2019年6月1日に、東京・中野にある「宮城漁師酒場 魚谷屋」で1回目となる「ワカメサミット in 東京」が開催されました。参加者は、7人のワカメ漁師と交流しながら、ワカメをはじめとする三陸の海の幸を堪能しました。
三陸のワカメや魚介を楽しみながら漁師さんたちと交流。
ワカメサミット会場の「宮城漁師酒場 魚谷屋」。開始前から続々とお客さんがやって来ます。イベントを主催するのは、東北の美味しい食材付きの情報誌を毎月届ける「東北食べる通信」と、東北の食や生産者の魅力を世界に発信するための事業を手がける「東の食の会」。それだけに、参加者は「東北食べる通信」の読者をはじめ、“食”や“東北”に興味・関心をもつ人が多いようです。
そしてゲストの漁師さんたちも順次到着。各テーブルに入って、一杯飲みながら参加者のみなさんと交流します。会場は和やかな雰囲気に。
いよいよイベントスタート! 「東北食べる通信」の新編集長、成影沙紀さんに続き、ゲスト漁師を代表して岩手県大船渡市の千葉豪さんが挨拶。威勢のいい「乾杯!」が店内に響き渡りました。
ワカメサミットの料理は、各漁師さんたちが採ったワカメや魚介を使った全6品の特別コース。一品目は「宮城県塩竈市の赤間俊介さんが採ったアカモクと石巻市の阿部勝太さんが採った昆布、気仙沼市の藤田純一さんが獲ったミズダコのカクテルサラダ」です。さっぱりした味わいは初夏にピッタリ!
美味しい魚介とお酒を楽しみながら話に花が咲くなか、ゲスト漁師の自己紹介タイムが始まりました。トップバッターは塩竈市の赤間俊介さん。続いて高橋直哉さんの登場です。「ワカメのことなら何でも聞いてくださいね!」とコメントしました。
浜や漁師によって異なる味わい。ワカメの奥深さを堪能!
さて、料理も進んで3品目。なかなかマニアックなワカメ4種の食べ比べです。高橋直哉さんはじめ、塩竈の赤間俊介さん、石巻の阿部勝太さん、大船渡の千葉豪さん、4人が育てた極上ワカメを、出し汁にサッとくぐらせていただきます。浜や漁師さんによって、ワカメの味はそんなに違うのでしょうか…?
半信半疑で食べてみると…。確かに違う!!
歯ごたえの加減や塩分の度合い、磯の風味などが少しずつ異なり、それぞれのワカメに各漁師さんならではの個性が表れています。ワカメの奥深さを実感しました。
おなかも満たされてきたところで、浜対抗・アームレスリング大会が始まりました! 7人のゲスト漁師がトーナメント方式で対戦し、参加者は優勝者を予想。当たった人には千葉豪さんの海産物セットがプレゼントされるとあって、みなさん気合が入ります。優勝者予想では、交流を深めた“推し漁師”を挙げる人が多数。さぁ、どの漁師が勝つのでしょうか…?
トーナメントが進み、決勝戦。店内が熱気に包まれるなか、勝ち上がった藤田さんと宗さんが熱い戦いを繰り広げました。優勝したのは… 藤田さん! 藤田さんの勝利を予想していた人たちは大喜びです。敗れた漁師さんたちにも労いの声が飛び交い、大いに盛り上がりました。漁師さんたちの真剣勝負、見ごたえたっぷりでした!
〆となるワカメおにぎりをいただき、ワカメサミットも終了の時が近づいてきました。最後に、本日のゲスト漁師7人が、ワカメへの想いや参加者のみなさんへの感謝を20秒メッセージで伝えました。高橋直哉さんは、「今日、どうやったら美味しいワカメができるのかわかりました。食べてくださるみなさんのことを考えながらつくることです!」とコメントし、会場を大いに沸かせました。
集合写真を撮り、お開き。漁師全員が並んで参加者のみなさんを見送ります。「漁師のみなさんとお話しできて楽しかったです!ありがとうございました」「あんなに美味しいワカメを食べたのは初めて。ごちそうさまでした!」と、参加者のみなさんは満足そうな様子で帰っていきました。
大盛況に終わった「第1回ワカメサミット in 東京」。これからも続けていく!という決意を込めて、「第1回」を冠したそうです。ワカメサミットに参加してどうだったか、高橋直哉さんに聞いてみました。
「ワカメ漁師が一堂に集まる機会は少ないので、美味しいワカメをつくるための情報交換ができて、とてもよい刺激になりました。ワカメサミット参加前は、美味しいワカメをつくるには養殖技術の向上が一番大事だと思っていましたが、何よりも大切なのは、消費者のみなさんが『美味しい!』と思うことだと気づきました。みなさんにとって美味しいワカメをつくるために、これからもがんばります!」
日本のワカメはますます美味しくなる…! そう確信した夜でした。国産ワカメを食べて、ワカメ漁師さんたちを応援しましょう!