化石産地めぐり

3706

現在、南三陸町区域に大雨警報・洪水警報、宮城県沿岸に津波注意報が発表されています。海岸や川の河口付近などには近づかないようご注意ください。

さて、秋風吹く9月13日。歌津地区で開かれたノルディック・ウォーキングの会に参加させてもらいました。

「またノルディック・ウォーキング?前も行ったでしょ。」と仰るなかれ、今回のコースはなんと“化石産地めぐり”。
何度でも言いますが南三陸は化石の宝庫です。太古の時代、日本列島の大部分は海底が盛り上がってできた土地であるのに対し、宮城から岩手の沿岸部の土地は生命溢れる超大陸の切れ端が合わさって作られたものだと言われています。
特に南三陸町の歌津地区周辺はペルム紀(3億年近く前)からジュラ紀(1億5000万年前)にかけての地層が複雑に露出し、爬虫類の祖先やアンモナイト・ベレムナイトなど数多くの化石が発見されることで知られています。震災後、文化財保護のために駆けつけたレスキューチームによって新たに開拓された発掘ポイントもあるそうです。

「ちょっと見ただけでもアンモナイトがペタペタしていてびっくりしました。他にもエビのようなものや魚らしきもの、植物化石など変なものがいっぱい見つかります。」(東北大学総合学術博物館 佐々木 理先生)
中でも世界的に有名なのが魚竜の発見です。世界最古の魚竜・ウタツサウルスの化石とその発掘現場は
共に国の天然記念物に指定されています。館浜の漁港の先、防波堤の向こうには1970年に発見されたウタツサウルスが今もそのままの姿で保管されています。

ところ変わり、管の浜(くだのはま)の道沿いから下にみえるのは『魚竜館』。クダノハマギョリュウ化石の発掘現場を覆うように建てられており、毎年数万人の来場者を集めた展示施設です。

津波によって被災した魚竜館ですが、東北大学文化財レスキューチームの協力により収蔵品の大部分が回収・修復されたそうです。設備の復旧も進み、たくさんのファンが展示再開を待ち望んでいます。
「かつては建設中だった平成の森野球場からも化石が出たことがある。こんな小さいエリアで多種の化石が出ることは珍しいんだ。」(遺跡・史跡ガイド 小野寺寛さん)
発見報告や関連イベントの度に多くの人を惹きつける、歌津の化石。まだまだ目を離せそうにありません。

※化石標本の一部は現在 歌津コミュニティ図書館魚竜に展示されており、自由に見学ができます。

いいね!して
南三陸を応援

フォローする