内陸部に広がる南三陸町の里山に、古きよき日本の田園風景がひろがります。
里山を黄金色に染めた稲の刈り取りが始まったのは、9月中下旬。
その稲がそよ風に吹かれながら天日に干されています。
「今年のできも順調だよ」と話すのは、みなさん館の館長でもあり生産者でもある小野勝良さん
です。
小野さんは歌津地区で、「ひとめぼれ」を80アール、「みやこがねもち」という品種のもち米を
20アール栽培しています。
ボランティアさんや観光で訪れた人からも多く聞かれる「おいしい〜」という声。
その理由は、南三陸独特の気候風土にあります。
「とくに沿岸に近いお米は、7月ころの山背(季節風)にさらされます。厳しい環境に耐えることで、ぐんとうまみを増すんでしょうね」(小野さん)
しかし季節風は、いもち病という病気のリスクも高めます。
そんな中でも小野さんが実践するのは、通常よりも農薬の量を減らした減農薬栽培。
毎年買ってくれている人、ボランティアさん、町内の人など身近な人が食べてくれるお米だからこそ
安心して食べてほしい、そんな想いから手間ひまかかる栽培を行ないます。
収穫の工程においても現代ではコンバインで刈り取り、機械乾燥が主流のため、こうした光景はあまり多く見られません。
それでも、天日で干すことで食味が増すとされるため、小野さんの田んぼでも約4割をはせがけに
しています。
「収穫後、はせがけをして1ヶ月間ほど天日で乾燥させます。そうするうちに、わらの栄養分も
お米にうつり、自然とうまみがのってくるんです」
小野さんの新米は歌津のみなさん館でも購入することができます。
10月後半から11月頭には、待望の「はせがけ米」も登場。
炊いてるそばから漂う、芳醇な香り。
ひと口ほおばればわかる、ねばりや甘みのよさ。
新米ならそのおいしさもひとしおです。
厳しい山背にさらされ、夏の猛暑を乗り越え、秋口の豪雨暴風に耐えたお米。
そのひと粒ひと粒には、うまみ、そして生産者、ボランティアさんなどの関わった人の想いがぎゅっと凝縮しています。
(浅野)
(浅野)
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