田束山マイスターへの道

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海に向かってそびえる田束山(たつがねさん)。
山頂の海抜512m、なだらかな登山道とツツジを始めとした自然の景色が楽しめる
町内でも指折りの観光名所です。


その田束山、一方で奈良・平安の時代にこの地を栄えさせた金山であり
“霊峰”と謳われる神秘の山でもあります。
奥深い歴史は生半可な知識では語れそうにありません。
まちのなか大学『田束山マイスター養成講座』に参加して参りました。


3月31日という年度替わりの日でしたが、席は10数名の受講者で埋まっていました。
講師は歌津地区出身の小野寺寛さん。
炭焼きをしていたお祖父様に連れられ、幼少のころから田束の山々に触れて育ったという方です。

「田束山は豊富な水脈を持っています。
 水があれば田ができ、家や集落ができる。
 そこに修験者が訪れたのが1200年前です。
 金の採取で更に人が増え、仏教が広まりました。
 そして金が採れなくなるにつれて人里と寺院は低地へ移っていきました。
 文化は山から伝わったんです。」(寛さん)

歌津や三陸周辺の地名の由来、源平の攻防と山々の関係。
およそ1時間半の講義には他では得られない知識が詰まっていました。
実はそこが、寛さんが現在危惧する問題でもあります。
田束山の語りべが少なくなっているのです。

受講者には講座を通し、まずは田束山の魅力を知ってもらいたいと話す寛さん。
初回は座学、続く4月・5月の回では実地で山を学び、
全3回の講座で田束山の案内人としての知識が身に付けられるとのこと。
更に5月末からは、受講者が実際に観光ツアーのガイドを務める予定だそうです。
つまり受講開始から2ヶ月でお客様の前に出るということです。

思わず怯んでしまいそうですが、田束山にはそれでも知りたくなる魔力があります。
竜神の化身とも伝えられる田束山。
実際に不思議な力を持っているに違いありません。

■まちのなか大学 田束山マイスター養成講座
http://www.m-kankou.jp/event/15903.html/
次回第3回 5月9日(土)13時~16時

(日比谷)

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