H28年度 南三陸町成人式レポート~再生と復興 夢語る新成人~

東日本大震災から間もなく6年を迎える南三陸町。そこでは、今年も晴れの日を迎えた新成人がいます!彼らには将来のふるさとに対する夢や希望が多くあります。今回は、成人式の様子と新成人が述べた誓いをレポートします。

晴れの日を迎えた南三陸町

平成29年1月8日。温かな太陽が南三陸町の海を明るく照らします!

南三陸町総合体育館でこの日、平成28年度成人式が開催されました。今年度、晴れて新成人となったのは184名。男性が107名。女性が77名。それぞれの成人式を迎えました。

式では、南三陸町民憲章の唱和や、町職員でもある浅野祐介くんによる新成人の誓いが行われました。また今回の式の記念トークとして、BuzzFeed Japanの創刊編集長である古田大輔さんから、「これだけ覚えておけば人生なんとかなる たったひとつのこと5選」という演題のもと、新成人へのアドバイスが送られました。

それぞれの期待を胸に迎えた新成人184名。その中から南三陸町内にある志津川、歌津、戸倉、入谷の4地区から将来に向けての夢を語ってくれた新成人の声をお届けします!

新成人それぞれの誓い

歌津地区 新成人

南三陸町を代表する田束山の麓に位置する歌津地区。元々は歌津町でしたが、平成17年の市町村合併によって、志津川、戸倉、入谷の3地区がある志津川町と合併し現在の南三陸町が誕生しました。そんな歌津地区からは、凛々しく力強い2名の新成人がインタビューに答えてくれました。

南三陸町の復興に熱い思いを語ってくれたのは、印刷関係の会社に勤務する三浦耕治郎くん。彼の周りには自然に仲間が集まってきます。成人式後に開催された同級会を盛り上げるのも彼の仕事。三浦くんは「皆が集まる機会が今後も欲しい! 仲間同士で語り合うことが町の将来を考える事になる」と志高く語ってくれました。

皆と共に歩んでいきたい! 前向きに語ってくれた三浦耕治郎くん

もう1人、同級会の席を盛り上げるムードメーカーがいました。現在、宮城教育大学に在学している大坂凌平くん。彼は私の大学の後輩です。「将来を担う子どもたちには様々な経験を積んでほしい。そのような指導をして、これからの震災復興を担う子どもたちを育んでいきたい」彼は、教員となり、未来の子どもたちに東日本大震災からの復興を託していきたいと語っていました。この言葉には彼自身の強い思いと未来への希望がうかがえます。

教員となり子どもたちを育んでいきたい。子どもたちと寄り添う夢を語った大坂凌平くん

入谷地区 新成人

南三陸町の中でも特に歴史が深い入谷地区。仙台藩が生み出した技術産業である養蚕加工が始まったのもこの地区からです。そんな入谷地区を代表して須藤奈央さんにお話を聞きました。

「本当に楽しい時間で懐かしさも感じます!」同級生と再会する時間を感慨深そうに話してくれた須藤さん。彼女は現在、隣町にある葬儀社に勤務しています。彼女は将来を見据えてこのように語りました。

「いずれは地元で働きたい。今の仕事で必要なことは“思いやり”。今後もその気持ちを大切にしていきたい」

彼女が持つ思いやり。震災後は私たちの元にも全国各地から温かな“思いやり”が届けられました。須藤さんもまた、届けられた分の恩返しとして“思いやり”を多くの人々に届けていくことでしょう。

入谷地区で新成人を迎えた皆さん。前列左から3人目が須藤奈央さん

戸倉地区

南三陸町随一の熱き魂を持つ漁師たちがいる戸倉地区。この地区にある名勝地の神割崎は、絶景の日の出スポットとして観光客が多く集まります。この地区で特に印象的だった新成人1人のインタビューを紹介します。

「将来は消防士になって町の安全を支えたい!」そう宣言した熱き男は三浦貴裕くん。彼は現在、東北福祉大学に在学し“救急医学”を特に学んでいるといいます。彼の学びのきっかけとなったのもあの大震災でした。「同級生の死をただの犠牲にせず、将来の命を守っていくことが自分の役目」心打たれるメッセージです。

中央が三浦貴裕くん。戸倉地区の同級生とともに

彼らの成長を傍で見守ってきた菊田浩文先生(現 志津川中学校・主幹教諭)は皆にこう語りかけました。

「あの震災があったから今の君たちがあります」菊田先生は新成人を前にして、改めて東日本大震災の経験を伝えました。三浦くんもまた、東日本大震災で生かされた1人として前を向いて進んでいます。

皆で将来を創っていってほしい。新成人に語り掛けた菊田浩文先生

志津川地区

東の志津川、西の明石と言われるほどタコが代表的な魚介類である志津川地区。この地区からは、人に寄り添いながら自らの将来を見据えようとしている新成人を紹介します。

「この記念すべき日を迎えてまずは両親にありがとう!と伝えたい」素直にこう話すのは佐藤紗加さん。佐藤さんは、この春に現在通っている気仙沼の准看護学校を卒業し、介護関係の仕事に就くことが決まっています。そんな紗加さんには同級生だけではなく、さらに力強い応援団がいます。それは、紗加さんの周りを囲む家族です。「これからも宜しくお願いします」式に参加する前、彼女は思いの丈を家族に伝えました。その思いが届いたのか、紗加さんが家族と共にした写真は、明るさを取り戻す南三陸町が想像できる1枚となりました。

みんなありがとう。感謝を胸に式へ臨んだ佐藤紗加さん

むすびに

今回の成人式では新成人それぞれが将来の抱負を述べてくれました。今後も復興へ向けてさらに加速する南三陸町。

“若いちから”が今後の町を再生し、支え続けていくことでしょう。

〈1月18日放送〉みなさんぽ

「オープニングコール」はくう海の菅原国彦さんから始まり、「まちのひと」は南三陸ホテル観洋で伊藤俊さんで南三陸ホテル観洋についてのお話です!

そして、今週のイチオシのコーナーは石泉みそ工房の味噌です!

オープニングコール

くう海の菅原国彦さん

 

まちのひと

南三陸ホテル観洋で伊藤俊さんで南三陸ホテル観洋についてのお話です!

 

今週のイチオシ

毎日の食卓に欠かせない調味料、ふれあい味噌工房の「手作りかあちゃん麹味噌」です。

海だけではなく里山資源も豊かで、米や大豆などの栽培も盛んな南三陸町。昔からそれぞれの家庭で、味噌を仕込み、家庭の味を大切に守ってきました。そんな家庭の味噌を楽しめるのがこの商品。宮城県産のミヤギシロメ大豆と原料米を1:1の割合で作った味噌ならではの、やさしい甘みとまろやかな味わいが特徴です。アミノ酸などの添加物も不使用なので、素材そのものの味わいを楽しめます。甘みがやや強く、大豆と麹の粒感がしっかりと残った味噌は、まさしく、かあちゃんの手作りの味。味噌汁にして飲めば、味わい深く、どこか懐かしい味を感じることでしょう。

「一度食べたら手作りならではの味わい深さのとりこになる」と言われ地元客にも観光客にも人気のある自信作です。お値段は1キロ680円です。南三陸直売所・みなさん館、気仙沼市の直売所・でも販売中です。ぜひ、南三陸のお母さんたちの手作りの味をお楽しみください!

お問い合わせ 080-1801-4530(ふれあい味噌工房・小野さん)

2017年01月18日/定点観測

南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。

写真をクリックまたはタップすると大きくなります

戸倉地区

撮影場所 [38°38’41” N 141°26’13” E

2017年01月18日/戸倉地区

志津川地区

撮影場所 [38°41’12” N 141°26’34” E

2017年01月18日/志津川地区

歌津地区

撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E

2017年01月18日/歌津地区

他の定点観測を見る

エネルギーを自給して災害に強いまちに!南三陸町の描く未来とは?

以前この記事でお伝えした南三陸町のバイオマス産業都市構想。今回は、南三陸町企画課・課長補佐の千葉啓さんにこのバイオマス産業都市構想の背景や、目指すべき方向性について伺いました。

バイオマスで災害に強いまちづくり

「まずこの都市構想で目指しているのが”人と環境にやさしく、災害に強いまちをつくっていく”ということです」

先の東日本大震災による津波によって、電気・ガス、上下水道などのライフラインはほとんど寸断されてしまった南三陸町。そのことによって厳しい寒さにさらされ、暖をとることも困難となり、生命活動に大きな影響を及ぼしたことは言うまでもありません。

「森里海と資源に囲まれているこの町では、本来、食料も水もエネルギーも豊富にあるはずでした。しかし、有事の際にそれらは非常に手に入りにくく、とくに外部に依存していた電気やガスの入手は困難なものとなってしまいました」

その反省もふまえ、当時町が策定した震災復興計画で第一の柱として掲げている「安心して暮らし続けられるまちづくり」を具現化するために、公共施設などへの太陽光発電パネルの設置と併せ、バイオガスや木質ペレットなどバイオマスエネルギーによる自立分散型のエネルギー源を確保していくことを目標としました。

「災害発生時には、貯蔵していたバイオガスを使い、数日間は発電をすることが可能になります。バイオガス施設を避難先とすることで、避難時の照明や暖房、通信機器の充電などに充てることができるようになります」

さらに、バイオガスだけでなく木質ペレットを備蓄・活用をすすめることも災害への対策になっているという。「避難拠点施設に木質ペレットボイラーを設置していくことで、暖房や給湯などを賄うことができるようになります。ペレットは煮炊きの燃料としても使用可能なため災害対策に有効」と話します。

そして、今年度から施行された町の第2次総合計画では、災害に強いだけでなく、より持続可能な社会づくりを目標と定めました。

「南三陸町の豊かな自然環境を生かし、資源循環型社会の形成を目的とした『森 里 海 ひと いのちめぐるまち 南三陸』を将来像とした、創造的復興及び持続可能な地域社会の実現を目指していきます」

世界が認めた南三陸の自然環境

「南三陸町はFSC認証とASC認証、2つの認証を通して国際的に評価を受けています。さらに、現在はラムサール条約登録に向けての動きを見せるなど、バイオマス産業都市への動きのなかで、町の一次産品がより一層ブランド化されていくことが期待されます」

志津川地区のグランドデザインを担った隈研吾氏は、新国立競技場を設計することになりました。「木材を活かしたデザインが特徴の新国立競技場において、当町のFSC認証の木材を使っていただける可能性は多いにあります。そのようなことを通じて南三陸を全国に発信していければと思っています」

廃棄物の処理に課題も

一方、今後に向けて課題も残っています。それは廃棄物処理を町外に依存していることです。

「現在町内には、ごみ焼却施設がなく、焼却は隣接する気仙沼市に焼却を依存している状況です。さらに、焼却灰は町内の仮置き場で一時保管している状態が続いており、対策が必要になってきます。また、し尿・合併浄化槽汚泥を処理する衛生センターは老朽化が進んでおり、復興の過程において、ごみの原料やリサイクルの促進などを、町内施設でやりくりできるようにしなければなりません。町の課題として向き合っていきたいです」と話します。

雇用創出などの地域への波及効果

こうした課題を抱えながらも、バイオマス産業都市構想は大きな可能性をもっています。

「これを実現していくうえで目指しているのは、”誇りをもって働き、笑顔で住み続けられるまちづくり”ということです。そのために、”災害に強い町”であり、”一次産品のブランディング”といったことがあるのです」

今後10年間、関連事業で40〜50人ほどの雇用創出を見込んでいるといいます。さらに、こうした循環型の町に魅了された移住者の獲得などの可能性も高まります。

「生ごみの分別回収を開始してから1年が経ちました。多くの町民のみなさんのご協力には感謝しかありません。しかし生ごみの回収率は、水産加工業などの産業での収集が本格的にできていないなど当初の計画ほどよくありません。副産物の液肥の利用も100%とまではいかないのが現状です。まだまだこのバイオマス産業都市構想は始まったばかり。官民連携して、この取り組みを続けていきたいと思います」

豊富な資源を活かしたバイオマスエネルギーでの自給、そして町の中核を担う一次産業のブランド化。それを実現していくことで、雇用が生まれ、誇りが芽生えます。それは東日本大震災からの教訓をしっかりと活かし、未来の世代の”安心“へとつながることでもあるのです。

 

〈1月11日放送〉みなさんぽ

「オープニングコール」はYES工房の大森さんから始まり、「まちのひと」は平成の森の登嶋さんで平成の森のお話です!

そして、今週のイチオシのコーナーはYES工房「合格祈願ステーショナリーセット」です!

オープニングコール

YES工房の大森さん

 

まちのひと

平成の森の登嶋さんで平成の森のお話です!

 

今週のイチオシ

受験生への贈り物にぴったりの「オクトパス君合格祈願ステーショナリーセット」です。

オクトパス君は、言わずと知れた南三陸町のキャラクター。「置くとパス」する合格祈願の縁起ものとしても人気です。そんなオクトパス君がプリントされた、文具の5点セットがこちらです。ペントレー、鉛筆、消しゴム、ものさし、そして絵馬型のストラップがセットになっています。鉛筆は「合格」とかけて五角形。ゲン担ぎもばっちりです。実際に受験生のみなさんが受験などで使用するもので応援したい!との想いから誕生した「オクトパス君合格祈願ステーショナリーセット」にはそれぞれ、南三陸の木材が使用されています。温もりを感じる文具を試験のときに使えばリラックスして臨めそうですね。

価格は税込み1500円です。入谷YES工房での直販他、ネットショップからも購入可能です。

いよいよ受験シーズン本番です!ここまでがんばったらあとはゲン担ぎ!オクトパス君に応援の気持ちを込めて、プレゼントしてみてはいかがでしょうか?

ネットショップ

「元気と笑顔と美しさのお手伝い」をこれからも。/佐藤由紀さん

南三陸に生きる⼈を巡り、⼀巡りしていく連載企画「南三陸ひとめぐり」。第8弾は、南三陸で唯一の美容品店「おしゃれ空間Lips」を営む佐藤由紀さん。さんさん商店街の移転という転機の今、その想いに迫ります。

地元に愛される美容品店で働いた26年間

2012年2月。大粒の雪が舞う中、震災の傷跡癒えぬ志津川地区に「さんさん商店街」が誕生した。佐藤由紀さんもその商店街で大きな一歩を踏み出した一人だ。

佐藤さんは地元南三陸の高校を卒業後、憧れでもあった美容品店で働き始めた。以来26年間、地元のお客さまに愛されながら、販売員として働いていた。

しかし、「好きなことを仕事にできていた」という日常は一瞬で崩れていった。東日本大震災による津波でお店は流出。途方にくれる間も無く、怒涛の日々がはじまった。

せわしない日々のなかで聞こえてきたのは、かつて常連だったお客さまの「お店、あなたがやったらいいじゃない」という声。

「経営の知識もない自分ができるわけないって思っていました。それでも、町から化粧品屋さんもなくなって、みんな買う場所もなくて大変だなって思いはあったんです」

「元気と笑顔と美しさのお手伝い」をこれからも。/佐藤由紀さん
引用:南三陸さんさん商店街ウェブサイト

「おしゃれ空間 Lips」の誕生

周りの人の後押しもあり、商店街への参加を決意した。「自分にできることはなにか」を考え抜いた末の結論だった。

「当時は落ち着いて座っておしゃべりできる場所もなかった。化粧品を売るだけのお店じゃなくて、お茶っこしながらリラックスできるような場所にしたかった」

震災によってお店を続けることができなかった店主の想いも引き継ぎ、震災後では町内で唯一となる美容品店「おしゃれ空間 Lips」が誕生した。

震災後、お客さま同士がこのお店でしばらくぶりに再会したということも多かったという。

「若い人はもちろん、80歳になっても、90歳になってもおしゃれしたいって思うんですよね。自分のことを必要としてくれたり、『ここに来ると癒される』という言葉を聞くとお店を始めてよかったなって思います」

佐藤さんのお店が支持される秘訣は、佐藤さんの確かな実力にもある。全国の化粧品のプロが、そのメークテクニックを競うコンテスト「NCCコスメティック甲子園 2016」にて東北エリア予選を勝ち抜き、全国大会に出場。そのプロの技で南三陸の女性に、お化粧という魔法をかけてきた。

「元気と笑顔と美しさのお手伝い」をこれからも。/佐藤由紀さん
東北エリアの代表はわずか2名。確かな技術が認められた瞬間だ(写真提供:佐藤由紀さん)

さんさん商店街の移転…迫られた選択

無我夢中で駆け抜けてきた5年間。佐藤さんは2016年に、大きな選択を迫られることになった。それは仮設のさんさん商店街の移転。本設となる商店街へ参加するかどうか。心は揺らいでいた。経営的に決して潤沢というわけではない。商いの難しさを痛感した5年間でもあった。

「自信なんかまったくもてなくて、もうずっと迷っていました。本設の商店街に出店するか、辞めるかの二択。不安なことばかりが頭をよぎっていました」

そんななか思い出していたのは、5年間で来てくれたお客さま一人一人の表情だった。「次はどうするの?」って心配して声をかけてくれる常連さんもたくさんいた。

「お化粧をしてあげると、表情がぱっと明るくなって喜んで帰っていくようすが大好きで。結婚式や成人式、人生の節目の大事なイベントでお化粧を任せてもらえたり。そういう夢のある仕事をできることは幸せなんだなって」

そんなことを考えながら、佐藤さんの心には「辞めたくない」という思いが強くなっていった。

「元気と笑顔と美しさのお手伝い」

店を始めるときに考え抜いたコンセプトは、5年経った今も色褪せることはない。そのことに気づいたとき、彼女のなかで辞めるという選択はなくなっていた。

フェイシャルエステも利用可能な充実の設備

新しい南三陸でこれからも

本設となる「さんさん商店街」は、2017年3月3日オープン予定。そこには「おしゃれ空間 Lips」の名前も入っている。

進むか、退くか。右か、左か。人生は選択の連続だ。どの道を進もうとも不安は尽きることがない。それでも誠実に、目の前のことをひとつずつひとつずつ、ていねいにこなしていくことで、道は作られていく。そんなことを佐藤さんは教えてくれているようだ。

今はまだ復興途上の南三陸町。「新しい商店街ができて、町がひとつずつできていくなかで、この町にお化粧して出かけていくような場所が増えたらいいな」と佐藤さんは話す。

佐藤さんが描く未来が実現したとき、この町は今以上に、笑顔にあふれ、活気のある町となっている。そのことを願わずにはいられない。

「元気と笑顔と美しさのお手伝い」をこれからも。/佐藤由紀さん
写真提供:隈研吾事務所

インフォメーション

おしゃれ空間 Lips
営業時間    10:00-19:00
定休日       不定休
電話番号    0226-29-6627
メール       nptrg560@ybb.ne.jp
HP            http://www.sansan-minamisanriku.com/shop-list/lips/
※さんさん商店街閉鎖期間は、志津川地区のさんたろう館にて臨時営業を行う。詳細はお問い合わせを。

自然を学び、活かす拠点!「海のビジターセンター」オープン

「三陸復興国立公園」の一角を占める南三陸町。その豊かな自然環境の発信と、自然体験学習の拠点となるべく、「南三陸・海のビジターセンター」がオープンしました。その役割を、センター長の平井和也さんに伺いました。

「海のビジターセンター」が戸倉地区にオープン

2016年11月19日、南三陸町戸倉地区に「南三陸・海のビジターセンター」がオープンしました。当日の開所式には、町長をはじめ、関連自治体・団体の来賓、また地元戸倉に伝わる伝統芸能・行山流水戸辺鹿子躍(ししおどり)が舞い、地元漁協のかき汁の振る舞いがあり、新たな門出が祝されました。

同施設は、三陸の観光地としての魅力を高め、復興につなげようという思いで指定された「三陸復興国立公園」に、南三陸町や石巻市などにまたがる「南三陸金華山国定公園」が2015年に編入されたことがきっかけとなり設立されました。三陸復興国立公園や周辺の自然の情報を発信し、同公園とその近隣をフィールドミュージアムとして自然と触れ合う機会を提供する拠点となる役割を担っています。

2開所式のようす。多くの人にオープンが祝われた
2開所式のようす。多くの人にオープンが祝われた

世界が認めた南三陸の自然環境

南三陸町は2015年10月に、ドイツに本部を置くNGO「森林管理協議会」(FSC)から国際認証を取得。さらに2016年3月には町内のカキ養殖場が、オランダに本部を置くNGO「水産養殖管理協議会」(ASC)から国際認証を受けました。ともに環境に大きな負担をかけず、地域社会に配慮した活動を続けることを評価され、認証に至りました。同じ自治体内で「海」と「山」の国際認証のふたつを受けたことは世界でも例がないといいます。

2階ウッドテラスから眺める志津川湾。この海と里山をフィールドにさまざまなアクティビティを展開します
2階ウッドテラスから眺める志津川湾。この海と里山をフィールドにさまざまなアクティビティを展開します

町全体がフィールドとなる体験学習の拠点に

そんな世界に認められた豊かな自然をフィールドとしたエコツーリズムを「南三陸・海のビジターセンター」が拠点となり推進していきます。

「今後は、目の前の海をフィールドにカヤックやSUP(スタンドアップパドルボード)、シュノーケリングなどさまざまなアクティビティを展開していきます。さらに、講義や研修に利用できるレクチャールーム、実験や料理教室に利用できる実習室などさまざまなニーズに対応できる施設が整いました」と話すのは同センター・センター長を務める平井和也さん。

海の学習プログラムMAREや「石ころアート体験」、山に住む生き物を考えながら山を整備する「火防線トレイル」などの体験学習を実施。

「立派な施設が整ったので、定置網に引っかかる魚を使った料理教室など、自然に親しみ楽しみながら、大事さを感じられるプログラムを実現していきたいです。子どもたちを中心とする地域の人たちや観光客に自然のことを学ぶ場にしていきたいですね」

一般の市民の憩いの場に

ビジターセンターが建ったのは、震災前に南三陸町自然環境活用センター(通称:ネイチャーセンター)があった場所です。海の生態系を研究していた機関には、全国から多くの学生や研究者が集っていました。しかし東日本大震災で全壊。ビジターセンターでは、より一般の人にも親しみやすい施設を目指しています。

「町の漁師さんやお母さん方など一般の方の憩いの施設になってほしいという思いで設置したのが、カフェコーナーです。ビジターセンターでこうした場が設けられているのは珍しい取り組み」と目を細めます。

FSC認証を取得した南三陸杉を使ったソファーやスツールが置かれており、カジュアルに楽しめる場となっています。

「海や環境のことを知らない人がふらっと立ち寄って、一つでも志津川湾のことを知って帰ってもらえればうれしいです」

南三陸に誕生した新たな拠点。そこは、自然に生かされ、自然を学び、活かし続けてきた南三陸に根付く風土の象徴でもあります。雄大な自然と多様な人の、この施設によってより深くなる豊かなつながりが、これまで築き上げてきた文化をよりすばらしいものにしていくことでしょう。

南三陸杉を使った家具が特徴的のカフェコーナー。電源やWiFiも完備され、作業や打ち合わせでの使用も可能。
南三陸杉を使った家具が特徴的のカフェコーナー。電源やWiFiも完備され、作業や打ち合わせでの使用も可能。

インフォメーション

南三陸・海のビジターセンター

住所:宮城県本吉郡南三陸町戸倉字坂本21-1
TEL・FAX:0226-25-7622
Webサイトはこちら
Facebookはこちら

〈1月4日放送〉みなさんぽ

「オープニングコール」は成人式実行委員会の佐々木さんから始まり、「まちのひと」は南三陸町長佐藤仁さんで2017年の南三陸町についてのお話です!

そして、今週のイチオシのコーナーはきりこについてです!

オープニングコール

成人式実行委員会の佐々木さん

 

まちのひと

南三陸町長佐藤仁さんで2017年の南三陸町についてのお話です!

 

今週のイチオシ

三陸地方に伝わる「きりこ」の文化についてです。

「きりこ」という名前を聞いたことはありますか?三陸地方の家庭では、白い半紙で作られたきりこが神棚に飾られているのを良くみかけます。これは、毎年年末に各神社の宮司さんが手作業で切り、氏子のお家に配布するもの。鯛やお餅など、縁起の良い図案が切られますが、そのデザインは神社ごとに微妙な違いがあります。お正月には新しいきりこで神様をお迎えするのが、この地域の習わしです。

震災前から、きりこをテーマにしたアートプロジェクトも行われるなど、南三陸の人々にとっては、とても親しみ深いきりこ。町のあちこちできりこをモチーフにした看板やグッズをよく見かけます。南三陸町に来た際には、きりこ探しをしてみるのも楽しいかもしれません!

〈12月28日放送〉みなさんぽ

「オープニングコール」はタブノキの宇野貴幸さんから始まり、「まちのひと」は志津川漁協青年部で高橋義明さんおすばでまつりについてのお話です!

そして、今週のイチオシのコーナーはNPO法人フェローズウィル「南三陸の漁師カレンダー」です!

オープニングコール

タブノキの宇野貴幸さん

 

まちのひと

志津川漁協青年部で高橋義明さんおすばでまつりについてのお話です!

 

今週のイチオシ

「南三陸の漁師カレンダー」は、その名の通り、南三陸で働く漁師さんたちの姿を切り取ったカレンダーです。働く男性は誰しもかっこいいものですが、とりわけ海の男はかっこいい!そう思う方も多いのではないでしょうか?このカレンダーでは、一年を通して漁師さんを訪ね、ときには朝早い漁に同行し撮影された様々なシーンが収められています。その月ごとの南三陸の豊かな自然や旬を感じられます。ページをめくるごとに、海の美しさや、ひたむきに自然と向き合う漁師たちの表情にはっとさせられます。

価格は1冊1,000円(税込み)
販売場所は みなさん館・民宿やすらぎ荘・高倉荘・南三陸まなびの里いりやど・たみ子の海パック事務所 の5ヶ所です。

ネットでご注文の場合は、NPO法人フェローズウィルのWebサイトよりお申込みください。

また、このカレンダーの収益は歌津・戸倉の漁師さんたちの作業小屋の近くに花木を植樹をする活動のためにあてられます。

ぜひ、2017年の暦を彩るカレンダーに、「南三陸の漁師カレンダー」はいかがでしょうか?
フェローズウィルWebサイト http://fellows-will.jp/

かりんとうで話題!椎茸に彩られた杜へ行ってきました おすばでジャーニー#5

ミス日本酒宮城の池田かほりです!

豊かな海に恵まれた南三陸町。その中でも入谷地区は、山の幸も楽しめる場所でした。そこはまるで『きのこの杜』・・・しかも、子育て中のママも必見!野菜嫌いが野菜好きに変身しちゃう♪魔法のようなかりんとうがありました。

今回は、しいたけ栽培農家の「株式会社椎彩杜」さんを訪問し、秘密を探ってきました!

「椎彩杜」ってどんな所・・・?!

パッと見て、皆さまどんなイメージをもたれるでしょうか?

『道の駅の名前かな?どこかの幼稚園?』

いえいえ、ここは椎茸を育てている会社なのです。株式会社椎彩杜(=しーさいど)はどのように名付けられたのでしょうか・・・?

名前の由来は、椎茸に彩られた杜。

この周りに積み上げられているものは、椎茸を育てるのに必要な『菌床ブロック』といいます。思わず両手を広げてしまうほどの高さ!これが両脇にズラーッと並んでいます。まるで森のようなこの工場内の様子がまさしく「椎彩杜=しーさいど」という名前の由来です。

見学させて頂いた中で私はこの空間が一番好きでした。

株式会社椎彩杜 常務取締役の髙橋浩幸さんが、工場内を案内してくださいました。

「ここの椎茸はまだ赤ちゃんにもなっていない種菌の状態だから、外部から入ってきたちょっとしたマイナス要素の影響でもダメになってしまうんです。途中まで順調だったのにやられてしまったり、そうかと思えばぐんぐん成長してくれる椎茸もいて」

同じ椎茸でも、成長過程で起こる現象が人間味があって深いな~と感じながら見学させて頂きました。

しいたけの成長過程とは・・・?

こちらは、しいたけ栽培の原料となる「おが粉」。

おが粉をミキサーに投入して、水を加えていきます。

ここでの水分含量は椎茸の発育を促す点でとても重要です。

その後、ミキサーで調整した原料をベルトコンベアで運ぶと…先ほど出てきた菌床となります。

そして、ここが一番のポイント、殺菌を行います!

椎茸を植え付ける前にしっかり消毒しなければ、カビや雑菌だらけになってしまいすぐに菌床がダメになってしまうので厳重な殺菌体制を整えています。

そして植菌(きのこの菌糸を菌床に植え付ける)を終えると、いよいよ培養です。

培養室は外部とは隔離されており、この重い扉の中で常に温度を約20℃に保っています。そして約3か月間、時間をかけてゆっくりと菌床を寝かせるのです。

最初は真っ黒だった菌床でしたが、白いものが無数に出てきています。

その後、白い部分(菌糸)が全体に広がります。

ここから数か月後、菌床は再び色を帯びて茶色くなり、そこからやっと椎茸が姿を現すのです。

お料理の主役になったり出汁を取る素材となったりと、陰に日向に日本の食卓に欠かせない椎茸ですが、ここまでの道のりを学ぶことで、一層食べる嬉しさや感謝の心を持って頂戴出来そうです♪

そんな椎茸を使ったかりんとうが大人気!

椎茸かりんとう 引用:株式会社椎彩杜

髙橋さんが直売所などで、椎茸の販売をしながら試食を配布していた時、野菜嫌いのお子様が目立ち、他の試食に比べて椎茸を食べてもらえる機会が少なかったそうです。

そこでお子様でも気軽に食べられるかりんとうを作ってみたところ、今ではお店の看板商品になる程の大人気に。

髙橋さんは『野菜嫌いの子供を少しでもなくし、このかりんとうが子供達への食育に繋がるきっかけになって欲しい』と熱い思いを語っていらっしゃいました。

株式会社 椎彩杜の皆様、髙橋さん、貴重なお話を聞かせて頂き、本当にありがとうございました。

豆知識!椎茸ってどんな効能があるの?

椎茸は低カロリーで食物繊維が豊富な食べ物です。さらにビタミンDの宝庫とも言えます。紫外線を浴びることでビタミンDに変わるエリゴステロールという成分を多く含んでいるのです。

ビタミンDは、細胞の活性化や免疫力アップが期待出来るため、イライラや無気力改善、ストレスに由来する免疫力低下を防ぐことが出来るそうです。

保存は冷凍がおすすめです!生のものは、鮮度が落ちやすくなってしまうので、使う大きさに切って冷凍することで、解凍時に通常よりうまみ成分が出て美味しくなると言われています。

椎茸と白菜のクリーム煮

作り方

~材料(2人分)~
・椎茸・・・4枚
・えのきだけ・・1/2袋
・白菜・・・・・4~5枚
・鶏肉・・・・・1/2枚
・無調整豆乳・・150ml
・だし汁・・・・150ml
・味噌・・・・・大さじ1
・塩・・・・・・少々
・コショウ・・・少々

1.とり肉を一口大にカットし、だし汁と共に中火にかけます。
2.その間にその他の材料をカットをします。
白菜の芯の部分は斜め切りし、葉の部分はちぎって入れます。(味がしみ込みやすくなります。)えのきだけを1/2にカットします。椎茸は厚さ8㎜に切ります。
3.無調整豆乳を入れます。
4.鍋に野菜カットを白菜の芯、椎茸、えのきだけ、白菜の葉の順に重ねるように入れます。
5.味噌・塩・こしょうで味を調えれば完成です。

ポイント→白菜を加えると、ガンを抑制するインドール化合物が含まれているためガン予防の効果が得られ、肥満防止にも効果があるそうです。ここにビタミンB1を含む鶏肉・豆乳(大豆)を加えると、肝機能の強化も期待できるので、二日酔いにもおすすめです。

ヘルシースイーツ チーズ×椎茸かりんとう

作り方

~材料~
・しいたけかりんとう・・・5枚
・クリームチーズ・・適量
・はちみつ・・・・・適量

1.かりんとうに適量のチーズをのせる。(レンジでかりんとうを温めても美味しい!)
2.はちみつをかければ出来上がり!

椎茸は和洋中どれにでも使える万能なお野菜♪ぜひ皆様も召し上がって下さいね♪

本日のおすばでとオススメ日本酒

椎茸と白菜のクリーム煮

ZAO Inspiration 特別純米酒

宮城県の酒造好適米“蔵の華”を50%精米し“宮城マイ酵母”を使用して造られたオール宮城ブランドの限定商品。若手社員が企画、製造、管理を一貫。ミルキーな香りも斬新なボトルのデザインも今回のような洋風のお料理に合わせるにはピッタリ。

蔵元:蔵王酒蔵株式会社

ヘルシースイーツ チーズ×椎茸かりんとう

純米酒 花撫子 ロゼ

デザート感覚で楽しんで頂きたいこちらのメニューに合わせるのは、お酒が強くない方や女性にもオススメの低アルコール8%の純米酒。この綺麗なロゼ色は国税庁特許の赤色酵母から発生した自然の色味。甘酸っぱい味わいでかりんとうとの相性抜群です。交互に頂戴すればあっという間に一本空いてしまうのでは。

蔵元:蔵王酒蔵株式会社