里山に恵まれた南三陸町、広い田畑を一人で管理するのはなかなか大変です。
そんな中、チームを組んで畑作業にあたる人たちがいます。
農業チーム『入谷ビーンズくらぶ』は2009年、
耕作放棄地と人材の有効活用を目的に結成されました。
メンバーは地元の女性6名。
9月のある日の朝6時、入谷地区童子下(どうじした)の畑で収穫作業に入っていました。
立派に育った茶豆が刈り取られていきます。
「今日は26束分か。1時間もかかんないね。」
ちゃちゃっと軽トラックに積み込み、
「んではまたね。」
ビーンズくらぶのメンバーは家庭を持つ女性たちです。
それぞれいったん自宅へ戻り、
家族の朝食づくりや個々の畑作業を済ませるのだそうです。
女性たちがもう一度集まってきたのは9時頃のこと。
茶豆の枝からさやを外す『さやもぎ』の作業に取り掛かりました。
「これに時間かがっから朝も早いの。
早く収穫すれば、さやもぎも早く始められるでしょう。」
枝から外され、選別された茶豆は新鮮なうちに出荷されます。
茶豆の収穫は10日間ほど続くのだそうです。
現在ビーンズくらぶでは葉物など数種の作物を栽培しています。
中でも名前の由来となった豆類に、特に愛着があると言います。
「この茶豆、昨日よりぷっちり育っててめんごい(かわいい)。」
「塩茹ででおすばで(おつまみ)、豆ごはんもいいねえ。」
11月にはミヤギシロメ・青ばた豆を収穫し、納豆やきな粉を作って販売する予定。
毎年楽しみに待つファンもいます(筆者もです)。
結成から5年、チームの顔ぶれは変わっていません。
訊けば円満の秘訣は「歳の差」だそうで。
「下は四十代から上は八十代までいんの。
経験が大事な部分や新しい視点が要る部分など、
お互い尊重するべきところが分かりやすいから意見がぶつからないのよね。」
夕方が近づけばこの日の作業は終了です。
女性たちは家事や牛小屋の仕事に戻っていきました。
この秋の実りも豊かでありますように。
(日比谷)
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