東京で南三陸を知るきっかけに!一日限りの食堂オープン

3261

11月11日に東京浅草橋のゲストハウス「Little Japan」にて、「きっかけ食堂@東京vol.20~秋の味覚大集合!南三陸!~」が開催されました。企画する「きっかけ食堂」のメンバーに話を伺いました。

毎月11日に東北食材を食べる「きっかけ食堂」

東京の下町浅草橋。「地域と世界をつなぐ」をコンセプトにしたゲストハウス「Little Japan」の1階にある「Cafe&Bar」にて、毎月11日に東北の食材を扱ったイベントが開催されています。11月11日は南三陸がテーマに食材がズラリ。店内には30名もの参加者が集い、交流を図ったり、美味しい食材に舌鼓を打ったりしながら思い思いの時間を過ごしていました。

会場となっている「Little Japan」

「きっかけ食堂」は「東北の食材を使った料理やお酒を提供し、その味を通して、毎月11日だけでも東北や震災について考える“きっかけ”を作りたい」との想いで2014年5月に学生3名(当時)で立ち上がった団体です。

以来継続して活動を展開。現在では、京都・東京・愛知・仙台・大阪・島根・徳島・千葉の8ヶ所で毎月11日に食堂を開いています。

「生産者の魅力やストーリーを伝え、食べる人と生産者がつながる“きっかけ”を作ること。またお客さん同士が共通の話題をもってつながる“きっかけ”を作ること。それが私たちの狙いです」と話すのはきっかけ食堂代表の原田奈実さん。

この日も、毎月足を運んでくれるリピーターから初めて訪れたというお客さん、年代も大学生から社会人までさまざまな年代が集まった会場を見まわしながら、目を細めます。

「きっかけ食堂」の運営メンバー。右上が代表の原田奈実さん。(写真提供:きっかけ食堂)

「大好きな南三陸を東京で発信したい」

今回の「南三陸」企画を中心となって実施したのは、大正大学地域創生学部3年生の那須彩乃さん。大学1年生のときに、大学のプログラムで宮城県南三陸町に約40日間の長期実習で町に滞在して以来、大学が主催するツアーや、イベントのお手伝いのみならず、旅行としても南三陸を訪れるなど3年間で10回以上は足を運び続けるほど関係性を築いてきました。

大学の友人と南三陸のイベントボランティアに参加したときの様子

「繰り返し南三陸に訪れるなかで、南三陸が第二のふるさとのような感覚となっていきました。今暮らしている東京で、大好きな南三陸を発信することができないか?と考えるようになっていきました」
そんななか出会ったのが、東北の食材を提供して東北を知るきっかけを作る「きっかけ食堂」でした。

「私自身も東北の“食”が大好きで、“食”はその場所の魅力を伝えるのにとてもよいツールだと感じており、メンバーになることにためらいはありませんでした」

那須さんは、今年の秋も長期実習として約40日間南三陸に滞在。大学のプログラムと並行しながら現地で開催に向けた調整を続けてきました。

漁師や現地のお母さん直伝の料理でおもてなし

食材は、毎月各地の生産者から直接仕入れ、メンバーが調理を行います。

「11月の南三陸ということで、すぐに秋鮭が思い浮かびました。南三陸を代表する食材である秋鮭をどのように調理して提供するか、という点も実際に秋鮭漁を行う漁師さんと直接お話しをして決めていきました」

わかめやホタテ、タコ、ムール貝など南三陸を代表する食材で貫くというこだわりを実現できたのも、何度も南三陸町に足を運んでいたからこそ。

漁師の小野具大さんから仕入れた秋鮭をムニエルで。
金比羅丸の高橋直哉さんから仕入れたホタテを刺身で。
南三陸ワイナリーが手掛けた「DELAWARE 2018」と地元のお母さん直伝のおつまみ「ピンチョス」

「このとき、旬な海鮮はなんですか?と何人もの漁師さんに聞いて回った結果です」と話す那須さん。

「今回、震災後の取り組みで生まれている『南三陸ワイン』を仕入れたのですが、それに合うおつまみを、“南三陸のお母さん”と呼べるような方に教えてもらったりしました。今回のイベントを企画していくなかで、これまであまり多く話すことのなかった漁師さんなどとたくさんお話しをしました。何度も南三陸に訪れいている私自身もたくさんの“きっかけ”を得られたイベントとなりました。鮭を仕入れることを決めても捌いたことすらなかった私に、漁師さんが実際に捌き方を教えにきてくれたり、このイベントを実現するためにたくさんの方の協力がなければできなかったので南三陸の方々には感謝しかありません」

魚の捌き方を教えていただいたという井尻一典さん(右)と高橋真策さん(左)

考え抜いた料理の評価も上々。会場あちこちから「おいしい!」「もっと食べたい」などの好評の声が上がっていました。

「これからも大好きな南三陸を発信していくために頑張っていきたい」と意気込んでいます。

いいね!して
南三陸を応援

フォローする