移住したワイン生産者に聞く、南三陸の魅力とワインの楽しみ方。

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活け締めをした銀鮭をオイルに漬け込み、低温でじっくり調理した「銀鮭のコンフィ」はとろけるうまさ。辛口の白ワインとよく合う

南三陸町移住・定住支援センターは、移住者が先生となって移住体験を伝える「RivaRivaみなみさんりく学園」を企画・実施しています。2021年11月27日、南三陸ワイナリーの佐々木道彦さんがワインの楽しみ方を教えてくれました。

移住者先生の佐々木道彦さんが南三陸ワイナリーを案内。

移住者が先生となって移住の実体験を伝え、参加者と交流する企画「RivaRivaみなみさんりく学園 ~移住者に〇〇教わってみた~」。第2回は、「南三陸におけるワインの楽しみ方」と題して、南三陸ワイナリー株式会社と南三陸町移住・定住支援センターの合同オンラインイベントとして行われました。

移住者先生は南三陸ワイナリー株式会社の代表取締役、佐々木道彦さん。佐々木さんは20191月に地域おこし協力隊として南三陸町に移住し、202010月に南三陸ワイナリーをオープン。ワインと人と南三陸の食をつなげるイベントを行うなど、南三陸の魅力を発信しています。そんな佐々木さんが、南三陸ならではのワインの楽しみ方を教えてくれるということで、期待が高まります…!

イベント参加者には、南三陸ワイナリーの白ワイン「VERDELEE(ヴェルデレー)2021」と銀鮭のコンフィのセットが事前に届く

イベントは午前10時スタート。まず南三陸町移住・定住支援センターのスタッフが南三陸町の概要・特徴を紹介。続いて佐々木さんの紹介がありました。佐々木さんは山形県出身で、東日本大震災前は静岡県浜松市で働いていましたが、震災後にボランティアで三陸沿岸部を訪れたのをきっかけに、2014年に仙台市に移住。仕事でワイングラスの商品開発を行うなかでワインの魅力にハマり、「ワインをつくりたい」と思うようになりました。ワインづくりについて学ぶうちに、南三陸町にワイナリーをつくろうという「南三陸町ワインプロジェクト」の存在を知り、12日移住体験ツアーに参加。「ここでおいしいワインをつくりたい!」と思い、20191月、南三陸町の地域おこし協力隊として「南三陸ワインプロジェクト」に参画しました。

南三陸ワイナリーの佐々木道彦さん(画面右)と、進行を務める南三陸町移住・定住支援センターの及川希さん(画面左)

「せっかく南三陸につくるなら、海の見えるワイナリーをつくって、南三陸のおいしい海産物と一緒に飲んでもらいたい」と考えた佐々木さんは、内陸部ではなく沿岸部で場所を探しました。そして、水産加工場だった建物を改修してワイナリーをつくることに。南三陸町初の酒蔵です。クラウドファンディングで資金調達をし、2019年4月からワイン販売を開始し、2020年10月にワイナリーをオープンしました。

 

そのワイナリーをオンラインで見学することに! まずはテラス棟からの眺め。「海を眺めながらゆっくりワインを飲んでもらいたいので、テラスをつくりました」と佐々木さん。次に海中熟成ワインについて説明し、それから醸造棟を案内し、ワインづくりの工程を紹介してくれました。

海中熟成したワイン。水深10mほどのところに半年間沈めておくと、海中の音の振動が伝わって熟成が進む。海中の温度帯もワインの保管に最適だという
ステンレスのタンクが並ぶ醸造棟の様子。1つのタンクで2500~3000本のワインをつくることができる
機械を用いた瓶詰めの様子
ラベルは、三陸沿岸部に伝わる伝統的な切り紙細工「キリコ」をモチーフにしており、毎年テーマを変えている。ラベルは1本1本手作業で貼っている
満月の夜に行ったシャルドネのナイトハーベスト(夜間収穫)の動画も視聴。夜のうちに収穫すると香りや旨みが落ちないという

辛口白ワインと銀鮭コンフィのマリアージュを堪能!

臨場感たっぷりのワイナリー見学が終了し、5分間休憩。その間にワインやおつまみを準備します。そして待ちに待った試飲・試食タイム! みんなで乾杯し、辛口の白ワイン「ヴェルデレー」と銀鮭のコンフィのマリアージュを楽しみました。

佐々木さんからワインづくりにかける思いを聞いた後に飲むワインは格別! 送られてきた「ヴェルデレー」は、しっかりとした酸味とうまみ、雑味のないほのかな苦みがワインの味を引き立てる
活け締めをした銀鮭をオイルに漬け込み、低温でじっくり調理した「銀鮭のコンフィ」はとろけるうまさ。辛口の白ワインとよく合う

参加者からは、「こんなにおいしい白ワインは初めて」「毎日飲みたい」といった声が上がりました。「南三陸ワイナリーのワインは、食中酒としてつくっているので、すべて辛口です。ただ、辛口といっても、このヴェルデレーはブドウの香りや旨みも感じられます。酸がしっかりしているので、生牡蠣やゆでダコはもちろん、鶏の唐揚げなんかも合いますよ」と佐々木さん。「鶏の唐揚げとのペアリングは意外!」「参考になります」などの反応がありました。

中継会場では「銀鮭のコンフィ」にバジルをトッピング。「レモンを絞った」「オイルをパンにつけて食べた」など、さまざまなアレンジについてチャットで意見交換が活発に行われた

ワインについてだけでなく、佐々木さんの移住実体験も気になるところ。佐々木さんにとっての南三陸の魅力は何なのでしょうか。「南三陸は食材の宝庫で、こだわりのものをつくる生産者がたくさんいます。また、私のワイナリーづくりを応援してくれる人がたくさんいたように、何かやりたいと思ったら町の方々が支えてくれます。それが南三陸のよさ・魅力ですね」と佐々木さんは話します。

「南三陸の方々はもともとワインにあまり興味がなく、特に辛口の白ワインはウケなかったのですが、ワイナリーができて、南三陸のおいしい牡蠣と合わせてほしいとアピールし続けていたら、ワインを飲んでみようという人が増えてきました」と佐々木さん

イベントも終わりに近づいてきました。参加者からは、「ワイン好きとしては、オンラインでこのような機会があってよかったです」「このように酸が強いワインはあまり飲んだことがなかったので、よい経験でした。ワインの工程見学がおもしろかった」といった声が聞かれました。

最後に、佐々木さんから以下のコメントがありました。「南三陸のおいしい食材とワインのマリアージュをオンラインイベントでもやってみたかったので、それが実現してうれしいです。南三陸のおいしい食材とワインを合わせることで、食材が生きて、ワインもおいしくなります。それによって幸せを感じてもらえたらと思っています。コロナが落ち着いたら、ぜひ南三陸に遊びに来てください!」

おいしく学びの多い、あっという間の1時間半でした。

RivaRivaみなみさんりく学園~移住者に〇〇教わってみた~3限目「今が旬!自宅で牡蠣剥き体験」井口雅子先生

3回目となる「RivaRivaみなみさんりく学園」は2月26日(土)に開催。2017年に東京都から移住された井口雅子先生が「牡蠣の殻剥き」を教えてくれます!
移住する前は牡蠣が苦手だった井口先生。南三陸に来て新鮮な牡蠣を食べて好きになったそうです!

そして、今回お送りさせていただく牡蠣は日本初のASC国際認証を取得し、令和元年度農林水産祭天皇杯を受賞した「戸倉っこ牡蠣」です。
なぜ、日本ではまだ誰もやっていなかったASC国際認証を南三陸町で取得しようと思ったのでしょうか?そこには震災からの再起を懸ける漁師さんの覚悟のストーリーが・・・

そんなお話しをしながら、楽しく、ゆる~く牡蠣剥き体験してみませんか!
今が旬の牡蠣は濃厚でぷりっぷり!! 剥いた牡蠣はその場で試食。おススメの食べ方なんかもご案内します。
イベント終盤には質問コーナーもありますので、井口先生と直接お話しすることもできますよ。

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