【祝】南三陸のカキが日本初のASC認証取得! ~震災から5年「森・里・海・ひと いのちめぐるまち 南三陸」を目指して~

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2012年秋以降、約3年半にわたって「南三陸なう」を担当してきましたが、現体制では最後の記事となります。
長年のご愛顧、ありがとうございました!引き続き、新体制での町の公式ブログにご期待ください。

分水嶺で囲まれたまさに地球の縮図ともいえる南三陸町。
町の総合計画に掲げるビジョン「森・里・海・ひと いのちめぐるまち 南三陸」を具現化すべく、森・里・海・ひとのいのちめぐる取り組みが、震災から5年を経て芽吹いてきました。
それらの取り組みをまとめてみました。

~構想~
2014年3月、南三陸町は国にバイオマス産業都市構想の認定を受け、森里海がコンパクトにまとまった循環型地域をつくるというビジョンを掲げました。
・南三陸町バイオマス産業都市構想の記事はこちら

海の取り組み

2016年3月30日、審査中でありました宮城県南三陸町のカキ養殖業に対し、日本初の養殖認証(国際認証ASC)が発行されました!
・本審査の記事はこちら

戸倉地区のASC認証製品のカキは4月2日から市場に流通することになっており、ASCのカキを取り扱いたい小売り事業者が、早速店頭で販売を開始するとのことです。

戸倉カキ部会会長 後藤清広さん
戸倉カキ部会会長 後藤清広さん
日本初のASC養殖認証の証書
日本初のASC養殖認証の証書

 

ASC養殖場認証とは?

2009年に設立された「ASC(Aquaculture Stewardship Council: 水産養殖管理協議会)」は、環境に大きな負担をかけず、地域社会(人権や労働等)に配慮した養殖業を認証する国際的な認証制度で、環境への負荷、地域社会への影響等を評価するため、養殖場設置による自然環境の破壊、水質や海洋環境の汚染、エサとなる生物の過剰利用等に関する審査項目が魚種ごとに設定されています。

現在、世界の漁業総生産量は増加傾向にあり、養殖生産量も年々伸びています。一方で、2011年において28.8%の漁業資源は生物学的に持続できないような乱獲を受けており、責任ある水産物管理の重要性が高まっています。

山の取り組み

一方、海の町とはいえ、面積の77%が森林である南三陸町。昨年10月に宮城県初の森林認証(国際認証FSC)を取得しています。

南三陸町でのFSC審査の様子
南三陸町でのFSC審査の様子

FSC(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会)森林認証とは、持続的な資源活用を目的に、責任ある森林管理を認証する国際的な環境認証制度です。

・本審査の記事はこちら
・伝達式の記事はこちら
現在建設が計画されている新庁舎はFSCのプロジェクト認証取得が計画されており、東京オリンピックの新国立競技場はFSC材を使うということになっているため、南三陸産のFSC材が利用されることも期待されています。

里・ひとの取り組み

アミタ株式会社提供
アミタ株式会社提供

2015年10月19日、南三陸町全町で一斉に生ごみの分別がスタートしました。これまでお隣の気仙沼市の焼却場で焼却され、焼却灰は他県に埋立処理されていた生ごみが、町内のバイオガス施設(南三陸BIO)でエネルギーと資源に生まれ変わるという取り組みもスタートしています。

全町で生ごみを分別し、そこでつくられた液肥を全量農地利用するというのは、東北初の取り組みです。
・バイオガス施設(南三陸BIO)竣工式の記事はこちら

南三陸バイオガス施設(南三陸BIO)
南三陸バイオガス施設(南三陸BIO)
2015年10月より町内一斉に生ごみ分別開始
2015年10月より町内一斉に生ごみ分別開始
生ごみを発酵させて出来た液肥を農地で利用
生ごみを発酵させて出来た液肥を農地で利用
液肥を散布して育てたお米
液肥を散布して育てたお米

2011年3月11日、震災という不幸な出来事ではありましたが、その震災を経て、自然との共生や人と人のつながりの大切さに南三陸町の方々は気がつきました。

震災で無念にも亡くなった方々の死を決して無駄にせず、この町に暮らす人が、南三陸町ってすごいだろ!と誇れるまちをつくること。これは前人未踏のチャレンジで決して簡単ではありませんが、いまを生きる私たちが課せられた使命だと思います。

南三陸町の未来に暮らす人たちが何年か後に、
「あの震災後この町の未来を信じがんばってくれた人たちがいた。そのおかげで今のこのすばらしい南三陸がある。」
と会話する人たちがいてくれることを夢見て、そんな南三陸町の未来づくりに少しでも関わることが出来れば幸せと思っています。

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