町民の利便性向上!BRT 志津川中央団地駅開業!

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JR 気仙沼線では、志津川中央団地内に BRT(バス高速輸送システム)の新駅を設置し、7月1日から営業開始しました。記念のセレモニーとたくさんの住民も参加した試乗会の様子を紹介します。

快晴の朝、オープニングセレモニー

「今日も暑いね!」まだ梅雨は明けていない南三陸町ですが、こんなあいさつが交わされる暑い日が続いています。7月1日、すでに猛暑の気配漂う快晴の朝、オープニングセレモニーが始まりました。

「様々なイベントに出席しているが、こんな素晴らしい快晴は珍しい。住民のみなさんの思いが通じ、雨男と呼ばれる者として万感の想いである。」と佐藤仁町長が笑いを誘いながらマイクの前に立ちました。

「JR 気仙沼線の運行にあたり、地域の方々がより利活用できるよう検討して頂きたいと訴えながら協議を重ねてきた。約300世帯が暮らす中央団地には、小中学校や保育所そしてショッピングセンターがある。来年度には生涯学習センターも建ち、まさに町の中央、拠点となる。この中央部にぜひとも駅が必要だとお願いしてきた。JR の速達性を考えると大変難しいことではあるが、住民の利便性を考慮して頂いたものと感謝申し上げる。」と新駅設置の思いと JR 側への御礼を述べられました。

続けて「このJR 路線が被災地交通網の背骨であるのは間違いない。肋骨にあたる地域間の交通網の整備は、住民の方々の要望を踏まえながら町として責任をもって行うので、BRT 並びにこの新駅を活用して頂きたい。」と住民へ利用を呼びかけました。

JR 東日本仙台支社島児伸次企画部長からは、「地域の方々からこのように歓迎して頂いて大変嬉しい。この新駅開業と同時に、気仙沼市の松岩駅も開業した。さらに柳津駅から陸前戸倉駅も今日から専用道が開通となる。今後も利便性の高い、愛される BRT を目指したい。」と力強いあいさつが述べられました。その後、志津川中央行政区長はじめ関係者がテープカットをして、新駅開業を祝いました。

地元住民も興奮、BRT 試乗

体験試乗を希望した住民約30名が、真新しい乗り場(待合スペースも完備)で10時38分発の柳津行きのバスを待ちます。

バス停の行列と言うと、整然とした静かな雰囲気があるのですが、顔なじみの方々が揃うこの時間は、皆さん大はしゃぎです。今後、住民交流の場になるかもしれませんね。

宮川はぎ子さん(84歳)と小野ツヤ子(89歳)さんの仲良しコンビからお話を伺いました。
「いっつも二人で鳴子に温泉を楽しみに行くんだよ。BRT で前谷地まで行って、乗り換えて小牛田から
鳴子へと乗り換えの時間も列車もちゃんと頭さ入れてあっから。」と小野さんは元気に笑い飛ばします。

「この駅ができると家から近くなるから楽だよネ。」と宮川さんもうなずきました。

行列の中に、地元の住民ではない旅行者らしき方を発見、インタビューを試みました。

「今日開業する駅があると聞いたので、やってきました。日本全国どこかで記念のイベントがあったりすると出かけますネ。」にこやかに話してくれる東京都在住の宮下智浩さんです。

普段は鉄道車両の撮影や乗車を楽しみにされているのですが、今回は BRT 志津川中央団地駅開業に合わせ昨晩石巻に泊まってこちらにこられたそうです。被災地の気仙沼線、鉄道復活ではありませんが彼の目にどのように映ったのでしょうか。このまま仙台に出て、東京へ帰られるそうです。

BRT 志津川中央団地駅に期待すること

職住分離の新しい志津川の街に作られた三つの駅(志津川駅~南三陸町役場・病院前駅~志津川中央団地駅)を結ぶルートは、BRT ならではの経路で鉄道では絶対あり得ないケースです。

では、志津川中央団地駅の開業による、住民の期待とはどのようなモノなのでしょうか?阿部とき子さん(75歳)は、「私たち夫婦は旅行好きでさ、いろんな所へ行くんだけど、お父さんが運転しなくても楽しめるのも良いよね。例えば仙台なら、るーぷるバスで市内回れるでしょう。これからは、家から歩いてきてここから乗っていけるよね。」と、ご主人の負担軽減も考えながらの旅に心躍る様子。

一方、渡辺きよ子さんは、「高齢者にとっては病院へ通うのも一苦労。これなら車を運転できなくても良いし、知り合いと一緒なら楽しいじゃない。」と話してくれました。

時刻表を見てみると、志津川中央団地駅と病院・役場とを結ぶ便は上下各一日19本、ほぼ一時間に一本運行されているので、診療時間や薬処方、役場手続きなどで焦ることが少なくなる感じがします。さらに気仙沼や仙台へのアクセスもかなり充実しているので、出張や旅行も便利になりそうです。

今回試乗された住民からは、快適だったとの感想が多く聞かれました。どこに行くにも自家用車という方も多いですが、たまには BRT に乗って町を巡ってみてはいかがでしょうか?地域間を結ぶ背骨と肋骨の交通網整備が図られ、住民の利活用向上が進むとより快適な町になるんだと期待される新駅開業です。

BRT とは

鉄道の軌道を舗装してバス専用道を作り、定時で早い運行を可能とするバス高速輸送システム(バス・ラピット・トランジット=Bus Rapid Transit の略)

2011年(平成23年)3月に発生した東日本大震災で壊滅的被害を受けた JR 気仙沼線では、不通になった気仙沼~柳津間で BRT を採用している。平成30年7月1日、柳津駅と陸前戸倉駅間の元軌道約12km が BRT 専用道として開通した。BRT運用区間での専用道率が全体の62%となった。

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