「ジュニアリーダー(JL)」という言葉をご存知でしょうか?大きな声での挨拶、ゲームをしてくれたり、子どもたちのお世話をしてくれる元気一杯のお兄さんお姉さん。地域の大人と子どものパイプとなる大事な役割を担っています。そんなジュニアリーダーについて、担当の南三陸町教育委員会生涯学習課・大塚茂之さんに話を聞いてきました。
宮城県が発祥の地?!ジュニアリーダーとは?
ジュニアリーダーという言葉をご存知でしょうか?
ジュニアリーダーとは、子ども会活動を中心に地域活動を行う青少年ボランティアのこと。宮城県が発祥の地とされていて、青少年教育の一環として、現在では全国に広まっています。しかし、設置していない自治体も多く、まだ知らない人も多いとのこと。
とくに東北地方はジュニアリーダー活動が盛んで、なかには震災によって、活動拠点がなくなったり、子どもの減少を理由に活動を休止している団体もありますが、宮城県内には66団体ものジュニアリーダーサークルがあります。
南三陸町には「南三陸町ボランティアサークル(MVC)ぶらんこ」というジュニアリーダーサークルがあります。町の合併前、旧志津川町には「ありんこ」、旧歌津町には「どろんこ」という2つのジュニアリーダーサークルがありました。平成17年の両町の合併に合わせて、2つのサークルも1つになることになりました。サークル名は、どちらも似たような名前だったことから、「ぶらんこ」という名前をつけたそうです。
中高校生が活躍!子どもと大人のパイプ役に
ジュニアリーダーは、主に中学1年生から高校3年生が活動中。自治体によっては、小学5・6年生から活動に参加している団体もあるとか。南三陸町では、ジュニアリーダーになるためには、夏に行われるジュニアリーダー初級研修を受けなければなりません。2泊3日の研修の中でジュニアリーダーの基礎を学び、研修終了後、はれてジュニアリーダーとして活動することができます。
現在MVCぶらんこでは、29名の中高校生が活躍しています。中高校生は部活や勉強と両立させながら日々活動しています。
地域の大人と子どもを繋ぐパイプのような役割が、ジュニアリーダーに求められる役割です。ジュニアリーダーが子どもたちと遊んだり、お世話をすることを通して、地域の大人たちとの架け橋となることを目指しています。
子どもたちと交流するためのツールとして大切なのが、レクリエーションやハンドゲームなどのさまざまな遊び。ジュニアリーダーは研修会へ参加することで、さまざまなレクリエーションの知識や技術の習得をしているのです。
震災の影響を受けて子ども会活動が減少・・・
「震災前後で子どもたちの遊びや活動に変化がある」と生涯学習課の大塚さんは話します。
震災前は、季節ごとに各子ども会で芋煮会やクリスマス会など活動されていました。震災の影響により、それまでの地区がバラバラになったり、子どもが少なくなったりと要因が重なり子ども会はほとんど機能していません。
しかし、子ども会活動は減ったものの、志津川自然の家オープンデーや南三陸わらすこ探検隊など多くの団体によるイベントや活動がされるようになりました。町内のみならず、毎年秋に気仙沼本吉で行われる、わくわくキッズランドへの参加や町外ジュニアリーダーとの交流も盛んに行われています。
新たなコミュニティ形成の架け橋に
大塚さんは「活動の中で同世代との交流だけでなく、町の職員やOB・OGなど多くの人に関わることができる。その中で人との接し方などを学び、自然と身につけている。とても貴重な経験で将来につながる」と話していました。
大塚さん自身、初めてジュニアリーダーに会った時、拒むことなく“輪”の中に迎え入れている、どんな人でも受け入れていると感じたそうです。「大人になってもそう簡単にできることではないのに、自然にできるのはすごい」と話されていました。子どもたちにとっては、ジュニアリーダーが学校や家庭でもない、居場所やよりどころの役割を持っているようです。
今後、ジュニアリーダーは復興していく中での地域活動、コミュニティ形成に重要な役割になってくるかもしれません。どんな人でも同様に接することができる子どもたちだからこそ、“人と人”を繋ぐことができ、新たなコミュニティ形成の橋渡しとなることでしょう。
これから、季節イベントも増えていくと思います。どなたでも要請できますので、ぜひジュニアリーダーを活用してみて下さい!
ジュニアリーダー要請・お問い合わせ
南三陸町志津川公民館 0226-46-5103