漬物お母さん!きくかさんの昔ながらのお漬物♪を大調査 おすばでジャーニー#6

平成7年からずっと、朝市に出してはすぐに完売してしまう大人気のお漬物があると聞いて調査開始!そのお漬物を作っている通称「漬物お母さん!菅原きくかさん!!」

地元では知らない人がいないほどの人気ぶり・・・ただのお漬物ではないはず!

その理由を大調査させて頂きました!!

知っているようで知らないお漬物の世界!

お漬物をイメージするとどんなものが思い浮かびますか?大根に胡瓜、カブに白菜・・・・あれ?このくらい?保存期間は?長持ちしそうなイメージですが…重要な種類(味付け)はどのくらいあるのでしょうか。

きくかさんはなぜお漬物を作ろうと思ったのでしょう。その理由をきいてみると、

「朝市に出る野菜は、時期によって何処のお店も同じような種類が重なることが多かったから、一手間かけた加工したものを出して、みんなと違う提案をしてみようと思って~!」とのこと。

そんなきっかけからこんなにも大人気の商品が誕生したんですね♪

そして作り方などの秘訣を隠すこともせず、当たり前のようにさら~っと話してくれるきくかさん☆

このとってもチャーミングなお人柄も“漬物お母さん”のファンが多い理由だなと感じました。

お漬物ってそもそもどんなもの?

お漬物とは、様々な食材を、食塩・酢・酒粕などで漬け込み保存性を高め、熟成させ風味を良くするものです。

それぞれの地方の習慣・産物・気候などによって漬け方が異なるので、種類は数えきれません。長い年月を経て、その地方独特の味を完成させたものが多いそうです。

日本の漬け物は、欧米でいうチーズのような感覚でしょうか

大きく分けて二つの種類があり、

①発酵(乳酸発酵)型タイプ
材料に含まれる糖類と、自然に付着している乳酸菌によって作られます。これによって、保存性と風味力がアップ!さらに、麹などを加えれば(発酵の中心となる)糖類を増やしたり、そこに含まれる酵素によって新たな反応を起こすという働きをみせます。香りは強いものが多く「香りの物」「お新香」と呼ばれるようになったそう!

②発酵以外型タイプ
一夜漬けなどの調味料によって味を変えて作られる。一緒に加えた食べ物の成分や風味が材料に浸透することで出来上がります!浅漬け・千枚漬け・松前漬け・砂糖漬けなどが代表的。

お漬物はビタミンの王様?!

野菜にはビタミンが豊富に含まれているものが多いですよね。

しかし、いざそれらを調理しようと思うと、煮たり焼いたりと熱を加えることで栄養成分を壊してしまったり半減させてしまうものが大半です。

その点、お漬物は一晩寝かせるだけなので多種多様な栄養素を蓄えたまま体内に取り入れることが出来ます。

ビタミンが豊富な野菜を材料とするため、「お漬物はビタミンの王様」とPRする地域も出てきたようです。

※ただし!お漬物は塩分も多く含むので、食べ過ぎ=塩分の取り過ぎには注意ですよ!

これら写真のお漬物はすべてきくかさんの手作り!!!こんなに沢山の種類があるんです!

早速、わたしも『いただきます!!!』

最初は少しずつすまして頂戴していましたが・・・

『んっっ!!!』

『幸せすぎます!!!!』

色の発色も鮮やかで、薄めの塩加減なのですが、噛みしめるとしっかり野菜本来の旨味が広がって「パリッ!フワ〜」っと香る風味がどこか懐かしく、心がほっこりしました。

きくかさんのお漬物はどれもそれぞれの個性が引き立ち、ご飯のお供にお酒のおつまみにと大活躍!ご自宅でも毎日食卓へ並ぶそうです。

産直市場へ出店される際も、常連さんから『次はこのお漬物が食べたい~!!!』とリクエストをもらって『あら、あれでね~、じゃあ作ってみるか~!』

という流れで作ってみたらまた人気商品へ・・・

『お漬物なんて簡単ですよ~!すぐ食べられるし』ってその気負わない姿がまた素敵です。

美味しいお漬物を頂戴しながらきくかさんに『実際私がお漬物を作る際、茄子の色がキレイに出なかったり、胡瓜がシャキッとならないんです』という相談をすると、下記の作り方のコツまで伝授して下さいました。

お漬物作る際のアドバイス Q&A

ここからは、覚えておくと便利な技やお家で作る際のアドバイスを聞いてみました!

Q.保存期間はどの位ですか?
A.1週間程度のもののみを作っています。ただ茄子は冷凍保存すると色も一緒に長持ちしますよ。

Q.保管はどのようにすればいいですか?常温でもOKですか?
A.やはり冷蔵庫で保管をおすすめします。

Q.胡瓜や大根を歯ごたえよく漬けられる裏技を教えて下さい。
A.辛子漬けや焼酎漬けにするといいですね。これらの漬け方だと冷凍にしてもある程度食感は残ります。

Q.ずばり!お家で作る際のポイントはありますか?
A.大根の酢漬けは一晩で漬けやすいけれど、他の野菜は中々色が持たないから冷凍にして漬けるのが一番です!一度塩漬けし→出てきた水分を捨てて、砂糖と酢を1:1で漬けるのがおすすめ!

Q.意外と時間がかかってしまいそうだけど・・・
A.「〜しながら」漬物作りを行えば大丈夫!TV見ながら揉み込んでOK・材料をまとめて袋に入れて混ぜて溶かしてOK・後は1日常温に置いて味を馴染ませれば出来上がり。

Q.常温→冷蔵庫へ入れるタイミングはいつですか?
A.お砂糖が溶けて材料が水分に浸りきった時に冷蔵庫へ入れて下さい。

そろそろお暇の時間ですが・・・

こちらのお漬物の盛り合わせ、手放したくありません!

同行して下さったカメラマンの佐藤さんと私は「おいしい!おいしい!」と試食の手が止まらず、後半は取材どころじゃなくなってしまいました・・・。

帰りには「試してみて!」とこんなに沢山もの採れたて野菜のプレゼントまで頂きました。

きくかさんのお漬物、実は仙台市内でも購入が可能です。※毎週火曜・金曜のみ、錦が丘アウトレットで販売しているそうです。

菅原きくかさん、温かい時間と貴重なお話を聞かせて頂き、本当にありがとうございました。

豆知識!お漬物のリーダー 胡瓜ってどんな効能があるの?

胡瓜はカリウムが豊富なお野菜です。カリウムはナトリウムの排出を行い利尿効果があるので、腎臓の働きを助け血圧を正常に保ったり肥満防止や疲労回復も期待できるそうです。

漬け物の中でも、ぬか漬けにすればカリウムは3倍に!乾燥と低温が苦手なきゅうり。

濡らした新聞紙で包みビニール袋へ入れて冷蔵庫保存がおすすめです。

本日の料理「胡瓜のお漬物と納豆の冷奴」

作り方

~材料(2人分)~
・納豆・・・・・・・・・1パック
・納豆のたれ・・・・・・1つ
・胡瓜のお漬物・・・1本
・豆腐・・・・・・・・・1/2丁
・お醤油・・・・・・・・お好みで

1.お豆腐を四角形にカットしてお皿へ
2.納豆を混ぜて、粘り気が出たら上に盛り付ける。(この際こぼれるように盛り付けるのがポイント)
3.胡瓜のお漬物を斜めに切り納豆の上に盛り付けます。
4.お好みでお醤油をかければ、完成です。

本日のおすばでとオススメ日本酒

胡瓜のお漬物と納豆の冷奴

綿屋 特別純米 『川口納豆』 美山錦原酒 ひやおろし

宮城県の有名納豆屋『川口納豆』。金の井酒造と同じ栗原市一迫地区にあり、今回のコラボが実現しました。川口納豆が栽培した酒米美山錦を使い醸された一本。酸度、アミノ酸度共に高めでボディがしっかりしているので冷やでよし、燗でよし、様々な温度帯で頂戴したくなります。こちらのお酒と合わせる際にはせっかくなので是非「川口納豆」をお試しください。

金の井酒造株式会社
〒987-2303 宮城県栗原市一迫川口町浦1−1
電話: 0228-54-2115
https://www.facebook.com/kanenoi/

有限会社 川口納豆
〒987-2306 宮城県栗原市一迫嶋体小原10
0228-54-2536
http://www.kawaguchi-natto.co.jp

〈12月21日放送〉みなさんぽ

「オープニングコール」は、パティスリーくりこの佐藤洋子さんから始まり、「まちのひと」はニュー泊崎荘女将の高橋あや子さんでニュー泊崎荘についてのお話です!

そして、今週のイチオシのコーナーは南三陸くりえいたーずで「南三陸フォトスマホケース」です!

オープニングコール

飛上の高橋成美/誠一(店主)さん

 

まちのひと

伊里前福幸商店街商工会事務所佐々木真一さんで伊里前商店街4周年イベントについてのお話です!

今週のイチオシ

「南三陸フォトスマホケース」です。

この商品は、南三陸町の美しい写真がデザインされたiphone用のスマホケースです。Webサイトに掲載されている写真の中からお好きなものを選んで、オーダーメイドで注文することができます。南三陸の森・里・海などの一瞬を捉えた写真の数々は、南三陸にこんな風景があったのか、と驚くようなものばかりです。写真は全て町内在住の方が撮影されたもので、随時アップされていく予定だそうです。

また、全てのデザインにアルファベットで”Minamisanriku”と書かれたロゴと、
「森・里・海・ひと いのちめぐるまち 南三陸」という町のスローガンを英訳したメッセージが組み込まれています。

写真は全部で10種類。
ケースは、手帳タイプとハードケースタイプの2種類があります。さらに、お手持ちの機種に合わせた大きさを選んでご注文いただけます。

価格は税込みで1980円から3480円です。カバーの種類や大きさによって異なりますので、Webサイトでご確認ください。
このスマホケースで、お手持ちのスマートフォンを南三陸使用にしてみてはいかがでしょうか?

お問い合わせ・ご注文:
南三陸deお買い物 http://www.odette-shop.com/shopdetail/000000000087/ct58/page1/order/
販売元:南三陸くりえいたーず

「南三陸キラキラ丼」にかけた復興への希望 / 飲食店組合長インタビュー

今や、南三陸町の顔にもなっている「南三陸キラキラ丼」。そのキラキラ丼に託す想いを、南三陸町飲食店組合組合長であり、季節料理 志のやの大将である高橋修さんにお話を伺いました。

「キラキラ丼」ってどんなもの?

キラキラ丼は三陸の新鮮な海鮮をふんだんに使ったぜいたくな丼だ。四季折々、旬の特産物を扱う。春は旬の魚貝に加え、厳しい寒さを越えて芽吹いた地元の若い若菜を彩りに添えた「春つげ丼」。夏はプリプリに肥えたうにで黄金色におおわれる「うに丼」。秋には、旬の鮭とイクラを使った「秋旨丼」。冬はオレンジ色に輝く宝石を敷き詰めたような「イクラ丼」。

丼のなかみや飾りつけのこまかい規定はないが、新鮮な魚をつかわなければ、「キラキラ丼」とは言えない。獲れたての魚をどう扱うか、店主の腕のみせどころとなっている。

四季で変わるキラキラ丼 引用:南三陸さんさん商店街ウェブサイト

2008年のディスティネーションキャンペーンから

きっかけになったのは、2008年の仙台・みやぎディスティネーションキャンペーンだった。旅行情報誌「じゃらん」から若者向けの1000円のウニ丼をつくってほしいという企画がもちあがり、6,7月で3500人~4000人の集客があったという。

そこで実際にお客様が選んだのは、1000円のうに丼よりも、うにがたっぷり入った2000円のうに丼だった。次に開催したタコ料理30種類を揃えたビュッフェスタイルの食事会でも大成功を収め、その時のJR関係者の声かけで、「タコDC号」と名付けられたお座敷列車が仙台から南三陸町まで走ることにもなった。

その後、企画したミニ丼の食べ比べも成功し、「キラキラ丼」誕生への勢いが高まって来た。そして、2009年12 月キラキラ丼がはじまり、1年と4ヶ月で約48,000食を売り上げた。それまで一日の売り上げが数千円だったという店に、何万という売り上げをもたらすこともあり、町にも活気を呼ぶことにつながった。

「キラキラ丼」にかけた復興への希望

「小さな個人の店が、大きくチェーン展開する店に負けない魅力はなんだかわかりますか?」南三陸町飲食店組合組合長であり、季節料理 志のやの大将である高橋修さんは骨太の顔を緩ませて身を乗り出した。

キラキラ丼を提供するルールとして決まっているのは、新鮮なものを使うということと値段を1500円以上に設定する、ということだ。一般の昼食と比べれば、少し割高感はあるが、食材はいいものを使っているので、キラキラ丼の原価率は40〜45%と、店にとっては大きい儲けにはならない。

では、なぜそこまでして「キラキラ丼」を売り出すのか?そこに最初の問いの答えがあった。

鮮魚は安定供給を求めるのが難しく、値段の変動も激しい。冷凍のものを使った方が問題は少ない。しかし、小さい店ではその日に入った活きのいい鮮魚で店主の趣をこらした料理を出すことができるのだ。訪問する人が、「南三陸町に来れば、まちがいなく旨いものが食べられる」という確信を持てる場にすることが、結果的にはみんなを潤すことになるという。値段を下げれば、一時的には人も増えるだろう。しかし、価格競争をしてしまえば、質を落としたもの、安価ものも使わざるを得ないことになる。

「仮設店舗はいつか出なければいけません。本設に向けて資金をつくらなければいけない。価格競争になってしまうと、結果的に自分の首をしめることになります。さんさん商店街で食事をすれば、その後、いろいろな店を見る楽しみにもつながる」と高橋氏。高橋氏が見ているものは、個人店の利益だけではない。「二次産業だけではダメ。農業や漁業、町の一次産業がうまくいかなければ、町の活性化にはなりません。『キラキラ丼』は、町の産業振興課、観光協会、商工会、三位一体となって事業をすすめています」。

南三陸さんさん商店街フードコート 引用:南三陸さんさん商店街ウェブサイト
南三陸さんさん商店街フードコート 引用:南三陸さんさん商店街ウェブサイト

「キラキラ丼」がつなぐもの

外からみると、飲食店が仲がいいのに驚かれることもあるが、「今は、一丸となって町を再興させなければいけない時です」と高橋氏。さんさん商店街の飲食店はフードコートと呼ばれる大きなテントを取り囲むように立地しており、そこで各店舗特製の「キラキラ丼」を持ち寄って食べることもできる。個々の個性を光らせるための協力体制をつくっていくというのが南三陸町での手法だ。

現地に来ないと食べられない「キラキラ丼」にはいろんな楽しみ方がある。中には、遠くから旅行で来て、「3年かかってキラキラ丼を制覇した」という人もいれば、和歌山から日帰りでキラキラ丼を食べに来る人もいるそうだ。

「店主には、『自分の店のファンをつくれ。いつか自分に帰って来る』『お客様に顔を見せろ。次の来客につながる』と言っています」と高橋氏。もうかることだけにこだわると、個人の力が低下すると考える。そして、ていねいなものづくりや人との接し方を、20代、30代の若者にも伝えていきたいという。

「キラキラ丼」には、飲食店と飲食店、飲食店と他業種、地域と訪問者、世代の違いをつなぐ想いが巡っていた。

「笑顔で感謝!南三陸 福興市in仙台」レポート~皆を笑顔に!商店主の思い~

南三陸の復興を象徴するイベント、その名も“福興市”。そこには笑顔を届けている商店主がいて、人々の“輪”を繋げています。今回はその“福興市in仙台”をレポートしました!

仙台のオフィス街に南三陸がやってきた

冬の厳しい北風が肌を打つ11月24日 木曜日の正午。メインストリートに並べられた木々が晩秋の色に染まる“杜の都”仙台。師走に向け忙しさを増すオフィス街の正面に見えてくるのは、仙台市青葉区の中心部に位置する勾当台公園 市民広場です。ここでこの日、「福興市in仙台」が行われました。

「いらっしゃいませ~! カニ汁にタコの唐揚げ、海鮮焼きそばはいかがですか~?」威勢の良い声とともに、南三陸町の商店主たちはお客さんを呼び込みます。

その声に誘われたのか、ビジネスバックを持った会社員や濃紺のコートに身をまとった奥様方が足を止めました。「タコの唐揚げ。会社に持っていくから4つ頂くよ!」 「今日は寒いからカニ汁、頂こうかしら。」

そう言って商品を提供する商店主や、商品を受け取るお客さんから笑顔がこぼれました。このイベントで南三陸町の商店主たちは、自慢の商品を片手に、訪れるお客さんを笑顔にしてしまう魔法使いになったのです!

恒例のもちまきで盛り上がる会場
恒例のもちまきで盛り上がる会場

商店主が打ち明ける笑顔の理由

今でこそ賑やかさを取り戻しつつある福興市ですが、それに至るまでには商店主の様々な思いがありました。

「あんな津波が来て町が無くなってさ。おら達、本当に商売できっかなぁって、はじめは不安だったよ。」言葉を選びながら話すのは、松野 三枝子さんです。震災当時、大きな病を患い、公立志津川病院に入院していた松野さんは、その後、奇跡的に病状が回復し2014年の冬に「農漁家レストラン 松野や」をオープンさせました。オープンに踏み切った理由は、助かった命を使って町を元気にしたいという思いからだったそうです。「病気が良くなってからは皆に感謝だよね。自分の体が元気になった後は町を元気にしたいっちゃ!」そう話す松野さんの表情は空にも負けず快晴です。

忙しそうに働く松野三枝子さん
忙しそうに働く松野三枝子さん

「困ったときは助けを呼ぶの。全国の商店主にね。」笑顔がひと際目立つ話しぶりは、「株式会社 ヤマウチ」の社長 山内正文さんです。この福興市の実行委員長でもあります。「震災後、福興市を開催することを決断した。開催するにあたって全国の商店主に支えてもらったよ!」山内さんはあの日、自宅・店・工場すべてを失いました。建物も無ければ売るものもない中で、ぼうさい朝市ネットワークの支援により、震災からわずか1ヶ月で福興市を開催したエピソードは、今でも“日頃からのつながりの大切さ“を象徴するものとして語られています。

話を伺ううちに、南三陸町の商店主たちは、困難を乗り越えてきたからこそ、伝えたい思いがあってこの場所に立っているのだと実感しました。「だから“笑顔”が生まれるんだ!」と。

お客様が笑顔になるヒミツ

「なんで人はこんなにも笑顔になれるのだろう?」私の疑問は解消されました。南三陸町にはお客さんを惹きつける個性をもった人々が沢山いたのです。その人々が福興市に集結するのだから、盛り上がることは間違いありません。

「俺なんか皆と会わなきゃ泣いちゃうよ。寂しくてしょうがないから。」こう語るのは、まん丸眼鏡がトレードマークの藤島 博之さんです。伺ったところ、この日は病み上がりの復帰戦だったそうです。福興市でもひときわ大きな声で、お客さんやボランティアさんを巻き込む姿はもはや名物になっています。闘病中、馴染みのお客さんと会えなかったのがよほど寂しかったのでしょう。普段は店舗を持たない人でも、お客さんと直に触れ合える福興市は、出店者にとっても元気の源です。お休み中の分を埋め合わせるかのように、元気たっぷりに接客する藤島さん。「南三陸町は人も温かくて良い所。もちろん俺を中心にね!」私はどうやら、海鮮焼きそばよりも味わい深い人物を見つけたようです。

いつも元気いっぱいの藤島博之さん
いつも元気いっぱいの藤島博之さん

反対側のテントに目を移すと見えてきたのは透明な長方形に茶色のマントをまとった1本の串。味噌田楽です!

その田楽を1本1本丁寧に提供していたのは、高橋 長泰さんです。南三陸町で大正7年から続く老舗「高長醸造元」の3代目として伝統の味を受け継いでいます。「お客さんに喜んでもらうにはどうやったら良いのか?日々、醤油や味噌づくりをしている間に真剣に考えているよ。」こう丁寧に語り掛ける高橋さんが丹精込めて製造する自家製味噌は町内外から注文が集まります。私はその味噌がふんだんに使われている田楽がとても大好きです。

一本一本丁寧に味噌田楽を提供する高橋長泰さん
一本一本丁寧に味噌田楽を提供する高橋長泰さん

若い“ちから”大活躍!

素敵な話を伺い、美味しいグルメも満喫した後、私は身も心も満足し帰路に就こうとしました。その矢先、白地のジャンパーを着た方に1枚のチラシを渡されました。“LINEで商品販路を拡大”。私は、「南三陸町でこんなにも先進的な取り組みを?」と興味を持ちました。なんと!仙台に住む学生の取り組みだそうです。

仙台の強力な助っ人、宮城大学の学生の皆さん
仙台の強力な助っ人、宮城大学の学生の皆さん

山内鮮魚店x宮城大学 販路開拓プロジェクト

ここで出会ったのは宮城大学 事業計画学科の皆さん。奇しくも私と同級生でした。

「福興市のこと、今回参加するまで知りませんでした。でもこんなにも人の温かさに触れたのは初めてで。」穏やかに話しかけてくれたのは事業計画学科3年の今田 あずささんです。目を細めながら時折見せる笑顔がとても印象的です。彼女にとってこの“福興市”は新鮮な場所だったのでしょう。同3年の瀧澤 亮斗さんは、「私は県外出身で、地元は震災の記憶が時間と共に薄れてきている。震災であった出来事を忘れずに発信していきたい。」と語りました。力強く述べられた彼の思いに、私は吸い込まれました。「仙台にも強力な助っ人がいたのだ!」と心強く感じました。

:LINEアカウントを広めるためのチラシ
LINEアカウントを広めるためのチラシ

“笑顔”でお待ちしています!

「笑う門には福来る」という言葉がありますが、この言葉はまさに今回、仙台市で開催された“福興市”の様子を体現している言葉だと感じました。その場にいた人々が“笑顔”で満たされる時間を、南三陸町の商店主が各店自慢の商品と共に提供しているのです。まさに、そこに福が訪れているように感じました。

一時は津波ですべてを失った商店主たちでしたが、商店主同士の“繋がり”が“福興市”の開催を可能にしました。さらにそこから南三陸町の商店主とイベントを訪れたお客さんの間での“繋がり”が生まれました。その“繋がり”こそが、今の南三陸の活力となっているのだと、私は確信しました。そして、今回の福興市全体を通し、南三陸町は改めて私の大切なふるさとであると実感させられました。

今日も多くの魅力を発信し続けている南三陸町。

多くの笑顔が、南三陸町を訪れる皆さんを心待ちにしています!

観光協会の皆さんも笑顔でお待ちしています
観光協会の皆さんも笑顔でお待ちしています

南三陸ねぎって知っていますか!?長ネギの美味しさに迫る! おすばでジャーニー#4

ミス日本酒宮城の池田かほりです!突然ですが、南三陸ねぎって聞いたことありますか?

南三陸町では「南三陸ねぎ」として、長ネギの産地化に取り組んでいます。さらに、南三陸町では、生ゴミから液肥(液体肥料)を作る取り組みをしています。今回はその液肥を使って栽培された長ネギの秘密を探っちゃいます!

復旧農地に広がる「南三陸ねぎ」

お味噌汁の具材に、牛丼やラーメンの薬味に…と一年を通して活躍する長ネギ。

実は南三陸・気仙沼地域では、震災後復旧した農地を中心に、新たな作物として栽培が始まっています。復旧され広くなった土地に青々としたねぎ畑が広がる姿は、農業の復興の象徴とも言えます。南三陸町でも、飲食店などで「南三陸ねぎ」ののぼりを見かけることも多くなりました。

液肥ってなに・・・?

また、南三陸町では、資源循環型のまちづくりへの取り組みとして、家庭やお店から出た生ごみをメタン発酵させて、液肥(液体肥料)を作る取り組みをしています。

南三陸町ではこの液肥を、田んぼや畑の土を豊かにする肥料として活用しています。

液肥を作っている南三陸BIO
液肥を作っている南三陸BIO

液肥で栽培された長ネギ!

その液肥を使って、長ネギを栽培している農家さんがいらっしゃると聞いて、伺ってきました!
説明していただいたのは、専業農家の阿部勝善さんです。
とてもチャーミングな笑顔の阿部さん♪取材中、私もそんな阿部さんの笑顔につられて笑いっぱなしでした。

笑顔がチャーミングな阿部さん

こちらがその長ネギです。液肥と有機肥料のみを使っているので、すごく甘いそうです。
この液肥ネギは、作り始めてからこれまでネギ特有の軟腐病(葉や根が腐敗する病気)にかかったものが一本もないそうです。すごい!液肥のおかげかは分からないそうですが、丈夫なんですね〜♪

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帆立貝の殻から作ったホワイトミネラル♪

液肥とともに与えている有機肥料は、ホワイトミネラルといって、ネギの赤さびを防ぐことが出来るそうです。このホワイトミネラル・・・正体は「帆立貝」を粉末にしたものだそうです。さらに驚くのがこんなに自然豊かな場所で育っているにも関わらず消毒は一度きり。しかも殺虫はしていないそうです。その証拠に、取材中多くの赤とんぼがネギに止まっていました。

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そしてこんなにぴん!とまっすぐに育っている生き生きとしたネギが美味しそうで美味しそうで・・・じっと見ていたら・・・

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その場で抜いていただき、思わず・・・
香りもテイスティング♪

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今年もAランクレベルのネギが豊作だそうです。毎年、多目に出荷するのですが、大好評のためすぐさま完売となってしまうそうです。

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良し!今日の夕飯は、ネギを使ったおすばでに決定!!!
メニューはなにがいいかなと、イメージしながら阿部さんにオススメのネギ料理を聞くと「甘いからね~やっぱり素焼きが一番いいべ!」との事でした。

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宮城県南三陸町へ行かれる際はぜひ長ネギを手に入れて、素焼きでワイルドに召し上がってみて下さい♪お忙しい中、取材の協力を頂きました阿部さん!貴重なお話をありがとうございました。

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『長ネギあげっからぁ~!!』と頂きましたので、今回はこの採れたての長ネギでおすばでを作りたいと思います。
今回は、阿部さんが一番おすすめする食べ方『素焼き』をアレンジしてお家でも簡単に作れる栄養満点のおすばでをご紹介します。みなさんも是非作ってみてください!

本日の料理「栄養満点!豚巻きねぎ」

作り方

~材料(2人分)~
・長ねぎ・・・・・1本
・豚肉薄切り・・・・4枚
・しその葉・・・・・1袋(8枚くらい)
・塩・・・・・・・・少々
・コショウ・・・・・少々

1.豚肉薄切りを2つに切り分ける
2.長ねぎを豚肉の幅に合わせて切ります。
3.豚肉の上にしその葉をのせ、長ねぎを芯にしてくるくる巻きます。
4.フライパンで焼きます。
※今回は七輪を使ったため、網焼きの跡がついてます。
5.塩コショウで味をととのえたら完成です。

本日のおすばでとオススメ日本酒

栄養満点!豚巻きねぎ

栄養満点で甘~い長ねぎを豚肉で巻きました!

勝山酒造 特別純米 縁

現存する唯一の伊達家御用蔵である勝山酒造が醸す酒。宮城県を代表する食用米「ひとめぼれ」を55%まで精米し、絞りも袋という手間がかかった特別純米酒。
長ねぎの甘さを引き立て、豚肉の旨味を増してくれる…まさに「”縁”の下の力持ち」的役割を果たす一本です。
蔵元:仙台伊澤家 勝山酒造株式会社 勝山酒造 特別純米 縁

ぷち勉強!ねぎって身体にどんな効果があるの?

ねぎには、肌荒れやストレスから守ってくれるビタミンCや、骨を作るのに必要なミネラルが豊富に含まれています。さらに、皮膚や目をすこやかに保ち、ガンの抑制作用も期待される、βカロチンも含まれています。これだけでも栄養満点ですよね。さらに妊娠の際に必要とされる葉酸も豊富に含まれています。これはビタミンB群のひとつで、赤ちゃんの神経や脳を育てるのに重要な役割を果たし、細胞分裂が活発な赤ちゃんにはとても大事な栄養素なんです。

『今回の食べ合わせポイントは』

ねぎ × 紫蘇・豚肉 = 老化の防止/疲労回復

昔からねぎには「熱が下がる・風邪が治る」と言われています。これは、身体を温める効果があり、冷え性や風邪の対策となるからです。もし玉ねぎがお家にあれば、長ねぎ×玉ねぎのねぎねぎコンビでお味噌汁にすれば、血液をサラサラにする効果も期待できます!お疲れの日には試してみてくださいね♪

〈12月14日放送〉みなさんぽ

「オープニングコール」は、雄新堂の阿部雄一さんから始まり、「まちのひと」はネイチャーセンター準備室の阿部拓三さんでラムサール条約シンポジウムについてのお話です!

そして、今週のイチオシのコーナーは奏海の杜「まねきねこカレンダー」です!

オープニングコール

雄新堂の阿部雄一さん

 

まちのひと

ネイチャーセンター準備室の阿部拓三さんでラムサール条約シンポジウムについてのお話です!

 

今週のイチオシ

NPO法人奏美の杜の「まねきねこカレンダー」です。

NPO法人奏美の森は、南三陸町で障害児福祉に取り組んでいる団体です。南三陸町入谷地区と登米市地区で「子ども広場 にこま~る」という、障害をもった子どもたちの放課後デイサービスを運営しています。

この「まねきねこカレンダー」には、「にこま~る」に通っている子どもたちが、「まねき猫」をテーマに描いたイラストが収められています。まねき猫の背景に使われている模様は、関西の社会福祉法人「ぷくぷくの会」のアート作品が使われていて、関西と東北のコラボレーション作品となっています。のびのびとしたタッチにカラフルな色使いで、暦をめくるたびに笑顔がこぼれます。

値段は税込み1000円です。このカレンダーの収益は、のの活動費に充てられます。
お買い求めは、南三陸町観光協会「みなみな屋」、「子ども広場 にこま~る」の他、
電話、メールでも注文を受け付けています。

2017年は、縁起が良くてユニークな、まねき猫カレンダーを飾ってみませんか?

お問い合わせ・ご注文
NPO法人の TEL/FAX 0226-28-9071
MAIL hisaitikouen@yahoo.co.jp
子ども広場にこまーる(月~金 9:00~17:00)
宮城県本吉郡南三陸町入谷字鏡石4-1

子どもと一緒に楽しめる南三陸のおすすめスポット!!

今回は、ママライターであり住民の私が、南三陸町で子どもと一緒に楽しめるおすすめの観光スポットをご紹介させていただきます!美味しい空気を吸って豊かな自然にぜひ触れて都会では味わうことのできない田舎ならではの良さを感じてほしいと思います。

おすすめスポット

東山公園の桜

南三陸の桜の名所

南三陸町の志津川地区にある東山公園の桜はもちろん昼間もとっても綺麗なのですが、ぜひ見てほしいのは夜です。東山公園に桜の他に提灯と満開に咲き誇る桜のコラボレーションは本当に綺麗なのです。

近くから見るのも良いですし、道路から見える提灯の明るさと桜はどことなく癒しと桜の花びらが舞う散る様子が切なさを感じさせてくれます。

神割崎

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クジラの取り合いで村に争いがおこり、神様が岬を二つに割ったと言い伝えられている岩の間から2月と10月だけ朝日が見えます。

長須賀海水浴場

子どもと一緒に楽しめる南三陸のおすすめスポット!!

やはり南三陸といえば海!!

透明度も高く、歌津地区にある長須賀海水浴場は唯一天然の砂浜でプライベートビーチのようです。海水浴だけではなく散歩や朝は漁師さんの活気あふれる働く姿や場所によって日の出や夕日が沈む絶景も見ることができます。

泊浜のひまわり畑

子どもと一緒に楽しめる南三陸のおすすめスポット!!

長須賀の海水浴場の避難場所になっている高台には、夏になるとひまわりが咲き誇ります。ひまわりと海のコントラストは絶景です!!

せせらぎ水土里公園

子どもと一緒に楽しめる南三陸のおすすめスポット!!

海以外にも南三陸町の入谷地区にあるせせらぎ水土里公園は川の水もとても綺麗で、夏の風流を感じることができます。水深も浅めなので、子どもたちも安心して川遊びを楽しめ、川に住む生物の観察もできます。

一億年の旅

子どもと一緒に楽しめる南三陸のおすすめスポット!!

志津川を起点に上記でご紹介させていただいたスポットを巡ると、同時に実は1億年の旅をしたことになるのです!!

どういう事かといいますと、志津川地区で見える岩盤ができた年代は約1億5000万年前のジュラ紀、戸倉地区、歌津地区の岩盤は三畳紀とペルム紀で約2億5000万年前以上にできたもので、行く先々で見られる岩盤に触れることで、1億年以上の時間の旅をしたことになります。至る所に化石が落ちているのでぜひ拾ってみましょう。

2016年に県の石に選定された有名な世界最古級の魚竜化石『ウタツサウルス』が発見されたままの状態で舘崎の海岸で見学できます。

〈12月7日放送〉みなさんぽ

「オープニングコール」は、飛上の高橋成美/誠一(店主)さんから始まり、「まちのひと」は伊里前福幸商店街商工会事務所佐々木真一さんで伊里前商店街4周年イベントについてのお話です!

そして、今週のイチオシのコーナーは志津川高校生企画「さんさん商店街ありがとうパック」です!

オープニングコール

飛上の高橋成美/誠一(店主)さん

まちのひと

伊里前福幸商店街商工会事務所佐々木真一さんで伊里前商店街4周年イベントについてのお話です!

今週のイチオシ

南三陸町にある志津川高校の高校生たちが企画した商品「さんさん商店街ありがとうパック」です。

南三陸町にあるさんさん商店街は、今年の年末で一旦クローズし、本設に移るための準備が始まります。これは町の復興が大きく前進するという事で喜ばしい反面、震災後に慣れ親しんだ現在のさんさん商店街がなくなってしまうのは、寂しい気持ちにもなります。そんな時、志津川高校に通う一人の高校生から、「電子商取引の授業で、さんさん商店街で販売されている南三陸町の特産品をネットで販売してはどうか・・・。」というアイデアが出ました。そこで、高校生たちが、商店街でどんな商品が売れているのか調査したり、アンケートを実施したりして、厳選した商品を詰め合わせにしたのが、この「さんさん商店街ありがとうパック」です。

パックの内容は、南三陸おふくろの味研究会「タコのアヒージョ」や「モアイ」など8商品です。
価格は税込み3300円の送料別となっています。また付録として、高校生たちが作成した冊子「震災5年をむかえるにあたって、思うこと」も同梱されています。
ネットショップ「南三陸お買い物」からご購入いただけます。ご購入の最終受付は12月14日です。

商品ページには、高校生たち一人ひとりのおすすめコメントと写真が添えられています。フレッシュな笑顔とコメントは必見ですよ!ぜひ、南三陸のおいしさに触れながら、南三陸町の「今」も感じてみてください!

商品ページ:南三陸deお買い物

2016年12月07日/定点観測

南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。

写真をクリックまたはタップすると大きくなります

戸倉地区

撮影場所 [38°38’41” N 141°26’13” E

2016年12月07日/戸倉地区

志津川地区

撮影場所 [38°41’12” N 141°26’34” E

2016年12月07日/志津川地区

歌津地区

撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E

2016年12月07日/歌津地区

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