将来の夢はシロウオ漁師!?地元小学生が伝統シロウオ漁を見学

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5月半ば、南三陸町歌津伊里前川で行われているシロウオ漁が最盛期をむかえ、伝統の漁法「ザワ漁」の様子を地元の小学生が見学しました。

「ザワ」を使った伝統シロウオ漁

春の風物詩としても知られる伊里前川のシロウオ漁は「ザワ」と呼ばれる伝統的な漁法で行われています。川の中に石を組み、潮の満ち引きを利用して、シロウオを仕掛けていたかごに追い込むという漁法です。シロウオが産卵のために海から遡上する春に漁が行われますが、今年は水温が低かった影響で、例年よりも1か月ほど遅れ、5月の中旬に最盛期をむかえました。

シロウオの漁場 石を組んで作るしかけ「ザワ」
「ザワ」の頂点に網かごが取り付けられており、満潮で川を遡上して来たシロウオが入る
体長5cmほどに成長したシロウオ

子どもたちはシロウオに興味津々!

5月18日、総合的な学習の時間でシロウオ漁の見学に訪れたのは伊里前小学校3年生の17人。

明治時代からシロウオ漁を続ける3代目漁師、渡辺千之(73)さんが講師となって、子どもたちにシロウオの生態や漁のやり方などを説明しました。子どもたちはシロウオに興味津々!「シロウオは何年生きられるの?」「何を食べて大きくなるの?」「1日に何匹とれるの?」など様々な質問が飛び交い、渡邊さんの説明を聞きながら熱心にノートをとっていました。

「どうして“ザワ漁”っていうの?」
「積みげた石の間から流れる水の音が「ザワザワ」って聞こえることから「ザワ漁」って呼ばれるようになったんだよ。」

 

渡辺さんの説明を聞いた後、いよいよザワ漁のしかけを見に川の中へ。

石の組み方の工夫や、シロウオが網に入る仕組みについて実際にしかけを見ながら教えてもらいました。

そして、シロウオが入った網を渡邊さんが持ち上げると子どもたちからは大きな歓声が。ぴちぴちと勢いよく跳ねる、体調5cmほどに成長したシロウオを手にとってオスとメスの見分け方などを教わっていました。

産卵期にほんのり頭がピンク色になるのがメス

初めてシロウオを見たという女の子は「シロウオがピチュピチュって動いたのが面白くて、ミミズみたいな感触でした。家に帰ったらしょうゆをつけて食べたいです。」と話していました。

将来はシロウオの漁師になりたい!と話す子どもたち

また、積極的に渡辺さんに質問をしていた男の子は「僕の夢は宇宙飛行士だけど、きょう渡辺さんからシロウオのことを教えてもらって、宇宙飛行士になるかシロウオの漁師になるか迷っています。」と地域に伝わる伝統の漁に興味を持ったようす。

伝統の漁を残すためにできること

毎年、地域の子どもたちに「ザワ漁」について教えている渡辺さんは、「子どもたちが毎年来てくれるのは嬉しい。最盛期は37軒あった漁師も震災後の高台移転や漁師の高齢化もあって辞める人が多く、今では4軒に。こうやって子どもたちにザワ漁を知ってもらうことで、少しでも興味を持ってもらい、そのうちのひとりでも将来、この伝統を引き継いでもらえたら嬉しい。」と話します。続けて「引き継ぐのは漁だけではない。近年、環境の変化などで魚がどんどん捕れなくなってきている。シロウオが毎年、この川に戻って来られるように川の環境を整えること、そして、とりすぎないこと。産卵の時期になったら漁を辞めて、しかけを取り払い、次の年のため稚魚を海へ戻してあげることも大事だ。」と話しました。

漁師の渡邊千之(せんし)さん

「将来シロウオ漁の漁師になりたいっていう男の子が何人もいましたよ」と渡辺さんに伝えると、「やりたいという気持ちを持ってもらえただけでもうれしいね」と満面の笑みを浮かべ、「歩けるうちは漁場に通い、未来の漁師が現れるまでこの伝統の漁を絶やさず守っていきたい」と意気込んでいました。

今年のシロウオ漁は6月いっぱいまで続きます。

ちなみに渡辺さんおすすめの食べ方はかき揚げとにらとシロウオの卵とじだそうです。皆さんも食べる機会があればぜひ!

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