入谷にあるログハウス『くつろぐはうす』の誕生ストーリー

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入谷鏡石、国道398号線沿いからログハウスが建っているのが見えます。「喫茶店かな?」と感じられる方も少なくないのですが、この建物について、紹介いたします。

立教女学院が支援、南三陸町の子どもたちにも

立教女学院(東京都杉並区)は、東日本大震災後、被災地の子どもたちに対する様々な支援活動を模索してきました。宮城県南三陸町にいち早く訪問し、志津川小学校の新一年生に体操着を寄贈する活動に取り組み、音楽を通じた交流活動も行っています。

同時期、日本おもちゃの図書館全国連絡会等を通じ、南三陸町で長年活動していた「おもちゃの図書館・いそひよ」の拠点施設やおもちゃ・本などが流失してしまった事を知り、現地で詳しく状況を聞きました。それが「くつろぐハウス」誕生のきっかけとなったのです。

*おもちゃの図書館とは、「障害のある子ども達におもちゃの素晴らしさと遊びの楽しさを」との願いから始まったボランティア活動。たくさんのおもちゃを用意して、気に入ったおもちゃを選んで遊ぶ場・機会を提供し、家でも楽しく遊べるよう貸出しもできるので、「おもちゃの図書館」と名付けられました。 (おもちゃの図書館全国連絡会HPから引用)

おもちゃの図書館いそひよ 誕生

平成7年、町内に暮らす障がい児の家族らが集まりました。既に全国に400か所ある「おもちゃの図書館」活動が、この小さな町でもできるのか不安もありましたが、当時の全国連絡会代表(日本で最初に始められた方)小林るつ子さんの強烈な後押しがあり、任意団体で発足したのです。

言い出しっぺの鈴木清美代表が目論んだのは、家族の方々の情報共有でした。月2回の活動を地元の地区公民館「天王前行政区・ふれあいセンター」で行い、子どもたちと好きなおもちゃで遊びながら、現状やこれからを話し合う機会を作りました。もちろん、おやつの時間にはお茶っこしながら。

団体名の「いそひよ」とは、旧志津川町の町鳥=イソヒヨドリから拝借。海岸や河川など水辺に棲み、近くの住宅地でもよく見られる、綺麗な色合いの愛らしい鳥です。

家族だけではなく、多くの町民にも障害のある人を知ってもらおうと小中学生や高校生にも声をかけ、ボランティアとして活動のお手伝いに参加して頂きました。

発足から15年が経ち、いそひよ活動の理解も深まりましたが、成年になった障がいのある人や親亡き後の暮らしなど、今後の課題は山積でした。そこで、平成23年2月11日、「おもちゃの図書館全国連絡会ミニ学習会」を開催し、多くの方と意見交換を行いました。

東日本大震災で一変

天王前地区も巨大津波に巻き込まれ、保管してあったたくさんのおもちゃや本、記録(写真アルバムやVTR等)までもが建物と共に流失してしまいました。多くのメンバーが被災し、各自の生活再建が優先ですので活動はしばらくできないと呆然自失の毎日でしたが、全国の仲間やボランティアの方々の支援・協力があり、震災から3か月後には活動再開。

それからは、入谷公民館を借りながら、少しずつおもちゃや本を増やし活動し続けていました。

そんななか、立教女学院の中村院長(当時)はじめ教職員やPTAの皆さんから「本格的な活動拠点の設置」を実現させたいとの有難い提案が出されました。いそひよとしては、プレハブの簡素な建物で構わないつもりでしたが、「せっかく建てるんだから・・・」と。思いがけない動きです。

新拠点「マーガレットハウス」完成

親の会はじめ関係者による寄付が主な資金となる施設は、立教女学院の生徒や保護者らが今後南三陸町を訪れる際に立ち寄れるよう工夫もなされています。この部屋の中で礼拝できるよう十字架を配置しましたし、「マーガレットハウス」という名称が付されています。

「おもちゃの図書館・いそひよ」の活動が優先されますが、日常の管理運営は南三陸研修センターが担っていますので、地元の皆様も視察研修の皆様も活用することが可能です。

この建物の呼称については、だれもが寛げる場所でありたいな!という強い想いがありましたので、いそひよの鈴木代表が呟いた「くつろげるログハウス=くつろぐはうす」が採用されました。

ちなみにデッキに掲げられた看板のデザインは、応援してくださる「八幡神社禰宜工藤真弓さん」からのプレゼントです。丸みを帯びたひらがなの文字はほっこり感じます。ぐの濁点は子どもの靴を表しているとのことです。

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