満開の桜が迎える“南三陸高校”の新入生たち。全国募集で集まった5名の生徒も入学!

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校門は左側に南三陸高等学校、右側に志津川高等学校の看板が付けられている

令和5年度より志津川高校から南三陸高校へ校名が変更してから、初となる入学式と入寮式が執り行われました。新しい校名と県内でも初の取り組みとなる全国募集で入学した生徒たち、創立100周年を目前に控えた町内唯一の高校の新たな1ページが始まりました。

入学式に間に合った桜とフレッシュな新入生たち。

4月8日。温暖な日が続いたおかげで校門から校舎までの坂道「旭桜坂(きょくおうざか)」の桜並木が満開を迎え、町内では珍しく入学式に桜が間に合いました。(桜が咲く時期がいつも入学式後のため)
保護者の車が続々と坂を登り、入学式に向けた準備が着々と進んでいきます。

坂の下から上まで満開の桜が並んでいました

今年度の新入生は55名。そのうち5名は南三陸kizuna留学で県外から入学しました。親元を離れ東北や関東地方から遠路はるばる南三陸を選んでくれた生徒たち。

昨年度のペヤングを代表とする商業部の全国的な活躍や、オンラインでの学校説明会など様々なアプローチを展開し、南三陸高校の取組に惹かれ入学しました。

新入生を拍手で迎える保護者と教職員の方々

 

高校としての新たな一歩。

入学式では難波校長から入学生に向けて熱意と希望が込められた祝辞が送られました。

「55名の新入生の皆さんを心からお迎え致します。南三陸kizuna留学の一期生になる5名の皆さん。
3年後、南三陸高校を選んで良かった、南三陸町が大好きになったと言って卒業してもらいたいと思います。そのためには積極的に町のイベントに参加したり、自然豊かな森・里・海に出かけたり、自然を満喫してほしいと思います。バーチャルの世界では味わうことが出来ないもの、体感しながら体験した経験や知識は決して消えるものではありません」

今年度より校長に就任した難波先生

コロナ禍も緩和の流れになり、より学校と地域との連携が期待されます。
地元出身の生徒も同様に南三陸の地域性を生かした教育や取り組みを通じて、実際に顔を合わせ、身体を動かし、この町の魅力を知っていくことでしょう。

緊張しながらも真剣な面持ちで聞き入る新入生たち

 

きっかけは「人柄に惹かれて」

南三陸kizuna留学の一期生となる伊藤芽衣さんは山形県鶴岡市出身。
南三陸高校を選んだきっかけは修学旅行だったと話します。

授業で学びたいこと、地域と繋がりたいことを話す伊藤さん

「修学旅行で訪れた際に町の人の温かな人柄に惹かれました。また、他の高校では出来ない経験をしたいと思い留学を決めました」

ペヤングの商品開発やご当地ナンバープレートの発行など、町内外で大いに活躍した志津川高校の生徒たち。その成果はこうした留学生の誘致にも繋がり、高校の取組が町内だけに収まらず「他とは違うことができる・学べる学校」として認知されてきているようです。

また、昔から田舎に住むことが理想だったと話す伊藤さん。「田舎は仕事が少ない、探すのが大変というイメージがありますが、そんな田舎でも仕事ができる仕組みを情報ビジネス科で学びたいです」と学業への熱意も話してくれました。

「田舎の学校」という点を課題解決のフィールドと捉え、志高く学ぶ姿勢は、この町に新しい風を巻き起こしていくことでしょう。

自立と自律。生徒同士の助け合い。

BRT中央団地駅のすぐ裏手に位置する寮

志津川地区の中央団地内に設けられた学生寮「旭桜寮(きょくおうりょう)」。
こちらは以前、入谷地区にあった宿泊施設の一部を活用して建てられました。

1階部分は食堂やランドリー、自習室が並ぶ共用スペース。2階部分は入寮生の個室になります。
部屋にはエアコンや冷蔵庫、お風呂も備え付けられており、親元を離れた生徒たちが安心して1人暮らしを送れるような設備となっています。

「親元を離れて寮生活で家事ができるか不安はありますが、見知らぬ土地の歴史や文化を知り、自立できるように頑張りたい」と話す神奈川県出身の小畑孝太朗さん

入学式の後には、入寮式・歓迎会が行われ、入寮生とそのご家族、町長ら関係者と施設担当者が参加。

県外からの5名の南三陸kizuna留学生の他に県内から入寮した1名の計6名が入寮します

佐藤仁町長は祝辞で、
「全国募集をするにあたって、まず寮の整備をしなければなりませんでした。正直言って、この寮に入ってくれる子どもがいるのかなという不安がありました。しかし全国募集を始めて、高校の入試を受けていただいて、そしてこの寮に入る6名の方々が決まりました。一番安心しているのはこの中で私かなと思っています」とほっとした表情で胸の内を明かしました。

遠慮なく頼って下さいと入寮生と保護者に話す佐藤町長

続けて、「皆さんの想いに町としてしっかりと応えなければいけないという責務もあると私は思っております。青春は密になるもの。密な青春を私たちがしっかりとサポートして参りますのでどうぞ安心してください。3年間で南三陸が第二の故郷と思ってもらえるような青春時代を送ってもらいたい」と、この町で過ごす輝かしい時間を支える姿勢を見せていました。

新しい環境への期待と不安が募る中、生徒も保護者も安心して過ごせるような受け入れ体制を完備。
お互いに協力し合いながらの自律した生活がここから始まります。

校名も変わり新しく始まった新年度。南三陸高校の新たな挑戦を私たちも応援しています。

町長らと乾杯をする入寮生たち

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