学生主催の「南三陸スタディツアー」で感じた“学べる町南三陸”とは(後編)

2370

大正大学の学生が自主的に企画・運営して実施した「南三陸スタディツアー2023~持続可能な取り組みを学ぶ旅~」。前編では全体の概略をお伝えしてきましたが後編ではそれぞれのチームがどんな活動を展開し、どんなことを感じたのかを各チーム代表に投稿いただきました。

 

南三陸×仕事×海森=?? ~仕事班~

南三陸でまちづくりを進めるにあたって欠かせない海や森の環境を漁業と林業の視点から学習をしました。ASC認証(養殖水産物の国際認証)FSC認証(適切な森林管理の国際認証)の両認証を果たした世界初の自治体として、どのような人たちによる想いや取り組みがこれまであったのかを、学生目線から学び、考えました。

戸倉地区で行われている牡蠣養殖産業について、後藤清広さん、伸弥さん親子からお話を伺いました。震災前、これまで県内で一番品質が悪いとされていた牡蠣も震災をきっかけに、現在はASC認証を取得するにまでに品質の改善がありました。変化の間で起きた合意形成に苦労した話も、お聞きすることができました。なかでも「悪い物だけ見ても良い物は分からない」という言葉は印象強く、自分や現状を知るには周りからの判断や観察がものさしの1つになるのだと学びました。

YES工房の代表理事である大森丈広さんから間伐材を利用したスプーン作り体験と木材加工をする立場としての林業を語っていただきました。体験を通して、間伐材はその辺にある石ころに似た認識でありましたが、実際に磨き、削り、なめらかにし、形になることで、価値あるものへの変化を実感することができました。大森さんは「触れることが大切である」と度々口にしており、触れることによって新たな気づきや感覚が芽生えるということを指していたのだと学びました。

見て触れて学ぶまちが南三陸町の強みであり、今回お話を伺った3人の方は仕事に向き合う中で考え、学び続けている印象を受けました。所感にはなりますが、仕事は学びの連続であると感じました。そして、学びは生涯を通してできる遊びのようなものであり、そうしているとワクワクしますし、おのずと成長していくのではないかと考えました。仕事に対する新たな考えが生まれた活動であったと感じました。

寄稿者・宮原咲也佳

大正大学社会共生学部公共政策学科3年。幼少期は近所の山や川での遊びを好んでいたため、アクティブな活動に抵抗はない。南三陸町に足を運ぶのは2回目で、前回は「被災地・南三陸」として自分の目で見てみたいことから。今回は、自身が専攻している自然環境保全の視点から、「自然共生のまち・南三陸」として活動を全うした。雪や海を見て童心に戻った自身のように多くの人が自然に触れ、感動してほしいことが願いである。山梨県出身。

過去から今、そして未来へ繋げる 〜伝統班〜

私たちは南三陸町で脈々と受け継がれている伝統芸能に焦点を当てて活動をしました。

ひころの里シルク館ではまゆ細工体験をしながらスタッフの田中さんに養蚕やまゆ細工の現在についてのお話を伺いました。養蚕業界の厳しい現状についてのお話とその中でも明るく希望を持って作品づくりや後継者の育成などの活動をされている姿が印象的でした。

上山八幡宮では禰宜の工藤真弓さんに伝統芸能のキリコについてのお話を伺いました。東日本大震災の前後でキリコに対しての認識に大きな変化があったことやその変化を受けた上で現在行なっているキリコを伝える活動についてお話を聞くことができました。震災を通して多くのものを失ったことで逆に得られたものがあるというお話からは、何かが「ある」という状態は当たり前ではなく、「ない」ことが意味を持つこともあるのだと学ぶことができました。

今回お二方のお話を聞いて、伝統を受け継いでいくことは大切であるが、形骸化してしまってはいけないのだと感じました。物事の表面だけを見るのではなくその中身にまで関心を持つことができる人間になりたいと思いました。

寄稿者・藤枝陽菜

大正大学表現学部表現文化学科4年、茨城県出身。最近よく感じるのは世の中はやってみたいことや行ってみたい場所で溢れている!ということ。大学1年生の時、友人に誘われ南三陸町で行われた防災がテーマのツアーに参加したことがきっかけで興味関心を持つ。震災・防災の観点から学びを得ることはもちろん、食や町並みなど行くたびに大きな変化を遂げている南三陸町を全力で楽しんでいきたい。

人々の暮らしといのちめぐるまちに迫る…! ~生活班~

生活班は、南三陸町の地域コミュニティを学ぶため生活に焦点を当てて活動しました。

南三陸まなびの里いりやど館長の阿部忠義さんのお話では、入谷地区の地域性や暮らしについて学びがありました。結と呼ばれるお互いが恩を送りあう地域性があり、かつてから深い繋がりが発揮されてきたことが分かりました。

上山八幡宮の禰宜である工藤真弓さんには、めぐりん米を中心とした町の人の繋がりについて伺いました。子どもから大人までみんなが協力して資源を循環させることで、いのちめぐるまちになっていることを実感しました。また、被災時に町の方々が集まり拠り所となっていたことは、地域コミュニティを形成するうえでとても重要であることを学びました。

また前日の降雪がきっかけで、ひころの里で雪かきのお手伝いをさせて頂きました。作業のなかで、雪はあまり降らないものの、昔からご近所同士で一緒に雪かきをすることがあったというお話を伺えました。思いがけない交流が嬉しかったとともに、予想以上の大変さを学べた貴重な経験でした。

寄稿者・蟻坂泰心

大正大学社会共生学部公共政策学科3年。2年次の実習で初めて南三陸町を訪れ、行政と暮らしの両面で町に興味を持つ。約1年ぶりに訪れた今回のツアーでも、温かく接してくれる町の皆さんに感無量でした。人情あふれる実家のような安心感のあるまちは、かけがえのない私のアナザースカイ。これからも様々な人を巻き込んで関わりたいですし、個人的にも全力で観光しに来たいです!

いいね!して
南三陸を応援

フォローする