毎年、南三陸町の特産品「ホヤ」を使ったレシピづくりに一緒に取り組んでいる歌津中学校と共立女子大学(東京都)が今年の新作メニューをお披露目しました。今回は、ごはんにもおかずにもふんだんにホヤを使った「ホヤづくし弁当」。ホヤが苦手な人でもおいしく食べられるようにと大学生と中学生が一緒にアイデアを出し合って考えた、とっておきのお弁当、先日行われたお弁当作りの様子と合わせてリポートします。
今年で3回目を迎えた取り組み
町と共立女子大学・共立女子短期大学が連携協定を結んだことをきっかけに始まった、歌津中学校との南三陸の特産「ホヤ」を使ったレシピ作りは今年で3回目を迎えました。
歌津中からは毎年1年生が参加。町の水産資源を題材として「食文化と環境の理解」「南三陸への愛郷心」「課題解決力の向上」を身につけようと、家庭科の授業の一環として行っています。
同大学では歌津中との共同レシピ作りの他にも、南三陸の食材を使った大学の学食メニューの開発や、町の小中学校の給食の献立を考案して、地産地消の大切さを子どもたちに伝えるなど、これまでさまざまな活動を行ってきました。
みんなでアイデアを出し合って一つのお弁当を
今回のレシピ作りのテーマはホヤが主役のお弁当。冷めてもおいしく食べられる味付けや調理方法、見た目をきれいに仕上げる工夫など、1年生の生徒29名が5班に分かれて、お弁当に合うメニューを1品ずつ考えました。それぞれの班が作ったおかずを詰め込んで一つのお弁当に仕上げるのが今回のミッションです。
共立女子大学からは家政学部食物栄養学科の学生3名が参加し、中学生たちが考えたメニューを、栄養学の観点からアドバイスしたり、お弁当作りに役立ててもらいたいと、栄養バランスや見た目、食中毒についてなど、お弁当作りのコツをまとめた動画を制作したりしました。
中学生たちも、ホヤは地域の特産品でありながら、独特の見た目や味で苦手な人が多いという課題を解決すべく、オンラインで大学生たちと意見交換をしたり、試作をしたりしながら、ホヤが苦手な人でもおいしく食べられるレシピを完成させました。そして、10月28日、共立女子大学のみなさんが来校、一緒にお弁当作りをして、試行錯誤した成果を披露しました。
ごはんもおかずも!おいしい工夫がいっぱいの「ホヤづくし弁当」
完成したお弁当がこちら。ホヤが苦手な人でも好きな人でもおいしくいただけるホヤの魅力がぎゅっと詰まった色鮮やかな「ホヤづくし弁当」です。
それぞれのおかずにどんな工夫がされているのか、生徒のみなさんに聞いてみました。
ホヤチーズキンパ
ホヤから
ホヤとマッシュルームのクリームパスタ
しそ巻きホヤフライ
ホヤと海藻サラダ
自分たちで知り、考え、作ることで地域食材の魅力に気づく
お待ちかねの試食タイムは新型コロナウィルス対策のため、自分たちが作った料理しか食べられませんでしたが、ホヤチーズキンパを作った生徒は「家ではホヤは絶対に食べないけど、自分で作ったやつは食べられた。」また、全員がホヤ嫌いというホヤからを作った生徒たちも「これならイケる!」「小さい子どもでもおいしく食べられそう!」と大満足の様子でした。地域の食文化を知り、実際に地域食材を使ったレシピを考え、自分たちで調理することで、その魅力を少し実感できたようです。
大学生たちも「から揚げの衣にポテトチップスを使ったり、定番のささみチーズフライにホヤをいれたり、中学生のアイデア力はすごいと思いました。工夫次第で苦手な食材もおいしく食べられるんだと可能性を感じました。」「今回、ホヤという食材を初めて知りました。自分の知らない食材がまだまだあると思うので、食べるだけじゃなくて地域に眠る食材の魅力をたくさんの人に伝えられたらと思いました。」と、今回のプロジェクトに参加したことで、地域食材の魅力や可能性を感じたと話してくれました。
来年はどんなメニューが誕生するか、今から楽しみです。共立女子大学との地域連携プロジェクト、今後の活動にも注目です。