宮城の内陸部から南三陸町へ / 佐々木佑委さん

南三陸町に嫁いできたお嫁さんを紹介する『嫁めぐり』。今回は、宮城県の南部にある角田市より南三陸町戸倉地区へと嫁がれた佐々木佑委さん(25歳)をご紹介します。

佑委さんは共通の友人を通し出会い、1年のお付き合いを経て23歳の時にご結婚されました。現在は旦那様のご実家に6人家族で暮らしています。

2人には3月で1歳になる愛娘の來愛(くるあ)ちゃんがいます。

同じ宮城県なのに…

嫁いで大変だったことは、同じ宮城県なのに方言が違い、なかなか理解できなかったそうです。

どなたも最初は、当たる言葉の壁ですね!現在は(何となく)理解できるようになったそうです。

一番大変な事は、

「何をするにも時間がかかってしまうこと。近場にスーパーや子ども服を売っている店が無く、近場でも30分以上かかり、買い物をするにも1日がかりになってしまう時があります。」

そして、被災地での生活の不安。でも、優しい旦那様がカバーしてくれていますので楽しく生活できています。

嫁いで良かった事は?

南三陸町に嫁いで良かったことは「角田市は内陸なので海の幸をなかなか食べれませんでしたが、南三陸では新鮮で美味しい海の幸がたくさん食べれること!!」だそうです。

そのほか、人と人とのつながりが強く、面倒見の良い頼れる先輩が多いこと。コンビニなどの店員さんも何度か利用していると顔を覚えて、話かけてくれたりと、とても嬉しいとのこと。

嫁いだ最初の時期は、コミュニティの結束がとても強く輪に入っていくのも戸惑っていました。でも、今はとてもありがたいものだと感じているようです。

こんな町になってほしい事や要望は?

「小さい子でも遊べる公園が欲しいです!!そして、お店がまばらに点在しているため、子どもを連れての買い物や移動が大変で、1本の道路にお店などがまとまってくれるとありがたい。」とのこと

來愛ちゃんの名前の由来やメッセージ

「名前はたくさんの人に愛されるようにという思いを込め夫婦で決めました。そしてこれからも何事にも挑戦して、明るく元気に育ってください。」

成長が楽しみですね!

2017年03月20日/定点観測

南三陸町市街地の復興の様子を定点観測しています。戸倉地区、志津川地区、歌津地区の3箇所の写真を公開しています。

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戸倉地区

撮影場所 [38°38’41” N 141°26’13” E

 

志津川地区

撮影場所 [38°41’12” N 141°26’34” E

歌津地区

撮影場所 [38°43’5″ N 141°31’19” E

 

他の定点観測を見る

震災を経験したベテランお嫁さん / 佐々木さきさん

南三陸町に嫁いできたお嫁さんを紹介する『嫁めぐり』。今回は、今年で結婚8年目を迎えるベテランお嫁さん、佐々木(旧姓村田)さきさんをご紹介します。

気仙沼市出身のさきさん。現在は、南三陸町歌津地区に可愛いお子さん3人と旦那様のご両親と御姉妹の家族8人で暮らしています。漁師の旦那様とは友人の紹介で知り合い、数年のお付き合いを経てご結婚されました。

現在はわかめの最盛期で育児や家事で大忙しの日々を送っています。

震災を経験して

1番目のお子さんの恒君は、2011年の東日本大震災の時、生後4か月でした。

震災の日、出張のため恒君を実家に預け、ご自身は仙台空港付近にいました。知らない土地で被災し、津波に追われながら必死に車で逃げ、何とか助かったとのこと。それから何とかして、実家の地区へ帰ってきたものの、避難所や病院を探し回りましたが、恒君や実家の家族に会うことができませんでした。

ガソリンもなくなり、歩いて探して、ようやく次の日の午後に会うことができました。

実家も嫁ぎ先も被災してしまい、避難所で避難生活を送っていましたが、避難所や親族の家を転々としながら、ようやく8月に仮設住宅ができ、入居することができました。

仮設住宅での生活がスタート

仮設住宅、四畳半二間と六畳一間での6人暮らし。ドアではなくアコーディオンカーテンで、プライバーシーが守れるものではありませんでした。

何をするにも気が休まらない生活が4年。ようやく高台に家を建てる事ができ、今は快適な生活を送れています。

そして震災から6年。お子様も増え、今は毎日楽しく生活しています。

嫁いで大変だったこと、良かったことは?

「家業が漁業で、その時期によってライフスタイルが変わってしまい、漁が始まると昼夜逆転生活のため、家事、育児を全て1人で行うのが大変。ご飯も忙しい時は家族やお手伝いさんの分を合わせて十数名分を育児や家事をしながらご飯の用意はとても大変」とのこと。

特にわかめの時期は、朝早くから夕方まで忙しく生活をしていて休まる時がありません。

「子ども達が体調を崩してしまうと近隣にいつでも診てくれる小児科がなく、1人で3人の子ども達を連れて車で約1時間かかる病院へ連れて行くのがとても大変です」

ただそんな慌ただしい生活の中で、子どもたちが自然と家事のお手伝いや漁業のお手伝いをしてくれるようになったとのこと。

「漁業のお手伝いでは90歳や80歳のご年配の方との関わりで、子ども達も重いものを持ってあげたりと優しさが育まれたり、育児環境はとても最適です」

南三陸町での子育ては?

「歌津地区にも子育て支援センターができたり、子育てクーポンが発行されたり、町が子育て環境などについて色々力を入れて、取り組んでくれている事がよく伝わり、今後に期待しています。」

子どもたちには「たくさんの夢をもって、色々な人生経験をしてほしい」とメッセージを頂きました。

〈3月15日放送〉みなさんぽ

「オープニングコール」は南三陸町観光協会光嶋りつえさんから始まり、「まちのひと」はわたや菅原勝則さんでさんさん商店街新店舗についてです!

そして、今週のイチオシのコーナーは「南三陸さんさんせんべい」です!

オープニングコール

南三陸町観光協会光嶋りつえさん

 

まちのひと

わたや菅原勝則さんでさんさん商店街新店舗についてです!

 

今週のイチオシ

今日ご紹介するのは、今月3日にオープンしたさんさん商店街の開店記念として、商店街にも店舗をもつ山内鮮魚店と、震災後に継続的な交流がある山形県酒田市の酒田米菓株式会社が共同開発した新商品「南三陸さんさんせんべい」です。

味は全4種類。ワカメらしい磯の香りが感じられる「わかめ塩」、ホヤ独特の香りと旨みが感じられる「ほや塩」、とびうお特有のだしの上品な味わいやうまみが特徴の「とびうお塩」、かつお特有のしっかりとしたうまみが口の中で広がる和風な味わいの「宗田かつお塩」があり、いずれも南三陸で取れた海産物をパウダー状にして振りかけたサクサク食感が特徴のせんべいとなっています。
さらに商品パッケージには、それぞれの海産物をモチーフに、南三陸に古くから伝わる神棚飾りの「切子(きりこ)」風のイラストを使用。おしゃれな商品パッケージには、南三陸らしさが全面に出ており、お土産にもってこいの商品となっています。

お値段は1つ450円。新しくオープンする「さんさん商店街」の山内鮮魚店で販売しています。
新しく生まれ変わったさんさん商店街にお越しの際は、気軽に海の幸を楽しめる「南三陸さんさんせんべい」をお土産にいかがでしょうか?

お問い合わせ:0226-46-4976 (販売元:株式会社ヤマウチ)

〈3月8日放送〉みなさんぽ

「オープニングコール」は佐良スタジオ佐藤信一さんから始まり、「まちのひと」は産業振興課 宮川さんで台湾メッセージイベントについてです!

オープニングコール

佐良スタジオ佐藤信一さん

まちのひと

産業振興課 宮川さんで台湾メッセージイベントについてです!

南三陸の門出!「さんさん商店街」待望の本設オープン!

東日本大震災から6年あまり。2017年3月3日に本設となる「南三陸志津川さんさん商店街」がオープンしました。ここは、雪の日も、雨の日も、風の日も、どんな困難にもめげずに歩みを続けた南三陸人の不屈の魂の象徴です。

木の風合いが美しい本設の「さんさん商店街」

志津川湾に面した高台に並ぶ、やさしい木の色あいが美しい平屋の建物。めでたく本日オープンを迎えた「南三陸志津川さんさん商店街」です。

同商店街は、かつての町の中心地に震災後8.3mほどかさ上げされた高台の造成地、国道45号線と国道398号線が交差する志津川地区に本設としてオープン。南三陸杉を使用した平屋6棟に、水産物店や飲食店、土産物店から理容室や文具店など全28店舗で構成されています。

設計は、東京五輪・パラリンピックで使う新国立競技場のデザインを手掛けた建築家、隈研吾氏。オープニングセレモニーにも駆け付け、その設計にかける想いなどを話しました。

「南三陸の魅力である海と一体になれるような作りを意識しました。美人杉といわれる南三陸杉をふんだんに使用して、人間的で温かみを感じられるものになったと思います。縁側がある作りが特徴で、外と中が交わる場所になっていければ」と話しました。

オープニングセレモニーに駆け付けた隈研吾氏。「世界中から人が集まる商店街になっていってほしい」と話す

雪にも負けず、雨にも負けず、風にも負けず

「南三陸さんさん商店街」の歴史を語るうえで、天候は切っても切れないものになっています。仮設のさんさん商店街オープン時は、大雪。本設のさんさん商店街の地鎮祭のときは、大雨。そして今日。空を見上げ、おだやかに晴れ渡ったなと思えば、暴風警報が発令されるほどの強風となりました。どんな自然災害にも負けず、耐えて、歩みをやめない南三陸人を試しているかのようです。

商店街を吹き付ける暴風に大漁旗もはためく

奇しくも今から84年前。1933年3月3日は、昭和三陸地震津波が発生した日。南三陸でも87名の犠牲者を出した日でもあります。そして、あの東日本大震災から6年という月日がたとうとしています。これからもここに住む限り、ここで商いをする限り、避けて通ることはできない自然災害。「さんさん」という数字は、この地で生きていく覚悟の表れなのかもしれません。

さんさん商店街は、八幡川と志津川湾を見渡す高台に作られた

各店舗、待望のオープン!

オープン当日の3日は10時よりオープニングセレモニーが開催。関係者や全国の報道陣が多く見守るなか、オープンを迎えました。商店街を運営するまちづくり会社「南三陸まちづくり未来」の三浦洋昭社長は、「仮設のさんさん商店街だったときから励まされ続けたことに感謝して、これから恩返しをしていきたい」と挨拶しました。

各出店者は出店準備に追われるなか、感慨深げに、そしてうれしそうな笑みを浮かべながら商店街を見守っていました。

12時を前に、一般開放となった商店街。飲食店にはのれんが掲げられ、新たな味わいを楽しもうと賑わいを見せていました。東北ゴールデンエンジェルスの華麗なパフォーマンスや、大賑わいを見せたもちまきなど、大盛り上がりの一日となりました。

商店街のオープンを宣言する商店街店主ら
この地で初めて、のれんを掲げる新規出店「かいせんどころ 梁」
応援に駆け付けた、オクトパス君とむすび丸
オープニングイベントに華を添える東北ゴールデンエンジェルスのパフォーマンス
各店舗にはズラリとお祝いの花が並ぶ
恒例の「もちまき」には地元客ら大勢の人が集まった

「今日が、始まりの一日」

「今日は、始まり。この場所がハブとなり、子どもたちなどの地元のお客さんに、多くの観光客で賑わいを作っていきたい」とオープニングセレモニーで話した佐藤仁町長。

テープカットに挑む佐藤仁町長、橘慶一郎復興庁復興副大臣、三浦洋昭(株)南三陸まちづくり未来社長

本日、2017年3月3日は、南三陸の新しい門出の日です。震災から6年間、必死に駆け抜けてきた南三陸町民。それを支えてくれ、背中を押してくれた全国、世界の皆さん。その想いが重なり、手を取り合いながら、今日、大きな扉を開けることができました。

誰もが絶望に打ちひしがれたあの災害からわずか1か月で、福興市として、前を向き、商いをはじめました。雪の日も、風の日も、どんな困難にもめげずに歩み続けてきました。今日オープンした「南三陸志津川さんさん商店街」は、そんな南三陸町民と、それを支え、背中を押してくれた全国のみなさんの、不屈の魂の象徴です。サンサンと輝く太陽のような町にむけて、第一歩を踏み出しました。

生まれ変わった「南三陸志津川さんさん商店街」で、みなさまとお会いできるのを楽しみにしております。

目の前の志津川湾に太陽がさんさんと降り注いていた

インフォメーション

さんさん商店街

住所:宮城県本吉郡南三陸町志津川字五日町51

さんさん商店街インフォメーションセンター
電話:0226-25-8903

オープン間近!新さんさん商店街出店者の意気込みが到着!

いよいよオープン間近に迫った南三陸さんさん商店街。あわただしい準備のなか、最後の準備に奔走する出店者の意気込みが届いています!(紹介順不同)

阿部茶舗「人と人とが交流しやすい温かみのあるお茶屋」

お茶製品や関連商品、甘味処もあるお茶屋です。「交流や情報交換の場としての役割を担っていきたい。仮設の商店街にもあったような、イートインスペースもあるので、店内メニューを頼んで利用するのもよし、来て話をして帰ってくれるだけでもいいですよ」と話します。また、大人気のモアイソフトクリームはもちろん、商店街内に蕎麦屋がないので、茶そばを提供予定とのことです。

おしゃれ空間Lips「休憩ついでにぱぱっと美しく!」

化粧品の販売をしながら、フェイシャルエステも実施し、商店街から美を発信していきます。

「みなさんに喜ばれ、癒しの空間になるよう、地元の方はもちろん、観光で訪れている方には、短時間でできるリフトエステも提供しているので、ぜひこちらでリフレッシュしていただきたい」と熱く話してくれました。

及善商店「何度も足を運びたくなる水産加工店」

さまざまな種類のオリジナルかまぼこや、地元の海産物の冷凍加工食品が店頭に並びます。「震災からこれまでの営みの写真、旧さんさん商店街の活動やお客様からの寄せ書きを店内に飾り、にぎやかな店舗にしていきたい」と店主の及川さんは話してくれました。お客様のおかげで商売ができたといい、何度でも足を運んでもらえるような明るい店にしていきたいと意気込んでいます。

NEWS STAND SATAKE「こだわりのご当地商品がそろった新聞屋のカフェ」

新聞・雑貨・書籍を取り扱い、喫茶店も兼ねているので、コーヒーを飲みながら当日の新聞が無料で読めると話してくれました。

「注目ポイントは、ご当地ゆかりの雑貨商品です。三陸の素材で作られた東北ならではのお土産になるものを販売するので、町のいいものを広めていくと同時に、気軽に来てもらい、憩いの場所になるようにしていきたい」と意気込みを語ります。

菓房山清「イートインで気軽に、こだわりお菓子を」

おやつ菓子からギフト、お土産商品になる和菓子や洋菓子が揃います。旬の素材を生かしたケーキや、おなじみの志津川のたこが入ったキッシュのタコぷりんや、宮城県産の米粉を使用している蔵王タルトも販売します。

「店内で食べられるイートインコーナーもあります!豊富な品揃えなので、気軽に立ち寄ってもらい、楽しんでもらえるような店にしたい」と声を弾ませます。

月と昴「こだわりのカレーやコーヒーに、ピザも大人気!」

南三陸町産の海産物を使用したシーフードカレーが大人気です。また、女性に人気のわかめピザや、漁師にお墨付きをもらったホヤピザもあります。ドリンクでは、こだわりの豆を使用したすっきりとした味わいのコーヒーがおすすめです。

※オープンしてすぐには提供できないものもありますが、ご了承ください。

食楽しお彩「地元食材で愛されるお店を!」

「南三陸町の食材を使用して賑わいを出していきたい」と話してくれました。店主イチオシは、「たこつぼラーメン」!震災後に志津川名物のタコを使用したメニューがないのと、ラーメン店が商店街にないということから開発したそうです。また、たこめしとラーメンのセット「つぼつぼセット」もあり、それぞれ数量限定で販売します。

雄新堂「毎日、手づくり作りたてのお菓子を」

「店舗の奥で全商品を手作りしているので、作り立てのおいしさを味わえます。和菓子・洋菓子・ベーカリーを販売し、オリジナリティーのある商品づくりをしていきたい」と話してくれました。なかでも、一昨年から販売しているモアイ最中は、南三陸町らしいものとしておすすめしており、地域の方から観光客まで喜んでもらえるようなお菓子作りをしていきたいと語ってくれました。

マルセン食品「新鮮な海産物に、テイクアウトも!」

「たこ天」や「揚かまぼこ」などオリジナル商品が好評のマルセン食品です。新鮮な魚介類のほか、「タコカツバーガー」などのテイクアウトできるメニューにも積極的に取り組んでいきたいと意気込んでいます。「ぜひ気軽に商店街に遊びに来てください!」と話していました。

南三陸町の新しいスタート!

東日本大震災からまもなく6年。2017年3月3日は、まさしく南三陸町の新たな門出として刻まれていくことでしょう。南三陸の新たな歴史をみなさんとともに歩んでいければと思っています。ぜひ、本設となるさんさん商店街に遊びに来てください!

※今回紹介しきれなかった出店者のみなさまの声は今後順に掲載をしていく予定です。

取材者

インターン生 戸島彩香
(2017年2月-3月に(一社)南三陸研修センターにインターンとして、南三陸町入り)

新メニューたこつぼラーメンとともに「しお彩」が帰ってくる!

津波で被害を受けた飲食店「食楽 しお彩」。約5年半、南三陸町内の仮設住宅を中心に、お惣菜の移動販売を行ってきました。「地元の方々に喜んでもらいたい」という想いを胸に、南三陸さんさん商店街に出店します。

震災後、揚げ物と総菜の移動販売で地元の人々を支えた

2017年3月3日に本設としてオープンする「南三陸さんさん商店街」。新規出店する飲食店のうち、和食の目玉として注目されているのが「食楽 しお彩」です。しお彩はかつて、志津川の中心部にありました。子どもの頃から料理が好きだった後藤一美さんが、2007年11月、地元の食材を使った海鮮丼がメインのお店をオープン。地元の人たちに人気のあるお店でしたが、東日本大震災の津波で被害を受け、お店は解体されることに…。失意の後藤さんでしたが、避難所生活のなかで、住民から「早くしお彩の料理が食べたい」という声をもらったことで、「自分の料理でみんなを勇気づけたい、幸せにしたい」と奮起。2011年7月28日に、揚げ物や総菜の移動販売を開始しました。

販売は1日1か所限定で、夕方4時から6時半の間。とんかつ、からあげ、コロッケなど8〜10種類の揚げ物と、お惣菜8〜10種類が並びます。揚げ物はその場で揚げるので、熱々できたて。仮設住宅はキッチンスペースが十分ではなかったり、ご近所に気兼ねして揚げ物がしにくかったりという事情があったので、しお彩の移動販売は大人気に。後藤さんが作る移動販売カレンダーをチェックして、時間になると人々が集まってきます。「料理を売るだけでなく、お客さんとのコミュニケーションも楽しみでした」と後藤さんは振り返ります。

「最初の3年間は、とにかく地元のお客さんのためにがんばろうと決めて、町内全域を回っていました。3年目以降は、夏祭りや福興市などにも参加して、町外のお客さんにも元気にがんばっている姿をアピールしましたね」と後藤さん。本設商店街への出店は、移動販売を始めて2年後には決めていたそうです。「金銭的なことで二の足を踏みましたが、地元のお客さんに支えてもらってここまでこられたので、自分に火がつきました。移動販売を5年以上続けたことが、新しいお店へのプラスになるという手ごたえもありました」。新店舗オープンに向け、2016年12月に移動販売を終了しました。

町の人たちが来るのをいつも楽しみにしていた、しお彩の移動販売車。

南三陸の名物に! 目玉メニューは「たこつぼラーメン」

新しいお店には、南三陸キラキラ丼を中心にしながら、志津川名物のたこを使ったメニューが登場するとのこと! 「南三陸はたこで知られていますが、意外にたこ料理を出すお店がありません。また、本設商店街には麺屋さんが1軒も入らないと聞いたので、麺ものを何か出したいと思いました。そこで考えたのが『たこつぼラーメン』です。塩系のだしに、たこの切り身やつみれを入れて…。かつて志津川ではたこつぼで漁をしていたので、たこつぼに見立てた器で出します。たこラーメンは全国的にもめずらしいので、南三陸のご当地ラーメンとして観光客を呼び込みたいですね」と後藤さんは意気込みます。

たこつぼラーメンについて説明する後藤さん。単品の「たこつぼラーメン」(税込み1100円)と、たこめしの付いた「つぼつぼセット」(税込み1500円)を用意する予定。

たこつぼラーメンとキラキラ丼は昼のみで、夜は定食などを中心に地元のお客さん向けのメニューを充実させる予定です。移動販売で人気だったみそカツや、鶏の黒酢和えなども登場するとか。「昼は観光客やビジネス関係の方々に来ていただき、夜は地元のお客さんにゆっくり飲んで楽しんでもらいたいですね。宴会料理も出します。ありがたいことに、しお彩の料理を楽しみにしてくださっているお客さんが大勢いらっしゃいますので、その方たちの憩いの場になればと思います」と後藤さん。

店内イメージ。カウンター席とテーブル席のほか、奥には個室もある。

津波を生き延びた包丁を手に、商店街を盛り上げていく

後藤さんには、大切にしている1本の包丁があります。「津波でぐちゃぐちゃになってしまった前の店を解体するときに、奇跡的に包丁が1本だけ見つかったんです。料理人にとって大事な包丁が出てきて、ほんとうにうれしかった。『またこの包丁で料理を作ってほしい』と言われているようで、勇気づけられましたね。新しいお店がオープンしたら使おうと思って、ずっと取ってあります」。その包丁の出番ももうすぐです。

「新しい商店街の飲食店経営者では、私がいちばん年上になります。だからというわけではありませんが、気を引き締めて、商店街を盛り上げていきたい。商店街を継続していくためには、みんなで力を合わせることが大切です。お互いに助け合いながら、がんばっていきます!」と、後藤さんは抱負を語ってくれました。

新しい店舗の内装工事をチェックする後藤さん。再び厨房に立つのを楽しみにしている。

インフォメーション

食楽 しお彩

住所:宮城県本吉郡南三陸町志津川字五日町51
電話:0226-46-1087
営業時間:11~14時、17~22時(料理LO21時、ドリンクLO21時30分)
定休日:毎週火曜日 ※月曜はランチのみ営業