<9月13日放送>みなさんぽ

今週のみなさんぽは、『さかなのみうら』におじゃまして、三浦保志社長にタイトルコールをお願いしました。そして、インタビューはこの夏南三陸で活躍する台湾人インターン生にお話を伺いました。

オープニング

今日のオープニングはいよいよ旬の時期を迎えたサンマの試食を、南三陸町民御用達のお店「さかなのみうら」でいただきました。

漁獲量が少なく、今年は貴重な魚になりそう、、とのことでしたが、おいしさは変わらず格別でした!

インタビュー

本編では台湾から南三陸町にインターンできた、ショウちゃんとベティちゃんのふたりを紹介しました。昨年から続いている台湾の大学生の日本へのインターンシッププログラムは今年で2回目。約2カ月間を南三陸町の事業所で過ごし、さまざまな活動を行っていきます。

二人は「南三陸まなびの里いりやど」でインターン。たくさんのことを学んだようです。

台湾に帰ってからも、日台の架け橋として交流が続いていくことでしょう。

南三陸の魅力と暮らしを体感する!「南三陸めぐるツアー」①

南三陸町への移住に興味のある人を対象に、南三陸町での暮らしや住まい、町の人々を知ってもらうための「南三陸めぐるツアー」が、2017年7月29・30日に実施されました。この移住体験ツアーの様子を2回にわたってレポートします!

参加理由はさまざま。南三陸に興味をもつ人たちが集まった。

2017729日(土)朝。JR石巻駅に到着すると、グリーンのジャケットを羽織った男性が笑顔で迎えてくれました。南三陸町移住支援センターのスタッフ、片山真平さんです。バスに乗り込むと、すでにほかの参加者が。参加者7名、スタッフ2名を乗せて、バスは南三陸町へ向けて出発。外はあいにくの雨模様でしたが、南三陸町でどんな体験ができるのだろう、どんな人たちと出会えるのだろうと、ワクワクしていました。

バスで参加者一人ひとりに配られたツアーのファイル。関連資料やメモ用紙が付いていて、至れり尽くせり!

まずは自己紹介。移住を本格的に考えている人から、水産業に興味のある人、震災前に訪れた南三陸町の現在の様子が知りたいという人など、さまざまな参加者がいます。宮城県や岩手県など東北出身の人と、関東エリアからやって来た人は、だいたい半分ずつでした。

自己紹介の後は、片山さんによる南三陸町の紹介。写真を見せながら、町の特徴や魅力を話してくれました。分水嶺に囲まれた町であること、主な産業は水産業ですが、林業や農業でも新たな取り組みに挑戦していること、観光業にも力を入れていて民泊が人気だということ、などなど。

地図を見せながら南三陸町の概要を説明する、南三陸町移住支援センターの片山さん

石巻を出て1時間弱。車窓の風景が水田から杉林に変わると、いよいよ南三陸町です。12時前に南三陸ポータルセンターに到着。さらに2名の参加者と町役場の阿部大輔さんらが合流し、あらためてオリエンテーションと自己紹介が行われました。そして昼食へ。入谷地区にある人気のそば処「すがわら」で、おいしいおそばや丼ものをいただきました。

おすすめメニューの天ざるをいただく参加者。「コシがあっておいしい!」

古民家リノベーションに取り組む移住者を訪問。

昼食後、最初に尋ねたのは、移住者の中村未來さん。払川という山あいの小さな集落で、宿をつくるために古民家のリノベーションに取り組んでいます。南三陸町に移住した経緯、南三陸町での暮らし、地域の人々との関わりなど、興味深いストーリーに聞き入りました。

「みんなでつくる ちいさな宿プロジェクト」として、ボランティアさんなど多くの人を巻き込みながら、リノベーションを進めている

「小さな町では地域とのつながりが大事。自分から積極的に挨拶することを心がけています」と髙橋夫妻。先輩移住者の言葉は大いに参考になります。また、「地域のキーパーソンと移住者をつなぎます」という阿部さんの言葉も、心強いものでした。

新しい土地に移り住むのは何かと不安なものですが、中村さんは、南三陸町での暮らしや新しいチャレンジを心から楽しんでいる様子。そんなお二人の姿に感銘を受けるとともに、なんだか勇気づけられました。

災害公営住宅を見学し、志津川湾夏まつり福興市にも!

払川集落を後にし、ハマーレ歌津商店街に立ち寄ってから、志津川地区の災害公営住宅へ。これまでは住宅不足が移住のネックになっていた南三陸町ですが、20178月中旬からは、災害公営住宅の空き室が一般開放されます。これは移住希望者にとってはうれしいニュース!集合住宅タイプと戸建てタイプの両方を見学し、家賃や入居要件などを熱心に質問する参加者も。入居条件はいろいろとあるようですが、住宅の選択肢が増えたことはプラスになります。

災害公営住宅について説明する町役場の阿部さん(右)と、耳を傾ける参加者
集合住宅タイプを見学後、戸建てタイプの方に向かう参加者たち

災害公営住宅見学後は志津川仮設魚市場へ。ちょうどこの日に開催されていた「志津川湾夏まつり福興市」を見学しました。雨も上がり、にぎわいを見せ始めた頃。浴衣姿の子どもたちもいて、風情が感じられます。ずらりと並んだ屋台は圧巻。短い時間でしたが、私たち参加者も、おみやげを買ったり飲み食いしたりして楽しみました。

夏まつり会場では、佐藤町長(左から2番目)からもご挨拶をいただいた
ホヤの串焼きを楽しむ参加者たち。海産物の屋台が多いのは南三陸町ならでは

民泊先で初めてのくるみむき体験。ごちそうの数々に感激!

南三陸ポータルセンターに戻り、いよいよ民泊先の方々とご対面。男女に分かれ、3つの家庭で受け入れてもらいます。私を含む女性チームは、入谷地区に住む首藤一雄さん・和子さんのお宅へ。和子さんはお料理上手で知られているそうで、食いしんぼうの私にとってはうれしいかぎり(笑)! 実は、私が今回のツアーでいちばん楽しみにしていたのは民泊です。胸を躍らせながら首藤さんの家へ向かいました。

民泊家庭を紹介する、南三陸町観光協会の末松知華さん(左)。左から2番目が首藤一雄さん

到着して、家の内外をざっと案内してもらったら、参加者みんなでくるみむきをしました。和子さんの得意メニュー、くるみ餅に使うため。殻を割ったくるみから、ていねいに実を取り出します。細かい作業に、みんな集中。すべて終えたときには達成感がありました!

くるみむきは、私にとって初めての体験。くるみのよい香りが漂い、食欲がそそられました

くるみむきが終わったら、夕食の準備。自分たちも準備や片付けに関われるのが、民泊の醍醐味です。サーモンのお刺身、たこのサラダ、なすの煮物、手作りこんにゃく、ホヤ、さんまの煮つけなど、ごちそうがずらり! そこに3種の餅(くるみ、あんこ、雑煮)が加わり、テーブルの上はお皿で埋め尽くされました(笑)。

ずらりと並んだごちそうの数々。魚介類は南三陸産、野菜は自家菜園のものがほとんどだ

さすが、お料理上手の和子さん。どれもおいしい! しかしながら、自称・食いしんぼうの私も、この量は完食できず……。胃袋が2つあったらいいのに! と心から思いました。聞いたところによると、お餅料理はおもてなしの印だとか。お心遣いに感謝です。やさしい和子さん・一雄さんとの会話も楽しみながらの、和やかな夕食となりました。

和子さんと一雄さんを囲んで記念撮影。南三陸町移住支援センターのスタッフのみなさんも一緒に夕食を楽しんだ

満腹状態のまま、盛りだくさんな1日を振り返りつつ、就寝。明日も楽しみです!

ツアー二日目の体験レポートはこちらから
南三陸自慢の海を体感!「南三陸めぐるツアー」②

<9月6日放送>みなさんぽ

今週のみなさんぽは、定期的にボランティアで南三陸町を訪れている恵泉女学園高等学校OGのみなさんの声でスタート。そして、インタビューは南三陸町役場の新庁舎で建設課・課長の三浦孝さんにお話を伺いました。

オープニング

南三陸町歌津の寄木漁港でバーベキューをしていた恵泉女学園高等学校OG「チームわかめ」のみなさんのタイトルコールでスタートしました。じつは昨年の同時期にも仮設のさんさん商店街でお話を聞いた方もいらっしゃいました。一年のときの流れの早さを実感するとともに、学生の成長のスピードを実感しました。

インタビュー

今月3日に開庁した南三陸町役場。公共施設としては国内初となる「FSC®全体プロジェクト認証」を取得しました。建設課長の三浦孝さんにお話を伺いました。

「敷居を低くすることで、町民が気軽に訪れることのできる役場にしていきたい」という想いから「マチドマ」というスペースが設けられています。ここでは町民のみなさんとともにさまざまな企画を行っていければと思います。「楽天の試合のパブリックビューイングなどもやりたいですね」と意気込みます。

ガラスには南三陸名物のタコやモアイが。館内のサインも「きりこ」風に仕上がるなど細かなデザインにも気を配られているのが特徴です。ぜひ多くの方に気軽に足を運んでほしいと話していました。

聞き逃した方はradikoでお聞きいただけます

パソコンやスマホでラジオが聴けるradikoでは、過去1週間以内に放送された番組を後から聴くことのできます。残念ながら聞き逃してしまったという方はぜひこちらでお聞きください!

http://radiko.jp/#!/ts/DATEFM/20170906123000

被災した町役場が再建。町民に親しまれる庁舎を目指す

東日本大震災から6年半。全壊した南三陸町役場の新庁舎が完成し、9月3日に記念式典が開催されました。真新しい庁舎に「感慨ひとしお」と話す佐藤仁町長。「広く町民にひらかれた、共有の場」としての役場庁舎は生まれ変わりました。

町民の防災拠点としての役割

東日本大震災によって被災した南三陸町役場庁舎。これまで仮設庁舎にて業務を行っておりましたが、平成29年8月に新庁舎が竣工、9月3日には記念式典が執り行われました。

テープカットを盛り上げた大森創作太鼓旭ケ浦のみなさん

東日本大震災の教訓をもとに、標高60メートル以上の高台に建設された新庁舎。非常用発電は7日間連続で運転可能なものとなり、さらに、太陽熱、地中熱、木質ペレットなどさまざまな再生可能エネルギーを使用するなど住民の安全安心を支える拠点としての役割が期待されています。

鉄筋コンクリート3階建ての建物は震度7の地震にも耐えられる設計で、庁舎内に災害時の拠点となる「防災対策室」が備えられています。

南三陸病院やベイサイドアリーナに隣接していることも災害拠点として強みとなる

住民に親しまれる役場を目指して

また佐藤町長も「最大のこだわり」と話すのが、エントランスに広がる「マチドマ」というスペースです。

大きくとられた空間で、町民と町との間でさまざまなコト(活動)が起こることを期待している

「これまで町役場というものは、どこか敷居の高いものとなっていた。たくさんの町民のみなさんに、この場所にお越しいただいてお茶を飲んだり、楽しく、賑やかに過ごしてもらえればと思います」と佐藤町長は話します。

カフェやセミナー室を備え、パブリックビューイングなどイベントも開催できる「マチドマ」は町民が自由に使うことのできるスペース。古くから日本家屋にあった「土間」という空間のように、町民が利用できる「まちの土間」が「マチドマ」なのです。

さらに窓を大きくとり、自然光をふんだんに取り入れるなど、町民が気軽に、そして、快適に過ごせるように、との想いが新庁舎にはあらわれています。

サインは「きりこ」をモチーフに。細かなデザインにも気が配られている
南三陸でおなじみのモアイやタコのキャラクターがガラスの衝突防止サインとして活躍

公共施設として日本初の認証を取得

また南三陸町の新庁舎は公共施設としては国内初となる「FSC®全体プロジェクト認証」を取得しました。屋根を支える構造材の梁、床や壁の下地材、天井等の仕上材や家具など南三陸杉をふんだんに使用。新庁舎で使用されている93%の材が認証を取得した南三陸杉で占められています。

「『命が巡っていく循環型のまちづくりをしたい』という想いを南三陸町で聞くことができ、持続可能な町づくりをめざしてきた。そして日本で初めてのFSC®全体プロジェクト認証を取得することができた。これはまさしく復興、そして創造のシンボル。町民の想い、行政の想いが結晶となってこの庁舎に詰まっている」と審査を行ったアミタホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長熊野英介さんが認証伝達式にて話しました。

認定証を授与するアミタホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長熊野英介さん
公共施設としては国内初となるFSC®全体プロジェクト認証を取得

「このプロセスにあたっては、とくに建設業者の方など多くの人に多大な苦労をかけた。加工・流通過程の管理認証(CoC認証)を取得してもらうなど、多くの人の協力のおかげ成り立っている。木を使用した施設のモデルとして改めて木のよさを発信することのできるモデルとなるような施設となればいいと思います」と話す佐藤町長。

南三陸が誇る森資源のショールームとしての役割も、街の玄関口である新庁舎には求められています。

庁舎内を歩けばどこでも木を感じることができる

さまざまな人の想いを背に

「防災庁舎で被災して町がすべてなくなって、このように町が再建できるとはあのとき正直に思ってもみなかった。今日このように関係各社、全国や世界のみなさまから温かい励ましを受けながらここまでこれたんだなって改めて実感しています

残念ながら庁舎で43名の方が犠牲、行方不明となった。みなさんも今日どこかで見てくれているんだと思います。その方々の想いもともに、改めて気を引き締めなおしてがんばっていきたい。」と話す佐藤仁町長の目には大粒の涙が浮かんでいました。

今日9月3日は、南三陸町にとって大きな節目の一日。復興から創造へ。南三陸の挑戦はこれからも続いていきます。

今の気分を尋ねられて、「感慨ひとしお」と話す佐藤仁町長。涙を浮かべ、言葉をつまらせる場面も

新庁舎の「木」に詰まった未来への想い/佐藤太一さん

南三陸に生きる⼈を巡り、⼀巡りしていく連載企画「南三陸ひとめぐり」。第16弾は、若き林業家・佐藤太一さん。今月9月4日に開庁を迎える南三陸町役場新庁舎の木に込めた想いに迫りました。

新庁舎のFSC®全体プロジェクト認証の立役者

9月4日に開庁する「南三陸町役場新庁舎」。環境に配慮した森林運営の国際認証制度FSC®の「全体プロジェクト認証」を8月30日に取得した。全体プロジェクト認証取得は、公共施設としては国内初となる快挙だ。その立役者となったのが株式会社佐久の専務取締役・佐藤太一さん。南三陸町で代々林業を営み、佐藤さんで12代目となる。

仙台育ちの佐藤さん。しかし、佐藤家の実家のある南三陸町には盆正月、長期休暇の際には必ず帰ってきていた。五日町商店街のそばに家があったので、いとこや友達と「フレンズ」に行ったり、「サンポート」で遊んだりしていたという。

「ふだんは仙台で暮らしていたので、南三陸は『田舎』に帰ってくるような感覚でしたね。たくさんの親戚に囲まれ、南三陸に行くのを楽しみにしていたのを覚えています」

さらに、家業の山林にもよく足を運んでいたという。「従業員に連れられて山には行っていましたね。小さいときから父親には継ぐということを言われていましたからね。その当時は、山に遊びに行くのも好きでしたし『そういうもんなんだなあ』って思っていたくらいですけど」

南三陸杉をふんだんに使用したデザインが印象的な南三陸町役場新庁舎

変わり者のオカルト好きが転じて研究者へ

小学校のとき聞いていた音楽はテクノミュージック。コーネリアスにハマったり、校内放送でスチャダラパーを流したりした。周りはポップスしか聞いていないなか、「ちょっと人とは変わったものが好きだった」という。とくに、幼少期からの「オカルト好き」は今も変わらない。

「小さいときから怪談話が大好きで、あとはUFOやネッシーなど科学的に解明されていないことが大好きで、『空想科学読本』を読んでは友だちと『本当なのか嘘なのか』って話していましたね」

分からないこと、未知の世界を探求することが大好きだった。そんななかでも現実の世界を科学的に解明していく物理学に興味を抱いた。

高校卒業後は、山形大学理学部物理学科に入学。「大学に入るときには、ドクター(博士課程)までやるって決めていました」と話す通り、学部卒業後は山形大学大学院理工学研究科に進学。「30歳になるまでは好きなことをやってよい」という佐藤家のルールのもと、宇宙放射線物理の研究に励んでいた。

そのさなか、東日本大震災が発生。実家はもちろん、かつて遊んでいた南三陸の町を丸ごと飲み込んでいった。実家や会社、思い出の場所が飲み込まれていくなかで、残ったのは代々大切に守り継がれてきた山だった。

佐藤さんの執筆した博士論文のタイトルは「2万6千年前の古木単年輪中宇宙線生成核種14Cの濃度変動に関する研究」

家業を継ぐ決意。そして持続可能な林業へ

博士号を取得するとともに、家業を継ぐ決断をした。「いずれは家業を継ぐという思いでしたし、山は好きだったので、林業をやること自体に抵抗はなかった」という佐藤さん。そうして父親とめざしたのが「新しい林業の形」であり、環境に配慮した「持続可能な林業」だった。

その象徴的なものが、国際的森林認証FSC®(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)の取得だ。FSC®とは生態系の保護や労働環境などまで含めた持続可能な林業かどうかの判断基準となる認証。佐藤さんが中心となって働きかけ、2015年には町有林も含む4事業者の1314ヘクタールが認証を取得した。さらに翌年には町内の他地区の生産組合も参画。徐々にその輪は広まっている。

「南三陸町では、父親たちの世代が震災前から質の高い林業を行ってきていたんです。『ちゃんとやっているんだ』ということを証明しようってことで呼びかけてきました」と話す。

海のイメージの強い南三陸町だが、町の面積の80%近くが森林だ

「よい山」を未来につないでいく

「『よい山』ってどんな山だと思います?」

佐藤さんは山を視察に訪れた参加者に問いかける。人がしっかりと手入れをし、管理している山と、植林してそのままの山ではその違いが手に取るようにわかる。

「『よい山』は、光がしっかりと差し込んで、木の一本一本が太く伸びる。そしてさまざまな種類の下草があって、動物たちの住みかとなっている。ふん尿や死骸などが肥料となって、肥沃な土壌となる。その連鎖が『よい山』のあかしなのです」

南三陸町は分水嶺に囲まれ、町内に降った雨は川を下り、志津川湾に注ぎこまれる。豊かな海産物を育む志津川湾の環境には、町内の山、里の影響が直接現れる。

「『よい山』を作ることは、『よい海』につながるんです。そして、それは子や孫たちの世代に貴重な資源を継いでいくことになる」

目先の利益ではなく、他産業や次世代までを見越した林業経営。それが佐藤さんのこだわりだ。

ミネラル豊富な山林からの湧水が豊かな海水を育む

町が掲げるバイオマス産業都市構想。梁や内装、机などふんだんに町内のFSC®認証材を使用した「新庁舎」には、その旗印としての期待がかかる。「将来的には町内の全部の山をFSC®認証取得できるようなシステムを作っていきたい。ここがFSC®の発信拠点となることを期待している」と話す。

幼少期から未知のものを追い求める佐藤さんの探求心。それは大人になった今でも変わることはない。

佐藤さんの夢、そして南三陸町の描く未来が、新しくなった庁舎に詰まっている。

2017年08月31日/定点観測

南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。

写真をクリックまたはタップすると大きくなります

戸倉地区

撮影場所 [38.642969, 141.442686

パノラマ

志津川地区

撮影場所 [38.675820, 141.448933

パノラマ

パノラマ

パノラマ

パノラマ

歌津地区

撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E

パノラマ

他の定点観測を見る

<8月30日放送>みなさんぽ

今週の「みなさんぽ」は、レストラン神割でこの夏誕生した新メニューのアイスからスタート。そして、インタビューは今週末開催される「南三陸ビーチアルティメット」について、実行委員会実行委員長の宮岡茜さんにお話を伺いました。

オープニング

この夏レストラン神割では、南三陸らしさを感じられる新たなメニューが生まれました。

「ホヤアイス」と「めかぶアイス」です!

「ホヤ好きな人はもちろん、生のホヤが苦手な人にも好評なんです」と好評。この夏、台湾からインターンしている学生さんにも声を聞きました!ぜひ神割崎方面に行った際にはトライしてみてはいかがでしょうか?

ホヤアイス(左)と、めかぶアイス(右)

インタビュー

今週のインタビューは、今週末にサンオーレそではま海水浴場にて開催される「南三陸ビーチアルティメット」大会の実行委員会実行委員長の宮岡茜さんに話を聞きました。

宮岡さんは、一年前にも「みなさんぽ」で出会っていたんです。当時、大学4年生。この春から大好きな南三陸に移住をしました。宮岡さんが新しい風を吹かせているのが”アルティメット”。東北初となるビーチアルティメット大会がこの夏再開したビーチで開催されることに感慨もひとしおのようです。

参加チームの受付はすでに終了していますが、当日は試合を観戦できるだけでなくディスクを投げて楽しむストラックアウトも体験できます。ぜひ近くの方はお誘いあわせのうえ、お越しください!

【第1回 ビーチアルティメット】

■日時:9月3日(日)
8 : 40〜開会式
8:50〜ビーチクリーン
9:30〜第一試合開始
(詳しいタイムスケジュールは下記FBをご覧下さい)
■場所:サンオーレそではま

【最新情報はこちら!】
https://www.facebook.com/minasan.ult/

聞き逃した方はradikoでお聞きいただけます

パソコンやスマホでラジオが聴けるradikoでは、過去1週間以内に放送された番組を後から聴くことのできます。残念ながら聞き逃してしまったという方はぜひこちらでお聞きください!

http://radiko.jp/#!/ts/DATEFM/20170830123000

実体験に学ぶ、南三陸町ならではの防災・減災教育プログラム。

東日本大震災を教訓に防災・減災の取り組みに力を入れる南三陸町。町内での展開だけでなく、学生や企業向けの研修としても、防災・減災教育のプログラムを実施しています。南三陸町ならではの防災・減災教育とは?

「災害時シミュレーションプログラム」を新潟の大学生が体験!

「緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください」。室内に鳴り響く警報音。3月のある寒い日の午後、新潟薬科大学の教室で震度6弱の地震に見舞われた学生たち。「地震発生時、みなさんはどういう行動をとりますか?お手元にある黄色い付箋に書き出してください」。

一般社団法人南三陸研修センターが実施する「災害時シミュレーションプログラム」の冒頭です。都市での広域災害発生を想定し、主体的な行動をとる意識を育むためのシミュレーションプログラムで、企業研修や学生の学びに活用されてきました。2017618日、東日本大震災の被災地でボランティア活動を行う新潟薬科大学災害ボランティア部の15人が、プログラムを体験。災害発生時の行動・状況について考えるグループワークや、避難所での時間を体感するロールプレイングなどを行いました。

「災害時シミュレーションプログラム」のセッション1はグループワーク。地震発生直後、自分たちはどんな状況に置かれているだろうか? 想定される状況をグループで話し合い、付箋に書き出していく
想定される状況と、その状況下で自分はどういう気持ちになるか・どういうことをするかを付箋に書き、グループごとに貼り出す。ほかのグループのものも見回って、全体シェアを行った

東日本大震災にもとづいた臨場感あふれる内容で、学びを深める。

セッション2は避難所を想定したロールプレイング。さまざまな状況を抱えた人がやってきて、学生たちは対応を迫られます。ついには停電…。臨場感あふれる避難所体験でした。

頭から血を流し右足を引きずった負傷者を救護。どうしたらよいのか戸惑うメンバーも
懐中電灯、毛布、非常食、ラジオ、水などの災害用備蓄をどう配布するか考える学生たち

続いてのセッション3では、トイレ(=衛生管理)や運動不足、ノロウィルス、プライバシーなど、避難所生活で起こるさまざまな問題をグループごとに話し合い、発表。これらの問題は、東日本大震災の避難所で実際に起こったことです。各グループの発表に対し、避難所生活を経験した阿部忠義さん(南三陸研修センター 理事)が、実際はどのように対応したのかを語ってくれました。

水がストップしてトイレが詰まってきた…。どう対処するか、使い方をどう決めるかをグループごとに話し合い、発表する
東日本大震災での避難所生活について語る阿部忠義さん(写真右)

このように、「災害時シミュレーションプログラム」には、東日本大震災での実体験にもとづく部分が多々あります。臨場感あふれる具体的な体験談が聞けたことで、学生たちは学びをさらに深めていた様子。最後に、「想定をすること、過去の事例から学ぶことが大事。万が一災害に遭ったときに、みなさんには“行動できる人”になってもらいたいと思います」と締めくくりました。

南三陸町で体験することに意味がある防災・減災教育プログラム。

南三陸町で体験した「災害時シミュレーションプログラム」は、新潟薬科大学災害ボランティア部の学生たちにとってどのようなものだったのでしょうか?

部長の青山美沙望さんは、「部活でカードの避難所ゲームはやったことがありますが、今回のシミュレーションプログラムは本格的なものでした。避難所のロールプレイングは突然始まったので、最初は戸惑ってしまいましたが…。被災地にまだ行ったことのない人にも知ってもらうため、今回の体験を発信していきたいです」と話しました。

友だちに誘われて入部した青山美沙望さん。現在 部長を務めている

小学校2年生のときに中越地震で被災し、避難所生活を経験した松井智幸さん。避難所のロールプレイングでは本部の立ち上げを提案しました。「だれかまとめる人がいないと混乱してしまうので、本部が必要だと思ったのです」と理由を説明。「とても濃い内容のプログラムで、勉強になりました」と満足していました。

自身も避難所生活を経験している松井智幸さん

避難所のロールプレイングで赤ちゃん連れの母親役を務めた、気仙沼市出身の小野寺唯さんにも話を聞きました。「あのような場では、困っている人に声をかけたり動いたりするのは勇気がいると思いますが、みんなが声をかけてくれたり配慮してくれたりしたのがうれしかったです。実際に避難所生活を経験された方のお話が聞けて、自分では考えつかないようなことも知ることができました。今回の体験を含め、これまでの部での活動を後輩に引き継いでいきたいです」。

小野寺唯さん(左)と顧問の浅田真一先生(右)

学生たちは「災害時シミュレーションプログラム」から多くのことを学んだようです。顧問の浅田真一先生は、「南三陸町でこのようなプログラムを体験して、今までは気づけなかったことも見えてきたのではないでしょうか。新潟も災害が多い地域なので、今後もお互いに学び合っていきたいですね」と話しました。

日本全国どこでどんな災害が起こるかわからない時代において、このような防災・減災教育は非常に重要です。南三陸町では、被災地ならではの学びや体験を、これからも全国に向けて発信していきます。