様々な資源が循環する町を目指す『南三陸町バイオマス産業都市構想』(2014/7/12記事へリンク)。
今秋、その先駆けとなる施設が完成し、先日10月16日に竣工式が執り行われました。
志津川地区保呂毛(ほろけ)の旧・浄化センター敷地内に完成したのは
アミタ(株)が運営を行う『南三陸BIO(ビオ)』です。
町内で発生する生ごみやし尿汚泥等をメタン菌の力で発酵させ、
メタンガスと液肥に再生するという
全国でも珍しい官民連携型のバイオガス施設。
ガスは電気(年間約21.9万キロワットアワー)に変えて施設内で、
液肥(年間最大4,500トン)は町内の圃場・農園等で利用される計画となっています。
この日の竣工式には町長・農協組合長・森林副組合長ほか70余名が参列しました。
式典ののちに施設の内覧会が行われ、発酵・貯蔵設備や専用車両などが紹介されました。
こちらはイメージキャラクター“めぐりんちゃん”“メタンくん”の描かれた液肥散布車。
来春にはこの赤い車が町を駆けまわるはずです。
「町民皆さんに説明会を重ね、実証実験を行ってきましたが、
いよいよ資源循環型社会の先進事例としてスタート出来ることになりました。」(佐藤仁町長)
このバイオガス事業は
生ごみという資源を住民が分別し、町が収集し、企業が再生し、そしてまた住民が活用するという
全町1万4千人を巻き込んだ試みです。
町内では週明け19日より分別収集が開始され、
大きな収集バケツに入った生ごみが、南三陸BIOに搬入されました。
南三陸町は2011年、震災復興計画の中で『エコタウンへの挑戦』を宣言して以来
町の資源を生かし続けるための準備を進めてきました。
“森里海街の豊かさが循環するまち”を夢見て、町と人々は始めの一歩を踏み出しました。
(日比谷)