Meets Green 南三陸~後編~

昨日に引き続き、Meets Green南三陸 フィールドワーク合宿についてご紹介いたします。

田んぼの後は、町のバイオマス産業都市構想の中にもある、
バイオガスや木質ペレットについての説明が行なわれました。

 
(↑バイオガス施設建設予定地にて。バイオガスについての説明)

(↑神割崎レストラン、ペレットストーブ前にて。木質ペレットの説明)

“自分達が出したゴミのその後”も見学。

現在、町では焼却炉がないため、近隣の市に可燃ゴミを焼却してもらっていますが、
焼却後の灰は“お持ち帰り”なのだそうです。
クリーンセンターには、埋立地へ運ばれるのを待っている沢山の灰がありました。

こちらは牡蠣殻の山。

震災前は牡蠣殻を肥料にする工場があったそうですが、今は工場もなくここに山積み。
林道に敷く、鳥のエサにする、土壌改良材にする等、使い道は無いわけではないそうですが、
いずれにしても細かく砕いたり、運び出したりと、手間やコスト、時間がかかるようです。

最後は山へ行き、林業家の佐藤さんのお話です。

「“木を切る”ということは、良い事でしょうか?悪い事でしょうか?
むやみに伐採する事はもちろん悪い事ですが、山を適正に管理するための伐採は良い事です。」

なるほど。ではどのように伐採したら良いのでしょうか??

「例えば、こっちとあっち、どっちが良い山だと思う?」

ほぼ全員が、写真右が良い山だと思う、と答えました。

「じゃあ、なんでこっちが良い山だと思う?」
『明るいから…?』 『あっちより木が太い!』
「そうだね。手入れをしない山では木が増えすぎて暗く、光が当たらなくて、木が育ちません。
そうすると山は細い木ばかりになってしまい、土砂崩れが起こりやすくなってしまいます。」

太い木は、根も太い。太い根は、土台となる土をしっかりおさえ、降った雨を保水する。
それは少しずつ流れ出し、里や川、最終的には海へと流れていきます。

反対に、細い木は根も細く、土をおさえる力も保水力も低く、土砂崩れが起こりやすくなる。
きれいな山・森林であることは、里や海、生き物、そして人の生活のためにも、必要なのですね。

丸1日フィールドワークを行なった中高生たち。
どんなことを思い、感じたのでしょうか。

明日は、中高生のまとめの発表の場、意見交換会の様子をお伝えします。

(高橋)

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Meets Green 南三陸~前編~

夏休み、皆さんはどんな事をしましたか?
海、花火、お祭り、キャンプ、合宿…夏はイベントがいっぱいですよね!
8月12日~14日、町内では“Meets Green南三陸”という2泊3日の合宿が開催されました。

Meets Green 南三陸は、特定非営利活動法人キッズドア主催の、フィールドワーク合宿。
“地域の自然環境の保全と復興を支える人材の育成”を目的としたこの合宿では、
町内で環境産業や農業・林業に取り組んでいる方々と連携し、中高生に環境教育を行います。

第1回目となった今回の合宿には、南三陸・東京・仙台から
中高生とサポーター役の大学生、約20人が参加しました。

1日目のメインは“資源循環型地域産業育成ゲーム”。
4班に分かれ、班内で森・里・海・街・役所・都市と役割を決め、
地域(森・里・海・街・役所)内で経済が回るように、進めていきます。

今回は、最終的に地域内で1番多くお金を持っている班が勝ちというもの。
“お金持ち”になるため、一か八か、リスクがあることでもどんどん挑戦していった町や、
ゲームオーバーにならないよう、ゴミ処理や人口を保つ事を行なった町など、結果は様々。

ゲーム終了後、今度は自分たちがどんな町に住みたいか?ということを考えます。
ゴミがなくてきれい、犯罪がなくて安全、公園や自然がある、コンビニがある、交通の便が良い…。

ゲームの時とは違い、お金やリスクのある事については、どの班も挙げていませんでした。

2日目は、いよいよフィールドワーク。実際に現場を見て、話を聞いて、感じて、学んでいきます。

最初は田んぼにて。農家の阿部さんのお話です。
阿部さんは、ササニシキの減農薬・無農薬栽培をしています。
以前ように農薬は使えないからすごく大変なんだ、と語る阿部さん。
(以前阿部さんをご紹介した記事はコチラ→ササニシキの復活/南三陸の田んぼ)

大変だけど作る、その理由は…

「この田んぼの周り、川がないでしょ?でもここには、山で蓄えられた雨水が少しずつ流れてくる。
だから、こうしてここで田んぼができる。そしてその水は川へ海へと流れていく。
ここは漁業・水産業が盛んな海の町。やっぱり良い海でなくては、と思うんですね。」

きれいな海であるためにも、そこに流れていく水もきれいでなくては。
海、生きもの、人や環境への安心・安全…そのような想いから、この農業をしているのですね。

「1人で始めたけど、だんだん増えていって“点が面に”なったらいいなぁと思ってやってるんです。
他に誰もやってない“最初”っつのは、プレッシャーもあったし、おっかなかったけどね。」

それでも挑戦した、という阿部さんの言葉は、多くの中高生の胸に響いたようでした。

明日も引き続き、この合宿の様子をお伝えいたします。

(高橋)

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福幸きりこ祭

雨模様の涼しい日が続いていますが、
来週はまた暑さが戻ってくるとのこと。
漁場や畑のためにも、お日様にもうひと頑張りしてほしいところです。

さて、この夏『福幸きりこ祭』に向け続けられていたきりこ作り。
南三陸ポータルセンターではその後数度のワークショップが開かれました。
遠方から送ってくださった方もいらしたそうで、無事350枚のきりこが完成。
先週末に町内各所に飾られ、
昼は陽に光り、夜はお店の明かりを透かして残暑に涼を吹き込んでいます。

こちらは伊里前福幸商店街。

軒先に、きりこが幾重にも吊るされています。

「せっかくきれいに飾ってくれたんだ。
雨が当たらないように気をつけなくちゃ。」
そう言いながら、マルエーさんが小さなヨレを直しておいででした。

一方、さんさん商店街では。

通路側へ向け、一枚一枚が見やすいように飾られていました。



「うちのきりこは定番商品・たつのこのり太郎君の模様なんですよ。
(きりこプロジェクトについて)ほんとに長いこと応援し続けてくれていて。
有難いことですねえ。」(千葉のり店さん)

その他、意外な場所で会えるきりこも。
ぜひ探してみてくださいね(^^)

『福幸きりこ祭』は9月15日まで楽しめるそうです。

■ENVISI サイト
http://www.envisi.org/

(日比谷)

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南方仮設住宅 盆まつり

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広島から届く辛い報せに日々胸を痛めております。
尊い命を落とされた方々のご冥福と
行方不明となられている方々の一刻も早い救助をお祈りしています。

本日は先週末8月24日、
登米市南方で開かれた盆まつりの模様をお伝えします。

大漁旗を翻す強風、時折ぱらつく雨。
空の変化にヒヤヒヤしながら、人々がお祭を楽しみます。



ここはイオン南方店跡地応急仮設住宅。
1期・2期合わせ350戸超、南三陸町最大の仮設住宅です。

暮らしているのは町内様々な地域から集まった方々です。
元々は知らない同士ですが、3年をかけて深い繋がりが育まれました。
盆まつりも今回で3回目となるそうです。




が、実行委員会の方のお話によると
盆まつり開催も今年が最後かもしれないのだそうです。

「公営住宅等の整備が進み、仮設を出る世帯が増えてきています。
 またここも登米市のご厚意でお借りしている土地です。
 集約をしつつ、なるべく早くお返しするべきでしょう。」

「仮設を出る方の行先は元の地域だったり、他の移住先だったりと様々です。
 おのおのその場所で新しいコミュニティを築かなければなりません。
 皆さんにはしっかり前を向いて歩んでいってもらいたい。
 そのためにも、周囲の助けに感謝し、今日の祭を楽しみましょう。」


日が暮れるころには雨風も治まったようです。
提灯の光の下、踊りの輪は名残を惜しむように回り続けていました。


(日比谷)

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戸倉地区藤浜 防集団地(2014年8月)

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昨年末に造成の完了した、戸倉地区藤浜 防災集団移転住宅。
(以前ご紹介した記事はこちら)
その後を拝見してきました。

2013年6月
2013年12月
2014年8月

春夏を越し、法面は緑に覆われていました。

2013年6月
2013年12月
2014年8月

 

2013年6月
2014年8月

 

区画は10。
現在住宅の建設が進められています。

 

2013年9月
2013年12月
2014年8月

 

2013年12月
2014年8月

完成間近のお宅に施主の方が様子を見にいらしていました。

「たくさんの辛い思いをしてきましたが
こうして新居が建つのは嬉しいものですね。
身体が助かったんだから頑張らないと、という気持ちが湧いてきます。」

藤浜に一日も早く穏やかな暮らしが戻りますように。

(日比谷)

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まちのなか大学

みなさんは、地元の良さや魅力をどれくらい知っていますか?
また、その歴史や楽しみ方まで説明することはできるでしょうか。
知っているつもりでも意外と知らない事・気付かない事が
多かったりするのではないでしょうか。(私もそうなのですが・・・>_

海の運動会 in 田の浦

はっきりしないお天気が続いています。週末も雨でしたが、8月17日には歌津地区田の浦で
第二回『海の運動会 in 田の浦』が開催されました。

漁港へお邪魔したところ、障害物競走に玉入れにウニ採り競争。霧雨を物ともしない真剣勝負が繰り広げられていました。

地元の方、ボランティアさん、そのご家族、お盆で里帰りしたご親族などなど百数十人が入り混じり、皆びしょびしょです。

主催は地元の契約会、滋賀や東京などのボランティアで結成されたNPO法人 田の浦ファンクラブです。
震災後、物資支援などで被災地に乗り込んだ人々が漁師さんを軸に集まり、今年5月には法人格を取得するまでとなったそうです。

海と人に恵まれている田の浦ですが、言ってみれば三陸にいくつもある漁師町の一つ。なぜ田の浦なんでしょうか?と伺うと、ボランティアさんは皆首を傾げます。

「うーん・・・たまたま地元の人が誘ってくれたから。」
「たまたま立ち寄ったのが最初で、そのあと何十回も来てる。」

その「たまたま」が集まって運動会になるのですから、ご縁というのは不思議ですね。

そして最終種目『海の綱渡り』。震災前、本吉町大谷海岸のお祭で名物だったという競技ですが・・・
ひーーーーー(泣)

腕自慢たちがどっぽんどっぽん海に落ちていきます。

「俺がわげ(若い)頃は向こう岸まで渡ったもんだ。」
「無理言うなや。雨でロープ滑んだべ。」
「おーいケガすんでねえぞー。」

地域を応援し、共に楽しみ、コミュニティを広げ、保っていく。田の浦ではそんな繋がり方が実現しているようです。

■田の浦ファンクラブ サイト
http://www.e-tanoura.com/index.html

 

みんなの町民憲章 虹色イラストコンクール

南三陸町のよいこのみんな(年齢不問)!
学校やお家で、こんなお便りは見たことあるかな?

これは『みんなの町民憲章 虹色イラストコンクール』の応募用紙。
町の自然・暮らしの豊かさを謳った『南三陸町民憲章』をテーマに
素敵なイラストを描いて応募してくださいっていうコンクールだよ☆

えー・・・、コホン。
このコンクール、主催は有志団体『かもめの虹色会議』です。

まちづくりを自由な発想で考えようと発足した会議も、今年で2年目。
話し合いが土地利用・交通などのハード面から
新しい町の使い方・暮らし方などのソフト面へ広がっていく中で、
「人と故郷を繋げるために何が必要か」という問いが浮かんできました。

例えば式典等で読み上げられる『南三陸町民憲章』。
町の誰もが知っているうえ、町の魅力が短文に詰め込まれています。
これをもう一度見つめ直し、絵として表現することで
町への愛着と未来へのイメージを高めてもらえないだろうか?
その試みとして始まったのが『虹色イラストコンクール』なのだそうです。

『虹色イラストコンクール』は今年度、
補助制度『おらほのまちづくり支援事業』の一つに採用されました。
応募用紙は夏休み直前に町内の学校で配布されたほか、
8月の町広報紙にも折り込まれ、各家庭へ届けられています。

同時に郵送での応募受け付けを開始。
また、町内のイベント会場でもたくさんの作品が生まれているようです。
こちらは先日8月10日、歌津復興夏まつり会場でのワークショップの様子。


「“繭のようにみんなを包もう”か・・・ううむ。」
「・・・・・・・(無言で手を動かす)」
大人も子どももクレヨンを握り、町のことをいっっっっっっっっっっぱい考えながら
カラフルな作品を描きあげてくれました。


コンクールの応募締切は8月末日(必着)、
選考ののち、入賞作の授賞式は9月28日の福興市で行われる予定。
上位受賞作が町内数か所に展示されるほか、
水面下では数々のユニークな賞も準備中だとか・・・?

ちょっと興味の湧いたあなた。
お家に応募用紙は届いていますか?南三陸ポータルセンターでも手に入りますよ。
応募資格は「どなたでも!」
町への愛溢れる作品、お待ちしています(^_-)-☆

■みんなの町民憲章 虹色イラストコンクール
問い合わせ先:かもめの虹色会議事務局 090-7564-0804

(日比谷)

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恋するフォーチュンクッキー 撮影会

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7月の週末、伊里前福幸商店街。
朝から何やら騒々しいです。

なになに、撮影?(私もですが)

流れるのはAKB48『恋するフォーチュンクッキー』。
訊くと、東北3県仮設商店街を応援する動画の撮影会とのこと。
数台のカメラを前に、商店街・商工会・観光協会のスタッフさんたちが
息の揃ったダンスを繰り広げていました。

この日の最高気温は32度。
「暑うー、息が切れる。。。」
「まだまだぁ!!」
た、倒れないでね。

そこへ忍び寄る赤い箱。
「Minamisanriku never die・・・」

ポストくん、参戦。


「あはは、上手~。」
「暑いのに頑張るねー。」


そしてフィニッシュ。
「来てけさいーーーーーーーん!!」

お疲れ(さまで)した!

それから1か月。
中小企業基盤整備機構さん編集により完成した動画はこちらのページで公開されています。

恋するフォーチュンクッキー 復興商店街 Ver.
https://www.youtube.com/watch?v=sQsyo-Z-39s

一時間近く踊り狂った彼らの雄姿(の中の数秒)をご覧ください!

(日比谷)

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歌津復興夏まつり

8月中旬、2日間にわたり開催された
『歌津復興夏まつり』の模様をお伝えします。

初日の8月10日は、朝からあいにくの強雨。
会場は歌津中学校体育館に変更され、
ステージイベントをメインにパネル展示・ワークショップ等がセッティングされました。


急な変更でしたが、シャトルバスの臨時運行やボランティアスタッフさんの誘導により
徐々に祭客が集まり始めます。

ポストくんも来たねー。

BEGINさん、まきのめぐみさんほか
アーティストの方々がステージを盛り上げます。
臨時会場とは思えない贅沢さ!


締めは名曲『歌津さきてけさいん』に乗った大盆踊り。


「雨に負けずに来て良かった!」
大満足の初日が終了しました。

そして2日目の8月11日。
なんとか天気も回復し、
本来の会場である伊里前福幸商店街で祭開催となりました。
お待ちかねの飲食ブースも並び、
帳が下りる頃には会場が埋まるほどの祭客が詰めかけました。

夜7時、魚竜太鼓の音と共に始まった『LIGHT UP NIPPON 2014』。

「東北を、日本を、花火で、元気に。」を合言葉としたプロジェクトも
今年で4年目。
伊里前はじめ、東北・北海道13か所の開催地で
一斉に花火が打ち上げられました。

この様子はUstreamでリアルタイム配信されており
都市部のパブリックビューイング会場ほか
世界中の人が花火大会を見守っています。


夜空を見上げながら、共に鎮魂と未来への希望を願いました。

やがて花火大会も終了。
お祭はスーパームーンの光の下でお開きとなりました。
三陸の短い夏ももうすぐ終わります。

(日比谷)

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