防災・減災教育に力を入れる南三陸町。町立歌津中学校では「歌津中学校少年防災クラブ」を結成し、防災教育を推進しています。修学旅行先の東京で三井不動産を訪問し、防災の取り組みについて情報交換を行いました。
きっかけは歌津中学校で行われた避難所運営訓練
2017年4月20日朝、南三陸町立歌津中学校3年生の生徒16人が、齋藤先生の引率により、東京・日本橋にある三井不動産の「日本橋一丁目三井ビルディング」と、三井不動産が直営する「わたす日本橋」を訪れました。修学旅行の一環で、三井不動産の防災の取り組みについて学ぶとともに、歌津中学校の防災教育について発表することが目的です。
歌津中学校と三井不動産のご縁の始まりは、2016年10月に歌津中学校で行われた避難所運営訓練。以前より南三陸町と交流している「わたす日本橋」のプロジェクトメンバーと、三井不動産の防災対策チームが、訓練に参加したことがきっかけでした。
避難所運営訓練は、中学生たちが大人になったという想定のもと、生徒たちが主体となって避難所を立ち上げ、避難民の受け入れや対応、負傷者の救助、炊き出しなどを自分たちで行うという本格的なもの。わたす日本橋および三井不動産のメンバーは、町に慣れていない避難民の役で参加しました。その際に、先生たちから「修学旅行で上京する際に、防災の取り組みについて情報交換をさせてもらえないか」という相談があり、実現に至ったのです。
防災センターや屋上など、三井不動産の防災対策を見学
当日はまず、三井不動産が直営する、南三陸町とのご縁がきっかけで生まれた情報発信・交流拠点「わたす日本橋」を見学。それからコレド日本橋が入る日本橋一丁目三井ビルディングに移動し、映像を見ながら、三井不動産の歴史や事業、防災の取り組みについて説明を受けました。
続いて、地下4階の非常用発電設備を見学し、地下1階にある防災センターへ。ここでは毎日防災訓練を行っており、この日は火災訓練をデモンストレーションしてくれました。最後に、ビルの屋上にある緊急ヘリ用のホバリングスペースを見学。生徒たちは、屋上からの眺めに感嘆の声を上げつつも、担当社員の説明に熱心に耳を傾けていました。
歌津中学校の防災学習についてプレゼンテーション
一通り見学を終え、最初の会議室に戻り、次は生徒たちが発表する番です。代表者2名が、用意していたスライドを使い、歌津中学校の防災学習についてプレゼンテーションを行いました。まず、三浦愛海さんが、歌津中学校防災学習のねらいや「歌津中学校少年防災クラブ」、防災学習の概要などを説明。続いて三浦百々香さんが年間を通して実際に行う活動内容を紹介し、最後に再び三浦愛海さんが、たくさんの写真を見せながら避難所運営訓練について説明しました。
互いの防災の取り組みについて理解を深め合う
発表後は質疑応答が行われ、生徒たちからは「避難訓練でリーダーとなる人はどうやって決めるのですか?」「災害時に避難者をどのくらい受け入れることができるのですか?」「津波対策は何か行っていますか?」といった質問が出ました。また三井不動産側からも「中学校を卒業した後も防災学習を行う機会はありますか?」などの質問があり、それぞれの防災の取り組みについて理解を深めました。
生徒たちは、今回の訪問で多くのことを学んだ様子。今秋も行われる予定の避難所運営訓練をはじめ、防災学習へ意識がさらに高まったようでした。