震災から10年の絆の証。松原公園に新たな憩いの場「レンドリーステラス」誕生。

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震災直後から南三陸町に多大なる支援・サポートをいただいていたレンドリース・ジャパン株式会社から、移転復旧した松原公園に「あずまや」を寄贈いただきました。震災から10年の絆の証として町民の憩いの場が誕生しました。

松原公園に整備された「あずまや」

2019年夏に志津川中学校下に移転復旧した松原公園。野球場と陸上競技場、遊具も置かれ、スポーツ少年団や部活動の練習や試合、そして地域住民はもちろん、ペットを連れた散歩コースとしても人気になっています。

そんな松原公園の野球場と陸上トラックの境界に大きな三角形の「あずまや」が誕生しました。長さ約30メートルもある大きな「あずまや」は日光を遮って休憩するほか、中央の中庭からは2階の展望デッキに登って、南三陸町の景色を楽しんだり、野球場や陸上競技場で行われる試合を眺めることもできます。

「レンドリース テラス」と名付けられたこの「あずまや」は、建築コンサルタント業を行うレンドリース・ジャパン株式会社が整備し、南三陸町に寄贈いただきました。

600名以上が南三陸を訪れ、様々なサポートを行った10年間

レンドリース・ジャパンと南三陸町の出会いは2011年の震災直後までさかのぼります。

東日本大震災発生直後、南三陸町へ救助隊を派遣するなど様々な支援活動を行ったオーストラリア政府を後方支援するため、レンドリース・ジャパン株式会社代表取締役社長のアンドリュー・ガウチさんがオーストラリア大使館職員と共に南三陸町に入りました。

「その当時の状況を目の当たりにして、東北の人々が直面している困難な状況を乗り越えるために、可能な限りのことをしたいと強く思いました」とアンドリューさんは当時を振り返ります。

以降、震災復興支援としてオーストラリア・ニュージーランド銀行が南三陸町に寄贈したオーストラリア友好学習館(通称コアラ館)の建設時に設計支援を実施。

2013年からは「南三陸サポートプロジェクト」として、3~4ヶ月に一度の頻度で社員やその家族、関係者らが南三陸を訪れボランティア活動や交流活動を行ってきました。

南三陸での活動は、語り部による町の被災状況や復興の様子を視察するほか、漁業支援や、林業体験、間伐材を使ったモノづくり体験、仮設住宅での地域住民との交流会、コアラ館の花壇整備など多岐にわたります。

「震災から10年という月日が経ちます。合計24回、600人を超えるスタッフ・家族がボランティア活動をしてきました。何年もかけて信頼関係が構築されて、私たちを温かく迎え入れてくれた南三陸町のみなさんとの関係は私たちにとってかけがえのない財産となっています」(アンドリューさん)

コアラ館の前にある花壇を整備するレンドリース・ジャパンのみなさん
町内各地でフィールドワークを実施しました

「回廊型」「展望デッキ」「町産材」がコンセプト

「震災から10年を迎えるにあたり、地元のみなさんに少しでも楽しい時間を過ごしていただける場所を作りたい、との想いでレンドリーステラスを計画しました」と話すアンドリューさん。

社内で設計コンペをして決まったというデザインは、あずまやとは思えないほど大きく、様々な機能が期待できるものとなりました。

「南三陸サポートプロジェクト」事務局のレンドリース・ジャパン株式会社の岡村一二さんはレンドリーステラスのコンセプトは大きく3つあると話します。

1つが「回廊型」であること。たんに休憩するだけではなくて、マルシェを開催したり、トレーニングで使えたり、さまざまな可能性がある場所となっています。

2つ目がシンボルとなる「展望デッキ」を有すること。大人15名まで登ることのできる高さ約5メートルの展望デッキからは東には志津川湾が見え、松原公園で行われるスポーツの観戦にも最適な場所となっています。

そして、3つ目が「南三陸産材」を使うこと。地元材を使用し、地元の建設会社が施工を担うことで、これから先もメンテナンスをしながら長く地元で愛される建物となることを目指しています。

イベントなどにも使い勝手の良いデザイン
大人15人が登れる大きな展望デッキ

「レンドリーステラスで待ち合わせしよう。レンドリーステラスでお弁当食べようよ。と町民の方の身近な存在になって、気軽に呼んでいただけたらうれしい」と岡村さんは話します。

震災直後から、レンドリース・ジャパンの皆様には大変お世話になりました。

新しく寄贈いただいたこのレンドリーステラスで、これから先の長い将来にわたって、町民が自然と笑顔になる時間をつくるのが最大の恩返しとなるのかもしれません。散歩がてら、遊びがてら、気軽に立ち寄ってみてください。

佐藤仁南三陸町長(左)とレンドリースジャパン代表取締役社長・アンドリュー・ガウチさん(右)

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