南三陸町の海産物を堪能!「若手漁師軍団と牡蠣に酔いしれナイト」

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4月28日、仙台市国分町にあるフレンチレストラン「ビストロアンコール」で南三陸の海産物を堪能するイベントが開かれました。イベントでは南三陸町の漁師も招かれトークなども実施。また海産物だけではなく、南三陸町で栽培されたリンゴを使用したシードルも振る舞われ、参加者は舌鼓を打っていました。

「世なおしは、食なおし」NPO法人東北開墾が主催

4月28日、「南三陸の若手漁師軍団と牡蠣に酔いしれナイト」というイベントが仙台市国分町にあるフレンチレストラン「ビストロアンコール」で開催されました。主催は、『東北食べる通信』という情報誌と食材がセットになっている情報誌を発行している「NPO法人東北開墾」。岩手県に拠点を置き、「世なおしは、食なおし。」という大きなテーマを掲げ活動している団体です。

『東北食べる通信』は約5年前から開始。毎月発行しており特集した食材と共に、生産者の想いや苦労、食材の知識、調理法などが詰まった情報誌をセットにしてお届けしています。全国に約1200人の読者がおり、そのうち6割が関東圏、3割が東北だそうで、震災から7年経った今でも東北に関心を持っている人は多いようです。

限定20人が参加!海の幸をふんだんに使ったフルコース

当日会場には東北食べる通信の購読者や、会場である「ビストロアンコール」の常連さん含め、24人が参加。中にはわざわざ愛知県から足を運ばれた方もいました。毎回イベントでは集客に苦労するとのことでしたが、今回のイベントではキャンセル待ちが出るほどだったそうです。

イベントでは料理を味わうだけでなく、南三陸町戸倉地区の若手漁師4人が招かれ、料理に使われた食材の説明などを行いながらイベントは進みました。料理は全部で9品提供され、牡蠣だけでなく今から旬であるホヤを使った料理や栗カニ、魚を使った料理など、志津川湾で獲れた海産物のフルコース。出されたお洒落な料理に会場はもちろんのこと、若手漁師4人も驚いていました。

また料理だけでなくドリンクも、現在秋保ワイナリー協力のもと開発が進められている南三陸町入谷地区で栽培されたリンゴを使用したシードルが振る舞われました。参加された方々は南三陸町の食材を存分に堪能することができたようです。

トマトベースのソースがかけられており、フレンチ風にアレンジされた料理「ホヤのカスパチョ」
フランス語で「ブイヤベース」とは漁師鍋と言われるそうで、漁師自ら器に盛りつけていました
南三陸町で栽培したリンゴを使用したシードルが振る舞われた

シェフ自ら南三陸町に足を運ぶ!そこで感じた他とは違う美味しさ

イベント開催のために、わざわざ南三陸町から海産物を取り寄せ前日まで試行錯誤してメニューを考えた林俊介シェフ。なんとイベント開催に至るまでにシェフ自ら、南三陸町の牡蠣養殖を視察しに訪れたこともあるそうです。実際に足を運ぶ前に試食した牡蠣も「市販で売られている牡蠣とは違い、素直に美味しいと思った」と話す林シェフ。他とは何かが違うかもしれないという期待も持って足を運んだそうです。

林シェフは「三陸の食材だから使っているという訳ではなく、本当に美味しい食材を使っている」と話しており、戸倉の牡蠣はシェフも唸らせたようです。またイベント開催までの間、戸倉地区の漁師から直接牡蠣を買い付け、ランチでもその牡蠣を提供していたそうで、とても好評だったそうです。

「今後も南三陸町の牡蠣を使って行きたい。漁師から直接買える利点を活かしつつ、漁師達の手助けになれば良いなと思う」と話していました。ちなみにイベント用に考案したメニューは今後お店で提供するかもしれないということでした。

ビストロアンコール店主 林俊介シェフ

新たな“食”の楽しみ方!生産から消費が見えることでやる気UP!?

トークでは会場のお客さんからの質問だけでなく、「生牡蠣と加熱した牡蠣どちらが好きか?」と漁師からの質問もあり、「本来生牡蠣の出荷は3月末までだが、多くの人が生牡蠣の方がということであれば今後生牡蠣を提供できるよう若手漁師達で工夫していきたい」と意気込んでいました。お客さん達からは「若い人達が、こうやって頑張っているのを見ると頼もしい。どんな形であれ協力していきたい」、「なかなか生産者と話す機会がないので、楽しめました」と話していました。

イベント終了後、漁師達に話を聞いてみると「消費者から直接話が聞けるのは嬉しい。今後の展開に活かしたい。」と話しており、消費者だけでなく漁師達に取っても貴重な体験になったようです。若手漁師達のこれからの展開も楽しみです!

イベント最後には豪華賞品を賭けた力自慢の漁師達による腕相撲大会が行われ盛り上がりました

東北食べる通信副編集長の成影沙紀さんは「スーパーに並んでいる商品は価格や栄養などの表示だけで、どこの誰が、どのようにして、どんな想いで生産しているかが分からない。食を支える一次産業者は減少している現代だからこそ、便利なものを食べるだけではなく、作り手の想いを考えながら“食”を楽しんでほしい」と挨拶。

また「情報誌はもちろん、こういったイベントは生産者と消費者の関係を築く入り口に過ぎない」と話しており、生産者から直接買える場、生産者と消費者が交流する機会を提供しているそうです。何より「漁師達はもちろんのこと、生産者達が消費まで見ることができる関係が大切で、生産者のやる気やモチベーションにもつながる」と話していました。

東北食べる通信 副編集長:成影沙紀さん

「いただきます」「ごちそうさま」に込める想い

本来、食とは命を頂く行為で、「いただきます」「ごちそうさま」はただの挨拶や礼儀作法ではありません。命を頂く、生産者や料理作ってくれた人への感謝などの想いを込めた「いただきます」「ごちそうさま」が本来の形だと取材を通して改めて感じました。そんなことを想いながら食べる料理は、普段とは一味もふた味も違う料理になるかもしれませんね!

また、たくさん意見や貴重な交流を経て若手漁師達のこれからの展開も楽しみです!

NPO法人東北開墾公式HP https://kaikon.jp

東北食べる通信公式HP https://tohokutaberu.me

戸倉若手漁師軍団の4人(左から、三浦正幸さん、三浦将平さん、後藤新太郎さん、後藤伸弥さん)

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