この連載では、移住者夫婦である筆者が、南三陸町で妊娠、出産を経験し、子育て(現在生後3ヶ月の女の子)に奮闘する中で「え、これって〇〇だったの?!」と感じたことを綴っていきます。そう、既に子どもを育てている方々には当たり前でも、自分が当事者にならなければ、知る由も無い!ということって意外と多かったんです。もちろん、現在も手探り状態で知らないことだらけですが…。田舎での子育てってどうなの?って思っている方や、これから子育てをしていこうという方へ、少しでも参考になればと願っています。
妊娠発覚は突然に
私の妊娠が発覚したのは2017年の6月のこと。2016年の7月に入籍をしてからまもなく一年というタイミングでした。
予定日を過ぎても生理が来ないなとは思いつつも、ドキドキしながら検査薬を使っても反応無し。次の週も陰性。いつもの生理不順かな、と思っているうちに3ヶ月が過ぎ、これはさすがにまずいと思い出し、気は進まないものの、婦人科に行って、ホルモン剤でも出してもらえば生理来るかな、という気持ちで南三陸病院の婦人科を受診しました。
ちなみに、南三陸病院では婦人科は常勤の医師はおらず、金曜日に非常勤の先生が診察に来てくれています。
診察してくれたのは、若めの男性のお医者さん。簡単な問診のあと内診をして、淡々と一言。
「あー、妊娠してそうですねー」
「え??妊娠してるんですか?」
思わず、そんなはずはないとばかりに聞き返してしまう私。ドラマでよく見る、「おめでとうございます、ご懐妊です」「….!!(涙)」のようなシーンとは程遠い妊娠発覚でした。
その後、モニターを見せて、「これが胎のう。心拍もありますね」と説明されました。「大きさからして、8週目くらいでしょう。2週間後にもう一度来てもらって、予定日を確定させましょう。12週目までにはどこで産むか決めてくださいね。」
決断はすぐに迫られる
そう、自分が妊娠したという事実に驚いている間にも、この瞬間から様々な決断を迫られることになります。
仕事はどうする?
報告はどうする?
今月予定してた沖縄旅行はどうする?
どこで産むって、どこ?
いろんな考えが頭を巡って、嬉しいという感情が追いついてこなかったのですが、とりあえず夫にラインで報告してから、夫の仕事場に行き、大汗かいている彼の顔を見て、ようやく赤ちゃんができたんだなという気持ちが湧いてきたのを覚えています。
前述のとおり、南三陸病院には常勤の産婦人科医はおらず、分娩施設はありません。(でも、頼りになる助産師さんは常勤でいます!これはまた別記事で詳しく)そのため、プレオープンという制度をとっていて、石巻赤十字病院か気仙沼市立病院で出産する場合は、検診のうち約半分を南三陸病院で受けられることになっています。あるいは、登米市や気仙沼市にある個人経営の産院を希望する場合は、その産院にすると決めた時点から、そちらで検診を受けることになります。
また、里帰り出産を希望する場合は、実際に出産する病産院はもちろん、里帰りするまでの間、どこで検診を受けるかも決めなければなりません。そう、この1.里帰りするかしないか 2.どこの病院で診てもらうか という結構大きな決断を、妊娠発覚してからまぁまぁ早いタイミングで決めなければならないのです。
ちなみに、私が受診した妊娠8週目というタイミングは遅いほうだと思います。
私は生理不順が重なったので、妊娠検査薬を使うタイミングが悪くて反応が出なかったのですが、今時ほとんどの人は検査薬の陽性反応を見て病院に行くと思うので、早くて4週目くらい。ただ、それだと心拍が確認できなくて、「来週また来てください」となることも多いようで、結局妊娠確定するのは6週目以降の場合が多いようです。
私もそのくらいのタイミングで受診してれば、もうちょっと余裕をもっていろいろ決められたかなぁとも思いつつ、妊娠してるかどうかの判断で2週間待たされたら、その間、そのことばかり考えてしまって、仕事も手につかなかっただろうな、とも思ったり。
さて、そんな感じで妊娠したと分かった私がどういう理由で産む場所を決めたのかは、次回の記事で詳しく書いていきたいと思います。