雨も風もなんのその!南三陸の旬を満喫する「芋煮会」開催
2017年10月29日(日)にハマーレ歌津にて「南三陸 de 芋煮会 2017」が開催されました。主催は、南三陸のさまざまな職人が連携し活動する南三陸海しょくにん。当日は風雨のなか、旬を満喫しようと多くのお客さんが集っていました。
南三陸の食を楽しむ芋煮会
「南三陸 de 芋煮会」は2013年の秋に第一回を開催して以来、今回で4回目の開催となるイベントです。もともとは南三陸町歌津の漁師、金比羅丸の高橋直哉さん、同じく歌津地区で農業を営む株式会社小野花匠園の小野政道さんが震災以降多くのボランティアに助けられてきたことに感謝の意を示す会として始まりました。
最初は家の庭先で小さくはじまった芋煮会。翌年からは南三陸歌津の「南三陸直売所みなさん館」にて実施。より規模も大きく、参加者もボランティアとしてこれまで南三陸町にかかわりが深かった方はもちろん、地元住民や観光として訪れていた方が、豊かな食の恵みを再発見することができる場として企画がされていました。
そもそも海しょくにんって?
2016年度の芋煮会から主催となった「南三陸海しょくにん」。そもそも「海しょくにん」とはいったいどんな団体なのでしょうか?
南三陸の森里海をフィールドに活躍するプロフェッショナル(職人)の集団が「南三陸海しょくにん」。海をフィールドに活躍する漁師や、水産加工などに携わる方はもちろん、里で農業に従事する人、森で林業に励む人などがメンバーにいます。さらに、それらのフィールドを観光や教育旅行などのツーリズムで結び付ける人、デザインやライティングで情報発信を行う人など、南三陸町のさまざまな人材が集い、地域内外でさまざまな仕掛けを行いながら盛り上げていくことを目指している団体です。
「数名からスタートした団体でしたが、現在では25名を超えるメンバーが集まって活動をしています。これまではどうしても漁師は漁師、農家は農家と同じ職種の人同士での関わりに限定されていましたが、分野を超えて集まることで面白いことが生み出せるのではないかと考えていました」と話すのは発起人の一人、高橋直哉さん。
これまでの活動としては、年に1回、メンバーが集まってそれぞれの得意分野を生かしておもてなしをする「芋煮会」を代表として、里の魅力を子どもたちに伝える夏の人気プログラムのひとつ「カブトムシ取りツアー」、南三陸の海産物や加工品を県外にPRするために、山形や関東のお祭りなどへのブース出店など多岐にわたる活動を行ってきました。
雨天にも関わらず今年も大盛り上がり
そんな海しょくにんが主催する年に1回のお祭りが「南三陸 de 芋煮会」です。2015年の開催より「おらほのまちづくり支援事業補助金」を使用し、町内外より多くの関係者を巻き込んでの開催となりました。
今年の芋煮会は10/29(日)に開催。今年4月にオープンした「ハマーレ歌津」を会場に行われました。
当日はあいにくの雨模様でしたが、町内外から多くの方が集まり活気に満ちていました。里の恵みがギュッと詰まった芋煮はもちろん、旬の秋鮭のちゃんちゃん焼き、イクラ丼、さんま焼きや焼き牡蠣など、南三陸の食の魅力が詰まったイベントとなりました。さらに、マグロの解体ショーなどふだんなかなか目にすることのできない催しに大盛り上がり。
食以外にも、地域の子どもたちを中心にした仮装コンテストやくす玉を割ってお菓子をゲットするピニャータなど、南三陸でも子どもたちがハロウィンを楽しめる企画となっていました。会場装飾には地域実習中の大正大学地域創生学部の学生が中心となってホタテの殻や浮き玉など地域に眠る素材を生かした装飾を実施。
ほかにもスーパーボールすくいや、アコースティックミニライブ、忍者ショーなど子どもも大人も楽しめる盛りだくさんのコンテンツが実施され、好評のうちにイベントは終了しました。
「天候が悪いなか、たくさんのお客さんに来ていただけてうれしかった。南三陸の旬の恵みを楽しんでもらいつつ、多くの人とつながることのできるイベントになっている。町内でのつながりも強まるこのイベントをこれからも継続していきたい」と高橋さんは話しました。
<12月6日放送>みなさんぽ
今週のみなさんぽは、『和sian-cafe aimaki』マスター髙橋大吾さんにオープニングコールをお願いしました。インタビューは山内鮮魚店の『株式会社ヤマウチ』取締役の山内淳平さんにお話を伺いました。
オープニング
新お持ち帰り&お取り寄せメニュー「三陸牡蠣のグリーンカレー」ができたと聞いて、『和sian-cafe aimaki』に伺ってきました。
aimaki オーナーの高橋さんが、柴田町の就労支援施設「くりえいと柴田」の皆さんと一緒に、スパイス・ハーブから手作りした 化学調味料を使用していない無添加のグリーン・カレーです。また、三陸産の牡蠣もたっぷりと入っていますので、お土産にも喜ばれることまちがいありません。レトルト・カレー「三陸牡蠣のグリーンカレー」は、「和sian-cafe aimaki」の店頭で販売しています。またみなさんぽの今月の月間プレゼントにもなっておりますので、ぜひ番組を聞いて応募してくみてください。
インタビュー
インタビューでは、山内鮮魚店の株式会社ヤマウチ取締役の山内淳平さんにお話を伺いました。
今のお仕事は11年目。魚の仕入れ、加工販売、営業とすべてのセクションを経験されてきました。去年からはオーストラリア、シンガポール、タイ、香港と、海外にもヤマウチの商品を輸出しています。
実際にオーストラリアにも足を運んでいるという淳平さんですが、ヤマウチの豊富なラインナップから焼き魚が真空パックになった『しっかり朝ごはん』シリーズは現地に住んでる日本人の方に特に愛されているそうです。
【山内鮮魚店の通信販売サイトはこちら!】
https://www.yamauchi-f.com
聞き逃した方はradikoでお聞きいただけます
パソコンやスマホでラジオが聴けるradikoでは、過去1週間以内に放送された番組を後から聴くことのできます。残念ながら聞き逃してしまったという方はぜひこちらでお聞きください!
牡蠣一粒一粒に詰まった珠玉のストーリー/阿部民子さん
南三陸に生きる⼈を巡り、⼀巡りしていく連載企画「南三陸ひとめぐり」。第19弾は、震災後、海産物のギフトセット「たみこの海パック」を開始した阿部民子さん。国際認証を取得した牡蠣を広めることで、震災後の漁師たちのストーリーを伝えていきたい、と意気込んでいます。
漁師に嫁いだ主婦が震災を機にビジネスを開始
世界三大漁場に数えられる三陸の海。年間を通して豊かな海産物が水揚げされるが、秋冬は特に豪華だ。4年の歳月を航海してふるさとに戻ってきた鮭がもたらすキラキラのいくら。プリプリの食感で病みつきになる高級食材、アワビ。脂がのって、身がギュッとしまった寒鱈。そして、クリーミーで濃厚な風味が楽しめる牡蠣。
山形県出身の阿部民子さんは、南三陸町戸倉地区でわかめや牡蠣、ホヤなどの養殖を行う漁師に嫁いで30年。「食卓にあがる海産物が本当においしくて。すごいぜいたくだなって思っていました」
しかし2011年の東日本大震災で生活は一変。家も仕事場も失い、不安な日々が続いた民子さん。津波の恐怖から、海に出ることが出来なくなり、海から離れて仕事をしていたこともあるという。それでも、「南三陸で生きることは、海と向き合わなくてはならない」との思いで、自らできることを模索した。そうして考えだした答えが、南三陸の自慢の海産物を詰め合わせにして販売するという方法。「震災前から、自分がおすすめできる海産物を親戚などにギフトとして贈っていた」という経験から生まれたビジネスだ。
普通の主婦だった民子さんが震災をきっかけに社長に。その苦労は計り知れない。それでも、笑顔で挑み続けた。
震災後、牡蠣の養殖いかだを3分の1に
民子さんが海産物のギフトという挑戦に挑むなか、戸倉地区の漁師たちも新たな挑戦がはじまっていた。震災前、戸倉地区が過密養殖に悩んでいたということがその背景にあった。
生産量をあげることを追求し、質より量をとろうとしていた牡蠣養殖。利益を求めるがあまり、牡蠣の数を増やし続け、海の能力の限界を超えていた。当然、牡蠣の品質は低下。市場でも戸倉産の牡蠣の評価は低くなっていた。「変えなければいけない」という考えがなかったわけではない。しかし踏み出すことができないまま月日が過ぎていった。
そんな最中、東日本大震災が発生した。町を飲み込んだ大津波は、海の養殖施設も飲み込んでいった。
民子さんの住む地域では、養殖いかだだけでなく、船も、加工場も大きな被害を受けた。そんな状況から養殖の再開に向けて、漁師たちの話し合いが行われ「震災前の過剰生産をやめて、約3分の1以下まで養殖いかだを削減する」という方針が示された。もちろん民子さんの夫もその方針に従うことになる。
この方針に「牡蠣養殖いかだを3分の1まで減らすことは、収入が減るということ。家計を考えれば、正直不安も大きかった」と民子さんは振り返る。
漁師間でも多くの異論がでた。それでも何度も膝を突き合わせて話をした。時には、けんかになりながら。時には、涙を流しながら。時には、酒を飲みながら。これまで一匹狼として個人の想いで動いていた漁師が、震災という危機を経て、ひとつになろうとしていた。大きな不安を抱えていたのはみんな同じ。それでも、このままではいけない。震災前に戻すだけでは意味がないとも、みんな感じていた。
「何度も何度も話し合いを重ねた結果、過密だった牡蠣養殖を終わらせ、環境に配慮した養殖に転換し、子や孫の代までつないでいくやり方を選択したのです」(民子さん)
環境にも、人にもやさしい養殖牡蠣が誕生
すると、震災前は牡蠣の収穫まで2年~3年かかっていたものが、1年で収穫できるようになった。そして、産卵も一度しか経験しないために、渋みが少なく食べやすい牡蠣が生まれた。これまで最低ランクだった牡蠣の品質が評価されていくようになった。
過密だった牡蠣養殖は自然環境だけではなく、働く人にも大きな負荷をかけていた。
「震災前は、早朝から晩まで休む間もなく働いていた。今は午前中で終えることができていて、加工業務や販売、広報などほかの仕事もできるようになっています。若い人がこうした漁業ならやれる、と戻ってくるきっかけにもなっています」と話す民子さん。
2016年にはこうした持続可能な漁業への取り組みが評価され、国内で初めて国際認証ASCを取得した。
環境にも人にもやさしい漁業は、後継者も育てることにつながる。日本各地の漁村で後継者不足が叫ばれている中で、この地で行われている漁業のやり方はひとつのヒントになるのかもしれない。
ASCの牡蠣を広めることで、震災後の漁師のストーリーを伝えたい
今年も東北地方に上陸した台風や、低気圧の影響によって2割ほどの牡蠣に被害が出た。震災前から量が3分の1になっているなかでの2割の被害は、より大きな痛手となる。
「だからこそ、生産者はひとつも無駄にできない、との思いで、文字通り一つひとつに想いを込めて丁寧に作っているんです」
民子さんの手がける南三陸の海産物ギフト「たみこの海パック」でも、ASC認証の牡蠣を手に入れることができる。
戸倉地区で牡蠣養殖を行うのは37軒。
うまみたっぷりの牡蠣の身にギュッと詰まっているのは、6年半前の未曾有の大震災から、何度も困難を乗り越えてきた、南三陸で海とともに生きるものたちのストーリーだ。「ASCの牡蠣を多くの人に届けることでこの物語を多くの人に伝えていきたい」と意気込んでいる。
インフォーメーション
たみこの海パック
HP:https://www.tamipack.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/Tamikonoumipakku
2017年11月30日/定点観測
南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。
写真をクリックまたはタップすると大きくなります
戸倉地区
撮影場所 [38.642969, 141.442686]
志津川地区
撮影場所 [38.675820, 141.448933]
歌津地区
撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E]
他の定点観測を見る土地の恵みを味わう手作り市「ひころマルシェ2017秋」開催!
「この土地で続く暮らし」をコンセプトに、入谷地区「ひころの里」で毎年2回開催されている「ひころマルシェ」。10月8日に行われた「ひころマルシェ2017秋」は、さわやかな秋晴れのもと、大勢の人でにぎわいました。
食べる、作る、遊ぶ。五感で楽しむ「ひころマルシェ」
ぽかぽかと気持ちのよい秋の1日。ひころの里の原っぱに、約40のテントやブースが並びました。「ひころマルシェ2017秋」の開催です。パン、おにぎり、スープ、果物・スイーツなど、さまざまなフードやドリンクのほか、草花、古本、アクセサリーなど、さまざまなお店が登場。草木染や木工ワークショップなどの体験ブースも充実しており、子どもたちがさまざまな遊びを楽しめる「子どもあそび場」もあります。
さらに、ライブステージあり、外ヨガありと、盛りだくさん。スタッフ・出店者も含めて1182人の来場者があり、子どもも大人も思い思いに楽しみました。
「この土地で続く暮らし」を大切にした手作りの市
「ひころマルシェ」は2015年秋に9ブースで始まり、今回で5回目の開催です。主催するのは、土地の暮らしを学びながら、ゆるやかにつながるコミュニティ「うみさと暮らしのラボ」。「この土地で続く暮らし」というコンセプトのもと、おいしく、楽しく、すこやかな“にぎわいの市”をつくってきました。
ひころマルシェでは、次のことを大事にしています。
1. 里山・里海のめぐみとともにある持続可能な暮らしをもとめて、地球とカラダにやさしいオーガニック(有機)と循環を徐々に実践していくこと。
2. 持続的な暮らしに近づく知恵を分かち合い、発信すること。
3. この土地で続く次の時代の暮らしをつくっていくのは子どもたち。多世代のいろんな人が子育てを温かく見守り、子連れで出かける楽しい場があること。
これらの趣旨にもとづき、里山・里海の暮らしを楽しむお店が集まり、「自然にふれる」「天然素材を使う」「もったいない、エコ、リサイクル」などを形にする手づくりワークショップが行われ、心とカラダを癒す時間・空間が生まれました。
土地の知恵を交換し合い、つながりが生まれる場
ひころマルシェの事務局、「うみさと暮らしのラボ」のNPO法人ウィメンズアイ理事・塩本美紀さんに話を聞きました。
「ひころマルシェでは、この土地の豊かなめぐみを地域の人たちがうまく生かせるように、知恵を交換し合える場を目指しています。ですので、遠くの出店者も趣旨が合えば歓迎しています。そこから、ご縁やつながりが生まれるのです」。
また、子育て世代が楽しめるよう、そして子どもが思いっきり遊べるようにと、ひころマルシェでは「子どもあそび場」に力を入れています。「ひころマルシェは、ひころの里との共催で行っています。多くの子どもたちに遊びに来てもらうことは、ひころの里の願いでもあったので、ひころマルシェという形でそれを実現できてよかったです」と塩本さん。「ひころマルシェには、『自然とともに暮らす知恵 孫の孫まで伝えたい』という、ひころの里の想いものせているのです」
今回のひころマルシェで特徴的だったのは、「ファイバー・アップサイクル」のワークショップでした。これは、事務局企画として、講師を呼んで行われたもの。「よりテーマ性を高めるため、事務局がみずから仕掛けていきました」と塩本さん。ダーニング講座は大人気で、予約はすぐに埋まりました。
「これからも、ひころマルシェを通して、地元の知恵を受け継いでいきたいです。回を重ねるごとに、地元の人たちと有機的なつながりができてきました。たとえば地元の食品加工グループなど、いろいろな人・グループが出店しやすいように、事務局ではできるかぎりのサポートをしていきます」。塩本さんはマルシェにかける想いを語ってくれました。
次回のひころマルシェは、2018年初夏に開催される予定。どんな市になるのか、今から楽しみですね。
<11月22日放送>みなさんぽ
今週のみなさんぽは、パティスリークリコの代表取締役・佐藤洋子さんにタイトルコールをお願いしました。そして、インタビューではYES工房のデザイナー・大森丈広さんが登場。化石のお話を伺いました。
オープニング
南三陸町歌津地区のスイーツといえば、これ。パティスリークリコのロールケーキですね。
今回の放送では代表取締役の佐藤さんに開発の裏話などもお聞きしながら、看板商品のひとつ”生わかめロール”をいただきながらスタートしました!
インタビュー
実は『化石』の宝庫でもある南三陸町。今回はYES工房デザイナーの大森丈広さんにお話を伺いました。
地元で化石をとれる場所があり、小さい頃から、化石を採集するのが自然な遊びであり、それが、好きになったきっかけ。
化石の研究者は全国から訪れていて、震災の後も大発見が続いているのだそうです。
たとえば、日本で最古の時代の魚の化石や2億5千万年前の地層から、甲殻類の仲間といわれる『嚢頭類(のうとうるい)』の化石も見つかりました。これは日本では南三陸町でしか見つかっていない、貴重なもの。
翌日には、ニュースを見た専門家や化石ファンの方が全国から訪れていたのだそうです。
聞き逃した方はradikoでお聞きいただけます
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大正大学地域創生学部、6週間の地域実習を南三陸町で実施!
2017年9月19日~10月30日の42日間、大正大学地域創生学部の1年生が、南三陸町で地域実習を行いました。学生たちは南三陸町で何を感じ、どんなことを学んだのでしょうか? 実習中の学生たちに話を聞きました。
今年も大正大学地域創生学部の実習生が南三陸町へ
大正大学に昨年誕生した地域創生学部では、地域問題を解決し、これからの地域を担う人材の育成を目指しています。学生たちは1年次から4年次まで都市と地方の双方で長期の地域実習に取り組みながら、都市の視点で地域活性化に貢献するとともに、地方の視点で都市問題にアプローチできる力を身につけていきます。
全国12地域ある実習先のひとつが南三陸町です。昨年に引き続き、1年生21人が6週間にわたって滞在し、観光・産業・コミュニティのテーマで3つのグループに分かれ、ボランティア活動や町内事業所でのインターン、地域イベントの企画・運営など、地域と密に関わりながら実習を行いました。
「南三陸の最大の魅力は“アツイ人”が多いこと」
10月8日(日)に入谷地区「ひころの里」で開催された「ひころマルシェ」。その企画・運営に、コミュニティ班のメンバーが関わりました。コミュニティ班は、南三陸町にどういうコミュニティがあるのか、そのコミュニティがどう機能しているのかをリサーチします。ひころマルシェでは、来場者がより楽しめるようにとインスタグラム用の木枠を提案したり、ライブステージ前のイスを作ったりと、地域の人たちと相談しながら準備を進めました。
コミュニティ班のリーダー、若井千穂さんは「事前のミーティングで、私たちが考えたことを提案したら、すべて『いいね!』と受け入れてくださったのがうれしかったです」と振り返ります。当日は会場入口付近の受付ブースを担当し、来場者への案内などで忙しい様子でした。
若井さんは、実習先が南三陸町に決まり、実習前に一度見ておこうと、夏休みにヒッチハイクで町を訪れました。「インターネットで見ていた町の印象と、実際に自分の目で見た町の様子は、だいぶ違うものでした。復興はだいぶ進んでいると思っていましたが、まだまだ手つかずのところも多く、驚きました」。
しかし、実習のため再び南三陸町へやって来て、町に対するイメージはさらに変わったそうです。「南三陸町は豊かな自然も魅力的ですが、何といっても人が素敵。“アツイ人”が多いのが南三陸町の魅力です」と若井さん。「南三陸を盛り上げたい、どうにかしたい、と思っている人が多いことが、この町の強みだと思います。地域実習の最後の報告会では、南三陸にいる“アツイ人”をマップ化して紹介したいと考えています」。
「3年次にもう一度実習に来るので、そのときには、未来を担う子どもたちが南三陸にずっと住み続けたいと思うような仕組みやイベントを作りたい。そのために、子どもたちが南三陸町のことをどう思っているのか、生の声をもっと聞きたいですね。今回の実習では地域に溶け込むことが目標でした。3年次には具体的なアクションに移せるよう、これからがんばります!」と、若井さんは今後の抱負を話してくれました。
「想いの強い人たちが町を盛り上げている」
産業班リーダーの小坂健介さんにも話を聞きました。小坂さんは長野出身で、将来は大好きな地元に戻って何かしたいという想いから、地域創生学部に入ったそうです。
「産業班では、第一次産業の現場で活躍されている人たちに話を聞いたり、かまぼこの老舗・及善商店で仕事体験をしたりしています。3週間が過ぎて、南三陸がどういう町かが少しずつわかってきました。移住してきた人やUターンしてきた人たちが活発で、町を盛り上げているという印象があります。そういった人たちの想いの強さを感じますね」と小坂さん。若井さんと同様、南三陸の魅力は人にあると感じています。
「地域実習の後半3週間は、決められたプログラムがなく、自分たちで学びをデザインしていかなければいけません。同じ班のメンバーと話し合いながら、テーマを設定し、掘り下げていきます!」と小坂さんは意気込みを語りました。
地域への報告会は、あくまで通過点
40日間にものぼる実習の最終週、10月26日(木)には地域住民を主対象にした活動報告会が開催されました。報告会には、町内外から約50名が集まり、地域創生学部のみなさんの取り組みが町内でも注目されていることが伺えました。
観光、産業、コミュニティのそれぞれのグループが活動の報告や、仮説の検証、提案を実施。観光班は、観光客の滞在時間を延ばすことを目的に、店主らが町の魅力をしっかりと語れるようにするための講座開催を提案しました。
観光班リーダーの鈴木里奈さんは「これをステップにして、2年後の地域実習時には私たちの目標である『さんさん商店街+アルファ』の観光をしっかりと考えていきたい」と意気込みます。
南三陸町での地域実習で、多くの人と出会い、さまざまな体験をした学生たち。しかし今回の実習はあくまで通過点。東京に戻った学生たちは、それぞれの研究課題を深め、2年次には東京で実習、3年次には再び南三陸に戻って実習を行う予定です。南三陸で得たものが、この先の学びにどう生かされるのか、彼らと南三陸町とのご縁がどのような形になるのか、これからが楽しみです。
<11月15日放送>みなさんぽ
今週のみなさんぽは、今月の月間プレゼントもご提供いただいている「歌津小太郎」取締役の千葉孝浩さんにタイトルコールをお願いしました。そして、インタビューでは「合同会社でんでんむしカンパニー」代表の中村未來さんにお話を伺いました。
オープニング
今月の月間プレゼントは南三陸町歌津で水産加工を行う歌津小太郎の『さんま昆布巻き』『さんま昆布巻きほぐし身』です。
取締役の千葉孝浩さんに新商品の開発秘話や、こだわりのポイントなどもお聞きしました。旬のうまみがギュッと詰まった一品です。ぜひ今月のプレゼント、応募してみてくださいね!
インタビュー
今週の『みなさんぽ』は合同会社でんでんむしカンパニー代表の中村未來さんにお話を伺いました。
”使われなくなってしまったものへちょこっと手を加えて未来へ繋がるモノ・コトづくり”をモットーにしているのがでんでんむしカンパニーです。
藍作りをはじめて3年。はじめての経験ながらデータを取り、試行錯誤しながらの栽培が続いたとのことです。
そして、この秋から、藍製品の常設での販売がはじまりました。
でんでんむしカンパニーでは生葉で染める方法、乾燥葉を煮だす方法で染めています。この方法だと、すずしげな”あさぎ色”の製品になるんですね。
すべての作業が手作業で、想いを込めて作っている藍製品。さんさん商店街の「NEWS STAND SATAKE」、ポータルセンター横の「みなみな屋」で取り扱っています。
【でんでんむしカンパニー“藍監査室”のFBはこちら】
聞き逃した方はradikoでお聞きいただけます
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