震災で感じた食の大切さを伝えたい/内海明美さん

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国道398号線沿いにある「コミュニティ・カフェ こもんず」。店長を務めるのは内海明美さん。震災前は設計事務所に勤務していたが、大震災で食の大切さに気付き震災後は飲食業を営んでいます。震災から8年たった今もその想いは、変わらず町内での食育活動に力を入れています。

震災を通して感じた、食の大切さ

国道398号線沿いにある、こげ茶色をした木造2階建てが「コミュニティ・カフェ こもんず」です。低価格でボリュームある食事が提供されていることから、お昼時は賑わいを見せます。店長を務めるのは、内海明美さん。震災前は設計事務所に勤めていました。

東日本大震災で夫を亡くし、自宅も流されすべてを失いました。内海さんは志津川高校に避難。約200~300人の避難者が詰め寄り、「何かしなきゃいけない」との想いで避難所運営に尽力しました。もちろん一人で出来る訳もなく、各分野に詳しい人に協力をお願いすることで、支え合い運営してきました。すべてを失いながらも、避難所運営に奔走するなかで食の大切さを実感したと話します。

大震災から月日が経ち、それぞれ次の避難所へ移ることに。気づけば協力して運営してきた避難所が、居心地の良い環境になっていたと話します。なかには離れることが寂しいと言ってくれる人もいました。「離ればなれになっても、みんなが集える場所が欲しい」その想いで内海さんは居場所を作ろうと動き始めます。

女性1人でも気軽に入れるお洒落な店内。

“こもんず“ みんなが気軽に集える場所!

震災から程なくして住民の人達が気軽に集える場所として、カフェ営業を仮設店舗でスタートさせました。ボランティアの受け入れもすることで、地域住民のみならず住民とボランティアの出会いの場所を目指して活動してきました。そして2014年にリニューアルしてオープンしたのが「コミュニティ・カフェこもんず」でした。コモンズ(Commons)とは、「共有の場所、集える場所」という意味があります。支援をきっかけに仲良くしている人が、内海さんの活動を見てcommonsと名付けました。

仮設店舗から現在営業している店舗で営業をスタートさせたのは2016年7月でした。店舗は前職の繋がりを活かし、伝統的な木造建築工法である板倉工法で建設しました。外装は塗装し、店内の照明や小窓には琉球ガラスを使用、瓦も赤い瓦を使うなど隅々まで工夫が施されています。

木の香りと温もりが出迎えてくれ、照明に使われている琉球ガラスがお洒落な雰囲気を出しています
店主オススメは最近リニューアルしたタコライス。開店当初からある看板メニュー

食の大切さ伝えたい!町内で食育プログラム開催

震災を機に感じた食の大切さを忘れず、活動している内海さん。一昨年からはカフェの営業時間外を活用して、町内での食育プログラムに力を入れています。料理せずとも食事を取ることが出来る社会になったことから、食への関心が薄いと感じている内海さん。なんとなく食事を取ることができれば良いではなく、原材料や食事バランスに少しは関心を持ってほしいと話します。また食への関心の低さからか、料理ができない人が増えているように感じています。「人間にとって大切である食への関心が疎かになってはいけない」と食への想いを語ってくれました。

そのため、町内で小中学生を中心とした、食育プログラムを開催することに。プログラムを通して、食べることや料理に興味関心を少しでも持ってくれると嬉しいと話していました。おととしから本格始動し、料理教室を何度か開催。去年からは食材を育てる所からや、作る所から始めるプログラムを実施。町内の体験活動施設協力の下、シイタケ作りや豆腐作りを実施しました。食育プログラムを通して、子ども達に食の大切さを伝えていきたいと意気込んでいます。今年も何度かプログラムの開催を予定しています。

食の大切さと生産者の想い

震災から8年、震災時に感じた食の大切さを胸に今もなお、活動している内海さん。

「料理ができるまでには、いろんな人の想いが込められています。生産者や料理してくれる人への感謝の心は忘れないでほしい」と話していました。

復興と共にコミュニティの再構築が、今課題とされているこの町で“コモンズ”が今後どのようなコミュニティを築くのか。食育プログラムに限らず、どのように食の大切さを伝えていくのか。食への愛情がたっぷりな内海明美さんの今後の活躍に期待が高まります。

インフォメーション

営業時間:11:30~17:00 夜は要予約

定休日:日曜日

お問い合わせ:0226-25-8913

住所:本吉郡南三陸町志津川字廻館100番地9

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