本番さながらの白熱した議論が展開!志津川高校生による「志高まちづくり議会」

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今回が3回目となる「志高まちづくり議会」が2月10日、南三陸町役場議場にて開催されました。16名の志高生が4つのグループに分かれ町に提言。本番さながらの白熱した議論が展開されました。

日常生活あるいは地域活動で感じる課題は

志津川高校は、地域連携型の中高一貫教育を実践しており、中学校からの6年間で計画的かつ継続的な指導のもと広い視野で21世紀を主体的に生きる人間の育成を目指しています。志翔学舎の活用で学力向上を、日々の授業や行事で自己肯定力の伸ばし、さらに小中学校への出前授業などを行うことで異年齢集団の中での社会性の育成を図っています。(志津川高校発行の学校案内パンフレットから引用)

普段感じている地元南三陸町について、2年生16人が「観光A」、「観光B」、「防災」、「環境」の4つのグループ毎それぞれのテーマを議場にて課題や具体案を提案、佐藤町長・最知副町長・斎藤教育長はじめ各課課長(執行部)に答弁を求めました。

開会にあたり、諸注意や進行等について堂々と話す1番目の議長・佐藤恵衣さん

観光Aグループ「おらほの町で屋形船!」

観光の課題をテーマにした4名の高校生議員から以下のような提案がありました。

「南三陸町を訪れた観光客は過去最高の144万人を記録したが、冬の閑散期(10月~3月)は38%と落ち込んでいる。アンケートでは、33.6%の方が冬のイベント内容に満足していないことが分かった。冬場においても夏場水準の入込数を目標に、冬の南三陸でしかできないことを調べることにした」

そのうえで

「背景として、漁業者数が半減している現状でも、料理がおいしいという食(水産物)への期待が最も多い訪問意向を汲み、『ASC認証の牡蠣や海産物を南三陸の海上で食す(地産地消)』ことを考えた。そこで私たちの提案は『自然を生かした観光資源づくり』志津川湾で屋形船を運行する。具体的には企業版ふるさと納税を活用し、操縦者には免許取得費の一部を補助する。地域おこし協力隊も活用させたい」と提案。

町長は「確かに冬場の入込数は少ないが、平成29年度から観光協会を窓口に滞在型セミナーや民泊を充実させている。冬の食材を提供するためクーポンブックを発行し、パンフレットも配布中だ。台湾はじめ日本各地からの教育旅行も増えている。屋形船は川のイメージがあるので斬新だ」と答弁しました。

佐藤町長が各グループの提案に答弁し、担当職員にも発言の機会を与えた。

商工観光課長からは、「非常にユニークで、屋形船は東京湾でも運航されており外国人観光客にも喜ばれている。実現には様々な手続きが必要だが、町として検討してみたい」。さらに農林水産課長からは、「冬の南三陸でなければできないアイディアだ。県内外から注目され、今後南三陸の風物詩となっていければ良いと感じた。遊漁船を含めたPRも考えたい」などと、いずれも高い評価の答弁がありました。

質問内容によっては町長以外の担当課長も詳しく説明した。(写真は千葉農林水産課長)

観光Bグループ「外国人観光客増加に向けた取り組み」

このグループは、先に町に対し質問を行いました。

「外国人観光客は増加しているのか?台湾との国際交流が中心だが、今後それ以外の国との関わりは?」

町長から「アメリカカリフォルニア州の方がずっと交流してくれている。台湾からは教育旅行などで大勢関わってくれている。そのほか、東日本大震災を機にアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエルなど数えきれないほどの世界各国から実にたくさんの支援を頂いた」との紹介があり、企画課長からは、「今年はパラリンピックが開催予定で、加美町がチリ国カヌー競技選手等のホストタウンになっている。チリといえば南三陸町との関りが深いので、事前合宿や大会終了後に高校生を中心に町民との交流ができないものかと考えている」との具体案が出されました。

モニターに映し出される資料・パワーポイントも手作りだ。(写真は観光Bグループ)

改めて高校生議員が「南三陸町を訪れる外国人が少ないと感じている。アンケートを実施したいが、回答する方にとってメリットはあるのだろうかという疑問を持った。現在南三陸に訪れている外国人観光客を分析したいが、誰もが協力してくれるわけでもない。アンケートに答えたくなる仕組みが必要で、アジア諸国の方にはスマートフォンを活用できるのではと考えた」

そして「スマートフォン普及率が日本より格段に高いアジア諸国に方々にQRコードやインスタグラムを使ってアンケートを実施し、インセンティブとして志津川高校生が作成したグッズ等をプレゼントする。特に、タイ国をターゲットにして日本の四季を楽しんでもらいたいので、QRコードやインスタグラムを活用してPRしたい。」と提案しました。

町長から、「素晴らしい提案、現在インバウンドは東京・大阪・京都など限定的で、東北各地はこれからの工夫次第で伸びる可能性がある。仙台空港とタイ・バンコク国際空港間には定期就航されており、さらなる知恵を期待している」と激励が込められた答弁がありました。

防災グループ「消防団の高齢化」

このグループは4名の男子高校生で構成されています。「若手消防団が少ないと感じるが、町として防災への対策をどうとっているのか伺いたい」と力強い声で質問が行われました。

町長から「南三陸町では459名の方が消防団員として活動されているが、20代が6.8%と低く、団員の高齢化が顕著だ。高校卒業後の進路等で町を離れる若者も多い中、報酬の見直しなど処遇改善も含め、周知PRに努めている」との現状説明がありました。

グループリーダーの及川拓海さんが「町ではPRしていると聞いたが、団員募集のチラシや掲示は見たことがない」ときっぱり話すと、担当の総務課長から「公共施設を中心に、このような大型のポスターも張っているし、消防だよりとして毎戸配布している」との答弁がなされました。

消防団員を募集するポスターを紹介した。(写真は高橋総務課長)

続けて「消防団のことを知らない人が多いので、若者が活躍する写真等を使ったポスターカレンダーを作成し町内各所に貼る。そして消防団員を増やすため18歳の年齢制限を16歳に下げることを提案する」と訴えました。

町長から「私から逆に質問したい。提案では16歳に入団年齢を下げるとあったが、その根拠を教えてほしい」と、町議会さながらの反問権が行使され、傍聴席もざわつきました。

及川さんは「私たちは中学校の防災授業等で可搬ポンプの操作や基礎的な動きを学習している。ジュニアリーダー活動でも様々な知識や行動を身につけている。高校生になったら体力も備わるし、いざとなったら実際の現場でも存分に活躍できるのではと感じている」としっかり答えました。

総務課長から「気持ちはありがたいが、消防団員の加入年齢は国で決められている。高校生は学業が本分なので、地域の自主防災組織などで知識を学び、将来正式に団員になったらすぐ活躍できるよう励んでいただきたい」との答弁がありました。

南三陸の防災について質問と提言があった。(写真は防災グループ)

環境グループ「南三陸町ゴミ問題について」

最後のグループは、気仙沼市にお金を出してゴミ処理を頼んでいるが、南三陸町でゴミを減らすための取り組みは?という質問とともに「南三陸町ではバイオマス産業都市構想を打ち出しているが、町が考える具体策と今後の展望を聞かせてください」と切り出しました。

町長は「焼却炉が使えなくなってから、町内各地区や学校に出向きゴミの減量化を図った経緯がある。各家庭でコンポストを活用して庭先で生ゴミの処理もしていたが、震災で振り出しになった。震災後、災害に強い安心安全な町づくりとして平成25年12月にバイオマス産業都市構想を策定した。エコタウンとして展開するために資源ゴミの分別化と生ゴミの処理の協力を求めている」と答弁しました。

アミタ(株)の取り組みを町民に知ってもらいたいと作成。(写真は環境グループの資料の一部)

高校生議員から「分別の必要性は感じるが、ゴミの排出量が増加している。調査したらアミタ(株)が生ゴミの収集と活用(ガス発電や液体肥料)していることを高校生の97%が知らないことが分かった」と発表しました。

町長から「アミタ(株)や生ゴミの処理についてそれほど認知されていないことはショックだ。グループの皆さんの家庭では生ゴミを分別しているか」と逆質問すると、4人全員がしていないと答えました。そして「理解度が不足しているようだ。確かに生ゴミの分別は面倒くさいのだが、簡易性を図り協力してもらえるようにしなければならないと感じている」と答弁しました。

高校生議員から「事業所の方に町内の学校においでいただいて講話してもらうとともに、私たちも高校生らしいパンフレットを作り各所に配布したい。工夫をすることで中高生の認知度が上がると思う」との提案があり、町民の多くがゴミ問題解決に取り組めるようにと提言しました。

男子リーダー及川拓海さんが最終議長を務めた。まちづくり議会開催の御礼を述べ終了

「それぞれのグループの発表は内容も話し方も素晴らしいと感じた。これらの提案を聞くだけでは意味がないので、どのようにしたら実現するかここに立ち会った町職員とともにしっかり検討してまいりたい。将来この中から町議会議員が誕生し、この場で活躍してもらいたいとも思う」と町長が総括しました。

閉会後は、緊張が解けたようで全員が笑顔になって記念写真に臨んでいました。

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