「オクトパス君」が警察で大活躍!?

人気キャラクター「オクトパス君」がモチーフとなり、警察の広報や啓発活動で使われる「オクトポリス君」。4月27日には「南三陸警察署」と「南三陸復興ダコの会」にて調印式が行われ、「精一杯がんばるでチュー!!」と喜びの声をあげています。

キャラクターを使った親しみある啓発活動

南三陸警察署は、「安心安全なまち」のために、以前より地元の団体や高校と連携をしながら、広報活動に力を入れてきました。これまでにも、志津川高校の生徒がデザインした、振り込め詐欺被害防止広報キャラクター「フリコマナインダー」や、同じく志津川高校の生徒がデザインした「モアイポリス君」など個性豊かなキャラクターが生まれています。

これらは、防犯や交通安全のための啓発活動に使用され、キャラクターが使用されたポスターやクリアファイルなどを町内で目にする機会もある方も多いのではないでしょうか。

フリコマナインダー(振り込め詐欺被害防止広報キャラクター)【志津川高校生徒デザイン】
南三陸警察署HPより引用

オクトパス君も警察の広報活動に積極的に参加

南三陸町特産のタコをキャラクター化した「オクトパス君」も、自身の公式YouTubeチャンネル「オクトパス君ちゃんねる」の企画として南三陸警察署を訪問したり、町内の交通安全運動に地域の方と一緒に参加をするなど、広報活動を共にしてきました。

そして、2015年11月には、「オクトポリス君」が誕生。「オクトパス君」グッズを製作、販売する南三陸町の「南三陸復興ダコの会」の大森丈広さんがデザイン。「オクトポリス君」も、ほかのキャラクターと同様に、さまざまな啓発活動に使用され、町民に親しまれてきました。

南三陸警察署と調印式を実施

2017年4月27日には、広く町内外で親しまれている「オクトパス君」のキャラクター素材を、さまざまな場面において使用していくにあたって、「宮城県南三陸警察署」と「南三陸復興ダコの会」にて調印式が行われました。これからは、より一層町中で「オクトポリス君」を見かける機会が増えるかもしれませんね。

調印を行う宮城県南三陸警察署長・佐藤孝一さん(右)と南三陸復興ダコの会会長・高橋修さん(左)

調印式を終えたオクトポリス君。「南三陸町の安心、安全のために精一杯がんばるでチュー!!」と意気込みを語ってくれました。

<5月10日放送>みなさんぽ

今週の「みなさんぽ」は、いよいよこれから旬を迎える南三陸の代表的な海産物のひとつ「ホヤ」の試食から始まりました。インタビューは14日(日)に開催される「南三陸HOPE FESTIVAL 2017」実行委員長の伊藤美佳さんに話を伺いました!

オープニング

南三陸町戸倉の「タブの木直販所」の扉を開けるとずらっと並ぶ「ホヤ」。

パーソナリティの庄司さんの試食とともにみなさんぽがスタートしました。ホヤ好きにはたまらない季節、濃厚な風味がクセになりますね。

南三陸町戸倉地区にある「タブの木漁協直販所」では新鮮なホヤが店頭に並んでいます。ぜひ足を運んでみてくださいね。

インタビュー

インタビューは5月14日(日)に開催される「南三陸HOPE FESTIVAL 2017」実行委員長の伊藤美佳さんに登場いただきました。

南三陸町歌津地区で美容室「Rotti」を営む伊藤さん。2年間ほど音楽フェスをお休みしている間に、お店のオープンや、住宅再建などあわただしい日々を過ごしていました。

満を持して、3年ぶりの復活となった今年は、アーティストライブから大道芸、さまざまな出店など充実のコンテンツとなりました。天気もよさそうな週末、ぜひ会場のハマーレ歌津に足を運んでみてはいかがでしょうか?

聞き逃した方はradikoでお聞きいただけます

パソコンやスマホでラジオが聴けるradikoでは、過去1週間以内に放送された番組を後から聴くことのできます。残念ながら聞き逃してしまったという方はぜひこちらでお聞きください!

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<5月3日放送>みなさんぽ

今週の「みなさんぽ」は、ゴールデンウィークで大賑わいの南三陸町からお届けしました!オープニングコールは3月にオープンした「南三陸志津川さんさん商店街」の山内鮮魚店の山内淳平さん。インタビューは南三陸町長佐藤仁さんにお話を伺いました。

オープニング

さんさん商店街に入ると、飛び込んでくる揚げ物のいい香り。その正体は、仮設のさんさん商店街の時代から大人気だった「たこから」。数々のヒット商品を生み出してきた山内鮮魚店のなかでも人気商品となっています。山内淳平さんに登場いただきました!

インタビュー

ゴールデンウィークで大きな賑わいを見せる南三陸町から佐藤仁町長に出演いただきました。

二つの商店街がオープンしてからはじめての大型連休。さんさん商店街もハマーレ歌津も大変多くの人で賑わい、好調な滑り出しをみせていることに終始笑顔でした。

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2017年04月27日/定点観測

南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。

写真をクリックまたはタップすると大きくなります

戸倉地区

撮影場所 [38.642969, 141.442686

志津川地区

撮影場所 [38.675820, 141.448933

見晴台より北側

見晴台より東側

見晴台より南側

見晴台より西側

歌津地区

撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E

他の定点観測を見る

<4月26日放送>みなさんぽ

 

今週の「みなさんぽ」は、先週4月23日(日)に待望のグランドオープンを迎えた「南三陸ハマーレ歌津」からお届けしました!オープニングコールは商店街の元気印・佐藤裕さん。インタビューはハマーレ歌津の新店舗「食飲笑(くういんしょう)うたつがね」店主の小野寺敬さんにお話を伺いました。

オープニング

オープニングトークは、ハマーレ歌津のムードメーカー佐藤酒店の佐藤裕さんに突撃しました!なんと、佐藤酒店の自信作「うだづもっこ」をパーソナリティの庄司久子が試飲!今までにない、「みなさんぽ」の始まりに思わずワクワクしてしまい番組のスタートとなりました。

「昼は酒屋 夜は飲み屋」の佐藤酒店、すてきなカウンターでおいしいお酒と、裕さんのおもしろいトークを存分に楽しめます。

  • 営業時間 酒屋 9:00-18:00 / 居酒屋タイム 18:00-23:30
  • 月曜定休
  • 電話 090-3360-6115

インタビュー

南三陸ハマーレ歌津に新しくオープンした「食飲笑(くういんしょう)うたつがね」店主の小野寺敬さんにお話を伺いました。

店主の小野寺さん自身が、「食って、飲んで、笑える」店にしたいと、この名がつけられました。

その名のとおり、おいしい旬の海産物に舌鼓をうち、店内は笑い声にあふれるすてきな空間になっています。

  • 営業時間 11:00-14:00 / 17:00-20:30(夜営業は順次開始)
  • 水曜定休
  • 電話 0226-28-9107

Facebookページ:https://www.facebook.com/utatsugane/

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・インフォメーション

ハマーレ歌津:https://hamare-utatsu.com/

「南三陸ハマーレ歌津」のオープニングセレモニーの様子はこちら

歌津地区に本設商店街「南三陸ハマーレ歌津」がオープン!

スクラップし続け6年。まもなく100冊に/越後圭子さん

南三陸の研修宿泊施設「南三陸まなびの里いりやど」の交流スペースの本棚にみっちりと並んでいるスクラップブック。ここには被災地に生きる「人」の記事が収められています。震災直後から6年以上続けられ、まもなく100冊を迎えるこのスクラップブックを寄贈した越後圭子さんに話を伺いました。

宿泊研修施設「いりやど」に寄贈されたスクラップブック

南三陸の里山、入谷にある宿泊研修施設「南三陸まなびの里いりやど」。そこに東日本大震災以降、復興へと向かう東北各地の状況が書かれた新聞記事がスクラップされたファイルがあります。震災直後から今に至るまで続けられているスクラップブックの数は、4/17時点で、なんと98冊。このスクラップブックを寄贈していただいたのは、東京在住の越後圭子さんです。震災時も東京で会社勤めでした。

「最初はただ茫然と被害状況の大きさを眺めていました。しかし、次第に新聞を通して被災地の方々の声が届くようになると、気になった記事をノートに張っていくようになったのです」

被災地で生きる「人」の記事を集め続ける

スクラップブックの最初の1ページ目は2011年3月15日の記事。以来6年以上、目についた記事をスクラップしていくことを日々の日課としてきました。越後さんが追いかけていったのは、被害状況を伝えるような記事ではなく、困難に直面しながらも前向きに、ポジティブに挑戦をし続ける「人」の姿でした。

「福島、宮城、岩手の記事で人の名前が出ている記事を中心に集めていきました。スクラップを続けていると、南三陸の◯◯さんだ、1年前にも出ていたよなって。こんな変化があったんだという風に成長をいっしょに追いかけているような気分になります。新聞で追いかけていくうちに、本人に会いたくなって、実際に会いに行った人もいるんですよ」

とある日のスクラップページ。さまざまな「人」が中心にスクラップされているのがわかる

たまたま出会った「いりやど」に寄贈

「最初からどこかに寄贈しようと思っていたわけではなく、ただ自分の趣味でした。しかし続けていくうちに冊数も40冊くらいになってきて、部屋に置いておくのももったいないかなと思ったんです。どこか引き取ってくれるところないかなと、スクラップブック数冊を携えて、バイクで東北沿岸部を走っていました」

そんなときに偶然出会ったのが、現在「いりやど」の理事を務める阿部忠義さん。2013年の春のことでした。当時、宿泊研修施設「南三陸まなびの里いりやど」がオープンしたばかり。首都圏の大学生や、企業などが集う宿泊施設「いりやど」は、「せっかく手放すのなら、町民はもちろん、外から来た人など多くの人に見てもらいたい」という越後さんの希望とも合致。それまで作成されたファイルが寄贈され、追加されたスクラップブックも、随時「いりやど」に届けられるようになりました。

以来、多くの宿泊者や利用者が、そのスクラップブックに目を通し、いまや、貴重な財産と呼べるものになりました。

研修などで訪れる人にとっては貴重な資料になっている

100冊でひと区切り

「自分のできる範囲で、できることを」と、何気なくスクラップをはじめてから6年。

「100冊でひと区切りかなと思っています。まさかこんなに続くとは思っていなかったですからね」

スクラップは終わっても、越後さんと東北の人たちとの関わりは終わることはありません。「あのとき生まれた子どもたちが、今年小学校へ入学。中学生だったり、高校生だった子どもたちが立派に社会人をやっている姿を見るとうれしくなりますよね。6年でこれだけ人生が変わったのだから、これから先もどうやって変わっていくのか追っていきたいですよね」

震災以降、多くのボランティアとともに歩んできた南三陸町。そこにはハード面での関わりもあれば、ソフト面での関わりもあります。6年という月日で重ね上げてきた100冊ものスクラップブックは、多様な人との関わりのなかで成長する南三陸のひとつの姿のようでした。

まもなく「ひと区切り」の100号を迎える

歌津地区に本設商店街「南三陸ハマーレ歌津」がオープン!

これまで5年以上「伊里前福幸商店街」として愛されてきた歌津の商店街が「南三陸ハマーレ歌津」と名称を新たに、4月23日にオープン。多くの地元住民や観光客に見守られる中、オープニングセレモニーが開催されました。3月3日にオープンした「さんさん商店街」に続き、観光や地域コミュニティの拠点となる役割が期待されています。

観光客と住民の拠りどころとなる商店街に

2011年12月に南三陸町歌津地区に誕生した「伊里前福幸商店街」を引き継ぐ形でオープンした「南三陸ハマーレ歌津」。仮設から仮設への移転を行ったのち、当初仮設商店街があった場所に位置する5mほどかさ上げされた国道45線沿いにあります。木造平屋2棟には飲食店や衣料品、日用品店など8店舗が入り、歌津地区の交流拠点としても期待されています。

「3月3日のさんさん商店街のオープン。そして今日のハマーレ歌津のオープンで、ようやく南三陸の顔が二つ出揃った。今日が、本当の意味で未来に向かってのスタートの一日となる。さらに今年度中にはこの商店街近くに三陸自動車道の歌津インターチェンジが開通となる予定。さらに多くの方々が足を運んでいただけるような施設に成長していきたい」と佐藤仁南三陸町長はオープニングセレモニーにて決意を述べていました。

来賓を代表してあいさつする佐藤仁南三陸町長

さらにマルタケ商店の店主であり、商店会会長の高橋武一さんは、この商店街の特性を次のように話しました。

「この商店街は、すぐ上に小学校、中学校が位置している。災害公営住宅もあり、防災集団移転団地もすぐ近い。震災前の伊里前地区のように、住民にとっても身近な商店街になっていくだろう。住民と一体となり、住民といっしょに歩む商店街を目指していきたい」

観光交流拠点としてのみならず、町民にとっても集まる場となり、地域コミュニティの中核的機能を担うことが期待されています。

伊里前福幸商店街からのハッピに袖を通す商店会会長の高橋武一さん

さんさん商店街同様、設計は隈研吾氏

2017年3月3日にオープンしている志津川地区の「南三陸志津川さんさん商店街」と同様に、設計を務めたのは東京五輪・パラリンピックで使う新国立競技場のデザインを手掛けた建築家、隈研吾氏。

「美人杉と言われるピンク色の木目が美しい南三陸をふんだんに使用しました。後ろに里山を背負い、正面に海を眺める、”里山型“の商店街を目指しました」と話しました。下屋の軒下を大きく跳ねだしたデザインが特徴的で、商品の陳列やお客さんと店主が出会う「縁側」のような役割を果たしていくことでしょう。

さんさん商店街同様、木質感あふれる空間になっている

「仲間になろう!」の意を込めて、「ハマーレ!」

「ハマーレ歌津」という愛称は公募によって誕生。町内はもちろん、全国各地から100を超える応募があったなかで選ばれたものです。「はまる」という言葉は、南三陸の言葉で「参加して!」「まざって!」という意味。「来て!まざって!一緒に仲間になろう」という呼びかけの気持ちが「ハマーレ」という名前に込められています。さらに、歌津に多い「浜」、イタリア語で「海」を意味する「マーレ」もかけ合わせられたものです。

もともと伊里前福幸商店街は、一度訪れるとそのアットホームな雰囲気と元気のよい店主に囲まれ、ついつい話し込んでしまうような独特な空気が流れていました。そのよさを引き継いでいくという意思が「ハマーレ歌津」という名前に表れています。

かわいらしいロゴデザインも特徴的

ハマーレ歌津があるのは伊里前地区。「いさとまえ」にはアイヌ語でクジラの寄る浜という意味があります。大海を航海する船をイメージした大きなクジラの背に乗っているのは、東日本大震災で流され、西表島に漂着したポスト。そこに、ポストの帰還で大きな役割を果たしたBEGINのボーカル比嘉栄昇さんと歌津住民がいっしょに作った「歌津さ来てけさいん」という曲の一説があしらわれています。

伊里前という地区の持つ伝承と、震災以降の多くの出会い、それに伴う物語がこのロゴデザインに表れているのです。

「ハマーレ歌津」号の出航!

南三陸町歌津地区に2011年12月13日にオープンした 「伊里前福幸商店街」。かつて、この場所には伊里前商店街が形成されていましたが、津波により全てが流出してしまいました。商店街は存続の危機にありながらも、「またこの場所で商売を続けたい」という地元商店主の願いにより、いち早く仮設商店街としてのスタートを切りました。以来、地元住民やボランティア、そして観光客の拠りどころとして、5年間続いてきました。

改めて、4月23日より「南三陸ハマーレ歌津」として新たな船出を迎えた商店街。人懐っこい歌津の人々の人柄がにじみ出るような商店が軒を連ねています。一度訪れては、お店の人と仲良くなりついつい通い詰めてしまう。そうして思わず「ハマってしまう」のがこの商店街の大きな魅力です。

記念式典ではテープカットやバルーンリリース、もちまきや歌津の郷土芸能などが披露され記念すべきオープンに花を咲かせていました。

店主らによる、もちまきは地元住民に大好評
地元住民や観光客で大賑わいの商店街
郷土芸能も披露され、子どもたちにも大人気
オープンを盛大に盛り上げる「歌津魚竜太鼓」のみなさん

インフォメーション

南三陸ハマーレ歌津

HP http://hamare-utatsu.com

Facebook https://www.facebook.com/hamare.utatsu/

【アクセス】

三陸自動車道 南三陸海岸IC→国道45号線を気仙沼方面に約10分

公共交通機関 BRT歌津駅前

【お問合せ】株式会社南三陸まちづくり未来 電話:0226-25-8903

 

<4月19日放送>みなさんぽ

今週の「みなさんぽ」は、いよいよ明後日4月23日(日)にオープンを控えた「南三陸ハマーレ歌津」からお届けしました!オープニングコールは商店会会長の高橋武一さん。インタビューはハマーレ歌津の新店舗「心結ぶカフェ むすびや」マスターの伊藤孝浩さんにお話を伺いました。

オープニングコール

オープニングコールは「ハマーレ歌津」の商店会会長・高橋武一さん。オープンを間近に控えたハマーレ歌津の敷地内にて収録をしました。いよいよ間近に迫ったオープンに向けて、意気込みを語っていただきました!

インタビュー

「心結ぶカフェ むすびや」マスターの伊藤孝浩さん。

大好評の南三陸のネットショップ「南三陸deお買い物」の店長も務める伊藤さん。震災時の話から、南三陸にUターンしてきたこと、そしてネットショップのネットワークやノウハウを生かし、「ひと」と「もの」がつながり、「ひと」と「ひと」が結ばれるカフェを目指しています。

町の人、観光客、いろんな人が出会う素敵な場になっていくんだろうなと、今からワクワクしてしまいます。

静かな語り口の奥に秘められた熱い想いを放送から感じ取っていただければうれしいです。

お知らせ

今回の放送でご紹介した「南三陸ハマーレ歌津」は4月24日(日)にオープンを迎えます。

4月23日(日)10時からオープニングセレモニーが開催。今回ご紹介した「心結ぶカフェ むすびや」をはじめとした各店のオープンはセレモニー終了後となります。

当日は、魚竜太鼓・もちまき・餅つき/お餅振る舞い・ポップキッズクラブダンスなどのステージイベントを予定しております。

ご家族・ご友人・ご近所さん、皆さんお誘いあわせのうえご来場ください!

<アクセス>
・三陸自動車道 南三陸海岸IC⇒国道45号線を気仙沼方面へ約10分
・BRTご利用の方は歌津駅で下車してください。

聞き逃した方はradikoでお聞きいただけます

パソコンやスマホでラジオが聴けるradikoでは、過去1週間以内に放送された番組を後から聴くことのできます。残念ながら聞き逃してしまったという方はぜひこちらでお聞きください!

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大好きな町で「社会人デビュー」!/沖澤鈴夏さん

南三陸に生きる⼈を巡り、⼀巡りする連載企画「南三陸ひとめぐり」。第12弾は、この春、都内の大学を卒業後、南三陸に移住して社会人生活をはじめた沖澤鈴夏さん。何気ない学生生活を送っていた彼女が、新卒Iターンを決断するに至った想いに迫ります。

都内の大学を卒業後、新卒Iターン就職

東北の長い冬が明け、南三陸にもようやく春がやってきた。

潮風を全身で受け止めたくなるような心地よい、おだやかな空気に思わず気分も安らぐ。これから迎えるゴールデンウィーク、そして夏に向かって南三陸は多くの観光客で賑わう。そんな、活気溢れる南三陸のホテルにあって、ひときわフレッシュな笑顔が目立つ女性がいる。

この春、この地で新生活を始めた沖澤鈴夏さん。彼女は北海道生まれの千葉県育ち。法政大学文学部地理学科をこの春卒業後、学生時代にボランティアやツアーを通して何度も訪れていた南三陸への移住を決断した。

「毎日、この大好きな海を見ながら仕事ができるということだけでも幸せ」と語る彼女は充実感に溢れていた。

おだやかな春の日差しそそぐ志津川湾

高校生のときの記憶が脳裏をよぎった、大学の授業

東日本大震災があったのは、沖澤さんが高校1年生のとき。千葉県の自宅にいたときに揺れが襲った。

「関東にいた私ですら、この先どうなってしまうのだろうと不安になったのを覚えています。それでも、正直そのときはテレビの奥の世界を想像することができなかった」

受験のために勉強していた地理に興味がわき、大学は地理学科へ進んだ。

変わりない大学生活を送っていたとき何気なく受けていた授業でのこと。地質学の観点から、地震・津波を学んだ。そのとき、高校1年生の春にテレビ越しに見たあの映像が、ふと脳裏をよぎった。

「波が町を丸ごと飲み込んでいく映像をただ茫然と見ていた。あのときは、なにかしたいと思っていながら、なにもできなかった。今ならバイトで貯めたお金もある。学生だから時間もとれる。あのテレビ越しに見ていた町は今どうなっているのだろうと思い、一度、現地を訪れたいという気持ちが強くなりました」

真新しいスーツにまだ初々しさを感じる沖澤鈴夏さん

南三陸で過ごした2週間で大学生活は一変

2014年の春。沖澤さんが大学2年生のとき。国際ボランティアNGO・NICEのワークキャンプで南三陸を訪れた。日本人3名に、タイ人、中国人がそれぞれ1名ずつ。国際色豊かなメンバーで歌津の寄木地区に2週間滞在した。初めての土地で、見ず知らずのメンバーと過ごす2週間。寝食をともにしながら、せわしないわかめの作業に励んだ。最初はぎこちなかったメンバーや地元漁師さんと、打ち解けていくのに時間はかからなかった。何気ない会話の一つひとつが心に残った。

「2週間の滞在で、本当の家族のようになっていた。帰るときは号泣して…『また戻ってくるね』って何度も何度も伝えたのを思い出します」

以来、何気ない大学生活を送っていた沖澤さんの生活は一変した。東京で開催される南三陸のイベントがあれば「おでって」に参加し、大学の卒業論文のテーマも、南三陸を選んだ。東京に戻って、きらびやかな都市のなかにいても、南三陸で過ごした日々が忘れられなかった。

「本当の家族のように受け入れてくれる温かさに感動した」と話す(写真提供:沖澤鈴夏さん)

「内定」をもらいながら、南三陸への移住を決断

初めて南三陸を訪れてから1年後。同級生がリクルートスーツを着て就職活動に精を出す頃、彼女は再び南三陸の地を訪れ、カッパに袖を通していた。来るたびに魅了されていく不思議な力がこの場所にあった。南三陸で過ごす時間が増えていくにつれ、「移住」ということも考えるようになっていった。地元の人からも「こっちに住んじゃえばいいっちゃ」と言われた。けれども彼女の心は揺れていた。

「ボランティアとして一時的に南三陸で活動するのと、移住してここで生活するのはまったく違うのではないか」

次第に大手企業に内定を得ていく大学の友人たち。沖澤さん自身も、関東を中心に就職活動を行った。実際に、とある企業から「内定」をもらっていた。

そんななか、大学4年生の夏に再び南三陸を訪れた。林業体験や、森里海のつながり、循環型のまちづくりなど南三陸の核心に触れた。すでに南三陸に移住をして活躍していた先輩たちとの出会いもあった。町に対して抱いていた想いが、変化していった。

「やっぱりこの町に暮らして、この町で働きたい。今、ここで起きていることを自分事として、南三陸のまちづくりの動きのなかに身を置きたいと感じたんです」

震災を教訓にした南三陸のまちづくり、そして一人一人が主体的に町に関わっている様子を見て、揺らいでいた彼女の心は一つに定まった。

内定をもらっていた企業に断りの連絡を入れたのは、このツアーの直後のことだった。

「南三陸でもっとも好きな場所」と話す、何度も訪れている南三陸歌津・寄木地区の風景(写真提供:沖澤鈴夏さん)

よそ者ならではの視点を仕事でも生かしたい!

2017年4月。ついに彼女は南三陸での生活をスタートさせた。

不安がないといったらそうでもない。それでも、この地を選んだ彼女に「おかえり」と声をかけてくれる、これまで南三陸で知り合った仲間・家族がいる。それが彼女の支えであり、励みだった。

働き場所は、観光客が多く訪れるホテル。

「はじめて南三陸を訪れてくれる人も多いと思います。ただ接客するだけでなく、南三陸がどういうところか、自分なりにかみ砕いて、わかりやすく説明できるようになりたい」と意気込む。

自分がよそ者だからこそ、旅行者がどういった情報を求めているのか、どういった伝え方をすればより伝わるのかも、わかるのかもしれない。よそ者として南三陸を訪れ、受け入れてくれたこの地に惹かれ、移住を決断した。そんな彼女だからこそ、活躍の場が無限に広がっている。

また、彼女には特技を生かした夢がある。その特技とは書道。準七段の腕前だという。

「師範までなって、書道の教室などをいつか開いてみたい」

特技の書道は、数々の賞を受賞する腕前。「南三陸でも書き続けたい」と話す(写真提供:沖澤鈴夏さん)

この先、きっとたくさんの困難が待っている。でも、ここなら、あの大震災を乗り越えてきた、しなやかで、たくましく、心強い仲間がたくさんいる。そんな大好きな「南三陸の家族」が迎え入れた彼女の未来は、眼下にひろがる海のように前途洋々、大きく広がっている。

春のほがらかな日差しと、すべて包み込み受け入れるようなおだやかなリアスの海も、大きな一歩を踏み出した彼女を応援しているようだった。

「大好きな家族のいる場所に帰ってきた気分」(写真提供:沖澤鈴夏さん)