きりこ手作り体験

ここ2~3日、急に暑くなってきました。
皆さん水分補給をお忘れなく。

以前こちらのブログでもご紹介した「きりこ」。
元々きりこは宮司さんの手で白い紙に切り出されたもの。
きりこを家の神棚に飾る風習は現在も東北の各地域に残っており、
漁業の町南三陸では網や魚のモチーフがよく見られます。

きりこについてもっと知りたい!
5月20日、観光協会主催のきりこ体験教室にお邪魔しました。

この日の生徒さんは6名。
教えてくださるのは上山八幡宮禰宜 工藤真弓さん。
神社のお家に生まれ、幼い頃からきりこと親しんでこられたそうです。

お祀りする神様それぞれに決められているきりこの型紙。
南三陸のきりこはその模様の細かさが特徴だとか。
「気候の厳しい土地ですので、豊穣を祈る気持ちが殊に切実だったのでしょう。」

「手元が震える・・・」最初は緊張気味の生徒さんたち。
「勢いでギュッと、気持ち長めに切るといいですよ。」
真弓さんのアドバイスを聞きながらカッターを動かすこと数十分。
「できましたー!」
美しいお餅の模様が浮かび上がりました。

もっと複雑な模様にも挑戦!
これはお神酒の模様ですね。

津波で浸水したご自宅からきりこの型紙が濡れずに見つかったこと。
神社が被災を免れたのは約50年前、チリ地震ののちに
社殿を高所へ移したためであること。
真弓さんのお話に、他県からみえた生徒さん方が聴き入っていました。

生徒の皆さん、体験を終えていかがでしたか?
「南三陸には何度か来ていますが、より深く知る機会になりました。」
「また来たいですねえ。」

南三陸にはまだまだ知らないことがいっぱい。
またいらしてくださいね。

(日比谷)

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宮城大学移動図書館「みちのく震災文庫」

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5月21日火曜日、久しぶりに天気も良くて日中は汗ばむ陽気の一日。

宮城大学さんの移動図書館「みちのく震災文庫」が
登米市に設置されているイオン南方店跡地応急仮設住宅2の、
集会所前に停車しておりました。
こちらの車両は、県外からの支援品で、積んである本も、全国から贈られてきたもの。
本は善意で送られたものなので、期限なしの自由持ち出しだそうです。
バス後方の入り口から入って中の様子を撮影しました。
絵本、漫画、小説などなど、左右の本棚に所狭しと様々な本が置かれていて
子どもから大人まで楽しめます。
先日のゴールデンウィークには志津川中学校の仮設住宅に設置され、
そちらでも好評だったとか。(そのときの様子)
取材時にちょうど立ち寄られた2名の方は、震災前にお持ちだった本を探しに来られた方と
小学2年生のお孫さん用の本を探す方で、目的はそれぞれでした。
移動図書館は、5月いっぱいこちらの仮設住宅に停車予定だそうです。
ストレス解消にも効果があるという読書。
たまには良いかもしれませんね。
■宮城大学 南三陸復興ステーション (お問合せ先)
 お問い合わせ: 0226-47-1244
URL: http://minamisanriku.wordpress.com/
(安藤)

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歌津 名足地区の様子

晴れる日が多くなってきました。
モアイ見学や福興市においでの際は紫外線対策をお忘れなく。

こちらは5月22日、名足地区の様子です。

津波の被害を免れた高台では、町から事業を受託したUR都市機構により
災害公営住宅の基盤整備が急ピッチで進められています。
ここに集合住宅2棟、戸建5戸、それに集会所が建てられます。
来年夏には33戸が入居開始の見込みです。



こちらは町立名足小学校。
被災した校舎は現在使用できず、
およそ60名の児童が4km離れた伊里前小学校にて授業を受けています。
今年中には校舎の修復を終え、皆を迎えられる予定です。

「他所の仮設やら学校やら、今みんなバラバラだからねえ。
一緒に住めるのは楽しみだねえ。」
撮影中お会いした女性は、自宅跡地の瓦片を拾いながら話してくださいました。

(日比谷)

 

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思い出の小学校を残したい!校舎の宿「さんさん館」

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平成11年3月末で廃校になった林際(はやしぎわ)小学校。そこを利用して作られた、校舎の宿「さんさん館」を訪ねました。

こちらは旧林際小学校運営事業組合、組合長の菅原辰雄さん。プロジェクトの発起人です。

この取り組みは、入谷地区にあった入谷小学校と林際小学校の合併が決まり、林際小学校が廃校となったことから始まりました。ご自身もこの校舎で小学校時代を過ごした菅原さんは、「この学校を解体するのではなく、なんとか残したい」ということを強く感じて動き出します。

地域の住民33名に声をかけて、グリーンツーリズムの専門家にも助言をいただきながら、なんとか農水省の補助金を利用できるようになりました。

しかしそれでも足りない分は農協からお金を借りて、更に、菅原さんと同じく小学校を残したいという思いを持つ有志が11名集まって組織した運営事業組合でまかなうことに。

元々の校舎の雰囲気を活かしつつ、宿泊が出来るように改修されています。子どもの頃に憧れた、「学校に泊まりたい」ということが現実になる場所です。


当初、「本当にお客さんが来るのか?」という心配はあったけれども、いざ蓋を開けてみると、オープン初年度は8,000人ものお客様がいらっしゃったとのこと。

入谷地区に残る日本の原風景に癒されながら、町の農林漁業も体験できるような立派なグリーンツーリズムの拠点となりました。

菅原さんはこう話します、「震災後にお越しになるお客様は、被災地支援の方がほとんどで、本来のグリーンツーリズムを求める方は一時的に少なくなっているのが実情です。

でもここには、来るだけで癒される自然や、都会では出来ない農林漁業体験があります。観光のように気軽な気持ちでいいので、とにかく多くの方に一度来ていただきたい。そして、ここの良さを感じて帰って欲しいと思っています。」

各お部屋は、それぞれに教室の名前が付いていてユニークです^^

■グリーンツーリズム校舎の宿「さんさん館」
住所:南三陸町入谷字山の神平10-1
お問い合わせ:0226-46-5633 (予約専用)
URL:http://www5.ocn.ne.jp/~san3kan/

戸倉養蜂

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南三陸、昼夜の寒暖差が大きい時期です。
特に夕方以降の急な冷えこみにご注意くださいね。

これから町の特産物となるものは何か?
その問題に今多くの農業家・酪農家が頭を悩ませています。
5月17日、町内初となる養蜂事業に挑戦している方にお会いしてきました。

海岸近く、クローバー茂る野原に備えられた3つの木箱。
今年3月に四国の養蜂場より届いた日本ミツバチの巣です。


管理するのは「戸倉養蜂」代表 阿部一郎さん。
もともとは養蚕の指導者として、企業や学校でその知識を伝授してきました。
アシスタントは町内の事業支援団体「ラムズ」の方々。

実は一郎さん含め全員、養蜂の初心者だそう。
仙台や岩手の専門家に助言を仰ぎながら試行錯誤を続けています。

この日の作業は巣箱点検。
巣作りは進んでいるか、新しい女王蜂は生まれているかなど
巣板一枚一枚を取り出してチェックしました。

「東北の寒さが心配だったがミツバチは元気そうだな。
ただ、数がなかなか増えないんだ。
すんなりとはいかないよ。勉強、勉強だ。」

たくさんの方々の応援や期待を背負っている養蜂事業。
なんとしてもそれに応えたいと一郎さんは言います。

一郎さんたちが今求めているのは「協力者」。
増やした蜂を別の場所で飼ってくれる方が必要なのだそうです。

「町内のあちこちで蜂を飼えば、互いに多くのデータが共有できる。
それを分析する事で養蜂事業を
町全体でのコミュニティビジネスに育てたい。」

養蜂技術を町中に広め、『南三陸ハチミツ』を特産品とするために。
一郎さんの養蚕指導の経験もそこで活かすことができます。

既にハチミツが貯まり始めていました。
ひとすくい味見させてもらうと、じわっと繊細な甘みを感じます。
この味が日本ミツバチの特徴なのだとか。

順調に行けば6月~7月頃に最初の採蜜ができるそう。
まずどうやって食べたいですか?
「そうだなあ、食パンにつけて皆で食べようか。」

私も『南三陸ハチミツ』が味わえる日を楽しみにしています!

(日比谷) 

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ペレットストーブの支援

今日は暖かい一日。
春らしい陽気です。

今年の2月、戸倉の神割崎キャンプ場に、ペレットストーブの物資支援がありました。

これは24時間テレビによる災害支援の一つで、県内のNPOを介して
石巻近隣の複数の施設に支援が行われたそうです。
神割崎キャンプ場にも、ペレットストーブ1台と木質ペレット100袋が支援されました。
(木質ペレットの写真。詳しくはこちら)
しかしなぜ、夏場に営業するキャンプ場に、ペレットストーブが必要だったのでしょうか。
神割崎キャンプ場はもともと夏場の営業だけでしたが、
「山梨や滋賀などの遠方から、復旧作業のために来てくださる皆さんのために、
宿と食事くらいは提供したい」という思いで、
去年9月より初めて冬場のお客様を受け入れたそうです。
震災前には多目的ホールとして、会議や有事の避難場所として使っていた場所を
復旧工事や震災廃棄物処理のために来町している方々のための宿泊施設として用いました。
宿泊先が足りない特別な状況だったので、臨時で多目的ホールの旅館業の許可を受けたそう。
震災廃棄物の処理事業が一段落する今年の秋まで、常時4名から8名が宿泊される予定。
施設を管理していらっしゃる及川さんは語ります。
「ここの施設は今回の震災で被災したわけではないので、
寄付や物資のような、支援は受けていなかったんです。
当時はとても寒い時期で、燃料代に頭を抱えていたので大助かりでした。」
復興を支える方も、町外の方々によって支えられています
(安藤)

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子ども広場 にこま~る

今日は一日くもりの天気ですが、
明日の午後以降は晴れて暖かくなるようです。

 

津波により、町内の福祉事業にも大きなダメージが残りました。
福祉団体や施設の必要性は周知されているものの、再建はこれから。
そんななか、今日は障がいを持つ方をサポートする取り組みをご紹介します。

NPO法人奏海の杜(かなみのもり)で実施している
「子ども広場 にこま~る」は
主に学童期の知的障がい児を対象にした遊びの場、交流の場。

町内の学校の特別支援学級、また気仙沼の支援学校などに通っている子どもたちが
放課後から夕方まで時間を共にします。
この日は7名の子どもたちが入谷公民館の一室に揃いました。

東京からいらしたリトミックの先生とともに身体を動かします。
「なかなかリズム感いいねえ~。」
「おおっ、踊りだしちゃった!」


笑顔や声かけなど、スタッフの皆さんによる安心できる雰囲気作りのためか
どの子もリラックスしている様子。

また、年下の子を助けてあげる子、お手伝いができるようになった子、
車椅子を降り、自分で身体を動かし始めた子。

年齢や障がいの程度は様々ですが、「にこま~る」で一緒に遊ぶことで
お互いを思いやる気持ちや
人との関わりを楽しむ気持ちが育っているそうです。

スタッフの太齋さんにお話を伺いました。

「子どもの自立の第一歩は意欲です。
そのため、ここでは人と触れ合う機会や
自発的な行動を育てられるような関わりを大切にしています。」

「NPO法人奏海の杜は、障がいを持つ人たちとのこういった活動を中心に
大きな目標である『ハンデに関わらず誰もが楽しく暮らせる地域作り』を目指しています。」

6月2日(日)には
神割崎キャンプ場にてバーベキュー会が開かれるそう。
利用者さんやご家族、石巻の団体の方もみえます。

「それ以外の人も、もう誰でもウェルカム。
楽しそうだなと思ってくれたら遠慮なく参加してください。
あとボランティアさんも大募集中です!」

きっと賑やかな会になりますね。

 

(日比谷)

 

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第19回たつがねMTB大会

南三陸、予報では今日明日と晴れるそうです。
シャトルバスに乗って田束山(たつがねさん)につつじを観に行く、なんていかがでしょう。

その田束山で先週末、この季節恒例のマウンテンバイクのレースが開催されました。

1995年に始まった「たつがねMTB大会」には
毎年100名ものランナーが参加し、美しい山野のコースを駆け抜けていました。

2011年の震災の影響により一時開催不可能となったものの
過去の参加者、また大会を愛する地元の人々によって2012年より再開。
「大好きなマウンテンバイクで復興支援ができるなら」と
今では東北・関東・関西から多くの愛好家が集まる大会となっています。

2013年5月12日に開催された「第19回たつがねMTB大会」。
この日は前方の走者も見えないほどの濃霧がたちこめ、足下はドロドロ。
完全なウエットコンディションの中、
160名のランナーが速さを競いました。


ビギナーメンズ1位 目黒太規さん(宮城県)
「小学生の頃、ジュニア部門で4位でした。
高校二年生になり久々に参加しましたが
よい成績が獲れて嬉しいです。」

ビギナーレディース1位 小澤希美さん(東京都)
「転んだ!きつーい!(笑)」

キッズメンズ1位 長谷川蓮くん(山形県)
「お兄ちゃん(ジュニアメンズ1位 稔くん)と
参加しました。
いつもおばあちゃんちの周りで練習しています。」
プライベート参加された元オリンピック日本代表
竹谷賢二さん(写真右)は
余裕の表情でエリートメンズ1位。
「よく考えられた滑らかなカーブ、適度な勾配。
ビギナーから上級者まで楽しめる
バランスのいいコースだね。」
ありがとうございます!

コースの整備は日頃、マウンテンバイクを愛する人々により行われています。
他県からわざわざ草刈りに来てくださる方も。
歴史あるレースが多くの繋がりを作ってきました。

「長く続く縁を作りたい」とはあるスタッフの方の言葉です。
「たつがねMTB大会」がこれからも愛され続けますように。

(日比谷) 

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しろうお漁

このところ、寒い日と暖かい日が交互にやってきます。

上着と帽子が両方必要です。

5月上旬。
伊里前川でしろうおの漁が行われていました。
4月~6月頃に見られる春の風物詩です。

石をろうと型に組み川上の網へ魚を追い込む手法は「ザワ」と呼ばれます。
この地域、数軒の漁師の家だけに受け継がれてきました。

伊里前川は津波により大きな被害を受け、
一時はこの技術も失われそうになりました。
大勢のボランティアさんが川掃除に入ってくださったことで魚が戻り、
「ザワ」も復活できたのだそうです。

漁師さんが網の中を見せてくれました。

6センチほどの透明な魚がぴちぴち動いています。
稚魚にも見えますが立派な成体です。
1年前、この川で卵から孵化し志津川湾へ下り、
今年また卵を産みに帰ってきました。

「暖かければ洗面器1杯分くらいすぐ獲れんだげど、
 今年はまだ水が冷たくてなあ。これからだなあ。」

デリケートなしろうおは獲ったのち川端の籠に移し、
出荷のときまで同じ水の中で生かしておくそうです。
「新鮮だから踊り食いができる。
 お吸い物もうめぞ。いい出汁が出んだ。」

しろうおは今週末19日開催の伊里前しろうおまつりでいただくことができます。
「去年はお客さん3,000人来たっちゃ。
 今年は宣伝も増えてるから、きっともっと多いべさ。
 川掃除してくれたボランティアさんたちもまた来るって言うし、歓迎すっペなあ。」
ああ忙しい、と漁師さんは嬉しそうに話してくれました。

(日比谷)

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戸倉のいま(5月)vol.2

昨日に続き、戸倉のいまをご紹介します。
海沿いから眺めた波伝谷地区。ガレキはずいぶん片付きました。
しかし一方で、海にはまだ残っているようです。

高台にある戸倉神社。いざというときの避難所です。
新中芝に設置された災害廃棄物処理施設は、今年度で事業が終了予定。
施設は撤去してもとの田畑に戻す計画です。
戸倉中学校から見た景色。
国道45号線との交差点まで来ました。折立地区の水門。
元気仙沼線の線路を、BRT用道路に工事中。
最後は、交差点から津山方面を眺める景色。
この日は暖かかったこともあり、窓を開けていると海の香りが車の中に。
とても気持ちの良い、戸倉の一日でした。
(安藤) 

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