「志津川IC~南三陸海岸IC」間の「南三陸道路」(3.0km)が3月20日に開通しました。賑わいを見せるさんさん商店街などへのアクセス向上はもちろん、医療、防災面でも大きな効果が期待されています。
「道路のもつ力の大きさを実感した」
昨年の10月に志津川ICが完成して「道路のもつ力の大きさを改めて実感した」と話す佐藤仁町長。仮設だったさんさん商店街にも、仙台方面から非常に多くのお客さんに来ていただいたそうです。そして3月3日のさんさん商店街の本設オープン以来、連日大渋滞が発生するほどの盛況ぶりとなっています。
「南三陸海岸ICが完成したことによって、志津川ICとあわせて2方向から商店街に向かうことができるようになります。そのことによって、渋滞が緩和できるのではないかと期待しています」佐藤町長は話します。
さらに、南三陸道路は観光の足として効果が期待されるだけではなく、防災・医療・産業分野において大きな役割を担うことになります。
南三陸道路への期待① 防災機能
南三陸町志津川地区では、東日本大震災の津波により道路が浸水し、交通ネットワークが寸断されました。山林を切り開いた高台に整備された南三陸道路の整備によって、津波浸水区域を回避でき、災害時にも緊急輸送路として機能することが期待されています。また、住民にとっては避難場所として活用することも想定。このように防災面でも大きな意味を持つのが三陸自動車道の特徴でもあります。
南三陸道路への期待② 医療の迅速化
さらに南三陸海岸ICの特徴として、2015年12月にオープンした南三陸病院まで3分ほどで到着できる好立地にあることがあげられます。カーブが多く見通しがよくないうえ、渋滞も発生しやすい国道45号と比較して、南三陸道路はスムーズな搬送ができるようになることが考えられます。また、同じく三陸自動車道沿いにあり、第三次救急医療施設である石巻赤十字病院への緊急搬送も短縮することができます。三陸自動車道が未整備のときと比較して、南三陸海岸IC経由で約10分も搬送時間が短縮。町民の安心できるくらしへの一歩となることが期待されています。
南三陸道路への期待③ 水産物の品質向上
また南三陸の中心的な産業である水産業においてもメリットがあります。2016年6月に再建された南三陸町地方卸売市場からほど近い南三陸海岸ICが開通したことによって、水産物等の輸送時に、混雑する市街地を回避することができ、輸送効率化・品質向上が図られることが期待されています。
便利になった三陸自動車道でぜひ南三陸へ!
「南三陸海岸IC」と名付けられた名前の通り、震災前にも賑わいをみせていた「サンオーレ袖浜」という海水浴場にわずか5分ほどで到着します。今年7月に再開予定の海水浴場を中心に「海の町・南三陸」をよりいっそう盛り上げていくという意志が、ICの名前からも垣間見えます。
今回の三陸自動車道の延伸によって仙台方面から町内中心地への移動がますます便利になりました。新しくなったさんさん商店街や、町のイベントにぜひ足を運んでください。
また南三陸海岸ICから歌津IC間の4.2キロは、平成29年度中の開通予定となっています。