1月8日(日)、南三陸町総合体育館文化交流ホールにて「令和4年度 二十歳の輝き式典」が行われました。本年度の対象となるのは男性59名、女性64名の計123名。振り袖姿やスーツに身を包み、新たな門出を祝し、旧友たちとの再会を懐かしんでいました。
二十歳の門出を迎えた123名
2022年4月に成人年齢が18歳に引き下げられてから初めてとなる成人の日。南三陸町では従来通り20歳を対象として「二十歳の輝き式典」と名を新たにして1月8日(日)に開催されました。本年度の対象者は、男性59名、女性64名の計123名。2020年の新型コロナウルスの感染拡大以降、感染対策の観点から来賓へのご案内は自粛していました。しかし今回は、消毒・検温・換気の基本的な感染症対策を講じながら、コロナ禍以前と同様の規模での開催となり、保護者や来賓も合わせて一生に一度の晴れ舞台を過ごすことができました。
「みなさんが小学生だったとき東日本大震災という未曾有の災害が発生しました。あの日から今日までみなさんにはさまざまな困難があったことと思います。これまでみなさんが経験した数々のできごとや、その時々に感じた思いは、これからの人生において糧になり、日々の自信につながっていくものと思います。
これからの長い人生の道のりにおいては、幾度となく人生の岐路にたつことになります。みなさんはその都度、自ら判断をし、そして悩み、決断をしていくことになります。
もしもこれからの日々において厳しい現実に直面したときには、ご家族や友人、地域の人と過ごした日々を思い出しながら、みなさんがもつ無限の可能性を信じて挑戦をつづけてほしい。
未来に向かって明るい希望を持ち、自ら生き抜こうとする力強さをもって、これからの社会を切り開いていってほしいと思います」
佐藤仁町長は次世代を担う若者に力強くメッセージを送りました。
決意を新たに希望に満ちる1日に
「これからも、人との関わりを大切にし、生まれ育ったふるさと南三陸への感謝も忘れず、ここで育ってきた人間として何事にもくじけず、周りの人たちを笑顔にすることができる立派な社会人になれるよう日々精進することを誓う」と新成人代表の佐藤信太郎さんは二十歳の誓いを述べました。
「この町で暮らしてきたことを誇りに思い、これから挑戦を続けてほしい」
記念講演では『生きる力〜引き算の縁と足し算の縁〜』と題してフリーアナウンサーの笠井信輔さんが登壇。これまでのキャリアについて、そして東日本大震災の取材活動を通して出会った南三陸の人々のエピソードも話しました。
自身ががんを発症して闘病中に寄せられた南三陸の色紙を紹介。「なんて良い町なんだろう。みなさんはこんなに温かい素敵な町に暮らしていることを誇っていいと思います」と涙ながらに言葉を送っていました。
そして笠井さんが入院中に読んだ『鬼滅の刃』の言葉を引用し締めのメッセージとしました。
「入院中に頑張れた精神的支柱となったのは「己を鼓舞しろ」という言葉。自分で自分を励ますということは誰にも文句を言えないこと。人に言われてやるのではなく自分で自分の道を決めて自分でやり抜く、それがこの時代を生き抜く鍵になる。逆境のときこそ、自分の周りのものを取り込みながら前に進んでいくこと。自分で自分を鼓舞しながら励ましながら、次に進んでいくということ。震災の取材をして、がんになってみて学んだこと。それが私の生きる力になっています」
1時間にわたる熱いメッセージの数々は二十歳の節目を迎えたみなさんの胸にきっと響くものだったことでしょう。
混沌とした現代をこれから牽引していく新世代のみなさん。これまでふるさと南三陸で苦楽を共にしてきた仲間と共に羽ばたいていくことを期待しています。節目となる二十歳を迎えたみなさん、誠におめでとうございます。