2016年7月より台湾の台南・高雄の4大学からインターン生がやってきました。リャオ・ツーユンさんは8月から9月にかけて観光協会で働いていた最後の修了生。9月30日に行われた成果報告・修了式のレポートです。
ミッションは台湾向けプロモーション&受け入れ準備
台湾からのインターン生は総勢19名。観光協会で12名、ホテル観洋で7名を受け入れ、それぞれ1~2か月滞在していました。
そもそも、台湾とのつながりを考えるきっかけとなったのは震災で受けた大きな支援。新しい南三陸病院と総合ケアセンター南三陸の建設費の約4割である22億円ほどが台湾からの寄付だということは南三陸では有名な話ですね。
このご縁をより深めていくため、南三陸町では台湾からの修学旅行・企業研修の誘致や受け入れ体制整備を進めようとしています。
リャオさんは交換留学で福井大学に通っている4年生です。台湾の大学のホームページを見てこのプログラムに応募し、福井の大学の夏休みを利用しての滞在しました。
レンタルサイクルコース、指差し会話帳など エンジョイ!企画が次々と
成果報告会ではリャオさんたちが手がけたたくさんの企画が紹介されました。その一部をご紹介!
◎その1 レンタルサイクルコース
海外旅行客にとって最も大きなハードルの1つは交通手段!異国の地でレンタカーを借りるのはあまり現実的ではありません。今後、町の整備が進めば、自転車で色々な所を楽しんでもらえるのでは?というところから、リャオさんたちは町中を自転車で散策し、「シルクコース」「山散策コース(オクトパス君コース)」「入谷満喫コース」「海散策コース」「モアイ発見コース」の全5種類のコースを発案しました。
◎その2 台湾向けノベルティ(プチお土産)「まゆみくじ」
今後、台湾でプロモーション(広報活動)を行う時に配布するノベルティ(プチ土産)の企画も行いました。南三陸の伝統産業のひとつ「繭」に着目し、繭玉に南三陸にちなんだ内容の中国語のおみくじを入れて「まゆみくじ」を企画しました。
台湾人はノベルティをもらうのが大好きで、他の自治体でもペンやクリアファイル、ピンバッチなどそういったものをかなり配っているそう。せっかくなら南三陸らしいノベルティを!とリャオさんたちから提案があり実現したそうです。
◎その3 指差し会話帳
日本語と中国語が対になって掲載されていて、指を指しただけでしゃべれなくてもコミュニケーションが取れる指差し会話帳を開発!今後、中華圏からの観光客や民泊を受け入れるときには大活躍間違い無しです!民泊でお母さんたちが必要な言葉や観光客が使う言葉がピンポイントでピックアップされている使える1冊に。
その他にもたくさんの成果が発表され、リャオさんは「とにかくエンジョイ!」だったと笑顔で振り返りました。
観光協会総務企画部チーフ及川和人さんは「台湾の若い学生さんの目線でプロモーションの幅がぐっと広がり、台湾人の好むプレゼンテーションについてもたくさん教えていただきました。私たちが気付かないところまで考えてくれたところがありがたかったです」とコメント。
家族の温かさを知った民泊体験
リャオさんは2ヶ月の滞在中、民泊体験プログラムを通して町内にお住いの阿部高江さん(68)宅で過ごしました。台湾の自分の家族仲は良くなく、いつも部屋に引きこもって一人で過ごしていたそうです。7人家族の阿部さんの家で、お母さんの美味しい手料理を囲んでたわいもない話をする日々の中で、家族の温さを初めて知ったとリャオさんは言います。
修了式ではこんな一コマがありました。
阿部さん「ツーちゃんはもうすごい優しくておとなしくて、1人で部屋にいることも多かったけど、ツーちゃん、梨むいたよーとか、ぶどう食べるー?とかって声をかけて、ね。そんなことしながら親にも兄弟にも相談できないって言って私たちと一緒に11時頃までしゃべったこともあったね。(目に涙を浮かべながら)また帰っておいで」
リャオさん「お母さん本当にたくさんのことを教えて頂いてありがとうございます。いつも部屋に引きこもっていましたけど、ちゃんと家族として愛してくれて、本当にありがとうございます。必ず帰ってきます」
阿部さん「はい、帰っておいで、いつでもいいからね、何かあったら電話ちょうだい」
南三陸交流大使に任命
インターンはこれで終わりますが、リャオさんの活動はまだまだ続きます。これからは南三陸交流大使として、南三陸と台湾の架け橋となってくれることでしょう。
リャオさんは交換留学先の福井に戻りました。4月からはまた台湾に。
卒業後は日本語に関する仕事に就きたいと意気込みを伝えてくれました。今後の活動も応援してます!