渡しながら休憩ができる場所になっていました。地域の方への貸し出しも可能とのこと。

「かもめ館」の名称は商店街を運営するまちづくり会社の公募で決定。セレモニーの中で、ハマーレ歌津でお店を営んでいる牧野美紀さんに記念品の贈呈がおこなわれました。

牧野さんに名前の由来をインタビュー。「交流施設の2階にある展望台に上がってみたら、伊里前湾の海が一望に見えてすごく景色が良くて…。かもめが寄ってきそうな、波止場的イメージでみなさんの休み処になってほしいなぁと」満面の笑顔で答えてもらいました。

名付け親の牧野美紀さん。ハマーレ歌津で「まきの衣料店 アングラーズショップ大隆丸」を営む。

大行列!一番の盛りあがりは『殻カキの詰め放題』

同時開催でおこなわれた、地元産カキがたらふく味わえる『カキたら福まつり』では、この時期旬の牡蠣のブースが立ち並び、「殻付き牡蠣」詰め放題の前に、300袋限定ということもあってか、開始前から行列ができていました。

手足が凍てつく寒さにもかかわらず、ここぞとばかりに素手で牡蠣を次々とビニール袋に詰め込み、縦長に溢れそうになった状態までにして持ち帰る人もいました。上手な人だと20~25個入るそうです。

ハマーレ商店街前の炭火焼用BBQ台で早速購入した牡蠣を焼いて食べている人の姿もありました。

ビニール袋が破れないように隙間なく詰めるのは至難のわざでした。

歌津に賑わいを再び。心の中でいつでも応援している故郷。

南三陸海岸インターチェンジ歌津が開通したことで、より距離が近くなった隣町の登米市から「カキたら福まつり」に参加をしていた歌津町出身の佐藤さん。

「早めにハマーレに着いたつもりだったが、駐車スペースを探すのに苦労するほど車と人でいっぱいでした。人が集まる場所に来るとなんだか心が弾みますね」

中学まで通っていた歌津の街並みが震災でなくなってしまい寂しかったと話してくれました。

ハマーレ商店街やかもめ館のような色んな人たちが自由に集まれて交流できる場所ができたことによって、日々町に賑わいや活気を取り戻せているように感じる人もいるでしょう。

「ふるさと歌津の農業、林業、水産業などの産業がもっと盛んになれば嬉しいです。いつでも心の中で応援しています」

袋いっぱいに詰めた殻カキを抱えながら、カキ料理のお供にビールか白ワインかを思案している佐藤さん。今夜はせっかくなので両方を飲もうかなと言っていました。

かもめ館1階交流スペースで新物わかめをしゃぶしゃぶ

オープン記念として、かもめ館1階の交流スペースでは新物わかめのしゃぶしゃぶコーナーがあり、式典に参加されていた来賓の方々も一緒に鍋を囲っていました。紙皿いっぱいに盛られたしゃきしゃきの歯ごたえのわかめをさっと熱湯に付けると、わかめが茶色から鮮やかな緑色に変化。甘みあるつけ汁にひたしながら「うまい!うまい!」と声を上げながらおいしそうに口にしていました。

降ったばかりの雪がまだ残る厳しい寒さの中でも、町内外から沢山の人たちが訪れたグランドオープン日。これからもかもめ館は南三陸町の体験交流施設として、多くの観光客と地域住民の交流の場になることでしょう。

<2月14日放送>みなさんぽ

2月14日の放送では、さんさん商店街のカフェ「NEWS STAND SATAKE」の長井龍太郎さんにタイトルコールをいただきました。インタビューでは、南三陸モアイファミリーの柳井謙一さんに、南三陸のモアイについてお話を伺いました。

オープニング

オープニングでは、さんさん商店街のカフェ「NEWS STAND SATAKE」のドリップコーヒーをご紹介しました。マスターの長井龍太郎さんにタイトルコールをいただき、みなさんぽ、スタートです!

オリジナルの「SATAKE ブレンド」、お家でも簡単に淹れられるようになりました。本やお茶菓子とともに、くつろぎのひと時を味わいたいですね!

NEWS STAND SATAKEについて、詳しくはこちら↓(さんさん商店街HP内)
https://www.sansan-minamisanriku.com/shoplist/news-stand-satake/

インタビュー

南三陸町を語るキーワードの一つ、「モアイ」。仮設のさんさん商店街にあったモアイも、現在のさんさん商店街に場所を移し、注目を集めています。

インタビューでは、モアイグッズの企画販売を行う「南三陸モアイファミリー」の柳井謙一さんにお話を伺いました。

モアイとの出会いを「運命的」と振り返る柳内さん。2012年に南三陸町へ移住。モアイとの出会いは、2013年5月に本物のモアイ像が南三陸町へ来たことでした。「モアイグッズが日本にはあまりないので、面白いモアイグッズを作っていこう」と考え、商品の企画を立ち上げました。
今では50種類ほどにもなるモアイグッズ。今シーズンは「スノードーム」が話題になっています。他の地域に旅行で行く度、「一つのスノードームにその地域の魅力がギュッと詰まっていて、いいなとずっと思っていた」柳内さん。3年の構想、10回ほどの試作品作成といった苦労を経て完成させました。モアイだけでなく、タコ、いくら丼、ウミネコ、神割崎、さんさん商店街など、「南三陸ミニチュア版といえる」スノードームとなっています。

モアイグッズの仕事を通して、「南三陸町に本物のモアイがあるというのを全国の人に知ってほしい。お客さんにパンフレットを持って帰ってもらい、口コミで広めてもらいたい」と話す柳内さん。店舗の拡大や、起業を志す人への支援など、今後の構想も語ってくれました。

南三陸モアイファミリー
https://www.moaifamily.com/

聞き逃した方はradikoでお聞きいただけます

パソコンやスマホでラジオが聴けるradikoでは、過去1週間以内に放送された番組を後から聴くことができます。残念ながら聞き逃してしまったという方はぜひこちらでお聞きください!

http://radiko.jp/#!/ts/DATEFM/20180214123000

〈2月7日放送〉みなさんぽ

2月最初の放送では、南三陸まなびの里 いりやどの佐藤茉央さんにタイトルコールをいただきました。インタビューでは、農漁家レストラン「慶明丸」店主の三浦さきこさんにお話を伺いました。

オープニング

オープニングでは、さんさん商店街のお店、はしもとの「たこしゅうまい」をご紹介しました。「南三陸まなびの里 いりやど」スタッフの佐藤茉央さんにタイトルコールをいただき、みなさんぽ、今日も元気にスタートです!

かつて調理の勉強もしていた佐藤さんも絶賛の「たこしゅうまい」。海の幸を活かしたあったかいお土産、この季節にぴったりですね!

インタビュー

戸倉地区にある農漁家レストラン「慶明丸」。まちの語り部としても活躍する、店主の三浦さきこさんに、お店についてのお話を伺いました。

慶明丸は予約制のレストラン。旬の幸を活かすため、決まったメニューはなく、「その時に採れたものを皆さんに食べていただいています」。
お店のオープンは1999年。店名の由来は、夫の船名。夫と長男の名前から一字ずつとった船名「慶明丸」を、開業時に店名としました。お店は地元に長く愛され、震災で一度は休業しましたが、2013年4月に再開しました。
お店のシンボルといえる、「慶」「明」「丸」の文字が刻まれた黄色い浮き球。津波の1年後アラスカに流れ着き、お店に戻って来たという物語をもちます。浮き球が戻って来た時は、「帰ってくるのも大変だったし、お風呂にでも入れてあげようかな」と感慨深く思ったそうです。拾い主のバックスターさんとはその後も関係が続き、今でも月に1度は電話で連絡をとりあっています。

店名が書かれたのれんは、震災後にボランティアの方が作ったもの。「本当に、皆さんのおかげでここまでやってきてます。年取って車の乗れない人たちが集まれる楽しい場所としてやっていけたら」「人間関係っていうのが、楽しいほうにつながっていければいいなって思っています」と展望を語ってくれました。

聞き逃した方はradikoでお聞きいただけます

パソコンやスマホでラジオが聴けるradikoでは、過去1週間以内に放送された番組を後から聴くことができます。残念ながら聞き逃してしまったという方はぜひこちらでお聞きください!

http://radiko.jp/#!/ts/DATEFM/20180207123000

縄をなって、仕事始め。ひころの里に受け継がれる「農はだて」

入谷地区「ひころの里」で開催された伝統行事、「農はだて」を取材してきました。地区の住民が集まる行事はコミュニティの場として、そして脈々と続く「里の恵み」を受け継ぐ業を垣間見ました。

縄づくりは、農に生きる者の必須スキル

1月11日、午前10時。入谷地区「ひころの里」で、伝統行事「農はだて」が始まりました。「はだて」というのは南三陸町入谷地区の言葉で「はじめ(始め)」という意味。農の始め、すなわち農家にとっての仕事始め。その内容は、わらを手で結び合わせ、縄を作っていくというもの。なぜ、縄をなうことが、農家にとっての仕事始めなのでしょうか。

「今はみんなビニールだけっども、昔はそんなもんねがったから、縄で作ってたのさ」
農作業や日々の暮らしをする上で必要な、様々なもの。今ならビニール用品を買って済ませるようなものも、かつてはわらの縄で作っていました。雨がっぱ、馬の口あて、牛の靴、草履やむしろなど、生活用品の基本の材料がわら縄でした。

縄さこさえて春への準備

「農家はずっと、働きづめでしょ。だから正月はゆっくり休んで、今日が仕事始め」
「今は、一年の中で一番暇な時期。縄さこさえて、みんなで春の準備をすんのさ」

農業では、一度畑や田んぼの作業が始まると、収穫が落ち着くまで、働きづめの季節が続きます。雨風が吹くときも、週末も、夏も。だからこそ、仕事始めは少しゆっくり、1月11日。そして冬のうちに、春から必要になるものを縄で作って準備する。農はだてという行事からは、農業を仕事とする人たちの季節感を垣間見ることができます。

「縄は、こうやってなっていくの。ほら、見てて」

縄は、わらを3~4本束ねて作ります。わらの片端を右手で、もう片端を左手で持ち、手の平を擦り合わせるようにして、わらを密に絡ませて縄を形作っていきます。互い違いにより合わせても縄にはなるけれど、このやり方のほうがよりしっかりとした縄を作れるのだとか。この言葉にし難い特殊な技を、入谷地区のお母さん方は慣れた手さばきで素早くこなしていました。

「まだ小さいころから今まで、ずっとだなあ。一年中縄さ作ってたよ」
柔らかいわらから作られる、固く結ばれた縄。それは農を営む暮らしの傍らにある、数十年磨き上げた技の結晶なのです。

農はだてを受け継ぐことの意味

縄づくりを終えた後は、「ばっかり茶屋」で懇親会。普段は、ひころの里にいらしたお客様を料理でおもてなしするお座敷です。小豆がゆ、漬物、天ぷらなど、質素ながらも地元の味を感じられる料理で、仕事始めの景気づけをしました。

「玉子酒飲むと、ほら、顔が火照っちゃうの」

縄をなっていた時の真剣な顔とは打って変わって、ほころぶ表情や笑い声がそこかしこに。近くに住んでいる方同士の間では、近況の世間話に花が咲いていました。かつては年始の節目として広く行われていたものの、最近はやらなくなってしまった地域も多いというこの行事。続けていくことには、伝統を守ること以上の意味がありそうです。

ひころの里は、入谷地区に中世から伝わる名士、須藤家の邸宅や土蔵があり、文化的価値が高い、南三陸町の観光名所のひとつです。歴史を感じる農具や生活用品を見られるほか、地元の食材にこだわった料理を楽しむこともできます。有形の名跡で受け継ぐ、無形の伝統。地区の住民にとって、年始に顔を合わせる場。ひころの里で今も農始を続けることは、里の恵みとともに暮らす南三陸の人々ならではの意義を有しています。

ひころの里について、詳しくはこちら↓(南三陸町観光協会ホームページより)

ひころの里

「世界の志津川湾へ!」ラムサール条約登録に向けシンポジウム開催

今年10月のラムサール条約登録を目指している志津川湾。機運を高めるためにラムサール条約シンポジウムが1/20(土)に南三陸町ベイサイドアリーナで開催されました。さかなクンなど豪華ゲストと過ごす時間は、「世界の志津川湾」の価値を再確認する時間となりました。

ラムサール条約ってなに?

ラムサール条約は1971年にイランのラムサールで開催された国際会議にて採択された湿地に関する条約です。正式名称は、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といいますが、採択の地にちなみ、一般に「ラムサール条約」と呼ばれています。条約は湿地の保全と再生、そして賢明な利用(ワイズユース)の推進を目的としています。各国の重要な保全湿地を「登録地」に指定し、国際的にその価値を明らかにする取り組みを行なっているのです。

自然豊かな藻場があり、国の天然記念物であるコクガンなどの水鳥の越冬地となっている志津川湾。世界的に見ても貴重な環境であり、環境省に条約申請を申し入れ、国内候補地に選ばれています。
南三陸町では今年10月にアラブ首長国連邦のドバイで開かれる条約締約国会議での登録を目指しています。その登録に向けて機運を高めるために南三陸町ラムサール条約シンポジウムが開催され、町内外から約250名の方々が集いました。

南三陸の誇るべき自然環境

「南三陸の海の『海藻』にスポットをあてることによって南三陸の海の特徴がわかってくるんです。山に森があるように、南三陸の海には海藻の森が広がっている」と話すのは、南三陸町ネイチャーセンター準備室阿部拓三さん。タクゾー博士と親しまれる南三陸町のお魚博士です。

親潮と黒潮が混ざり合い、さらに津軽暖流も入ってくる志津川湾はそれぞれの海流にいる生き物が流れ込み、多様な生き物が集まる場所となったのです。その代表が「アラメ」と「マコンブ」だそうです。
「暖かい海を代表する海藻の『アラメ』と、冷たい海を代表する『マコンブ』が混在するのが南三陸の海の特徴。これは非常に珍しいこと」とタクゾー博士は話します。

「マコンブ」が群生する南三陸の海底

こうした多種多様な海藻が見られる志津川湾は、環境省が選定する「日本の重要湿地500」にも選ばれ、平成22年には「ラムサール条約登録湿地潜在候補地」 に選定されていました。これが当町がラムサール条約登録を目指す大きなきっかけとなったそうです。
こうした貴重な海藻の森を目指して遠くシベリアから冬を越すためにやってくるのが、 国の天然記念物で絶滅危惧種にも指定されているコクガンです。 世界に7000羽から8000羽しかいないなか、毎年100羽から200羽が志津川湾で冬を越します。この時期志津川湾で見られるコクガンの姿は、志津川湾に豊かな藻場があることの証しなのです。

この時期、南三陸の海岸沿いではコクガンの姿がよく見られる

条約登録は「世界の志津川湾」になるということ

「ラムサール条約に登録されるということは、”南三陸の志津川湾”が”世界の志津川湾”になるということ。”ラムサールブランド”を手に入れてるが、それをどう生かすかが大切になってくる。志津川湾の価値を、将来も損なうことなく維持し、もっと豊かになるように利用していくことが重要」と話したのはラムサール条約の普及活動を行っているラムサールセンター事務局長の中村玲子さん。

そのために重要なこととして「人を育てること」と中村さんは呼びかけ、「ASC、FSCなどこれまで成果をあげている取り組みと合わせて、先進的なモデルとして世界にその取り組みを発信してほしい」と話しました。

シンポジウムと並行して、子どもから大人まで気軽に楽しめるワークショップも多数企画されていた

シンポジウムでは地元志津川高校自然科学部のみなさんによる成果発表も行われました。志津川高校自然科学部は、去年の5~6月に震災以来初めて八幡川河口の干潟調査を実施し、レッドリストに登録されている貴重な生物も多数発見。その取り組みは「第17回環境甲子園」で奨励賞を受賞。「どのように変化をしていくのか継続して調査を続けたい。そして干潟の重要性を町民に伝えていきたい」と話す地元高校生の姿に頼もしさを感じる場面でした。

自然と共に生きる南三陸の成果の象徴に

シンポジウム第二部として2008年から志津川湾を訪れていたさかなクンの「さかなクンのギョギョッとびっくり 南三陸のおさかな教室講演」もありました。「10年も経つということにとても感慨深い気持ちです」と話すさかなクン。
タクゾー博士とのトークでは、南三陸の海に生きるさまざまな魚のイラストやさらには南三陸の海で定置網にかかった本物の魚を使ったクイズなどで、子どもたちを中心に大盛り上がり。
「南三陸の海の豊かさは、陸の栄養があって、大地のすばらしさがあって、空気の美しさなど、海だけではなく全部がつながっているからこそなんだなと実感しました。南三陸はすばらしい大自然がいっぱいだなって心がウキウキします」と声を弾ませます。

タクゾー博士はラムサール条約の意義について 「ラムサール条約の大きな特徴は、ただ自然を守るだけではく、湿地を漁業や観光に有効に利用したり、子どもたちの教育に役立てて、自然の魅力を発見し伝える力を育むという3つの柱があること。こういったことは地域の魅力を知って、共有して、地域に誇りをもつことに非常に重要なことと考えています」と話します。

震災後「森里海ひと いのちめぐるまち南三陸」というビジョンを掲げた南三陸町。ラムサール条約への登録は、震災前から脈々と受け継がれてきた自然と共に生きる南三陸の成果のひとつ。「世界の志津川湾」をどう活用していくか、それこそが私たちの本当の真価が問われることなのかもしれません。

復旧事業の節目。生涯学習センター安全祈願祭を実施

東日本大震災からまもなく7年。被災した町の公共施設としていよいよ最後の復旧事業となる「生涯学習センター」の安全祈願祭が執り行われました。町民の心のよりどころとしての場となることが期待されています。

公民館と図書館の複合施設へ

木造平屋建てで延べ床面積は1780平方メートル。志津川公民館と図書館を兼ねた生涯学習センターとなります。研修室や演奏会などもできる多目的ホールのほかに、10万冊ほどの蔵書がある図書スペースも設けられ、カフェや絵本の読み聞かせなどができるコーナーの設置など子どもも大人も楽しめるスペースが誕生予定です。さらに研修室や多目的ホールには修学旅行生や校外学習で訪れた生徒、研修で南三陸を訪れた人など町内外の人が交わる場所となることも期待されています。

1月23日(火)には、町職員や工事関係者らが集い、工事期間中の安全を祈願する「安全祈願祭」が執り行われました。

子どもたちが安心して集える場所に

志津川地区に造成された中央団地エリアに建設される生涯学習センター。志津川小学校・中学校や、志津川保育所からほど近く「文教エリア」となります。

子どもたちが遊ぶ場所が限られている現状もあるなか、「子どもたちが安心して過ごすことのできる場所」として、生涯学習センターに対する期待の声も住民からは多く聞かれています。

センターに整備される予定の中庭や多機能スペースでは、小中学校や保育所も近いということもあり、学校帰りの児童・生徒や、子連れの親子などが訪れ、それぞれが思い思いの場所を見つけ、南三陸町皆の「居場所」として、笑顔があふれる空間になっていくことが期待されています。

また生涯学習センターは、2017年9月に開庁した南三陸町役場庁舎と同様に、南三陸産のFSC®認証材を使用する予定で、町内で2カ所目となるFSC®全体認証の取得を目指しています。役場庁舎に続いて、「森里海ひと いのちめぐるまち南三陸」を掲げる南三陸町のシンボル的な建物として町内外に発信していくことになるでしょう。

公共事業として最後の復旧事業

「震災から間もなく7年になるが、おかげさまをもちましてほとんどの公共施設が復活しました。町民のみなさんも含め待ち遠しい最後の復旧となる生涯学習センターがいよいよ着工となりました。以前は中央公民館と図書館の施設が別々だった。生涯学習の活動の場として、趣味の時間や、読書、勉強の場として利用する方など、文字通り子どもからお年寄りまでお集まりいただき楽しい時間を過ごしていただきたい」と話す佐藤仁町長。

2019年4月の供用開始を目指している生涯学習センター。それをもって、町で被災した公共施設の再建は完了となり、節目を迎えることになります。町民の憩いの場であり、つながりや新たな出会いを育む場として、町民にとって心の充実につながることが期待されています。

「楽しむ」ことが地域のためになる。/小出悟さん

南三陸に生きる⼈を巡り、⼀巡りしていく連載企画「南三陸ひとめぐり」。第21弾は2013年に南三陸に移住した小出悟さん。気仙沼と南三陸町で二拠点生活を送る小出さん。三陸地域全体で交流を生み出したい!と意気込んでいます。

新潟県から東日本大震災を機に南三陸へ移住

東日本大震災から間もなく7年を迎えようとしている。多くの人にとって人生を大きく転換させるターニングポイントとなった。現在、町内の水産加工会社に勤める小出悟さんもその一人だ。

新潟県新潟市出身の小出さん。高校卒業のタイミングで震災だった。

「東北はまったく縁がなかった土地。これまで何不自由ない暮らしをしてきて、高校も卒業したけど『特別これがやりたい!』ということはなかったんです。震災の映像をテレビで見ていたときに、ここで力になりたいと思った。自発的に何かしたい!と思えたのは、おそらくそれが初めてのことでした」

それから2年後。2013年4月からNPOが主催する「復興応援バイト」という、被災した企業で働くことによって地元の方とともに産業復興を応援していくプロジェクトに参加し、町内の水産加工会社に勤めることになった。

「働く場所と、住む場所が確保されているということが大きかった。生活していくには困らないだろうな」ということが見知らぬ土地への移住を後押しした。

多くの人との出会いのあったシェアハウスにて

自分が楽しむことが、「町のために」つながることを実感

「正直この町に来たときも、『これがやりたい!』という明確な意思をもっていたわけではありませんでした。まずは派遣された会社で力になることを目指し、そして町の復興がすすんでいくのと同時に自分のやりたいことも具体化されていったらいいなという想いでした」と当時を振り返る。

意を決してやってきた南三陸町。水産加工会社という新しい挑戦。そこで出会った人々のパワーに次第に魅了されてきたという。「社長の人柄やエネルギー、社員の結束力・団結力など、純粋にかっこいいと思ったんです。当時は、『会社のために』『町のために』という使命感が大きなモチベーションでした」と話す小出さん。充実した生活を送っていたが、「家と職場の往復。町のイベントなどに顔出すことも少なかった」と話す。

転機となったのは、一昨年に気仙沼を訪れたこと。旅行者、移住者、地元住民が集うゲストハウスで同年代の仲間に出会い意気投合。

これまでの「地域のために」というベクトルが「自分のために」へと変わったとき、これまでと町の見え方が変わった。純粋に町での生活を楽しもうとさまざまな場所に顔を出すことで自然と知り合いも増加。イベントの実行委員会などにも関わり、「自分のために」という想いが、「町のために」へとつながっていった。

今ではゲストハウスのスタッフとして宿泊対応や飲食の提供、イベントの立案運営などを行いながら、平日・南三陸、週末・気仙沼という二拠点生活を送っている。

会社、そして地域へと活躍の場を広げたことで多忙な一年だったが、これまで以上の充実感を味わえた。

転機となった「ゲストハウス 架け橋」のスタッフとの出会い

三陸全体で交流を生み出したい!

「気仙沼に行くことで南三陸のことを深く知っていきました。旅行者や気仙沼の人に『南三陸ってどんな町なの?』と質問されることも多かったんです」

そんな小出さんが考える南三陸の魅力を問うと、「小さい町だからこそなのか、地域にある資源を活用していくという動きがとてもすごいと思う。自分も含めて海のイメージが強かったけれど、森林資源も豊富で、さらに地域資源を循環させていくバイオマス産業のことなど、もっと知ってもらいたいことがたくさんある」と話す。

気仙沼と南三陸。隣り合った町ながら、お互いのことをよく知っているとはいいがたい。近くて、遠い町だ。この二都市で二拠点生活をする小出さんだからこそお互いのよさに気づいてくる。

小出さんは、もっと横のつながりが増えればいいのに、と願う。昨年12月には、南三陸、気仙沼、陸前高田の三地域の若手を集めて合同運動会を開催した。新たなつながりを生み、手ごたえも感じることができた。

だからこそ「気仙沼や南三陸の交流だけでなく、三陸沿岸全体で交流を生み出したい」と話す小出さん。

2018年は挑戦の年だ。その挑戦がこの地域に新たな「楽しみ」をもたらしてくれることだろう。

ママさんインストラクター、運動でみんなに元気を!/阿部純子さん

今回、紹介するお嫁さんは仙台市出身で、現在南三陸町歌津地区にお住いの阿部純子さんです。

阿部さんは2児のママで、現在プールエクササイズのインストラクターの仕事をしながら、「Hop Kids Club 南三陸町歌津 体操教室」という体操教室、子ども向けフィットネス、大人向けフィットネスを行うクラブを作り活動しています。

その他にも子ども向けイベントを開催し、町内イベントに子ども向けに出店などをしている「やってみるもん!委員会」の中心メンバーとしても活動しています。

旦那様との出会いは?

阿部さんは結婚前、スポーツインストラクター、パソコンインストラクター、システムエンジニアと様々な仕事を経験していました。

旦那様とは友人の紹介で知り合い、プロポーズはなんと旦那様のお母さまからの「来週入籍するから!」という言葉だったそうです。その後可愛い2人の愛娘、ゆきちゃん、さちちゃんが誕生しました。

早くにご両親を亡くされた純子さんは、旦那様のご両親に優しく迎え入れてもらったことがとても嬉しかったそうです。

嫁いでからは、文化の違いや、男女の働き方の認識の違いなど苦労することがあったと話します。

南三陸町での子育ての良いところ、大変なことは?

自然が豊かなところと、地域のお年寄りの方々といっしょに暮らしていること。そうした環境で育つことで、まっすぐ素直な、優しい子どもに育つところがとてもよいです。

自然が豊かなことはとてもよいのですが、遊具のある公園がもっと身近にあると子どもたちの発育、発達、ママたちの交流の場にも役立つと思っていると話します。

南三陸町で様々な活動をするきっかけは何ですか?

震災前から子育て支援センターで不定期に親子体操の教室を実施していました。

震災後、運動不足となってしまった子どもたちが多く見受けられたので、広いところで思いっきり体を動かせてあげたいという思いから現在の体操教室などを始めました。

活動するうえで気をつけることは、決して奢って(おごって)はいけないこと、と話します。

謙虚な気持ちを忘れずに、いろいろな方々に感謝して、子どもたちにはつねに平等に接しているそうです。

お子さん達の名前の由来は?

希望のある、細かなところまで気づく子という意味を込めています。

それぞれの名前が「幸」という字に変換でき、二人とも「幸せになれる」という意味もあると話していました。

お子さん達へのメッセージをお願いします。

これからも友情を大切になんでも挑戦する気持ちを忘れずに進んでいってください。

この町にとどまることなく、世界を見るような人になってほしい。

<1月31日放送>みなさんぽ

1月最後の放送は、阿部茶舗スタッフの佐々木さんにタイトルコールをいただきました。インタビューでは、南三陸町観光協会の千葉裕美さんに、今週末仙台駅で開かれる南三陸町福興市についてお話を伺いました。

オープニング

オープニングでは、さんさん商店街にて、阿部茶舗のたら天鍋うどんをいただきました。タラ、卵、ワカメ、牡蠣が乗った土鍋うどん! 阿部茶舗スタッフの佐々木さんにタイトルコールをいただき、みなさんぽ、スタートです!

さんさん商店街では、『寒鱈フェスティバル ~第一弾 熱々大作戦~』引き続き開催中。タラを活かした新メニューが出揃うさんさん商店街へ、ぜひお越しください!

インタビュー

今週末は、仙台で『南三陸町福興市2018 in仙台駅』が開催されます。インタビューでは、南三陸町観光協会の千葉裕美さんに、福興市にかける想いやイベントの見どころについてお話を伺いました。

地元出身で、「物心ついた頃から、この町で一生暮らすと決めていた」という千葉さん。高校卒業後は販売・接客業に従事。4年半ほど前、福興市を手伝いたいとの強い想いをきっかけに、観光協会での仕事を始めました。

観光PRで心がけているのは、「まず、私を好きになってもらうこと」。その理由は、ある尊敬する先輩の言葉。「自分を好きになってもらって初めて、話を聞いてもらえるんだから、南三陸町のことを好きになってもらいたいなら、まず自分のことを好きになってもらいなさい」。以来、「まずは千葉裕美を売り込んで、そのうえでお話を聞いてもらえるんだったら、南三陸町の良さをひたすら伝える」ことを意識しているそうです。

観光協会での仕事を経て、地元への誇りが高まったという千葉さん。強い想いをかける福興市での活躍にも、期待が高まります!

2月2日(金)から4日(日)には、『南三陸町福興市2018 in仙台駅』が開催されます。

3日10時からのセレモニーには、町長やオクトパス君も出席し、町の伝統芸能である行山流水戸辺鹿子躍のステージも。物販ブース、オクトパス君ブース、観光協会ブースなど、町自慢のコーナーも多数あります!

『南三陸町福興市2018 in仙台駅』について、詳しくはこちら↓(南三陸町観光協会ホームページ)
https://www.m-kankou.jp/archives/196739/

聞き逃した方はradikoでお聞きいただけます

パソコンやスマホでラジオが聴けるradikoでは、過去1週間以内に放送された番組を後から聴くことができます。残念ながら聞き逃してしまったという方はぜひこちらでお聞きください!

http://radiko.jp/#!/ts/DATEFM/20180131123000