震災後10年、人々の価値観の変容を描いた動画が映像コンテストで大賞を受賞!

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震災後の南三陸町で生活する人々の価値観の変化を描いた動画「Changing Minamisanriku-震災から10年の変革-」(一般社団法人南三陸研修センター企画、株式会社はなぶさ制作)が一般社団法人東北映像製作社協会が実施する「東北映像フェスティバル2021映像コンテスト地域振興コンテンツ部門」で見事大賞を受賞しました。制作に携わったお二人に作品に込めた思いを伺いました。

震災10年で人々の価値観はどのように変わったのか?

「Changing Minamisanriku-震災から10年の変革-」は南三陸に生きる人たちの心の変化をインタビューでつづった映像作品です。14分間の映像には震災をきっかけに南三陸に移住して人生が変わった女性、震災後の町で新たな夢を見つけた若手就農者とその師匠、漁業を担う女性と漁師になるためにUターンしてきた息子が登場。震災によって多くのものを失いながらも“本当に大切なものは何か”に気づかされたこの10年の変化を語ります。

こちらの動画は南三陸町で企業や大学向けの研修を実施している一般社団法人南三陸研修センターが研修プログラムの教材動画として企画し、株式会社はなぶさ(南三陸町志津川)が制作しました。

全体構成とインタビューを担当した安藤仁美さんは「価値観の変化をテーマにしたいと言われたとき、町並みや産業など目で見てわかりやすい変化とはまた違った、深いところが描けるのではないかと思いました。心の変化をわかりやすく描くために、あらゆる年代や立場の人にインタビューしました。」と話します。

「特に印象的だったのはUターンをして家業を継いだ漁師の阿部和也さん。“家族との時間を大切にしたい”という自分の望むライフスタイルをかなえるため、サラリーマンを辞めて漁師に。この町で幸せそうに暮らす彼を見て、家業を継ぐというイメージがガラッと変わりました。」とインタビューを通して、新たな視点に触れることができたとも話していました。

価値観の変化を映像で表現する難しさ

映像を見ていると、インタビューに合わせて映し出される、そこでの暮らしを切り取った南三陸の美しい風景が印象に残ります。

撮影・編集を担当した佐藤孝範さんは「テーマには共感できたし、伝えたいメッセージもはっきりしていましたが、目に見えない“人の価値観の変化”をどうやって映像で表現するか、最初は悩みました。でも、何度も取材を重ねるうちに町の人たちの言葉そのものに力があると確信できたので、キーワードになる言葉を拾い、それに合わせた映像を丁寧に撮影するよう心掛けました。言葉に力があるからこそシンプルな編集が効果的にメッセージを伝えてくれたと思います。」と制作当時を振り返ります。

そんな丁寧な取材と高い映像技術で描いた点が高く評価され、今回の映像コンテストでの大賞受賞につながりました。昨年の同コンテストでの優秀賞に続き、今年はついに大賞を受賞したことについて佐藤さんは、「あまり賞とかにはこだわらないので、気にしていなかったのですが…、やっぱり大賞は嬉しかったですね。」と笑みをこぼしていました。

受賞作品の発表はオンラインで行われた。大賞の受賞が決まった瞬間、喜ぶ佐藤さん。(写真提供:はなぶさ)

これから先の10年を生きるヒントに

映像は「次の10年でどんな変革がおこるだろう?」というメッセージが投げかけられて終わります。

この動画の概要欄には

震災で失ったものは計り知れません。
しかし、震災によって気付かされたことも多くあります。
“本当に大切なものは何か?”“生きるとは?”
極限状態のなかでそんな問いを繰り返し自問してきた南三陸だからこそ、

“価値観の変化”が生まれたのかもしれません。
何よりも混沌としたこの時代。
この「価値観の変化」こそがこれからを生き抜く大切なヒントになるのではないか?

というメッセージが添えられています。

南三陸町に生きる人たちの“価値観の変化”に私たちがこれからを生き抜く大切なヒントが隠されているかもしれません。

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