人を「結」ぶ拠点「結の里」1周年

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子どもから、高齢者まで誰でも気軽に集いふれあえる「みんなの居場所・ささえあいの拠点」結の里は4月で1周年を迎えました。1周年イベントには多くの来場者が集い、住民からも「この施設があってよかった」と喜びの声があふれていました。

「みんなの居場所・ささえあいの拠点」としてオープン

2018年4月1日の施設開所、そして4月27日に落成式が行われた「結の里」。

東日本大震災からの復興事業が進むにつれ、多くの住民が新しい環境での生活を始めています。2017年度にすべての整備が完了した災害公営住宅では、その多くがマンションタイプとなっています。これまでの生活から大きな変化を余儀なくされる新たな暮らしでは、周りに知り合いのいない高齢者や子育て世代の孤立化などの問題が懸念されていました。

そうした背景もあり、町内でも最も大きな高台移転団地となり、病院や役場が近いために高齢者がとくに多く入居している志津川東団地地区に、高齢者の在宅生活を支える介護サービス機能とともに、子どもから高齢者まで、町民の誰もが気軽に集い、地域での支え合い、助け合いが広がっていくような「みんなの居場所・ささえあいの拠点」が生まれました。それが「結の里」です。

施設の半分にはデイルームやデイサービス浴室などからなる定員17名のデイサービスセンター。残り半分は「えんがわカフェ」と名付けられたカフェラウンジ、社会福祉協議会のスタッフが常駐する「ささえあい支援オフィス」などが入っています。

「手と手を結ぶ 笑顔を結ぶ 心を結ぶ」という意味が込められた「結の里」。一年前の開所式の際、佐藤仁町長が「全国的にもあまり例をみない複合施設。これからの展開に期待したい」と述べたとおり、一年間でさまざまなチャレンジと取り組みがこの場所で生まれました。

右側に見えるのが「結の里」。向かいは、マンションタイプの災害公営住宅

賑わいを見せた一年間

いつでも誰でも気軽に立ち寄ってお茶っことおしゃべりを楽しめる場として期待されていた「えんがわカフェ」には、子ども連れのママさんが集まり、ママ友の交流の場に。さらにデイサービスに通う高齢者も交じって交流するなど、目標としていた多世代交流が自然と生まれています。

月に1回開催されていた「みんな食堂」では、子どもから高齢者まで地域の人々が集い、ともに夕食を作り、食卓を囲む姿が見られました。

また、公営住宅の中庭で開催された「走らないミニ運動会」や、集会所で開催された「映画祭」などさまざまなイベントがスタッフそして住民で構成される実行委員会で企画され、一年間を通じて盛り上がりを見せていました。

平成最後の夏、おどれ!!結の里で。

結の里・みんな食堂、開店。40名以上が集い、カレーづくりで交流。

かつて志津川にあった映画館が「新志津川みなと座」として一日限りの復活

「繋」Tシャツを着用する社会福祉協議会スタッフ。まさしく住民同士を「繋」げるのに欠かせない存在だ

老若男女が集った1周年イベント

桜も満開となった春の暖かな陽気のなか、「結の里1周年イベント」が4/21に開催されました。

「高齢者から子どもたちまで1年間の間大変多くの方にご利用いただけたことに感謝申し上げたい」と南三陸町社会福祉協議会会長阿部東夫さんは挨拶を行いました。

向かいにあるあさひ幼稚園の園児たちや地域住民が協力して作り上げた手作りの看板もお披露目されました。「結」の文字のなかに含まれている「糸」を藍で染めて、一つひとつの文字を作った、世界にひとつのオリジナルの看板です。

また志津川中学校の生徒が考案したオリジナルのキャラクターも発表されました。「地域の支え合いをモチーフにした」というように、結の里のコンセプトにぴったりのキャラクター。今後のイベントにも大活躍することでしょう。

「今日も多くの方に集まっていただきうれしい限り。子どもたちもいて、高齢者もいて、当初描いたとおりの多世代交流ができているように思います」とうれしそうに会場の賑わいを見つめる阿部東夫会長。今後の展開について伺うと「東団地に住む住民以外はなかなか集まりにくいというのが現状です。入谷や戸倉、歌津の住民なども足の問題が大きいとはいえ、集えるような工夫をしていきたい。またこういった場に出てくるのはやはり女性が多いので、男性高齢者が集まれるようなことも企画していければ」と話していました。

この場所でこれから育まれる「結」。住民とともに、居心地のよい居場所を目指して、これからも歩みを続けていきます。

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